2021年に「1ドル=150~180円」の円安になる2つの理由

中野貴利人
監修中野貴利人
株式会社ネットピコ 代表取締役

2021年に「1ドル=150~180円」などの円安になる2つの理由

  1. 日本が厳しい現実に直面する日
  2. Xデーは東京オリンピック後の2021年
  3. 2つの理由で長期的に円安に突入

日本が厳しい現実に直面する日

短期的な為替レートは機関投資家による投機マネーが動かしますが、長期的な為替レートは当該国の経済や財政が強く関連します。日本円の価値、主に米ドルとの相対的な評価においても、日本経済の予測は欠かせません。

日本は個人の生産性が低いながらも、企業の稼ぐ力に長けており、多くの上場企業が最高益を更新しました。失業率低下と平均給与の増加もあって、日本経済はそこまで深刻ではありません。問題は日本の財政です。

2009~2018年の日本における国家予算はおおむね90兆~100兆円で推移していますが、税収などの国家収入は50兆~60兆円しかありません。残りはすべて「国債を発行する=借金をする」ことでまかなっています。

借金は無限にはできません。貸主の過半数は銀行や保険会社などの金融機関ですが、その原資は日本国民や日本企業の預金です。金融機関はそのお金を使って、投資先の1つとして国債を買っているという流れになります。

将来的に日本国民や日本企業のお金が底を突いたら、政府が国債を発行しても買い手が不足してしまい、スムーズに予算の確保ができないです。

国債を買ってもらうべく金利を上げて、魅力的な金融商品に仕立てようとしますが、今度は金利の上昇が住宅ローンや事業ローンの金利の上昇を招いてしまい、借り入れをしている国民や企業が窮地に陥ります。

外国人投資家に国債を売る手もありますが、彼らがわざわざハイリスクになった国債は買う合理性はなく、結果、日銀が大量に国債を買い取ることになり、日本の信用が薄れて円安や株安が起こりやすくなります。

つまり「国債の買い手が不足する、金利が上昇傾向になる、外国人は買ってくれない、税収は過去に発行済みの国債を償還するために吸い取られる、社会保障費の膨張も止まらない、予算が足りない」となります。

日本国家の財政破綻とはなりませんが、緊縮財政が始まって、市区町村単位では財政破綻が起こるでしょう。

2007年に財政破綻した北海道夕張市では、公共施設、図書館、美術館が閉鎖されて、病院では診療科目が減り、バスも値上がりします。特に若い世帯が出ていったため、小学校は7校が1校に統合され、働き手も不足します。

2012年に財政破綻したイタリアのナポリ市では、ゴミ収集システムが機能不全となり、道路や水道などの公共インフラや市役所を始めとしたさまざまな公共施設が維持できなくなりました。

ちなみに日本経済の展望をあえて悲観的に予測することは間違いではありません。最悪を想定するからこそ、有事に対応できます。仮にその予測がはずれたとしても、私たちはプラスの事象を経験するにすぎません。

Xデーは東京オリンピック後の2021年

日本人全体の金融資産はここ数年上昇傾向にあり、2017年9月時点では1,845兆円でした。日本人全体の負債は318兆円であるため、純資産である1,527兆円が銀行などの預金取扱機関に残っています。

金融資産1,845兆円-負債318兆円=純資産1,527兆円

一方、国債発行額や借入金、政府短期証券の合計である国の借金は、2000年の492兆円から急増して、2017年9月時点では1,080兆円になりました。そのうち、日銀が約40%、民間銀行が約40%、外資が約10%を保有中です。

国の借金1,080兆円×約40%=民間銀行の国債保有額432兆円

日本人の純資産1,527兆円を使って購入した民間銀行の国債保有額は、432兆円でした。その結果、買い付け余力は1,095兆円あります。一見すると、まだ何十年先も国債を買えそうです。

純資産1,527兆円-民間銀行の国債保有額432兆円=余力1,095兆円

国債発行額は直近で30兆~50兆円ですが、今後の社会保障費の増大は確実視されており、毎年50兆円は発行することが見込まれます。その結果、国債をスムーズに買い入れできる期間は約22年と試算できます。

余力1,095兆円÷毎年50兆円の国債発行=残り22年間

しかしながら、現状はより複雑です。少子高齢化で日本の労働人口は減り続けており、税収は伸び悩んでいます。同時に団塊世代が老後に入って医療や介護費の急増、社会保障費が1兆円単位で増え続けています。

その結果、新規国債の発行額は50兆円では足りず、借金が増え続けます。逆に日本人の純資産は高齢者による預貯金の引き出しで1,527兆円から減ります。日銀による買い入れはハイリスクであり、海外投資家も購入しません。

日本政府にも資産はありますが、こちらは不動産やインフラが多く、年金支給の準備金も含まれているため、国債の買い入れはできません。実際に使える現金も毎年変動しますが、金額にして数十兆円程度です。

経済アナリストなどの間では「2020年までは東京オリンピックのによる景気下支えという延命措置があるために問題ないが、直後の2021年からは経済が失速する可能性が高い」とも予測されています。

そのため、2021年から「景気の悪化=税収の減少」となり、新規国債の発行額が増えるでしょう。そのころから日本は次の2つの理由で長期的に円安に突入する可能性が高いです。

2つの理由で長期的に円安に突入

2つの理由で長期的に円安に突入

2018年時点では約20年間も悩まされたデフレを脱却しつつあり、長期的なインフレに変わることが期待されています。また、私たちの実感は乏しいながらも、2012年11月から好景気が続いています。

しかし、一部の富裕層は日本社会の構造を問題視しており、海外に資金を移しています。日本は人口減少リスクと財政緊縮リスクという2つの問題が解決できずにいるため、金、人、物が同時に減っていく可能性が高いからです。

人口減少リスクは日本は労働力が徐々に減って、物もあまり買われなくなり、市場規模が縮小していく現象です。その結果、株価や不動産価格も減少しますし、日本全体が弱くなることによる影響で円安は避けられません。

財政緊縮リスクは前述の通りで、歳入から歳出を引いたプライマリーバランスが常に赤字です。それを埋めるための国債発行額も1,000兆円を超えてしまい、地方自治体レベルで予算が確保できなくなる可能性があります。

富裕層たちは長期的な防衛策として、今のうちに「日本円の資産を米ドルなどに両替しておこう」と考えることにも納得がいきます。

すでに2012年にシンガポールに移住した人は「1ドル=77円」のときに全資産を米ドルに両替していました。2018年8月時点では「1ドル=110円」もあり、引っ越しただけで円建てで43%も資産が増えています。

そもそも日本は所得税率が高すぎるため、例えば年収5,000万円の人がシンガポールや香港に移住すれば、5年間で1億円以上は得をします。

2008年のリーマンショックと2011年の東日本大震災のときも、富裕層の海外移住数が一気に増えましたが、2014年も過去の勢いには劣りながら、以前と同様に海外に移住する人が跡を絶ちません。

彼らからも「1ドル=50円になるよりも150円になる可能性のほうが高い」という声も聞かれます。私たちも長期的な円安を視野に入れて、今からFXで日本円を米ドルに投資したり、海外株式や金投資なども始めたいです。

初心者も安心できるFX会社

DMM FX
GMOクリック証券
本サイトでは専門性と倫理観に裏付けられた情報を掲載するように努めておりますが、内容の一部に誤りがあるなどのご指摘はお問い合わせより随時承っております。
公開日公開日 2014.10.01
更新日更新日 2018.08.15

著作・制作など

中野貴利人
中野貴利人
監修・執筆・編集
株式会社ネットピコ代表取締役。著書にど素人でも稼げるネット副業の本など。過去の取材はメディア掲載履歴で紹介。