【漫画】第4話「被害の多い副業詐欺リスト!お金を支払う副業に騙されるな」

中野貴利人
著書「副業アイデア事典」など5冊/メディア掲載実績は日経新聞など150回以上/株式会社ネットピコ代表
2024/10/03 更新本ページはプロモーションを含みます

「3年契約で36万円」

自分がしてみたい副業が3つも見つかった!
ネットショップの経営!前からおしゃれな雑貨を売ってみたくてさ
この会社が月1万円で全部代行してくれるって!
3年契約だから初回に36万円を振り込むんだけど分割払いでもOK

「48万円の高額教材」

月額利用料なのに最初に3年分払うのは変だぬ
他にもあるよ!中小企業診断士としてコンサルをする副業
持ってないけど 仕事を斡旋してくれる協会の人が‥‥
教材費が48万円だけど資格が取れなかったら全額返金なんだ

「お金を払うのは詐欺」

結婚式の招待状に宛名を書く副業は?
あと宛名書きに必要な書道セットが一式10万円するだぬ
お前にいいこと教えてやるだぬ
お金を払う仕事は全部副業詐欺だぬ!

「副業も仕事の1つ」

いいだぬか?副業だって本業と同じ仕事なんだぬ
仕事をするのに最初にお金を支払うっておかしくないだぬか?
金銭的負担となる入会金 月額利用料 紹介料 情報提供料 制作費 材料代 教材費などが出てきたらアウトだぬ
安全でおすすめの副業ってない?

基本的に副業はお金を貰うことがあっても、支払うことはありません。まずは「気軽に高収入、片手間で数十万円、誰でも稼げる」などに注意し、安易な契約はせずに、自分が納得できる副業のみを実践しましょう。

会社員の間で副業が流行するたびに、その欲望の隙間に付け込んで、お金を騙し取る悪徳商法が横行します。副業を装った詐欺はいろいろなパターンがあり、ここでは被害件数が多い12種類の副業詐欺を紹介します。特にSNS経由の詐欺が増加中です。

  1. LINE・X・SNS系の副業詐欺3選
  2. 仕事紹介系の副業詐欺5選
  3. 一攫千金系の副業詐欺3選
  4. 副業詐欺に遭わないための予防法
  5. 副業詐欺に遭ったときの対処法
  6. 副業詐欺の体験談や口コミ

LINE・X・SNS系の副業詐欺3選

1

LINE友だち詐欺

LINEの友だちをX(twitter)やInstagramで集めています。例えば「主婦で子持ちの私も月30万円稼げました!本気で稼ぎたい方を全力でサポートします!LINE IDはこちら!」といった内容です。

LINE友だち詐欺

ここで友だちになると、すぐにLINEにて「まずはコンビニで10万円分のAmazonギフト券を買って、そのコード番号を教えてね」といったメッセージが来ます。そのコード番号を伝えるとギフト券は詐欺師のアカウントに登録されてしまい、10万円が奪われる仕組みです。

2

X(twitter)フォロー詐欺

X(twitter)リポスト詐欺

X(twitter)では「フォロー&リポストすると、現金100万円×100名にプレゼント」とアピールして、フォロワーを集めている人がいます。このアカウントをフォローしても当たることはなく、次に「この商品を買って、ハッシュタグを付けてツイートすると高額報酬が貰える」とメッセージを送られてきます。

もしここで商品を買ってツイートしても、高額報酬は貰えることなく、支払ったお金も戻ってきません。すでにこのアカウントは削除されてしまい、連絡も一切取れないです。

3

SNS経由の儲け話

SNSとはX(twitter)、Instagram、Facebookといったウェブ上で人と人が社会的につながるサービスのことです。このSNS上で展開されている儲け話や闇バイトは急増中であり、加害者にもなる危険な行為です。

X(twitter)やInstagramでは「すぐに日給3万円が稼げる仕事を紹介中」のように、仕事の勧誘や斡旋をする人が目立ちます。

しかし、実態は振り込め詐欺などの違法行為の手伝いです。振り込め詐欺にはオレオレ詐欺、病気やケガの手当金詐欺、年金の還付金詐欺などがありますが、最初の高齢者に電話をかける詐欺行為は、海外にいる別の担当者がします。

その次の高齢者宅までキャッシュカードを取りに行く「受け子」、高齢者から振り込まれたお金を引き出しに行く「出し子」、現金や薬物などを指定の場所に移動させる「運び屋」を請け負います。

これらは闇バイトであるため、私たちが副業でお金を騙し取られるわけではありませんが、犯罪を助長する副業、もしくは犯罪そのものです。主犯格は正体がばれないように装っており、主犯格に雇われた実行犯がリスクを背負います。

フク
フク
SNSには儲け話が蔓延しているね。
先生
先生
X(twitter)から闇バイトに加担すると逮捕されるだぬ。

仕事紹介系の副業詐欺5選

仕事紹介系の副業詐欺5選

1

仕事斡旋(あっせん)詐欺

副業では「仕事内容に見合う対価が支払われないケース」が散見されます。仕事をしても料金が支払われない事例はパソコンを使った副業に多く、在宅ワークや個人向けの小さい案件に被害が目立ちます。

「商品のアンケートに答えたのに、応募期限が終了したと断られた」
「何万文字も翻訳したのに、訳が不適切と付き返された」
「依頼通りに記事を書いたのに、質が低いので使えないと言われた」

特にメールやSNSのみで仕事のやり取りをすることは、証拠が残って安全に見えますが、業務契約が不明瞭です。少なくとも依頼主の氏名、住所、電話番号は抑えたり、クラウドソーシングサービスを経由するようにしましょう。

さらに悪質な行為が「お金を支払って行う副業」です。先ほどは働いて何らかの成果をあげたにも関わらず、正当な報酬が得られない状態でしたが、最初にお金を払うかつ騙されてしまうケースもあります。

「必要な材料を購入していただいてから、完成品を買い取ります」
「有料ですが会員登録をしていただけば、仕事を紹介します」
「在庫を買い取っていただければ、お客さまのリストをお送りします」

結局は「完成度が低いために買い取れません、報酬額が50%引き下げられました、顧客への販売が中止になりました」などと難癖を付けられて、正規の料金を振り込んでくることはありません。

しかも、犯人はすぐに住所や電話番号を変えるために詐欺としての立証することが難しく、多くが処罰されていません。マスメディアで報道される詐欺も氷山の一角にすぎないです。

フク
フク
金銭的負担はしないことが鉄則か。
先生
先生
うまい話には裏があるだぬ。

また仕事斡旋詐欺では「ホームページがあると信用力と集客力が上がるため、スムーズに仕事が斡旋できます」などと、優先的に仕事を斡旋する約束を提示して、その仕事で使うホームページの開設費を要求するケースもあります。

例えば「初期費用にホームページ制作代金が70万円かかりますが、ホームページができたらお客さまを紹介します」と述べて、あとはホームページ制作詐欺と同様に音信不通になります。

2

内職斡旋(あっせん)詐欺

材料費や登録料を先に支払って、あとで商品を買い取る仕組みです。完成品は高額で買い取る前提で、先に材料費やサポート料を支払いますが、結局は難癖を付けられて買い取ってもらえません。

具体的には「材料費に30万円が必要ですが、完成品を60万円で買い取ります」や「テープ起こしの仕事に必要なソフトウェアを購入いただければ、すぐにでも内職を紹介します」いった内容です。

そのあと、完成した商品を適正価格で買い取るなら問題ありませんが、商品を買い取ることはせず、働いた分の賃金さえも支払われません。

3

資格取得詐欺

ネット上で勧誘している副業詐欺は「資格が取得できたら~」や「会員登録すれば~」というように、数万円~数十万円を支払うことで、それ以上の高額な見返りを提示するタイプがほとんどです。

指定教材を購入して資格を取ると、稼げる仕事を回す契約をしたはずですが、急に音信不通になります。

例えば「行政書士、宅建、中小企業診断士などの資格を持っていれば、月数十万円分の仕事を紹介する」と誘い、資格取得のために教材を高額で売りつける商法です。実際に資格を取得する人もいますが、仕事の紹介はありません。

また、少しハードルを下げて「パソコン講座を受けると、データ入力の仕事を回します。初めての人でも稼げる在宅ビジネスです」と資格ではなく、講座の受講を促すタイプもあります。

4

会員登録詐欺

会員登録詐欺は「このサイトに会員登録することで、定期的に時給2000円以上の仕事を紹介してもらえます」というように、高時給の仕事を紹介するということで、先に情報サイトへの登録料を払わせる手法です。

5

アポイントメント商法

最初に「あなたが応募したイラストについて話がしたい、あなたの記事が新聞に載ることになった、ヘッドハンティングにしたいが会えないか」などと誘い出し、リゾート会員や高額商品を購入してしまう手口です。

一攫千金系の副業詐欺3選

1

情報商材詐欺

副業や儲け話の情報、いわゆる情報商材を購入します。商品が情報であるため、購入するまでは詳細がわからず、適正な価格が存在しないために、売り手と買い手の間でトラブルが多発しています。

その情報商材に書かれていることが本当の場合もありますが、偽物も多く被害が絶えません。例えば「月数十万円は稼げるようになる」といった価値のない情報商材を、数万円の高値で購入してしまいます。

実例では「1日30分の作業で月200万円を稼ぐ方法を伝授します。特典だけで60万円の価値があります」という情報商材が売られていました。また「この情報商材を購入してくれたら、月30万円稼げるまでサポートします」といった事例もあります。

また、宝くじやギャンブルの裏技を提供する情報商材にも注意です。例えば「ロト6の必勝法を教えます」や「競馬で勝てる裏ワザを伝授します」があり、いずれも苦労をせずにお金が手に入るというあり得ない仕組みです。

さらに販売者の一部は「数百万円は当選が確実です」と誘って、高額当選が期待できる海外宝くじの購入代行もしています。そこで一攫千金を夢見る人たちは、情報商材を購入した上にその販売者にクレジットカードの番号も伝えてしまいます。

2

ホームページ制作詐欺

2008年頃から急増した詐欺です。毎年のように消費者生活センターも頻繁に注意喚起しており、基本的には「月数十万円は儲かる」というセールストークで、ネットショップの制作費を徴収します。

実際にネットショップは制作されますが、制作後に自分のネットショップから利益が上がらないことにクレームを付けようとも、業者とは連絡が取れなくなります。

現在も「月1万円の3年契約で運営代行」や「ネットショップを年30万円でリースする」といった事案が多数存在している状態です。ちなみに悪徳業者が使う「確実、必ず、絶対」は違法になります。

3

マルチ商法

有名な悪徳商法に「連鎖販売取引」、いわゆるマルチ商法があります。主婦や若者がターゲットにされており、マルチ商法をやっていた知人や友人伝いに、会社員の間でも被害が広がっています。

マルチ商法は商品を販売する組織の会員になって、自身が商品を買い取り、その商品を他人に売って会員にすると、その会員が別の人に売った分の代金に対しても、マージンが入ってくる仕組みです。

この仕組みそのものは犯罪ではありません。ただ、上位会員は下位会員のマージンで大量の利益となりますが、商品がさばけず、在庫を抱えて損をし続けたり、そもそも下位会員は利益が少なかったりします。

またマルチ商法とほとんど同じ意味で、ネットワークビジネスやMLMがあります。これらはまともな商品と仕組みで展開しているのであれば違法にはなりません。しかし、実際には「80万円する株の自動売買ソフト」などを売り込む悪徳業者が多すぎることが業界全体の問題です。

副業詐欺に遭わないための予防法

副業するためにお金を支払わない

ネットで「副業、金儲け、在宅ワーク」などと検索するとわかりますが、誰でもすぐに高収入が得られると宣伝しているサイトが乱立しています。

そのようなサイトにある情報に一攫千金を期待してしまうと、お金を支払ってしまう行為に走りやすいです。副業で失敗しない注意点も含めて、副業を装った詐欺に騙されない対策をいくつか押さえておきましょう。

最も優先したい防衛術は金額の大小にかかわらず「お金を負担する副業」には手を出さないことです。そもそも本業よりリスクが少ないことがメリットです。副業で代金を支払うことはありません。

仮にその説明に納得できたとしても、逆に「騙されている」と思って避けたほうが無難でしょう。副業も本業と同じ仕事の1つです。お金を貰うことはあっても支払う意味はありません。

副業で知らない職種に就かない

副業はマニアックな仕事にもたくさんあります。例えば、スズメバチの巣の除去、依頼主の墓参りの代行、結婚式場の代理出席などです。

これらは違法ではありませんが、その仕事内容を理解できないがゆえに騙されたり、知らないがゆえに騙されたと勘違いしやすいです。

副業のために本業を悪質に利用しない

例えば「勤務先の資料を流用する、本業の案件を個人で処理する、個人情報を他人に売りさばく」といった行為は、本業の服務規程どころか、社会的な処罰を受けるために決して行ってはいけません。

副業のために違法行為はしない

よくある例がオークションを利用した違法商品の売買です。某航空会社の航空機操縦マニュアルを販売したり、著作権を無視した動画や音楽を横流ししたり、薬品の密輸から利益を得たりした事例もありました。

副業の目的を見失わない

うまい具合に副業を始められても、ある程度時間が経つと、副業をした目的が曖昧になってきます。目的を変更するのは構いませんが、収入を得ることで当初の目的の達成が疎かにならないようにしましょう。

実社会と同様にうまい話に裏があることは副業も同じです。社会人の間で副業が注目されるたびにその流れに乗じて、お金を騙し取る悪徳商法が横行してきました。

本来、副業は生活の豊かにする仕事の1つです。怪しい高額報酬の仕事ではなく、本業と同様に仕事内容がわかりやすい副業を選ぶことが大切です。

ときには自己啓発や自己投資が必要な場合も確かにありますが、基本的にはお金を負担する儲け話には乗らないようにしたいです。副業詐欺で失敗しないためには「お金は支払わない」というルールを徹底しましょう。

フク
フク
副業だから稼げるという考えは危ないね。
先生
先生
副業も本業と同じ仕事の1つだぬ。

副業詐欺に遭ったときの対処法

1

消費者ホットラインに相談する

副業詐欺の対象法がわからない人は消費者ホットラインに相談します。消費者ホットラインは消費者庁と国民生活センターが支援する消費者のための身近な相談窓口です。電話番号は「188」になります。

消費者ホットライン

消費者ホットラインが混雑しているときは、国民生活センターでも相談を受け付けています。電話番号は「0334461623」です。例えば、情報商材に関する相談は2018年は8217件ありました。

国民生活センター

2

法テラスに相談する

法テラスとは法務省、行政機関、最高裁判所、日本弁護士連合会などが運営している国民のための法的トラブルの相談窓口です。法的トラブルは「0570-078374」、犯罪被害は「0570-079714」に問い合わせることで、法制度や相談先を無料で紹介してくれます。

2024年10月時点で法テラスの利用件数は338万件以上、法律相談の利用件数は282万件以上、弁護士や司法書士費用の立て替えは108万件以上に達しました。

法テラス

3

金融機関・警察・弁護士に相談する

金融機関にて組戻しという手続きを踏むことで、お金を取り戻せる可能性があります。持ち物は「通帳、印鑑、本人確認書類」などです。ただし、お金を振り込んだ直後など、犯人が引き出していない場合に限ります。

この組戻しが間に合わなかった場合、警察に相談することで、警察から金融機関に「口座凍結」の要請ができます。ただし、こちらも金融機関が「振り込め詐欺の口座」と認められる場合に限ります。

副業詐欺では「詐欺であることに数日後や数週間後に気付く」パターンが多いため、組戻しや口座凍結、もしくはクーリング・オフによる解決は難しいかもしれません。その場合は法テラス経由で弁護士を紹介してもらいましょう。

副業詐欺の体験談や口コミ

マルチ商法で20万円のマル秘情報
2017/10/09
30代 女性
副業歴2年

X(twitter)、Facebook、LINEの3つで顔を知っているだけの人ともスムーズにコミュニケーションができます。ただ、最近はマルチ商法がらみの勧誘が増えてしまい、非常に残念です。

私も以前に「会員になって、他の会員を勧誘すれば、3万円が貰える」と言われ、友人の知人であることから断ることもできず、会員になってしまいました。

そのあと、会員に紹介される商品はお金を稼ぐ情報がメインです。例えば「さらに20万円の契約金を支払えば、ドロップシッピングで確実に稼ぐノウハウを教える」と言われました。

ただ、私はお金がなかったために踏みとどまりましたが、友人は誘い文句に乗ってしまいます。

確かにドロップシッピングのやり方は教えてもらえましたが、実行することが難しく、再現性のないノウハウであり、結局、まったく成果が出ませんでした。

基本的には儲け話は他人に教えることはありません。この1件以来「お金が稼げる」と近づいてきた人は必ず無視をするようにしています。

代金の3倍支払うと言われ‥‥
2017/07/15
30代 男性
副業歴1年

以前「髪がフサフサになる体験談をブログで紹介してくれたら、報酬としてこの育毛剤の購入代金の3倍を支払います」という勧誘がありました。

医師が開発に携わっているとのことで、公式サイトでもすでに販売されている商品であり、臨床試験のデータも公開されています。

ただ、実際に商品を購入して1カ月間継続してみましたが、まったく効果がなく、本当に自分のブログに体験談の内容を書いてもいいかメールで連絡してみたところ、まったく返信が来ませんでした。

電話番号もつながらず、サイトも閉鎖されていて、ここでようやく詐欺だと気付きます。購入代金は8900円のみでしたが、このような少額だからこそ騙されてしまうのかもしれません。

次のページ

スポンサーリンク

会社員向けの副業が学べる本

副業アイデア事典
副業アイデア事典

著者

中野貴利人
株式会社ネットピコ 代表
本業はベンチャー企業のコンテンツマーケター。副業は26歳で法人化して16期目。著書「副業アイデア事典」など5冊。メディア掲載実績は日経、読売、朝日新聞など150回以上。2児の父。Xは@kiriton
イブキミノ
イブキミノ
イラストレーター
丸いものに目がないイラストレーター兼漫画家。いきいきとしたキャラクターを描くのが得意です。

ピックアップ

スポンサーリンク