【漫画】じんましんとは?原因はアレルギー・温熱・寒冷・日光・汗・ストレスなど

仕事・家事・育児をする会社員
「突然出て急に消える」




「原因不明が70%以上」




「図解!発症する仕組み」




「慢性化したら病院へ」




じんましんの症状と特徴
皮膚の表面が赤く腫れて、ボコボコした柔らかな膨らみが現れます。かゆみのある赤いボツボツができることもあります。発症する箇所は不規則です。最初に出現した箇所からすぐに周囲に広がっていき、発疹がくっついては大きくなることもあります。
発疹は数時間、遅くても24時間以内に消えます。ただし、発疹が出たり消えたりと数日間繰り返すこともあります。ほとんどのケースでは長くても1週間前後で消えてしまい、かゆみも静まります。
また、通常は皮膚がきれいに戻るにも関わらず、茶色く跡が残ったり、表面が乾燥してカサカサになるようでしたら、じんましんとは別の病気と考えられますので、医師による別の診断が必要です。
じんましんの原因の70%は不明ですが、主な原因としては体調不良とアレルゲンがあげられます。風邪や疲れ、ストレスなどの体調不良、もしくは食事後に突発的にじんましんが発生します。
例えば、サバやイカなどの食べ物を体内に取り込むことで、じんましんは発生しますし、雑草や花粉、ダニやカビ、虫刺され、汗、温度、薬などが直接肌に触れ、それらが刺激になって、じんましんとなることもあります。
原因別に10種に分類できる
じんましんの種類一覧
原因がはっきりしない例が多いですが、じんましんを繰り返す場合はその原因を特定することが予防につながります。一般的にじんましんは原因や症状別に以下のように分類することができます。
名称 | 特徴 |
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急性じんましん |
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慢性じんましん |
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特発性じんましん |
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アレルギー性じんましん |
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食物じんましん |
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アナフィラキシーショック |
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機械的じんましん |
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人工じんましん |
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温熱じんましん |
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寒冷じんましん |
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日光じんましん |
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コリン性じんましん |
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心因性じんましん |
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病巣感染によるじんましん |
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じんましん型薬疹 |
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血管性じんましん(クインケ浮腫) |
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10種類のじんましんの特徴
特発性じんましん
じんましんは大人から子供まで、世代を問わずに発症する病気です。その原因には食品や花粉などのアレルギー全般、金属や温熱などの接触を伴う刺激物、運動や新陳代謝による発汗、ストレスや感染症などがあります。
ただ、じんましん患者の70~80%の人が発症原因を「わからない」と答えており、仮に医師が診察したとしても、その症状だけでは原因の特定は難しいことから、そのようなじんましんは「特発性じんましん」に分類されます。
特定の原因が見つからない+発症する=特発性
しかしながら、特発性じんましんは特定の原因がまったくないというわけではなく、あくまで原因が判別しにくいという意味です。実際には身体的疲労、精神的ストレス、細菌感染といった原因が潜んでいることが多いです。
アレルギー性じんましん
アレルギー性じんましんのアレルギーとは、アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎と同じく、アレルギー症状の1つです。基本的にアレルギーがない人にアレルギー性じんましんは起こりません。
私たちの体では異物である「抗原」を吸収したとき、それに対抗する物質である「抗体」を作って、抗原を排除する仕組みが存在します。
この反応を「抗原抗体反応」や「免疫反応」と呼びます。抗原抗体反応が適切に機能すれば、日常的に抗原から体を守ることができるわけです。
しかし、対した量でもない抗原にも過剰に抗体が反応し、必要以上の防御力で対応した場合は、抗原はアレルギーと化します。抗原とは「アレルギーになる物質=アレルゲン」であり、すべての物質が抗原になりえます。
例えば、春にスギ花粉を吸った場合に花粉症ではない人は、スギ花粉が人体に異物でもその量やタイプで問題がなければ、体は「悪影響がない」と判断して、抗体は特別な反応を示しません。
このとき、花粉症の人は花粉という抗原の影響で抗体が大量に生産されて、異物である花粉を体外に追い出そうとします。くしゃみや鼻水で花粉を吹き飛ばし、目のかゆみと涙で洗い流そうとするわけです。
特定の抗原を体内に摂取した際に、体に異変が現れたり、いろいろな症状を引き起こす病気を「自己免疫疾患」と呼び、その人は特定の抗原に対するアレルギー体質とされます。
アレルギー性じんましんの中でも、よく知られている原因に食物性アレルゲンがあります。食べ物を食べることで、かゆみやむくみが発症して、プツプツとした膨疹が現れます。
この食物性アレルゲンには食物が直接アレルギー反応を引き起こすケースと、食物にヒスタミンなどのじんましんを誘発する物質が入っていてアレルギー反応を引き起こすケースがあります。
直接アレルギー反応を引き起こす物質が含まれる食品は、卵、牛乳やチーズなどの乳製品、サバ、マグロ、サンマ、エビ、カニなどの魚介類、豚肉、牛肉、鶏肉などの肉類、大豆、小麦、そばなどの穀物、ジャガイモ、トマト、キャベツなどの野菜、りんご、メロンなどの果物があげられます。
一方、ヒスタミンなどのじんましんを誘発する物質が含まれる食品には、たけのこ、セロリ、ほうれんそう、バナナ、チョコレート、チーズ、赤ワインなどがあります。
食品添加物である合成着色料、保存料、酸化防止剤などは、気付きにくいじんましんの原因の1つですし、アルコールやスパイスも抗原の吸収率を上げる作用があるため、普段よりじんましんが発生しやすくなります。
じんましんの抗原となる物質は腸から吸収されるために、腸に炎症が起こっていたり、胃酸過多や胆石などの病気を持っていると、同じ食事を摂っても体調が悪くなりやすく、じんましんを起こしやすいです。
加えて、花粉、ハウスダスト、ペットの毛、綿ぼこリ、カビ、細菌などを吸入し、口や鼻の粘膜に付着する吸入性アレルゲンもあります。
他にも抗生物質、結成製剤、アスピリン、サルファ剤、ペニシリンなどの薬品の服用、塗布、注射、挿入による薬剤性アレルゲン、ウルシ、蜂、ムカデ、イソギンチャクなどに刺されることによる刺咬性アレルゲンでもじんましんが起きます。
アナフィラキシーショック
アナフィラキシーショックは重症化したアレルギー症状のことです。例えば、日本では夏から秋にかけて、スズメバチやアシナガバチに刺されてアナフィラキシーショックに陥る人が数十人もいます。
スズメバチの毒が体内に入ると、すぐに冷や汗や悪心を感じ、数分もしないうちに患部が腫れ上がります。しかしながら、スズメバチに初めて刺されても死亡するケースは実は少ないです。
ただし、1度目に刺されたときに体内でスズメバチ毒素に対する抗体が作られます。その後、2度目に刺されたときが危険です。
すでにあるスズメバチの抗体の影響により、重い抗原抗体反応が起こり、最初にじんましん、嘔吐、しびれ感、くしゃみ、尿意、血圧低下が先行して、次に呼吸困難、胸内苦悶、喘息発作が続きます。
さらには声門に浮腫ができて、窒息、チアノーゼ、意識レベル低下などのアナフィラキシーショックが起こり、この時点で適切な処置をしなければ死亡に到ります。
アナフィラキシーショックはアレルギーと同じ仕組みです。免疫細胞が特定の物質に対して異物と判断し、再侵入に備えて「IgE抗体」という抗体を生成し、IgE抗体がマスト細胞と結合します。
特定の物質が再び侵入すると、マスト細胞が異物を攻撃するためにヒスタミンなどを放出して、そのヒスタミンの影響により細胞組織、血管、神経細胞を刺激し、その結果、かゆみ、せき、くしゃみなどを引き起こします。
アレルギーは体の免疫力が働いていても、その働きが過剰すぎて逆に体が異常を訴える状態です。そのため、反対を意味するana、防御状態を意味するphylaxisを併せて、日本でもanaphylaxisという名称が浸透しました。
日本ではスズメバチだけで年間数十人が亡くなっていますが、アナフィラキシーショックの事例としては、スズメバチよりも一般的な食事によるアレルギー反応のほうが多いです。
そのため、2002年4月から卵、牛乳、小麦、そば、落花生の5品目は、アレルギーを起こしやすい食品として表示が義務化されました。
さらに牛肉、豚肉、鶏肉、大豆、クルミ、山芋、マツタケ、オレンジ、キウイ、もも、りんご、アワビ、イカ、イクラ、エビ、カニ、サバ、サケ、ゼラチンの19品目は、食品への表示を推奨されています。
機械的じんましん
機械的じんましんは皮膚に機械的な刺激を受けたときに起こるじんましんであり、物理的じんましんや接触性じんましんとも呼ばれています。
例えば、時計のバンド、ベルトで押さえていたお腹、下着のゴムによる締め付けで発生します。それ以外でもアクセサリーの金属類の接触部分、バッグを持っていた手首、強いかきむしりなどでもできます。
これは真皮の血管周辺にある肥満細胞が刺激を受けることで、その細胞壁からヒスタミンという物質が遊離されるためです。
ヒスタミンが毛細血管に作用して、血管の壁が物質を通しやすくなる透過性を高めていきます。その結果、血管から周囲の組織へ血漿が染み出て、赤みを帯びた膨らみが発症します。
機械的じんましんは他のじんましんよりも判断が容易です。例えば、ひもなどで手首を強く引っかき、その刺激により赤いミミズ腫れができて、なかなか引かない場合は、かゆみが出なくても機械的じんましんです。
摩擦で熱を帯びたために温熱じんましんも否定はできませんが、あくまで皮膚に何らかの物質が接触した場合に発生したのであれば、機械的じんましんと判断できます。
また、じんましんは強いかゆみを伴いやすいですが、機械的じんましんの場合は赤く腫れるだけで、かゆみや痛みはあまり感じないことが多いです。
ただし、機械的じんましんが発生した箇所をかいてしまうと、かゆみが発生したり、じんましんが広がることもあります。基本的にじんましんができやすい体質であるため、さらにかいてしまうことは肌に人工的な刺激を与える結果となり、症状が悪化します。
機械的じんましんが発生しやすいかを判別するには、皮膚に刺激を与える皮膚描記法が皮膚科では用いられます。
ボールペンの先端などの硬く細い物質で皮膚を圧迫しながら、強くこすります。健康な人は少し赤くなってわずかに膨らむ程度ですが、機械的じんましんの人は真っ赤に腫れ上がります。
温熱じんましん
温熱じんましんは温水や温風のような温かい刺激を受けるとできるじんましんです。特に気温が低いところから高いところに移動して、体が温まるたびに皮膚に発疹が出現します。
蚊が刺したときのような皮膚の赤味とわずかな腫れ、温熱じんましんの特徴である強いかゆみを伴います。
温度変化を感じ取りやすく、血管が集まっているももや乾燥しやすいひじやひざ周辺に、ヒスタミンという物質が集中して、その結果、皮膚には赤みを帯びた膨らみができます。
温熱じんましん発症すると接触部分の皮膚の温度は40~50℃くらいに上がります。温かさによる体温の上昇が原因であるため、入浴後や運動後、暖房器具にあたったあとに起こりやすいです。
温熱じんましん始めは肌がピリピリする程度ですが、症状はすぐに悪化し、強いかゆみが取れなくなることもあります。温熱じんましんが発生した箇所をかいてしまうと、かゆみが発生したり、じんましんが広がることもあります。
基本的に温熱でじんましんが起こりやすい皮膚であるため、摩擦熱を伴った皮膚組織への炎症は、症状が悪化してしまいます。以下の症状が診られたら、温熱じんましんの可能性が高いため、温熱が発生しにくい環境を作りましょう。
- 風呂に入ると、次第に太ももや腕がかゆくなっていきます。
- 入浴後に手でかくだけで真っ赤になり、かゆみが増します。
- 汗をかくとかゆくなり、拭かないで放置すると悪化します。
- 暖房器具の近くにいると、暖かさのせいでかゆくなります。
- 冬場に服を厚着すると、ピリピリとしたかゆみを感じます。
原因物質が温熱と判明されているために、温熱を避けることが温熱じんましんの予防になります。温熱を避けるといっても、ストーブから直接風を受けないことや、風呂上がりは軟膏を塗るといった日々のケアが大切です。
例えば、小学生くらいまではコタツに中に入ったり、エアコンの風にあたると、内ももにかゆみと赤みが発生してしまい、1度刺激を受けると、お風呂に入っている最中も常にかゆくなります。
寒冷じんましん
寒冷じんましんは冷たい水や風のように体温よりも低い物質に触れたり、温められた体が冷やされたことで発症します。基本的には冬場に発症しやすいですが、エアコンの冷風などが原因で夏場でも寒冷じんましんになります。
寒冷じんましんは皮膚が赤くなり、鳥肌に似たわずかな腫れとかゆみが起こることが特徴です。放置すると症状が悪化することもあれば、悪化せずにたまに出る程度で留まることもあります。
体が急に冷たくなるたびに皮膚に発疹が出現したり、温かいところから寒いところに移動するとかゆみが出てしまう人は、寒冷じんましんの可能性が高いです。
激しい温度変化が、血管の周辺にある肥満細胞を刺激することでヒスタミンが放出され、そのヒスタミンが血管内の血漿を外に出すため、皮膚に赤みを帯びた膨らみができます。
冷房器具にあたったあとや入浴後の急激な冷え込みのように、寒冷による刺激で体温低下を引き起こし、温度差が生じることが原因です。
他にも朝起きてから、素足でフローリングに触れると足の周りにじんましんができたり、冬に外出すると顔が腫れたり、冷たい風が触れた皮膚が赤くかゆくなることも、寒冷じんましんの例によくあげられます。
- アイスクリームやジュースなどを飲むと、かゆくなります。
- 裸足で冷たいフローリングを歩くと、足がかゆいです。
- 寒がりで鳥肌が発生して、関節などがかゆくなります。
- 冷たい風に当たると顔が部分的にかゆみを感じます。
- 温まった状態で冷たい場所に移ると、かゆみを覚えます。
原因が寒冷と判明されているために、寒冷を避けることが寒冷じんましんの予防法になりますが、具体的には体温の急激な変化を抑えることが大切です。
寒さと乾燥は肌に刺激を与えるため、冬の屋外では体を極端に寒くさせないように、暖かさを感じるくらいの服装を着るようにします。
冬場は入浴後の脱衣場で寒冷じんましんが発症しやすいので、浴室と脱衣場をよく温めます。お風呂でも体を十分に温めて、上がったあとは素早く着替えて、体温の低下を防ぎましょう。
運動したあとは体を冷やさないように、タオルで体をぬぐうことも効果的です。じんましんは早く反応の出るタイプのアレルギーであるため、とにかく急激な温度差は避けるようにしたいです。
寒冷じんましんができやすい人は、エアコンやドライヤーなどの冷たい風が原因になりますので注意しましょう。旅行先では冬の露天風呂も温度差が極端であるために気を付けたいです。
日光じんましん
日光じんましんは太陽に直接当たった部分がかゆくなるじんましんです。特に4~9月の強い紫外線で発生しやすく、皮膚の赤味、わずかな腫れ、かゆみを伴う皮膚病になります。
日光じんましんができやすい人は、体調がよくないときに太陽光線に当たることで、数秒後にはすでにじんましんを発症します。10分以内にはピークに達し、1時間以上は症状が続くことが普通です。
放置すると症状が悪化することもあれば、悪化せずにたまに出る程度で留まることもあります。
日光で刺激を受けた皮膚の内部では、大量のヒスタミンが放出されます。この割合が多いと毛細血管が反応して、血管壁からを血漿が染み出るようになり、赤みを帯びた膨らみが発生します。
日光じんましん日光じんましんの原因は直射日光によるためであり、意識的に防御をしないと日常生活に支障をきたす場合が多いです。
特に日光じんましんが発生した箇所をかいてしまうと、かゆみが発生したり、じんましんが広がることもあります。
基本的にじんましんができやすい人ほど肌が弱いため、さらにかいて皮膚を痛めつけることはかゆみが増幅して、症状を悪化させます。
皮膚に日光があたると手、足、太もも、背中、腹部などにかゆみを伴う発疹が出ます。以下の症状が診られたら、日光じんましんの可能性が高いので、紫外線が当たらない環境が大切です。
- 部屋ではかゆみと赤みは起こらず、外出先でよく発症します。
- 春と夏の紫外線の多い時期に、発症頻度が高くなります。
- 海などで露出度が高いときに、かゆみと赤みが発症します。
- 直射日光にあたる度に発疹が出現し、かゆみが出ます。
- 太陽光の下ではかゆみに加え、体調悪化が起こります。
日光じんましんと一緒に現れる症状に頭痛、悪心、吐き気、腹痛、下痢などもあります。
コリン性じんましん
コリン性じんましんは発汗による刺激で発症してしまうじんましんです。特に運動、入浴、精神的ストレスによる発汗で起こりやすく、皮膚の赤味、わずかな腫れ、かゆみを伴います。
発疹ができやすい人は軽く歩いて、体が少し温まるだけで急に背中にかゆみを覚えます。それが首から頭に伝わり、腰から尻へ広がりながら、両足にもかゆみや痛みを伴うこともあります。
コリン性じんましんは汗が原因であるために夏場はかなりきつく、外出時に支障をきたす場合が多いです。はじめは肌がピリピリする程度ですが、次第に症状は悪化してしまい、かゆみが取れにくいこともよくあります。
この状態を放置すると症状が悪化したり、より過敏になってしまうこともあれば、何もせずにたまに出る程度で留まることも多いです。
コリン性じんましんは皮膚の内部にある交感神経の末端で、汗腺を刺激するアセチルコリンという神経伝達物質が放出されることが原因になります。
そのためにコリン性じんましんの検査は、アセチルコリンを注射したり、熱や運動負荷を与えることで、皮膚の反応を伺う方法が一般的です。
また、汗をかくと手足や背中、関節にかゆい発疹が出ます。以下の症状が診られたらコリン性じんましんの可能性があるため、汗を拭く習慣が大切です。
- 汗が皮膚ににじみ出たと感じる度に発疹が出ます。
- 発疹の大きさは1~2mmと小さく、量が多いことが普通です。
- かゆみやピリピリとした痛みを訴えることがあります。
- かゆみと同時に腹痛、下痢、低血圧なども伴います。
- 腕を中心に部分的に発生しますが、手の甲には出ません。
- 発症期間は数分~30分以内、長くても数時間で消えます。
- 10~30代の青年期に多く見られます。
原因物質が主に汗と判明されているために、なるべく汗をかかないようにしたり、拭き取ることがコリン性じんましんの予防策になります。
心因性じんましん
心因性じんましんはストレスを中心とした心の病が原因で発症するじんましんです。ストレスを感じるたびに発疹が出現して、赤い膨らみとかゆみを伴ったときは心因性じんましんの可能性が高くなります。
自覚症状なしで精神的負担を背負っていると、原因不明で皮膚に肌荒れや湿疹などの変化が現れることがあります。この状態を放置することで肌は悪化しやすいですが、自然に治まる可能性も高いです。
ただ、急激な環境の変化や著しい精神的ショックを体験したり、慢性的に不都合な状況にさらされたケースでは、柔軟に対処していく力が及ばずに、心の病にかかりやすいです。
特に極度の不安、焦燥感、抑うつ、無気力、引きこもりといったような精神的症状を自覚することがあります。このような症状が慢性的に出現する状態は「心因性疾患」と呼ばれています。
心因性疾患は主に神経症、心身症、躁うつ病に3種類に分けられます。さらに心因性じんましんはてんかんや自律神経失調症などの病気、内向的な人や情緒不安定な人にも起こりやすいです。
病巣感染によるじんましん
病巣感染によるじんましんは病巣に住みつく細菌の毒素や死んだ組織などの影響で発症するじんましんです。病気を持っている人に起こるじんましんであり、皮膚の赤味とわずかな腫れ、軽度のかゆみを伴います。
病巣感染とは細菌やウイルスなどによる感染症によって、一見まったく関係がないと思われる離れた箇所に障害が起こることです。
この病巣感染の原因の60%が扁桃腺炎、30%が歯の病気、10%はその他の病気とされています。よく発病する例には風邪、虫歯、副鼻腔炎があり、これらの発症に伴って、じんましん、湿疹、かゆみが発生します。
仮に病巣感染によるじんましんを放置しても悪化することは少なく、病気の中の症状として留まるケースが多いです。
病巣を持っている人がアレルギー物質を摂取したり、物理的刺激を受けていないときに発疹が出現して、かゆみも出ると病巣感染によるじんましんの可能性が高まります。
病巣とは細菌が慢性的に存在して、軽い炎症を起こしている箇所です。さらに病巣とは直接関係がない臓器に障害が出てしまい、二次的な病気が起こってしまう現象が病巣感染です。
つまり、一時的な病気として風邪をひいたり、虫歯が発生して、二次的な病気としてじんましんが発生することを意味します。その病巣感染が起こる流れとしては、次のような点が指摘できます。
- 細菌が病巣から血管を通って、他の部位に感染します。
- 細菌の毒素が血管を通って、体内を巡ってしまいます。
- 細菌の毒素が沈着することで、感染防御反応が衰えます。
- 細菌、毒素、代謝産物に対する抗体がアレルギー化します。
- 持続的な病変からの刺激で、神経が過剰反応してしまいます。
病巣感染の存在により、被害を受けてしまう臓器は心臓、腎臓、肺、胃などであり、皮膚もかなり悪影響を受けやすいです。特に胎児や乳幼児は病巣感染の傾向が強まります。
二次疾患としてはじんましんが有名ですが、他にも湿疹などの皮膚疾患、腎機能低下、リウマチ性疾患、循環器障害、胃潰瘍、胃がん、低体重児出産、早産などがあります。
子供がじんましんを発症する原因
子供のじんましんは原因不明で突発的に起こることも多いですが、基本的には複数の原因が潜んでいる可能性が高いです。これは子供の皮膚が大人よりも薄く、体質的にも刺激に敏感に反応するためです。
主な原因には食物性アレルギー、ダニやカビ、虫刺されなどの外部刺激、急激な温度変化など多種多様です。さらに強い紫外線の日光、運動による発汗、ストレス、別の病気の症状ということもあります。
子供特有の理由では草や虫などとの接触でかぶれることです。自然で遊ぶことが多い子供は半ズボン、半袖で動き回ることが多く、大人と違う形でじんましんになりやすいです。
食べ物も果物やお菓子など、子供が口にしやすい食べ物から原因を探っていくこともできます。合成着色料、保存料、酸化防止剤などの食品添加物も判明しにくい原因の1つです。
大人より子供のほうが風邪をひきやすいことも、じんましんの発症原因にあげられます。風邪は病気の諸症状を誘発するため、比較的にじんましんも発症しやすいと考えられています。
ただし、乳幼児とも風邪をはじめとした体調の悪化はよくあることで、必ずしもじんましんの誘発したとは確定できません。
じんましんの応急処置をする
じんましんは誰でも発症する可能性がある一般的な皮膚病です。多くの場合は非常に短い時間だけ発症する一過性であり、例えば、夜にじんましんが出ても、翌朝にはすっかり治っているということがよくあります。
短い場合では数分から30分程度で症状がなくなることもあります。こうした短時間で治るタイプのじんましんで、かゆみが我慢できるなら特に何もしなくても大丈夫です。
ただ、血流が活発になるとじんましんが悪化することもあります。短時間で治りそうでも、じんましんが出たら血流を弱めるために一旦落ち着いて、リラックスして過ごしましょう。
かゆみが強い場合も含めて、患部を冷やすことは有効です。冷たい水を含ませたタオルで患部を覆って、皮膚表面の温度を下げるだけでも、かゆみや痛みが多少和らぎます。
これは血液成分が血管外に漏れ出すことでかゆみや痛みが発生しますが、冷気によってじんましんの発生箇所の温度が下がり、一時的に血流が抑えられて、血液成分の漏れるスピードが遅くなるためです。
ただし、じんましんの中で寒冷じんましんは冷えた箇所にじんましんが出るため、冷やすことは避けて、逆に温めたほうが効果的なこともあります。
とにかくかゆみを抑えたい場合は、スポーツなどで使う冷感スプレーを使って、一気に温度を下げることできます。メントール配合のジェルもひんやり感が長持ちしますが、刺激が強いために注意が必要です。
じんましんの見た目は皮膚表面に発生する湿疹や皮膚炎に似ていますが、じんましんは表皮の下にある真皮から発生するため、単純なかゆみ止めのような外用薬では有効成分が浸透せずに、あまり改善しないことがあります。
市販薬では効能と効果の欄に「じんましん」と表記されている外用薬を選びましょう。例えば「メンソレータムAD、ムヒソフトGX、ラナケインS、ユースキンI、フルコートf」などがあります。
また、こうした方法はあくまでも応急処置です。仮にじんましんが口や喉にできると呼吸不全に陥って命の危険もあります。じんましんは慢性化や重症化の恐れもあるため、特に子供の場合はかかりつけ医に相談しましょう。
じんましんの長期治療をする
じんましんが出た箇所を冷やすことは一時的な処置であるため、本格的な治療には医師の判断が必要です。その際はなるべくじんましんが出ているときに皮膚科を受診しましょう。
肌だけではじんましんの原因は特定できませんが、医師が皮膚の状態を把握することは今後の治療方針にも関わります。
初期の治療ではかゆみや痛みを抑えるために、抗ヒスタミン剤が処方されます。じんましんの諸症状は体内にヒスタミンというかゆみ成分が分泌されているためであり、まずはこのヒスタミンの働きを抑える薬で緩和します。
仮に症状がすでにかなり進行しており、かゆみや痛みが我慢できないほどであれば、短期間だけステロイド系の外用薬を使います。
その上でじんましんがアレルギー性の場合はアレルギーの原因物質を特定して、それを日常生活で避ける習慣をつけたり、逆に少量ずつ投与していって、体を慣らす治療もあります。
非アレルギー性の場合はじんましんを引き起こすトリガーを見つけることが優先であることに違いはありません。こちらもそれを徐々に体に触れさせて、じんましんの再発を抑える治療が行われています。
ただし、じんましんは必ず治るわけではありませんし、治療は長期間に及び、必ず医師の判断で行います。そのため、基本的にはじんましんの原因物質を避ける予防が大切です。
その一方で数カ月から数年の時間が経過するうちに、刺激に過剰に反応していたじんましんが次第に静まる傾向があります。特に幼少期はじんましんが発生しやすくても、大人になると自然に治りやすいです。
じんましんの体験談や口コミ


温熱じんましん
多くのじんましんは根気よく治療を続けることで改善が可能です。いずれにしても症状が重い場合は、自己判断ではなく皮膚科の医師の診察を受けてもらうようにしましょう。
予想外に発症した急性じんましんの場合は、抗ヒスタミン薬などの薬を飲むことで症状が治まりますが、何もしなくても再発しないことも多いです。
私は子供の頃は温熱じんましんでストーブやこたつがダメでしたが、大人になったら皮膚が強くなり、免疫反応が弱くなったこともあって、じんましんは発生しなくなりました。


急性じんましん
じんましんが出やすいタイプで何回も経験しています。基本的には皮膚の浅い層に大小さまざまな部分的なむくみが現れる感じです。ブツブツや赤みが現れ、強めのかゆみを伴います。
ただ、症状によってはチクチクとしたり、焼けるような熱さを感じることもありました。
通常、数分から数時間後に次第に消えてなくなりますが、再発を繰り返すこともあります。この再発が1カ月以内に治まるような短いじんましんを「急性じんましん」と呼ばれており、私も急性じんましんしか経験したことがありません。


特発性じんましん
原因がはっきりしない場合は症状を避けられずに、じんましんが長期にわたって発症することも珍しくありません。じんましんの70~80%は原因が特定できない特発性じんましんに該当するほどです。
長くかかるほど、治るまでの時間も長くなる傾向もあります。私も小さい頃から大人になった今も、たびたびじんましんが発症しています。
このような慢性じんましんの場合は発症の有無問わず、長期にわたり薬を飲み続ける必要も出てきます。そのときは上手にじんましんの発症をコントロールしていくことで、少しずつ薬の量を減らすことができます。


心因性じんましん
私のじんましんの特徴はかゆみや赤みだけではありません。症状が激しいと次々と新しい膨らみが出没し、範囲も拡大していきます。
大きさは1~2mmから手足全体に広がるなどいろいろです。複数のじんましんが融合して、体のほとんどが覆われることもあります。形もさまざまで円形、線形、環状などがあります。
1回の症状は数時間以内に治まりますが、1カ月以上も再発が続く状態が慢性じんましんも多いです。しかし、原因を探っても見つからず、おそらくストレスと体の疲れによるものと推測されます。