プチ起業で年収2倍!副業から始めた起業の実例とメリット - 副業体験談(4)

中野貴利人
監修者中野貴利人
株式会社ネットピコ 代表
2023/12/31 更新本ページはプロモーションを含みます

プチ起業で年収2倍!副業から始めた起業の実例とメリット

プチ起業とは本業の会社に勤めながら、副業で起業することです。本業の給与によって生活が保障されているため、プチ起業では短期的な利益を追い求めずに、長期的な目標に向かってストレスフリーで突き進むことができます。

本業+副業から始まったプチ起業
プロ
副業
独立
2018/06/03
中野貴利人
40代 男性
副業歴3年9カ月

本業の手取りは月17万円。支出は「家賃7万円、生活費6万6000円、実家に仕送り3万円、奨学金1万4000円」で月1万円の赤字。そのため、新卒から副業を始め、3年後に本業以上を稼いで、結果的にプチ起業にいたる。

  1. 私がプチ起業をするまでの経緯
  2. プチ起業のメリット5選
  3. プチ起業を成功させる3つのコツ

私がプチ起業をするまでの経緯

副業を始めたくなる

新卒の就職活動するときに「3年以内にノウハウを吸収して転職する」と決めていました。キャリアアップと転職を繰り返し、年収を上げることが狙いです。

ただ、新卒入社した企業では、ホテル・旅館の検索システムの開発と運用をしていましたが、そこではウェブ、プログラミング、システムでそれなりの技術水準が求められ、予想以上に勉強しないと日常業務に支障が出そうでした。

プログラミング経験がゼロだった私は、次第に「3年以内にはとてもノウハウは吸収しきれない」と理解して、転職は一旦意識しないようになります。

今、優先すべきは「本業で得たスキルのブラッシュアップ」と「本業で使うであろうスキルのキャッチアップ」です。しかも、それらは単なる知識ではなく、仕事で使える実践的なノウハウが必要でした。

そこで私は副業を利用することにします。本業で毎日8時間以上も仕事をしていたところ、入社6カ月目には小規模案件を処理できるようになった経験から、私は座学より現場叩き上げのほうが効率的と判断し、副業に興味を持ちました。

副業で悪戦苦闘する

私は入社9カ月目に「ウェブコンテンツの企画、制作、運営して、実践的で学ぶ」ことをスタートしました。ビジネスモデルは「自分のサイトやブログに記事を掲載して、広告収入を得る」であり、勉強と実益を兼ねた副業です。

ただ、すぐに壁にぶち当たります。ある程度のプログラミングができても、HTMLとCSSはまったく別の領域でした。

それ以外でも「マネタイズを前提としたマーケティングスキル、ユーザーの読了率が高い文章力、写真やグラフによる説明力、記事をリリースしたあとのアクセス解析、広告主から特別単価を得る交渉力」なども必要です。

いかに本業の会社でやっている業務が専門的でありながら、狭い領域でルーティンワークをしているかが経験できました。

副収入が給与を超える

ブロガーやサイト制作の副業は、主に平日の出社前と退社後、土日にします。スキマ時間が使える柔軟性はありましたが、すぐに稼げるようになるビジネスではないため、月1万円の副収入が得られるようになったのは、入社1年9カ月目でした。

ただ、その金額を稼げるようになってからは作業量を増やすことを意識して、入社後2年目に月10万円の副収入が得られるようになります。

税務的には一時的な収入である「雑所得」で処理していました。しかし、コンスタントに稼げるなら「事業所得」であり、開業届を出すことで税務署からも個人事業主として認められます。結果的にこれはプチ起業に該当することになりました。

その後もサイト運営を続けることで入社3年4カ月目に本業以上の月収を獲得できるようになります。そこで私は「週2日程度で本業超えの月収が得られるなら、週7日なら月100万円超えるかもしれない」と考えました。

本業で部長会議にかけられる

副収入が本業の収入を超えると、総年収は2倍に増えます。その金額の多さと就業規則の問題が懸念されるため、本業の会社の上司に副業を打ち明け、同時に「このままダブルワークを続けたい」という要望を伝えました。

私の事案は上司から部長、役員へと伝わり、部長会議にかけられます。そして、会社の見解、もしくは処分を待ちました。結果的に会社の判断は「黙認」です。つまり「本件は聞かなかったことにする」という内容でした。

その理由は「本業でその副業が特筆すべき悪影響を及ぼしているわけではない、役職者や社員の一部でも駐車場経営などで副収入を得ている人はいる、その副業が本業の役に立っている」ということでした。

ただし、会社は公に副業を認める訳にはいかないために、黙認となりました。個人的には「副業はプライベートの時間で問題ない」という考えでありながら、寛大な措置をいただいた上司と会社に感謝しています。

起業後に年収が上がる

会社に黙認されてからは、一層副業に注力しました。しかし、副収入が月数万円なら「本業+副業」で両立できていましたが、本業以上に稼ぐ「本業+起業」に昇華してしまったことで、時間と体力的に両立が難しくなります。

結果、入社3年9カ月目でまだ働きたかった本業の会社を辞めました。

退社後の収入は当然のように乱高下しながら、3年間で前年同月比を下回ったのは
1回のみでした。この要因は副業で無収入の期間をすでに経験し、収入がある程度安定してから独立したためであり、プチ起業で金銭的リスクがある程度排除されたことが大きいです。

また、勤務日数を「副業の週2日」から「起業の週7日」にしたことで、独立後1年4カ月目には「週7日÷週2日=3.5倍」の通り、副業時の3.5倍に到達しました。さらに数年経ってもその収入を下回らず、安定的に推移しています。

プチ起業のメリット5選

1

適度な刺激を得られる

仕事が楽しくなくても、自分や家族のために働くことは必要ですし、それなりの収入とやりがいもあります。ただ、年次が上がるほど仕事に物足りなさを感じやすく、達成感や充足感などの刺激が薄れていくこともあります。

この状態は会社員のままでは解決できません。サラリーマン特有の「一気にお金を稼ぐことができない、嫌なことがあっても会社に従う、業務はこなせても技能が身に付きにくい」は、安定的収入とのトレードオフだからです。

もし、それに飽きたなら平日に会社員、休日に経営者がおすすめです。土日のみを起業に使っても「2日÷5日=40%」のスピードは維持できます。これを2年6カ月続ければ、1年間起業に費やした労働時間と同じです。

仮に「1度は起業して自分1人の力で稼いでみたい」人は、まずはテストを兼ねたプチ起業から始めると、日常的に刺激が得られるかもしれません。

2

サバイバルができる

副業とは第2の仕事であり、その中にプチ起業も含まれます。ただ、アルバイトや別の雇用先での労働、フリーランスとして活躍するといった副業とは違い、プチ起業は成功時の報酬が大きく、裁量権と主体性が強いです。

つまり、基本的にはすべてを自分で選択、決定、実行、そして反省をします。それによって会社に依存することなく、厳しい社会で生き残るスキルが身に付きます。

私たちは今後、数十年間働く中で好況と不況を数回経験しますが、好況でチャンスがあったときには自らも参入し、不況で会社が厳しいときは別の事業によるリスクヘッジにシフトすることもできます。

3

金銭的リスクが小さい

本業の収入がある限り、同僚以下の収入にはなりません。プチ起業はプライベートの空いた時間に作業をするため、時間の浪費もないです。やりたいことにまっすぐ挑戦するチャンスがそこにはあります。

起業時の1番の悩みである金銭的リスクが解消できることで、精神的に余裕ができて、冷静な判断力も維持できます。ビジネスそのものに楽しんで取り組めるようになり、それは本業にも相乗効果をもたらします。

4

起業ほど気負いしない

資金調達をする起業では「自己資金を削る、金融機関で融資を受ける、投資家に援助される」などの選択肢があり、いずれも売上と経費のバランス、組織化におけるマネジメント不足など、ストレスが発生しやすい状況です。

しかし、プチ起業で法人化しても、メンバーが自分1人なら気楽です。株主は1人、取締役は1人、社員も1人であり、チームに属さずにビジネスをこなすスタイルはフリーランスと同じです。

基本的には節税対策と信用獲得のために存在しています。また、チームを作った場合でもメンバーそれぞれがプチ起業の意識が持ち、役割分担をしていれば、私たちは気負いすることはありません。

5

起業への最適解である

起業のタイミングに「本業を退職したあと、その業界に転職したあと、起業の勉強をしたあと」を選ぶ人もいますが、それらは時間がかかりすぎます。起業するなら起業そのものを体験できるプチ起業が最適解です。

プチ起業でも起業と同じ体験はできます。会社員では自分が200%の成果を上げても、年収は2倍になりませんが、プチ起業では自分が200%の成果を上げれば、年収が2倍になります。

労働基準法に束縛されることもありません。同僚に気遣いなく労働時間を増やし、会議や承認作業も不要、本業の会社では想像できないスピードでビジネスが進んでいきます。この体験はプチ起業ではないとできません。

プチ起業を成功させる3つのコツ

具体的な目標を決める

具体的な目標を決める

プチ起業には「副収入を得ること」や「自分の力で稼ぐこと」という明確な目的があるかもしれません。ただし、プチ起業を成功させるためには目的とは別に目標が必要です。

目的は達成するべきゴールであり、目標は達成に向けたプロセスです。サイト運営のプチ起業なら「マーケティング講座を受講する、1週間に3記事投稿する、図解で説明するためにIllustratorを使いこなす」などになります。

目的のみを狙うと途中でモチベーションが途切れてしまいますが、目的のために目標を決めると、それを淡々とこなしていくことができて、あとから結果も付いてきます。

私の副業はブログやサイトによる広告収入がメインでしたが、サイトは「お金を生むための仕組み」というよりも「新しい技術力を試した成果」と捉えていたため、副収入が発生しなくても続けることができました。

また、できる限り目標には数値を含めましょう。具体的な数値によって具体的な行動ができるようになり、目標の達成度も図ることができます。本人の欲をタスクに落とし込むことで、モチベーションも上がります。

他人の意見を聞き流す

他人の意見を聞き流す

日本人が「この会社で一生働こう」と考えていることがリスクになり得るこのご時世において、最近は「外資系に転職しよう、休職をして語学留学しよう、脱サラして起業しよう」という人も増えています。

その人たちがターニングポイントに向かうとき、周囲の人たちは何らかのアドバイスをくれるでしょう。例えば、家族や親戚は心配する気持ちを抑えながらも、基本的には応援してくれますし、親しい友人や同僚も「頑張ってこい」と元気付けてくれるはずです。

ただし「失敗するだろう、やめたほうがいい、違う選択肢もある」という否定的なアドバイスも必ず聞くことになります。むしろ「成功しないで戻ってくる」という予想を本人の目の前に突き付けたりもします。

個人的に起業するときも「今は大丈夫かもしれないけど、3年以内にそのビジネスは成り立たなくなる」という悪意のないアドバイスを貰いました。ただ、私はそこではほぼ聞き流すようにしました。

この理由はそもそも他人の意見が役に立たないからです。意見をくれる周囲の人たちは高校や大学を卒業して、新卒で就職したり、1~2回転職している人がほとんどであり、起業したことがない人ばかりでした。

つまり、素人です。何となく想像で言っているに過ぎず、ほぼ参考になりません。本当に有益な意見は「起業で成功した人や失敗した人」の話です。未経験者の「これは失敗するよ」は軽さを感じるだけですが、経験者の「これは失敗するよ」には重みがあり、その詳細を聞きたくなります。

それに私たちに勝ちが見込める戦略はあっても、成功する自信は50%もないかもしれませんし、単純に不安です。そこに否定的な意見をぶつけられるとストレスを感じるため、なるべく避けたほうが無難でしょう。

また、他人の評価も気にしないほうがいいです。他人の発言は当人の承認欲求に過ぎません。人間は臆病で過剰に反応しやすい生き物です。自分が真剣に取り組みをしていれば、周りにどう思われても関係ありません。

短期間の売上を一喜一憂しない

短期間の売上を一喜一憂しない

売上が落ち込んだために将来を悲観したり、減収減益で異常な恐怖感や不安感を覚える人もいます。ただ、トヨタやソニーでさえ、過去最高益を更新し続けることはできませんし、赤字になることもあります。

プチ起業であれば、なおさら浮き沈みは激しいはずです。そのため、単月や四半期といった短期間の売上に一喜一憂することは、さほど意味がないですし、精神衛生上も好ましくありません。

それに売上や利益などは過去の結果にすぎず、その結果にいたった原因や過程のほうが大切です。仮に赤字になったときは、原因を分析して、ビジネスの方向性が改善しましょう。現状把握と将来設計ができるようになると、常にポジティブな状態になり、モチベーションが続くゆえに何度でも復活できます。

加えて、利益が出たときはすべてを投資せずに、ある程度は内部留保に回しましょう。プチ起業では本業の給与があるために、本人の金銭的リスクは存在しませんが、プチ企業のビジネスそのものに資金問題が発生する可能性があるからです。

ビジネスの戦略と骨格が完成し、実行段階に移して、売上が順調に伸びても、予想外の出来事で赤字になります。そこで資金が枯渇していると、これ以上は先行投資ができずに、事業継続が厳しくなります。

逆に会社に資金があると、そのときを乗り越えるための策を講じることができます。プチ起業では外部要因によって売上は変動しやすいです。万が一に備えて現金をストックしておくことで、私たちはプチ起業が楽しめるようになります。

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会社員向けの副業が学べる本

自由にはたらく 副業アイデア事典
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著作・制作

中野貴利人
株式会社ネットピコ 代表
本業はベンチャー企業のマーケター。副業は26歳で法人化し現在16期目。5冊目の著書「自由にはたらく 副業アイデア事典」を上梓。メディア掲載実績は日経、読売、朝日新聞など150回以上。2児の父。

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