可処分所得の計算式とは?年収から税金と社会保険料を引く

中野貴利人
監修中野貴利人
2019/09/06 更新

可処分所得の計算式とは?年収から税金と社会保険料を引く

  1. 可処分所得は「給与×80%」程度
  2. 5ステップで可処分所得は計算できる

可処分所得は「給与×80%」程度

手取りを意味する可処分所得は「給与×80%」程度です。仮にあなたの年収が日本人の平均値に近い400万円の場合、そこから20%程度の税金が引かれて、可処分所得は320万円くらいになります。

ただし、厳密には可処分所得の計算式は「年収-税金-社会保険料」です。基礎控除や配偶者控除などを引いて、年収に対して累進的に決められた税率で納税額を算出しないといけません。

そこで年間給与と控除所得控除(所得から差し引ける金額)を入力して、可処分所得を自動計算できるようにしました。所得税と住民税の合計である納税額、健康保険税、厚生年金保険料、雇用保険料の合計である社会保険料もわかります。

  1. 年間給与(賞与や手当を含む)を入力します。
  2. 所得控除を入力します。不明の場合は基礎控除の38万円のみとします。
  3. 計算ボタンを押します。
年間給与
所得控除

可処分所得
納税額
社会保険料

情報取得日 2019年1月時点

主人公
主人公
年収1,000万円も手取りは80%くらい?
貧乏神
貧乏神
68%くらいだぬ。年収が高いほど手取りの割合は減るだぬ。

5ステップで可処分所得は計算できる

チェック1

給与から給与所得控除を引く

給与から給与所得控除を引く

正しい可処分所得の計算は「①給与から給与所得控除を引く、②所得から所得控除を引く、③課税所得に所得税率をかける、④所得税から税額控除を引く、⑤年収から納付額と社会保険料を引く」の5ステップです。

そのため、最初は給与から給与所得控除を引きます。給与所得控除とは「会社員の経費」のような位置づけです。会社員は自営業者のように売上から経費を引くことができない分、一律で給与所得控除が使えます。

給与-給与所得控除=所得

例えば、年間給与が400万円の人の場合、次の式に当てはめることで、給与所得控除が「(400万円×20%)+54万円=134万円」とわかり、所得が「400万円-134万円=266万円」と求められます。

給与などの収入給与所得控除
180万円以下給与年収×40%
65万円未満のときは65万円
180万円超~360万円以下給与年収×30%+18万円
360万円超~660万円以下給与年収×20%+54万円
660万円超~1,000万円以下給与年収×10%+120万円
1,000万円超220万円(上限)

国税庁(2018年)「No.1410 給与所得控除」

ただし、所得には「給与所得、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得」の全10種類あります。

このうち、賃貸経営による不動産所得、個人事業主などの事業所得、美術品の売却益などの譲渡所得、払戻金や賞金の一時所得、年金や一時的な副業による雑所得がある人は、それらも給与所得に足して、総所得を計算します。

チェック2

所得から所得控除を引く

所得から所得控除を引く

先ほど算出した所得266万円から、さらに「所得控除=所得から差し引ける金額」を引きます。所得控除はすべての納税者に対して認められる基礎控除の38万円を含めて、全14種類あります。

名称金額
基礎控除一律38万円
扶養控除
  • 一般38万円
  • 特定63万円
  • 老人48万円
  • 同居老親等58万円
配偶者控除最高38万円
配偶者特別控除最高38万円
寡婦・寡夫控除原則27万円
勤労学生控除27万円
障害者控除27万円
医療費控除医療費-保険金-10万円
社会保険料控除支出分全額
生命保険料控除最高12万円
地震保険料控除最高5万円
小規模企業共済等掛金控除支出分全額
雑損控除
  • ①か②の多い額
  • ①損失額-課税標準×10%
  • ②災害関連支出-5万円
寄付金控除
  • ①か②の低い額-2,000円
  • ①特定寄附金の合計額
  • ②総所得金額等の40%相当額

これらの中で該当する所得控除がある人は、それらを所得から引くことで課税所得が決まります。

所得-所得控除=課税所得

仮に独身者や共働きである場合で、誤差を気にしないのであれば、基礎控除の38万円のみでも構いません。その場合「266万円-38万円=228万円」が課税所得となります。この課税所得に対して、税金や保険料がかかります。

チェック3

課税所得に所得税率をかける

課税所得に所得税率をかける

課税所得に対して、所得税を求める次の計算式を当てはめます。先ほどの例では「228万円×10%-97,500円=130,500円」となります。

課税所得税率控除額
195万円以下5%0円
195万円超~330万円以下10%97,500円
330万円超~695万円以下20%427,500円
695万円超~900万円以下23%636,000円
900万円超~1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円超~4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

国税庁(2018年)「No.2260 所得税の税率」

さらに2037年12月31日までは復興特別所得税が追加されます。復興特別所得税の計算式は「所得税×2.1%」であり、年収400万円の人は2,700円程度です。

課税所得×所得税率+復興特別所得税=所得税

また、所得税とは別に住民税も計算します。都道府県の住民税は「課税所得×原則4%+均等割1,000円」、市区町村の住民税は「課税所得×原則6%+均等割3,000円」です。課税所得が228万円の人の場合は「(228万円×4%)+(228万円×6%)+4,000円=232,000円」となります。

主人公
主人公
復興特別所得税は給与ではなく、所得税をもとに計算するのか。
貧乏神
貧乏神
そうだぬ。実質は給与の0.07%程度に相当するだぬ。
チェック4

所得税から税額控除を引く

所得税から税額控除を引く

すでに所得税と住民税は求めることができましたが、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)や配当控除、ふるさと納税などは税額控除に該当し、税金から直接差し引くことができます。所得税からこの税額控除を引くことで、実際の納付額が決まります。

所得税-税額控除=納付額

チェック5

年収から納付額と社会保険料を引く

年収から納付額と社会保険料を引く

4ステップまでで「年収-税金」は計算できましたが、さらに「年収-税金-社会保険料」を引くことで、可処分所得が求められます。社会保険料は健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料の3つです。

健康保険料は医療、後期支援、介護に分けて、それぞれに一定のパーセンテージをかけて計算します。年収400万円で、課税所得が228万円の人の場合は159,300円となります。

厚生年金保険料は毎年料率が上がってきましたが、2019年1月時点の18.3%で計算すると「400万円×18.3%×50%=366,000円」です。雇用保険料も毎年変動しますが、0.5%とすると「400万円×0.5%=20,000円」となります。

結果、年収400万円の可処分所得は税金「130,500+2,700+232,000」と社会保険料「159,300+366,000+20,000」を引いた3,089,500円でした。大雑把な計算である「400万円×80%=320万円」に近い数値となっています。

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著作・制作など

中野貴利人
監修・執筆・編集
フクポン運営/副業プランナー。新卒で副業開始、26歳で法人化、11期目。副業関連の著書4冊。2児の父。過去の取材や講演はメディア掲載履歴で紹介。