パパ向け知識!妊娠10カ月は赤ちゃんが出られる体勢になる

2020/09/18 更新
妊娠10カ月は赤ちゃんが出ようとする
エコー検査で赤ちゃんの状態を見る
もうすぐ生まれてくる赤ちゃんですが、ママが安心感を得るためにもあらかじめお腹の赤ちゃんの状態を確認しておきましょう。特に推定体重は赤ちゃんの発育度を計る目安になります。
エコー検査では自動的に求めてくれますが、実際にはBPD(児頭大横径)、APTD(腹部前後径)、TTD(腹部横径)、FL(大腿骨長)の4つで計算しています。
推定体重の計算式は次の通りです。BPDで頭の直径、APTDとTTDで体の体積、FLで足の長さから重量を求めています。足の太さや腕を計算から外しているため、実体重とは異なる推定体重となっています。
推定体重=(1.07×BPD3)+(3.42×APTD×TTD×FL)
推定体重以外では肺の呼吸運動や臓器の発育度が超音波写真から読み取れます。目、鼻、口、手足の指の数、生殖器なども、エコー検査の段階で自分でチェックできる部位です。

お産が近い4つのサインを確認
お産が始まるサインはおしるし、前駆陣痛、前期破水、陣痛の4つです。お産の前にすべての現象が起こるわけではなく、かなりの個人差があります。
- おしるし=少量の出血が発生する
- 前駆陣痛=不定期な陣痛が起きる
- 前期破水=陣痛前に羊水が漏れる
- 陣痛
おしるしは胎児を包む卵膜と子宮がずれて少量の血が出てくる状態であり、数日以内に陣痛が始まることが多いです。妊婦の約60%が経験します。
前駆陣痛は陣痛の前に起こる不定期なお腹の張りで、妊婦の約50%が前駆陣痛に気付きます。前駆陣痛が起きた場合は陣痛が近いために産院に連絡しますが、基本的には本格的な陣痛が来るまで自宅で安静にしています。
前期破水は陣痛の前に卵膜が破れてしまい、羊水が流れている状態です。妊婦の約10%が前期破水を経験します。前期破水が起きた場合は必ず産院に連絡をして、専門医の指示を受けます。
陣痛は1時間に6回以上のお腹に張りや痛みが発生することです。最初は不定期な前駆陣痛が起こり、そのペースが徐々に狭まっていき、10分以内に繰り返し発生すると陣痛開始とされています。
基本的には「おしるし、前駆陣痛、陣痛」の順番ですが、割合としては「おしるし、前期破水、陣痛」も一般的ですし、おしるしや陣痛さえもなく帝王切開にシフトする妊婦もたくさんいます。
お産をスムーズにする3つのこと

楽な姿勢で陣痛を緩和させる
妊娠10カ月になると子宮が膨らんだり縮んだりして、赤ちゃんを外に押し出そうとします。この子宮の収縮運動が陣痛を発生させます。陣痛の痛みは徐々に強さが増しながら、発生間隔が短くなっていきます。
この陣痛を軽減するには「息を大きく吸って長く吐く、お腹を円を描くようにさする、手足を付いておしりを持ち上げる、肛門をボールで押す、パパに骨盤の中心にある仙骨を押してもらう」などの対症療法があります。
効果には個人差がありますし、最終的には耐えるしかないのですが、陣痛を軽減することでリラックスができて、お産がスムーズになりやすいです。
ちなみに出産予定日とは産気付くおおよその日程であり、特別な意味はありません。一般的には予定日の2週間前後で出産することが普通です。
ただし、出産日が遅くなりすぎると、お腹の赤ちゃんが成長しすぎて出産時に母体に負担がかかったり、胎盤の機能が低下してしまうため、出産予定日から2週間を目安に陣痛促進剤で陣痛と出産を促すことがあります。
それでも陣痛が発生しない場合は帝王切開で出産します。出産予定日についての考え方や方針は病院や医師によって異なるため、事前に具体的な出産フローを把握しておくことが大切です。

緊張せずにリラックスする
陣痛は痛みが出る時間と痛みが引く時間に分かれます。痛みが和らいできたら、自発的にリラックスすることを心がけましょう。リラックス状態になると、痛みの感覚が薄れやすいです。
逆に「痛みを耐えることはつらい」や「痛みがなくなってほしい」などと考えこんでしまうと、筋肉は緊張して、神経が過敏になり、意識が痛みに集中するために、小さな痛みも余計に痛いように感じてしまいます。
リラックスできるときにリラックスすることが、陣痛をなるべく感じさせないコツですので、痛みが引いたときにはパパや家族とトークをしたり、冷たいドリンクを飲むと、痛みが薄れる時間が長く続きます。
また、心配事をなくすこともリラックスには大切です。出産は医師の指示に従って、しっかりとサポートを受けられることや無事に赤ちゃんが生まれてくることを信じましょう。人を信じて頼ることが安心感につながります。
出産当日の段取りを家族と相談しておくことも大切です。陣痛はいつ発生するかわかりません。仮に夫が仕事中で家にいないときに陣痛が来たことを想定して、事前に「タクシーの連絡先は把握できている、財布にはお金を入れてある、入院に必要なものは揃っている」などを準備しておきましょう。

産道を広げて回旋しやすくする
赤ちゃんが生まれるときに通る産道には、軟産道と骨産道があります。軟産道は子宮頚管、膣、骨盤底筋でできた柔らかい産道で、出産日が近づくと伸びていきます。骨産道は骨盤でできていて、お産のときに広がります。
しかし、妊娠中に体重が増えすぎると、産道や産道周辺に脂肪が付着して、産道が狭くなり圧迫されてしまいます。急激な体重増加は妊娠高血圧症候群を誘発して、低体重や早産を招きやすいですが、お産のときにも苦労をしますので、妊娠中の太りすぎには注意したいです。
また、赤ちゃんが産道を通るときは、割れている頭蓋骨の繋ぎ目をずらしながら重ねて、頭の断面積を小さくする「児頭応形機能」が働きます。
その結果、出産直後は長細い頭の子供が生まれやすいわけです。すぐに頭蓋骨は正常な位置に戻り、生後5~6カ月で骨の繋ぎ目がくっつき始め、2~3歳で骨の隙間が埋まります。
赤ちゃんが児頭応形機能で頭を小さくすると、次に産道の形状に合わせて、グルグルと頭や体を回転させながら下へ出ていく、回旋が始まります。この回旋が上手にできると、赤ちゃんはスムーズに産道を通ることができます。
逆にお産が長引いたときは赤ちゃんの回旋が止まってしまったり、うまく回旋できない回旋異常が原因です。ただし、仮にその状態になっても、緊急帝王切開で無事に出産することができます。

妊娠10カ月(36~40週)まとめ
- 身長50cm、体重3000gが平均です。
- 体の向きを整えて出る準備をします。
- 頭蓋骨の繋ぎ目を重ねて小さくなります。
- ひざをお腹に抱えて丸まります。
- お腹の赤ちゃんが下がり始めます。
- 胃の圧迫感がなくなります。
- お腹の張りがピークに達します。
- 足腰の痛みが続きます。
- 出産のおしるしを意識します。
- 1週に1回健診を受けます。
- 産院までの交通手段を確認します。
- 親戚への連絡方法を確認します。
