スイスフランで稼ぐコツ!金利-1.25%は米ドルとのキャリートレードが1番

中野貴利人
監修中野貴利人
2020/03/16 更新

スイスフランで稼ぐコツ!金利-1.25%は米ドルとのキャリートレードが1番

スイスフランはマイナス金利政策を続けていることから、スイスフランを売って米ドルや英ポンドを買うといったキャリートレードがおすすめです。米ドル/スイスフランを買うと、2020年1月時点で60円前後のスワップポイントが付きます。

ただし、スイスフランは日本円と同じ安全通貨であるため、経済の先行きが不透明になるほど買われやすく、為替差損が発生することがリスクになります。

  1. スイスフランの基本データ
  2. スイス経済の特徴
  3. スイスフランは有事と金相場で動く
  4. スイスフランが大変動した2つの例
  5. スイスフランの見通しとトレード手法

スイスフランの基本データ

スイスフランの5大特性
  1. 政治経済が安定的で輸出が好調
  2. 1人あたりのGDPが世界第2位
  3. 安全通貨で有事の際に買いが集まる
  4. 積極的に為替介入する
  5. マイナス金利を継続中
総合 3.0
評価
国名スイススイス
面積4万1290km²(2011年時点 世界第132位)
人口787万人(2011年時点 世界第93位)
GDP6785億ドル(2017年時点 世界第20位)
1人あたりのGDP8万0590ドル(2017年時点 世界第2位)
3コードCHF(Confoederatio Helvetica Franc)
為替112.30円(2020年1月時点)
金利-1.25%(2020年1月時点)

スイス経済の特徴

チェック1

経済危機にも動じない安定国家

スイス経済は労働環境と社会保障が整備されており、金融業とIT業、さらに高級時計や医薬品の輸出などが経済を支えています。1人あたりのGDPは2017年時点で世界第2位であり、労働生産性の高い産業構造が魅力です。

失業率は2018年4月時点で2.98%と低く、政治経済も安定的、何より教育水準は実践的で室の高い人材育成に成功しています。

スイス経済が安定していることから、通貨であるスイスフランは有事の際の逃避先通貨としての特徴を持っています。スイスは永世中立国として知られており、軍事的な脅威にさらされるリスクも少ないです。

チェック2

低いインフレ率でマイナス金利が続く

インフレ率が非常に低いことにより、政策金利は低く抑えられています。2020年1月時点の政策金利は、日本が-0.1%であることに対して、スイスは-1.25%です。

2019年12月時点ではスイス国立銀行は「インフレ率は2020年が1.7%、2021年が1.2%」と予想し、従来より引き下げました。これによって利上げがなくなり、マイナス金利政策は据え置きが続くとされています。

それでも2020~2021年は世界経済の貿易摩擦や景気減速が進むとされており、スイスフランが買われる可能性も少なくありません。

スイスフランは有事と金相場で動く

スイスフランは有事と金相場で動く

有事はスイスフランが買われる

かつては「有事の際はドル買い」でしたが、2001年9月の米国同時多発テロ以降はドル買い信仰は崩れました。その代わりに日本円やスイスフランが買われるようになります。

スイスフランは米ドル、ユーロ、日本円、英ポンドに続いて、流通量が大きく、信用力も十分であるために国際決済通貨をしても利用されています。自国通貨を国際的な取引で使えない国が、スイスフランに両替するわけです。

世界経済が危機的な状況となったときもスイスフランが買われます。2011年のギリシャ危機でもスイスフランに買いが集まりました。その後、危機が収束すると、スイスフランは売られて金利の高い通貨が買われるようになります。

金相場との相関関係が高い

スイスは世界第6位(2018年6月時点)の金保有国です。歴史的に金保有量は大きく、スイスは紛争や戦争による危機に巻き込まれず、ナチスドイツの金略奪も免れたことが背景にあります。

また、スイス憲法に「通貨の40%を金準備によって裏付ける」とする条項があったことも、現在の金保有率の高さにつながっています。そのため、スイスフランは金相場との相関関係が高いという特性もあります。

スイスフランが大変動した2つの例

1

無制限の為替介入で儲かる

2007~2008年に「1ユーロ=1.6スイスフラン」あたりで推移していましたが、2008年9月にリーマンショックが世界経済にダメージを与え、2009年にギリシャ債務問題が顕在化したことで欧州債務危機が起こります。

この欧州債務危機は尾を引き、世界全体のGDP成長率も低迷しました。そのような中で世界の投資マネーは、安全資産であるスイスフランに流入します。1ユーロあたり1.5、1.4、1.3とスイスフラン高が続きました。

それを受けてスイス国立銀行は「1ユーロ=1.2スイスフラン」を超えることがないように、無制限の為替介入を発表して実行します。これはスイス国立銀行による自国の輸出業を守るための措置です。

つまり、スイスフランが上昇して高値圏になると、スイス国立銀行はスイスフランを大量に売って、通貨安を促します。

投資家やFXトレーダーにとっては稼ぐチャンスです。スイスフランが上昇したところでスイスフランの売りポジションを作れば、スイス国立銀行が売り介入をしてくれるため、投資家は簡単に利益を得られる状態でした。

兄
ボロ儲けじゃん!
弟
ただ、そのあとに事件が起こる。
2

数十分で115円から162円に急騰する

2015年1月15日18時30分にスイス中央銀行が「スイスフラン売りの為替介入をやめる」と突然発表しました。直後にユーロ/スイスフランは高騰して、20分後には1.20フランが0.82~0.85フランにまで上昇します。

141%もの急激なスイスフラン高であり、米ドル/円に換算すると「1ドル=100円」が71円の円高になることと同じです。

米ドル/スイスフランや英ポンド/スイスフランなど、スイスフラン絡みの全通貨が急騰しました。スイスフラン/円も115円から162円となり、一時的に131円で落ち着きながらも、日足チャートでは138.835円に達しています。

138.835円に達したスイスフラン/円

その結果、FXでスイスフランを売っていた人から「数百万円のマイナス」や「損失が1000万円超え」という報告が相次ぎました。

スイスフランの上昇幅は40%程度であるため、100万円分の売りポジションなら40万円を損するのみですが、レバレッジ10倍ならそれは400万円に達しますし、レバレッジ25倍なら1000万円も損するわけです。

兄
逆指値注文を入れておけば、大損は防げたよね?
弟
この場合は無理だ。逆指値注文も相手がいないと成立しない。

さらにこのスイスフランショックで、顧客らは預けた証拠金以上の損失を出したため、強制ロスカットが膨大になり、海外系のFXCM社は2億2500万ドルの損失、続いてアルパリジャパンの親会社であるアルパリUKは倒産しました。

兄
なぜFX会社が倒産するんだ?
弟
顧客が出した損失を回収できず、その負債が直撃したんだ。

ちなみにスイス中央銀行がスイスフラン売りの為替介入をストップすることを、一部の投資家らは予測していました。スイス中央銀行がスイスフランを売るということはユーロを買うことになり、大量のユーロを抱え込みます。

しかし、ユーロ圏の景気は悪化するばかりですし、EUの中央銀行であるECBも金融緩和でユーロ安を助長させることを決定して、手持ちのユーロは評価損を免れません。これ以上の市場介入は財力的に限界に達したわけです。

スイスフランの見通しとトレード手法

スイスがマイナス金利政策を続けていることから、スイスフラン売りのキャリートレードがよく利用されます。キャリートレードとは低金利国の通貨を調達して、高金利国の通貨に交換し、金融商品を購入することです。

スイス国立銀行もキャリートレードによって外国資産を増やしています。このようなキャリートレードが成立できる理由は、スイスはインフレ率が低く、当面の金利上昇リスクが少ないためです。

FX取引でも2国間の金利差で発生するスワップポイントを得るために、日本円売り・米ドル買いをする人がいますが、2020年1月時点ではスイスフラン売り・米ドル買いのほうが高いスワップポイントを得られます。

注意点としては、スイス国立銀行は大胆な金融政策を何度もしてきたことです。2011年にスイスフラン安に誘導するために「無制限に為替介入をする」ことを発表し、スイスフランを売っては外国株や外国債券を大量購入していました。2015年には「為替介入の撤廃とマイナス金利の導入」を決めます。

その度にクロススイスフランの通貨ペアは大きく動いてきました。

このあとのスイス国立銀行の狙いとしては、市場介入なしでスイスフランが下落したところで外貨建て資産を売却することです。同時に為替を安定させるために金利を引き上げるタイミングを見計らっています。

ただ、2020年1月時点ではマイナス金利政策が続くことが濃厚であり、スイスフラン売りのキャリートレードがメインの手法になりそうです。

初心者も安心できるFX会社

DMM FX
みんなのFX