記事をコピーされたときの対処法5選!DMCA通報や50万円の損害賠償請求など
- 記事を無断でコピーされた実例
- 対処法① GoogleのDMCAに著作権侵害を申請する
- 対処法② サイト運営者に7ステップで警告する
- 対処法③ 50万円の損害賠償請求をする
- 対処法④ 何もしないで放置する
- 対処法⑤ 加害者に社会的制裁を科す
記事を無断でコピーされた実例
弊社の運営サイトは頻繁にコピーされています。テーマは主に副業であり、そのページを構成する文章、画像、HTML、CSS、JavaScript、phpが盗まれます。例えば、左がオリジナルサイト、右がコピーサイトです。かなり上手に記事の文章からデザインまで、部分的に模倣されてしまいました。
コンテンツは部分的にツギハギだらけであり、次のように似通っている文章が散見しているため、著作権侵害に該当します。
この計算結果はスワップ金利が変動しないと仮定していますが、実際は年に数回ほど、各国の中央銀行が金利の変更を発表します。
この計算結果はスワップ金利が年単位で変動しないと仮定しての計算となっており、実際は年に何回か、各国の中央銀行が金利の変更をすることがあります。
しかも、このサイトは文章だけではなく、画像はリメイク、CSSはidやclassを置換、JavaScriptもリライトという徹底ぶりです。それなりにコピーを繰り返している経験のあるアフィリエイターの仕業でしょう。
結果的に私のサイトの検索順位がコピーサイトに抜かれて、直接的損害を被っているわけではありません。そのため、損害賠償を請求しても数万円程度しかもらえずに費用対効果が低いです。何よりも「時間を無駄にする」という理由から法的措置は見送ることが一般的です。
しかし、今回は悪質であり、これを放置すると私の別のサイトもコピーされかねないですし、適切な報復をすることで心理的欲求が満たされることからも、コピーサイトへの対処法を順次実践することにしました。
対処法① GoogleのDMCAに著作権侵害を申請する
まずはGoogleが受け付けている著作権侵害による削除に連絡しましょう。ここに報告することでGoogleの検索結果にコピーサイトが表示されなくなる可能性があります。
これはGoogleが運営しているシステムであり、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)という制度の元に、著作権の侵害を防ぐために作られました。
フォームに「名前、メールアドレス、国や地域」、さらに「著作権対象物を特定する情報とその著作物の説明、著作物が許可を受けて掲載されている場所、権利を侵害している著作物の場所、宣誓供述書、署名」を記載して送ります。
Googleが著作権侵害を認めたら、無料で検索結果からコピーサイトを削除してくれます。ただし、GoogleがDMCA上は「コピーと認められない」と判断した場合は対処されません。
対処法② サイト運営者に7ステップで警告する
いくつかの証拠を押さえた上で、次は運営者にコンタクトを取ってみます。もちろん、いきなり弁護士経由で訴えることもありですが、総額で10万円以上を支払うため、費用対効果としてはベストではありません。
- 前準備としてコピーサイトのキャプチャやソースを保存しておきます。これで相手が事実を揉み消すためにコピーサイトを修正しても、証拠を提出できます。
- コピーサイトのお問い合わせから運営者に警告をします。警告に従わずに反論されたり、メールを無視された場合は⑤に飛びます。
- コピーサイトにお問い合わせがない場合は、連絡先が不明ならそのドメイン登録者を検索します。ドメイン登録者はWHOIS検索などで調べられます。
- ドメイン登録者が代理申請でレンタルサーバー会社などになっている場合は、一切連絡が取れません。そこでOpen Site Explorerなどでバックリンク元のサイトのドメインから調査します。
- それでもサイト運営者が割り出せなかった場合は、レンタルサーバー会社やアフィリエイト会社に状況を説明します。ただし、各社とも対応してもらえないケースがほとんどです。
- 弁護士に委託します。こちらが被害者であることを証明できるように証拠を資料にまとめて、打ち合わせのアポを取ります。初回の相談料は無料、もしくは30分5000円程度です。
- 弁護士がレンタルサーバー会社やインターネットサービスプロバイダなどに情報開示請求をして、運営者の個人情報の取得を試みます。個人情報がわかったら弁護士が損害賠償請求を送ってくれます。
コピーサイトの運営者に連絡しようにも、メールアドレスが不明なケースも多々あります。恣意的にコンテンツをコピーしている彼らは、巧妙に身元を隠しているために結果的に「弁護士に相談する」に辿り着きやすいです。
正式に弁護士に依頼する場合、私たちが負担する金額は「相談料が30分5000円程度、着手金が8%程度、報酬金が私たちが獲得した経済的利益の16%程度、訴訟費用の印紙代や交通費」です。
着手金とは損害賠償の成功に関係なく事前に支払うお金です。報酬金は依頼が成功した際に支払うお金であり、損害賠償の中から引き落とされるため、実質的に支払いません。また、すべての金額が弁護士によって変動します。
対処法③ 50万円の損害賠償請求をする
過去に50万円の損害賠償請求を依頼した際の弁護士費用は「相談料が30分5000円、着手金が一律10万円、報酬金が請求額の16%で8万円」でした。
弁護士に依頼する最大のメリットは手間いらずなことです。内容証明の送付から金額交渉、書類作成まで、すべて弁護士が対応してくれるので、特に作業はありません。弁護士より進捗報告の電話を数回受けるのみです。
結果、加害者も弁護士を雇って、弁護士同士で金額交渉が進み、加害者が25万円で損害賠償請求に応じることでまとまりました。これで弁護士に支払う報奨金の額は「25万円×16%=4万円」に減ります。
無事、和解が成立すると賠償金の振り込みと和解契約書が発行されて、本件では手元に「25万円-5000円-10万円-4万円=10万5000円」が残りました。
ただし、これはうまくいった事例です。仮に加害者が支払いを拒否して、訴訟に発展すると、訴訟費用を追加で10万~50万円を負担することになります。
これは加害者の氏名と住所がわからないときに、レンタルサーバー会社やアフィリエイト会社に個人情報を開示してもらったり、プロバイダにコンタクトを取るなど、その費用が必要になるためです。
また、民事上の賠償額は100万~300万円まで勝ち取れますが、小規模な案件では数万円が相場です。そのため、裁判や和解交渉に進むと、弁護士費用が重荷となり、被害者も金銭的に損するケースがほとんどです。
対処法④ 何もしないで放置する
弁護士による損害賠償請求も含めた7ステップがすべてが効果なしだった場合、個人的には実害がない限りは「自サイトのコンテンツを充実させる」と判断しています。
なぜならウェブとはそういうものだからです。ウェブは模倣や複製が基本的にまかり通る世界であり、相手に仕返しする労力よりも、自己を成長させる努力のほう効率的に結果につながります。
また、すでに何個もコピーされている私のサイトですが、Googleがリライトした文章でも「内容が同じなら重複コンテンツとみなす」ようになったため、いくらコピーされても実害を受けた経験は限定的です。
そもそもコピーする人たちはウェブでお金を稼ぐ能力が低いです。短期的には稼げることがありますが、長期的には淘汰されることが確実であるため、あまり気にしないようにすることも対処法の1つかもしれません。
対処法⑤ 加害者に社会的制裁を科す
著作権侵害の連絡や損害賠償の請求以外では「アフィリエイト会社やレンタルサーバー会社に訴える」や「ソーシャルメディアなどで今回の経緯をリークする」などもできます。
- 加害者が契約しているアフィリエイト会社に今回の和解契約書のコピーを送付して、加害者と広告主とのアフィリエイト契約を解除してもらいます。担当者がいる場合は対応がスムーズであり、加害者はアカウント削除もありえます。
- 加害者がGoogle Adsenseを利用している場合は、今回の和解契約書をGoogle Adsenseの窓口に送ると、加害者のアカウント削除をしてくれることがあります。
- レンタルサーバー会社にも和解契約書を送ります。役務提供に関する契約に違反したということで、被告が複数のサーバーを借りている場合は全サーバーを解約させられる可能性があります。
- コピーサイトの運営者は他のサイトもコピーしている確率が高いです。Googleで他サイトを探して、オリジナルサイトの運営者に通報します。加害者に対して集団的に訴えることが目的です。
以上がコピーサイトを著作権侵害で訴える手順ですが、個人的に「どれも必須ではない」と考えています。コピーサイトを放置することで、オリジナルサイトの検索順位が下落した事例が多々あるためです。
また、悪質な事例を除いて②~④の重要性は低いです。これは加害者に社会的制裁を科す労力よりも、自分のサイトに良質なコンテンツを投稿したほうが費用対効果は高いためです。
ちなみに本当に仕返しをしたくて、加害者が会社員の場合は和解契約書を会社に送ったり、民事で和解する前に刑事として話を進めることを考える人たちもいます。
ただし、これらは和解契約書の公開は名誉毀損に該当しますし、刑事上は刑事罰が科せられますが、民事で和解できる案件を検察官は扱いません。仮に警察が動いても罰金程度で済み、役所の犯罪人名簿も5年で削除されます。
いずれにしてもサイトをコピーした加害者に対して、一切の泣き寝入りせずに徹底的に反撃することはできるでしょう。
ちなみに今回私が訴えようとしたサイトは本記事を公開した直後に閉鎖されていました。過去の著作権侵害に対して訴えてもいいですが、手間のかかる作業が増えることに変わりないため、法的措置は保留します。