【漫画】退職時の正しい手順と方法!退職願から退職日当日まで

中野貴利人
監修中野貴利人
2019/05/27 更新

「スマートに退職する方法」

正しい退職の手順は10ステップに分かれます ①退職後の生活費を確保する ②会社に退職を伝える ③退職日が決定する

「引き継ぎや挨拶回り」

④業務を引き継ぐ ⑤賃貸や融資などを済ます ⑥会社の制度を解約する ⑦挨拶回りをする

「退職日当日の手続き」

⑧有給休暇を消化する ⑨会社の所有物を返却する ⑩退職日に書類を受け取る 退職後に転職活動をする人は失業給付金や手当てをハローワークで申し込みます

「失業保険はしっかり貰う」

失業給付金 職業訓練 その他の給付金 事前準備ができれば退職は跡を濁さず 転職もスムーズです
  1. 手順① 退職後の生活費を確保する
  2. 手順② 会社に退職を伝える
  3. 手順③ 退職日が決定する
  4. 手順④ 業務を引き継ぐ
  5. 手順⑤ 融資や賃貸などを済ます
  6. 手順⑥ 会社の制度を解約する
  7. 手順⑦ 挨拶回りをする
  8. 手順⑧ 有給休暇を消化する
  9. 手順⑨ 会社の所有物を返却する
  10. 手順⑩ 退職日に書類を受け取る
  11. 退職後に転職活動する人の手続き4選
  12. 退職の体験談や口コミ

手順① 退職後の生活費を確保する

退職前に転職活動をする人

退職と転職するタイミングには「転職先が決定してから退職届を出す、退職届を出してから転職活動をする、失業保険を貰いながら転職活動をする、数カ月間の充電期間を経てから転職活動を始める」の4パターンがあります。

どれが正しいわけではありません。期限なしで妥協せずに転職したい人は退職前がおすすめですし、一般的には転職先が決定してから退職届を出す人が多いです。一方で気持ちを切り替えて転職に集中したい人は退職後が適切です。

おすすめは退職の意思を伝える前の転職活動になります。同じ業界のときはオープンに動きまわることができませんが、実際には大勢の人が現職の会社に気兼ねすることなく、積極的に転職活動を進めています。

仕事が終わる夕方以降の時間帯を有効に使って、転職エージェントに会ったり、面接を受けることも普通です。会社によっては面接時間が日中の場合も少なくないため、有休を使うことも有給消化ができて効率的です。

現職の多忙な時期に転職活動をすることは難しく感じますが、失業せずに転職に成功した人たちは、仕事や案件が一段落しているタイミングで集中的に動いています。長期的にはそのほうが余計な時間と労力を取られません。

退職後に転職活動をする人

転職活動を始めてから転職先が決まるまで平均で3~4カ月かかります。そのため、退職届を出してから転職活動をすると、次の転職先が決まるまで空白期間ができてしまい、不安を覚えるかもしれません。

意図的に転職活動の開始時期を遅らせて、会社を辞めたあとに失業保険を受け取りながら転職活動をすることもできますが、失業保険の給付期間中に就職先が見つかるとは限りません。

そのため、失業保険を受け取りながら転職活動をする人は、生活費3カ月分は準備しておきたいです。社宅に入っている人は引っ越し代なども捻出しなければいけません。

預貯金や実家暮らしなどで生活費に困らないケースでは、数カ月間の充電期間を経てから転職活動を始める人もいます。以前より履歴書の空白期間は問題視されず、職務履歴や能力が問われるようになっています。

手順② 会社に退職を伝える

リストラや倒産などではなく、自分の都合で退職する自己都合の場合に限りますが、退職するにあたっては退職願を提出します。勤務している会社の上司に辞意を表明することが退職手続きのスタートです。

退職願の書き方には決まったルールやフォーマットはなく、退職するという意思と時期が明記されていて、上司に伝われば問題ありません。退職理由は本音よりも建前で構わないですし、退職理由による衝突や相手への不快感を避けるために「一身上の都合」と記載することが多いです。

また、最近では上司への報告のみで完了し、総務部などが手続きを進めてくれるケースも一般的ですが、書面やメールできちんと証拠を残しておくことで、退職時期の相違などのトラブルを防止する効果があります。

会社によっては退職願のフォーマットがありますので、総務部にフォーマットを確認しましょう。基本的には「宛先、退職理由、日付、所属、氏名、押印」が一般的な記入事項です。

退職願

会社名
代表取締役社長 山田太郎様

この度は一身上の都合により、2019年3月31日をもって、退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。

2019年1月15日
本店事業部 営業一課
鈴木一郎(印)

退職願を提出する時期については、法律上は退職する日の2週間前に「労働契約の解約の申し入れ=退職の意思を伝える」ことと定められています。

ただし、就業規則で退職の報告日を決めている場合が多く、通常は2カ月前や3カ月前になっています。人材の確保や業務の引き継ぎにおいて、会社に迷惑をかけないためにも適切な退職希望日を伝えましょう。

ちなみに退職願、退職届、辞表には違いがあります。退職願は退職を願い出る意図があり、相手の承諾が必要で撤回ができます。退職届は退職を明確に伝える意図があり、撤回はできません。辞表は役員や公務員のみです。

手順③ 退職日が決定する

退職日が決定する

自分が希望した退職日は予算の関係で前倒しになったり、後任の関係で後倒しを要求されることもありますが、労働契約上、会社が退職日を決定することはできません。建設的に上司と話し合うことが大切です。

よくある例では「早いけど、来月に辞めることができる?」であれば、きっぱりと「前倒しはできません。2カ月先でお願いします」と答えます。後任者が決まらなくて、退職が先延ばしされる場合は妥協案を提示しましょう。

手順④ 業務を引き継ぐ

業務を引き継ぐ

最終出社日が決定したら、通常業務を交えながら引き継ぎを始めます。自分の業務と案件を次の担当者へ伝えてましょう。その際は間違いや漏れを防ぐためにも業務をタスク化して、上司に相談と確認をしながら進めると安心です。

ちなみに引き継ぎを疎かにすると、会社で築いた人間関係が台無しになってしまいます。また、意図的に業務を引き継ぎせず、会社に損失を与えた場合は損害賠償を請求された事例もあります。

手順⑤ 融資や賃貸などを済ます

プライベートでは住宅ローンや賃貸の新規契約をすることも大切です。転職すると在職期間が一旦ゼロにリセットされてしまうため、特に長期ローンを組みたい場合に有利な条件で融資を受けることが難しくなります。

仮に住宅を購入する予定がある場合は、転職する前にローン融資を済ませましょう。クレジットカードを新しく作るときや医療保険に新規加入するときも同様で、転職直後は審査が通りにくいため、今のうちに済ませます。

手順⑥ 会社の制度を解約する

業務を引き継ぐ

会社の制度を解約する、もしくは移管や変更する準備も必要です。社宅、持株会、財形貯蓄、社内預金、団体生命、企業年金、会社融資などを契約していたときは解約をして、確定拠出年金は移管しましょう。

手順⑦ 挨拶回りをする

挨拶回りも重要であり、顧客や取引先へは直接挨拶に伺います。人によっては「他社に転職するから前の会社は関係ない」と思うかもしれませんが、私たちはどこでその人たちと繋がるかわかりません。

人間関係は貴重な財産です。適切に辞めたほうが自分も周りも嬉しい気持ちになりますし、誠意を持って仕事関係者に退職を伝えましょう。

手順⑧ 有給休暇を消化する

有給休暇を消化する

会社や仕事量に影響されますが、可能であれば退職前のまとまった期間で有給休暇を消化するように調整します。人によっては通常の休日と絡めることで、3週間以上まとめて休暇を取ることもできます。

この時間は非常に貴重な時間です。社会人になってからこれだけまとまった期間の休暇を取れるタイミングは退職前だけかもしれません。この時間を有効に使うべく、疲れた体を休める期間も必要です。

ただし、この有給中に次の仕事のための準備をする人も多いです。転職では新卒とは違って即戦力として期待されているため、仕事では「すぐに一定上のクオリティを出せる」と思われがちです。

そのために転職先の特徴、主要取引先やグループ企業の調査、不足しがちな業務知識やスキルを補う期間として、有給休暇を使います。例えば、英会話スクールのビジネス特化型の短期集中講座を受講する人もいます。

手順⑨ 会社の所有物を返却する

会社から支給された物品をすべて返却します。具体的には社員証や文具が対象であり、会社によっては就業規則のリーフレットなども返却します。

退職時に会社に返却するするもの
  • 社員証
  • IDカード
  • 社章
  • 健康保険証
  • 定期券
  • 名刺
  • 図書
  • 文具
  • 作業着
  • 制服

通常、名刺は返却義務はない場合が多いですが、特殊な職種などは返却を要求されることもありますので、総務部に確認してみましょう。

手順⑩ 退職日に書類を受け取る

退職時には雇用保険被保険者証と年金手帳を受け取ります。源泉徴収票と離職票は事務処理が必要になるため、退職後7~10日以内に郵送されてくることがほとんどです。また、離職票と退職証明書は必要な人のみです。

退職時に会社で受け取るもの
  • 雇用保険被保険者証
  • 年金手帳
  • 源泉徴収票
  • 離職票
  • 退職証明書

すでに転職先が決まっている人の退職手続きはスムーズです。転職前に会社から渡された雇用保険被保険者証、年金手帳、源泉徴収票、さらに給与振込先届書を転職先の会社に提出するのみです。

また、扶養控除や配偶者控除が必要な人は扶養控除等(異動)申告書、被扶養者がいる人は健康保険被扶養者(異動)届も提出します。その後、転職先の会社から新しい健康保険証をもらえば、退職後の手続きはすべて完了します。

転職先の会社に提出するもの
  • 雇用保険被保険者証
  • 源泉徴収票
  • 年金手帳
  • 給与振込先届書
  • 扶養控除等(異動)申告書
  • 健康保険被扶養者(異動)届
  • 健康診断書

健康保険が変わる人は健康保険資格喪失証明書や任意継続被保険者資格取得申出書も必要です。また、該当者は厚生年金基金加入員証、年金基金脱退一時金裁定請求書、生命保険料口座振替依頼書も受け取ります。

国民健康保険に変える人
  • 健康保険資格喪失証明書
健康保険組合を続ける人
  • 任意継続被保険者資格取得申出書

一方で退職後に転職活動をする人は「失業保険、健康保険、年金、所得税」の変更手続きをするため、それらの書類の作成と申請に一手間かかります。それぞれの手続きは次で説明します。

退職後に転職活動をする人
  • 失業保険の申請
  • 健康保険の切り替え申請
  • 年金の切り替え申請
  • 所得税の確定申告

退職後に転職活動する人の手続き4選

1

失業保険の申請

失業保険を受給する人は、ハローワークで失業保険の申請をします。窓口で離職票と雇用保険被保険者証を提示して、再就職の意思があることを伝えます。これで失業保険の受給資格が決定します。

ちなみに離職票とはその会社を退社したことを公的に示す書類で、個人情報の他にも退職した時期や理由が書かれています。通常は退職してから7~10日程度でもらえます。

次に最初の申請から1~3週間後にある雇用保険説明会に出席します。その後は求職活動をして、4週間に1回のペースで失業状態であることをハローワークで認定してもらう手続きを経て、失業保険が振り込まれます。

また、退職理由が自己都合の場合、失業給付金が給付されるまで3カ月間の給付制限があるため、その間は無支給です。会社都合の場合は翌月からすぐに給付されます。

2

健康保険の切り替え申請

健康保険は国民健康保険と任意継続から選びます。国民健康保険に変更する人は、健康保険資格喪失証明書と離職票を持って、市区町村の役所で国民健康保険の申請をします。

もう1つの任意継続とは、前職で加入していた健康保険組合の健康保険を最長で2年間継続できる制度です。この場合は市区町村の役所ではなく、協会けんぽ支部に20日以内に連絡をします。

いずれにせよ健康保険の失効中に病気やけがにすると医療費を全額負担しなければならなくなるため、速やかに手続きを終えたいです。

3

年金の切り替え申請

年金の切り替え

年金は厚生年金から国民年金への切り替えが必要です。会社から戻される年金手帳を持って、市区町村の役所へ行き、国民年金の加入手続きをします。年金の切り替えは退職後14日以内にしなければいけません。

4

所得税の確定申告

所得税の処理は退職時にすぐに行うことではなく、2月中旬~3月中旬に自分で確定申告をします。今までは会社の総務部などが年末調整で対応してくれましたが、退職後はそれらを自分でするということです。

会社から渡された源泉徴収票、年末に郵送されてくる年末調整書類、市区町村の役所から送付される納入通知書を見ながら、確定申告書を作成しましょう。

退職の体験談や口コミ

退職のしやすさは上司との関係による
2017/09/11
20代 男性 千葉県
マンション清掃業

転職時期が決まっている場合は、なるべく早めに退職の意思を伝えるようにしたほうが、円満に話が進みやすいです。ギリギリになって急に退職すると言い出すとトラブルになります。

退職がスムーズにできるかどうかは、上司をメインとした職場内の人間関係や抱えている仕事量によって左右されるでしょう。上司や同僚と円滑なコミュニケーションが普段からできている場合は、退職の意思を伝えるときに話が進みやすいです。

私もキャリアアップが目的の転職だったためにわりとスムーズに辞められましたが、普段から上司との関係がギクシャクしていたり、上司のパワハラが原因の人もいて、もめるケースが少なくありません。

その場合は直属の上司ではなく、その上の人間に相談したり、人事部や総務部を間に挟むなどをして、なるべく話が建設的に進む方法を選択しましょう。

退職届は一身上の都合で構わない
2017/08/25
20代 女性 沖縄県
テレマーケティング

上司の了解が取れたあとは、書面上の手続きに入ります。いわゆる退職届を作成して、人事部や総務部などに提出します。退職届の書き方は特にこれといった決まりはありません。

退職の意思と時期が明記されていれば特に問題はないです。会社によっては規定のフォーマットがありますので、総務部にフォーマットがあるかどうかを確認します。

それがない場合はフリーフォーマットで構いませんので、ウェブで検索して適切なテンプレートを探して、必要事項を記入して作成します。

ただし、最近では退職届というよりも業務上の書類であることがほとんどです。それらにも退職理由を書く箇所がありますが、転職先などの情報については明かす必要もありません。

退職理由についても「一身上の都合」などで構いません。逆に細かく書くと後々面倒なことになる場合もあるので気をつけましょう。

退職時期は上司と相談できる
2017/09/08
30代 男性 東京都
アプリ開発エンジニア

退職を決意したときにするべきことは、上司への相談になります。退職の意思を伝えて仕事の引き継ぎなどの都合と、自分のスケジュールをすりあわせて退職時期を調整していきます。

私が経験した退職の流れ
2017/09/01
30代 女性 山形県
テレビ番組制作会社

私が経験した退職までの基本的な流れは「上司に退職の許可を得る、退職願や退職関連の書類を提出する、同僚に報告する、取引先への報告と挨拶をする、仕事の引き継ぎをする、退職日当日に支給品を返却する、退職に関連する書類を受け取る」です。

簡単に失業保険は受け取れる
2017/08/30
30代 男性 高知県
飲食店店長

次の会社が決まっていない場合は失業保険の申請をします。ハローワークで貰える失業保険のしおりなどでも退職から転職までを時系列で解説していて、はじめての人にもわかりやすくて参考になります。

決して難しくはなく、国民全員が利用しやすいようにできている仕組みですので、給付の対象となる人は最寄りのハローワークに行って、全額受け取れるか確認してみましょう。

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