【漫画】ニキビの5大原因とは?治すには皮膚科と洗顔料を組み合わせる

2021/11/20 更新
「アクネ菌が増殖する」




「原因は皮脂の詰まり」




「皮膚科で薬を貰う」




「洗顔と化粧水で清潔」




白・黒・赤ニキビなどの9大症状
正常な肌
ニキビのない正常な肌は、皮脂腺から適量の皮脂が分泌されています。皮脂が表皮に付着することで、肌の水分の蒸発を防ぎ、肌を汚れや紫外線から守ります。
夜になると皮脂も汚れて古くなりますし、蓄積されると毛穴を埋めてしまうために、洗顔をしてきれいな状態に戻します。その後、寝ている間に再度適量の皮脂が分泌されます。
初期ニキビ
鏡越しには判断がつきませんが、指先で頬などを触ってみると、多少の膨らみがあることに気付きます。これが初期ニキビであり、複数発生することで軽度の肌荒れに該当します。
初期ニキビは毛穴が古い角質や汚れで塞がれてしまい、行き場を失った皮脂が表皮を盛り上げた結果です。肌をマッサージしながら、古い角質や汚れを洗い落とすことで改善できます。
白ニキビ(閉鎖面皰)
ふさがれた毛穴に皮脂が溜まって、膨らみが増した状態が白ニキビです。これ以上は毛穴を詰まらせないように洗顔を続けて、徐々に白ニキビが沈静化することを待ちましょう。
洗顔後は表面上はきれいですが、肌が乾燥して毛穴が細くなっています。そこに皮脂や汚れが付着すると詰まりやすいため、化粧水で皮膚に潤いを戻して、毛穴に呼吸させましょう。
黒ニキビ(開放面皰)
白ニキビで表皮が盛り上がりすぎると、これ以上は膨らむことができなくなり、毛穴の中心に穴が開きます。毛穴には角栓が詰まっているため、黄色い固形物が確認できる状態です。
その角栓が外気にさらされることで酸化したり、汚れが付着すると、毛穴の中心だけが黒くなる黒ニキビができます。これも洗顔を続けて黒い部分を少しずつ落とすことが有効です。
赤ニキビ(紅色丘疹)
毛穴が詰まって盛り上がった白ニキビや毛穴が開いて酸化した黒ニキビとは違い、赤ニキビは毛穴でアクネ菌が増殖した状態です。アクネ菌の影響で皮膚は炎症を起こして赤くなります。
洗顔で常に肌の清潔を保つことはもちろん、化粧水や美容液で乾燥を防いで肌質を改善します。赤ニキビは皮膚の病気であるため、皮膚科で外用薬を貰いましょう。
黄ニキビ(顔面膿疱)
赤ニキビが悪化すると、真皮や皮下組織にまでアクネ菌などの細菌が繁殖します。それでも白血球による自然治癒力により、炎症や傷が治って、次第に元の皮膚に戻ります。
しかし、衛生環境が悪いと液状になった死んだアクネ菌や壊れた白血球に、ブドウ球菌などの細菌が集まり、膿ができます。この膿を持ちながら炎症が起きている状態が黄ニキビです。
ニキビ跡(赤み)
すべてのニキビは時間が経つに連れて、次第に沈静化をします。しかしながら、重度の赤ニキビや膿んだ黄ニキビは、完全には元に戻らず、ニキビ跡になることが多いです。
その中でも軽い症状が皮膚の赤みです。あまり膨らみもなく、徐々に目立たなくなっていきます。ただし、本来のきれいな素肌になるためにはレーザー治療などが必要です。
ニキビ跡(色素沈着)
紫色の色素沈着はニキビによる炎症がひどくなり、毛細血管が破裂して内出血したことが原因です。ニキビ治療後の皮膚は薄いために、その毛細血管が透けて見えます。
茶色の色素沈着はニキビ治療後の皮膚に太陽光を当てることで、メラニン色素が活性化されて、肌を黒くします。ただ、皮膚が弱いとメラニン色素を吸収して、茶色く残ります。
ニキビ跡(クレーター)
赤みや色素沈着のニキビ跡は、表皮が再生するターンオーバーを利用して、徐々に薄くなります。しかし、クレーターは真皮まで傷ついているために、自然治癒力や洗顔では治りません。
完治にはレーザー治療が必要です。レーザーで肌に極小の穴を開けると、それを修復しようと真皮が入れ替わります。さらに皮膚細胞が活性化されるレーザーなどを複数回使います。

ニキビが発生してしまう5大原因
毛穴に皮脂が溜まる
ニキビの元が形成される過程は3つのフェーズに分かれています。第1フェーズは「皮脂の分泌」です。皮脂が過剰に分泌されると、正しく排出されずに皮膚内にとどまるようになります。
第2フェーズは「毛穴の閉塞」です。きちんと皮脂と汚れが洗浄できないことで、それらが毛穴に詰まって閉塞します。
第3フェーズは「皮膚の膨張」です。毛穴が塞がると内部で皮脂が増えてしまい、皮膚が徐々に盛り上がっていきます。つまり、ニキビの根本原因は毛穴に皮脂が溜まることです。
アクネ菌が増殖する
ニキビの原因となる細菌は主にアクネ菌であり、清潔な肌が保たれていれば、通常は繁殖することがありません。
しかし、毛穴がふさがって皮脂が溜まると、酸素が薄くて湿度が高い心地よい環境となり、アクネ菌が異常に繁殖します。
アクネ菌が増えると、体内では戦うために白血球が活性酸素を出して、皮膚炎を起こします。その結果、皮膚が赤く膨らんで、ニキビになります。予防するには洗顔で清潔を保ち、薬で抑えることです。
生活習慣が影響する
ニキビは生活習慣の影響でも発症します。例えば「残業続きでストレスが溜まる、夕食の時間が遅い、睡眠不足が続いた」場合、個人差はありながらも皮脂が分泌されてニキビができます。そのような原因は以下の20種です。
- 脂分や糖分の過剰摂取は皮脂の過剰分泌に繋がります。
- ビタミン類が欠乏すると皮膚細胞の生成が滞ります。
- 便秘は体内に残った毒素が排出されず、肌の新陳代謝が悪くなります。
- 睡眠不足では肌の新陳代謝を促す成長ホルモンが減ります。
- 食事や睡眠などの生活リズムの悪化はホルモンバランスを乱します。
- ストレスは交感神経を刺激し、ホルモンバランスが崩します。
- 女性は生理前にホルモンバランスが崩れ、肌荒れが起きやすいです。
- 成長期の子供はホルモンバランスが乱れ、ニキビを出やすいです。
- 夏場に湿度が上がると汗や汚れで毛穴が塞がり、アクネ菌が増えます。
- 冬場の乾燥は肌細胞の水分量が少なくなり、毛穴が収縮されます。
- 汚れやほこりはニキビ菌が増殖しやすい環境を作ります。
- 紫外線は活性酸素の増加し、肌組織を破壊して、炎症を起こします。
- 洗顔不足は肌の衛生環境を悪化させて、毛穴を詰まりやすくします。
- メイクの洗い残しは毛穴に化学物質が残る原因になります。
- 洗顔のしすぎは最低限必要な皮脂まで失い、保護されなくなります。
- 化粧水を付けないと、肌のきめが荒くなり、肌荒れの原因になります。
- 美容クリームの過剰投与では皮脂分泌が増えやすいです。
- ニキビの治療薬は悪化する人もいるため、専門医の指示に従います。
- 指で触るなどの外部刺激は炎症をさらに悪化させます。
- タバコは血流が悪くなり、ビタミンCも多量に消化してしまいます。
ちなみにニキビができやすい食べ物は、脂質や糖分を多く含む食品です。この理由は脂質を体内で分解するためには、皮膚のターンオーバーを促すビタミンB群を使わないといけないからです。
100g中の脂質含有量では、塩味を付けたバターピーナッツが51g、砂糖が含まれたチョコレートが34g、食べる量が多いポテトチップスが35gもあります。これらの過剰摂取は肌荒れの原因になりえます。
年齢が影響する
10代は思春期によるホルモンバランスの崩れが1番の原因です。さらに「皮脂分泌が活発である」と「毛穴がまだ小さいために皮脂が目詰まりする」が重なると、ニキビが大量に発症します。
20~30代は皮脂の過剰分泌とアクネ菌の増殖が原因です。これが解消できないと、何度もニキビができます。また、50代を過ぎると皮脂の分泌量が減るために毛穴が詰まりにくくなり、ニキビは発症しにくいです。
病気が影響する
何らかの病気が原因となり、ニキビを発症することもあります。その場合は外用薬で肌を治療しても、内服薬でビタミンBやビタミンCを補っても、ほとんど改善が見られません。
逆に根本原因である病気を治すと、自然と肌荒れがなくなり、ニキビも次第に治まっていきます。大人の場合は病気とは自覚されないストレスの影響も看過できず、ストレスの原因から解消しないといけない人も多いです。

部位別のニキビの発症原因
毛穴に皮脂が詰まってニキビができるため、発症箇所は毛穴周辺に限られています。毛穴がない足の裏や手の平には一切できませんが、額、頬、口の周りあごには毛穴が多く見られ、首筋や背中の中心部にもできやすいです。
そこで大切なことはその部位によって、皮脂の分泌と毛穴の閉塞する理由が異なることです。ニキビを治すには、部位別の発症原因を知って、その根本を避けるようにします。
箇所 | 清潔 | 乾燥 | 刺激 | 栄養 | 腸内環境 | ストレス | ホルモン |
---|---|---|---|---|---|---|---|
おでこ | ○ | - | ○ | - | - | - | ○ |
眉間 | - | - | ○ | - | - | ○ | ○ |
目周辺 | - | - | ○ | - | - | - | ○ |
こめかみ | ○ | - | ○ | - | - | - | ○ |
鼻 | ○ | - | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
頬 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
顔筋 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | - | - |
口周辺 | - | - | ○ | ○ | - | ○ | - |
あご | ○ | - | ○ | - | - | ○ | ○ |
首 | ○ | ○ | ○ | - | - | - | ○ |
胸 | ○ | ○ | ○ | - | - | - | - |
背中 | ○ | ○ | ○ | - | - | - | - |
おしり | - | - | ○ | - | - | - | - |
おでこは前髪が外部刺激となって、毛穴が開きにくいために白ニキビが発生します。鼻は体調が敏感に現れる部位であり、毛穴が開きやすいために黒ニキビになりやすいです。
男性はひげ剃りが刺激になって、口周辺やあごににきびが出やすいです。衣類や寝具の衛生環境が悪く、背中のニキビも気になります。顔をUVケアで保護しないことから、紫外線が影響することもあります。
女性は毛穴が小さいので皮脂も詰まりやすいです。メイクは薄めにして、なるべく早くメイクを落とすことがポイントです。夏場の汗はこまめに拭いて、化学繊維の肌着を避けるなど、複合的な対策します。
また、皮膚は人間の身体機能の中ではそこまで重要ではないため、少しの体調悪化でも敏感に反応しやすくなっています。これらは体調を映すバロメーターの役割があるためです。
ニキビができたときは「体が疲れている」と捉えて、「食事で脂分や糖分を控える、睡眠を十分に取る、運動でストレスを減らす」といった生活スタイルの改善も心がけます。

治療は皮膚科で外用薬を貰う
皮膚科で治療する理由
すべてのニキビは医学的には「尋常性痤瘡」と呼ばれ、尋常性は「特別ではない」、痤瘡は「できもの」という意味があります。つまり、ニキビは皮膚の病気であり、皮膚科を受診することが一般的です。
尋常性痤瘡=特別ではない+できもの
美容クリニックやエステでもニキビの集中ケアができますが、金額は1回数千~1万円もかかります。その点、皮膚科は健康保険が適用されるため、1回数百~2000円で、以下の治療が実施されます。
- 問診を受けて、原因と対策を特定します。
- 治療薬を患部に塗ります。
- ベピオやディフィリンという外用薬の処方されます。
- 抗生物質のミノマイシンなどの内服薬を処方されます。
- ビタミンC、B2、B6などのビタミン剤を処方されます。
- 保険適用外ですが、皮膚科推奨の洗顔料や化粧水も買えます。
- 毛穴が詰まりを圧出する処置をする医療機関もあります。
処方される外用薬リスト
外用薬はダラシンTゲル、クンメルフェルド液、アクアチム軟膏が処方されてきましたが、2008年からはディフェリンという塗り薬が承認されて、ニキビの治療で広く使われています。主な外用薬のリストは以下の通りです。
名称 | 説明 |
---|---|
ディフェリン | 有効成分のアダパレンが皮脂の詰まりを抑制して、毛穴を清潔に保ちます。ビタミンAを意味するスルレチノイド系で、最も処方されている外用薬です。 |
ベピオ | 有効成分の過酸化ベンゾイルが皮脂の詰まりを抑制します。アクネ菌に極めて高い抗菌作用を持ちます。 |
エピデュオゲル | アダパレンと過酸化ベンゾイルの混合です。患部の膨らみとアクネ菌の増殖を抑えます。 |
ゼビアックス | アクネ菌の増殖を抑えて、炎症を静めます。赤ニキビや黄ニキビに使われます。 |
情報取得日 2020年1月時点
外用薬による治療を始めると、乾燥によってヒリヒリと痛んだり、かゆみを感じましたが、2週間以内にはニキビが減っている効果を実感できます。その後、2~3カ月かけてニキビの発症を抑えて、肌をきれいにします。
皮膚科でニキビを抜く
皮膚科によっては毛穴から面疱を圧出する処置をしてくれます。面貌とは「毛穴に詰まった脂の固まり」のことです。
写真は皮膚科で比較的に軽度のニキビを抜いた直後です。赤みの中央は毛穴であり、この毛穴の中にある皮脂を抜き出しました。
この状態はニキビを潰したわけではないです。ニキビを潰す行為は膨らんだ箇所全体を押して、面疱が破裂することで皮膚にダメージを与えます。その結果、残った傷が修復されないことでニキビ跡になりやすいです。
一方、ニキビを抜く行為は膨らんだ毛穴から面疱のみを抜き出して、アクネ菌の増殖を静め、1カ月後には赤みもきれいに引きます。
皮膚科でニキビを抜くデメリットとしては、処置が痛いことです。手で触れるだけで痛かったニキビに、圧出器を押し当てて、皮脂や膿を押し出すために涙が出るほど痛みます。
また、すでに悪化したニキビの場合は血が出たり、赤い腫れが広がります。ニキビの膨らみも4~5日で鎮まりますが、その間の見た目は周囲が気遣うほど、痛々しい状態です。

予防は洗顔料で衛生状態を保つ

洗顔はぬるま湯を使う
ニキビ対策の基本は毎日の洗顔です。頭や体を洗うことと一緒で、今日付着した汚れを今日中にきれいにしましょう。特に顔は皮脂分泌が多く、服で覆っていないために予想以上に汚れています。
洗顔をするときは30~34℃のぬるめのお湯が最適です。ぬるま湯で70%の汚れは落ちますし、温かみがある水分は毛穴を開かせて、毛穴に詰まった皮脂や汚れをかき出します。
ちなみに洗顔には低刺激性の洗顔料が適しています。安価なスクラブ洗顔剤や消炎剤を含んだ洗顔料は、肌は清潔になりますが、本来必要な皮脂や潤いも奪って、刺激物質で余計に痛めてしまいます。

泡で包むようになでる
石鹸をよく泡立てて、スポンジのような柔らかさにして、マッサージするようになでていきます。細かな泡の粒子が毛穴まで入り込んで、ニキビの原因になる余分な皮脂や汚れをきれいに取り除きます。
さらに泡が手と顔の皮膚の接触をカバーしてくれます。肌荒れは体の内側に原因が潜んでいますが、外側からの刺激にも非常に敏感です。
女性はメイクもしっかり落としましょう。ただし、ゴシゴシと強くこすると刺激で皮膚が過敏に反応しますし、逆に悪化しやすいです。余分な角質層をはがし、毛穴の皮脂や老廃物を取り除くことを目的にします。

石鹸と水分を拭き取る
洗顔料を洗い流すときは泡を残さないように、すべてきちんと洗い流しましょう。洗顔料が天然成分だったとしても、洗い残しは皮膚の炎症を引き起こします。洗うとき同じくらいすすぎにも気を遣いたいです。
最後に細菌に汚染されないように、清潔なタオルで水分を吸収します。このときも擦るような動作ではなく、押さえるようにポンポンと乾かします。
1日に何度も洗顔すると肌をガードするはずの最低限の皮脂まで除去してしまうため、洗顔は1日朝と夜のみにします。以上、生活習慣に気をつけて、皮膚科の外用薬を塗り、日常的な洗顔をすることでニキビは改善していきます。
