治験モニターの副業とは?製薬会社や大学病院による新薬開発で高額謝礼がもらえる
- 治験モニターの副業とは?
- 治験の謝礼は1日1万円程度
- 副業で治験モニターを始める手順
- 治験モニターの申し込み先6社を比較
- 治験モニターの副業でよくある質問
- 治験モニターの副業まとめ
- 治験モニターの体験談や口コミ
治験モニターの副業とは?
健康な人だけではなく病気の人も対象
治験モニターは治験モニター会社に会員登録して、臨床試験のリストから申し込みます。登録料や年会費などは一切かかりません。また、基本的には倍率が高いために、毎回抽選で被験者を決めています。
治験の対象者は完全な健康体であるほうが当選しやすいイメージがありますが、実際にはその治験によって異なります。健康な人が対象の治験では、検査日に健康診断をして、数値が良い人から合格となります。
逆に糖尿病の新薬では高血圧の人が選ばれますし、喘息やAGAなど、特定の病気を持つ人の募集もあります。つまり、健康な人に新薬や特定保健用食品は不要であるため、それぞれの症状がある人が優遇されるわけです。
また、この治験モニターを必要としている機関は、よくわからない団体や怪しい実験などの類ではありません。主に製薬会社の研究機関、大学病院の医療機関、内閣府認定のNPO法人です。
被験者には必ず医師から事前説明があり、臨床試験中は医師監修の下で進められ、何度も採血や採尿をしながら健康状態をチェックします。そのため、新薬のせいで体調が著しく悪化するような事例は、まずありません。
治験の謝礼は1日1万円程度
治験モニターでは全般的に「時給、日給、給料、賃金、報酬」などの単語を使わず、原則「謝礼、協力費、負担軽減費」と記述しています。その金額も会員や申込者にのみ開示され、一般的にはクローズドです。
これは恣意的に隠しているわけではありません。金額をアピールしないことで不正や偽証の発生を防いだり、世間的な「治験=人体実験」というネガティブ・イメージを払拭することが目的です。
ただ、過去の事例では治験モニターの謝礼は1日1万円程度であり、治験内容によって「週1回2時間の検査を10回繰り返して5万~8万円」や「2泊3日で血液を10本採取して5万円」など、大きな差もあります。
期間は「1回3時間で済む短期、数日拘束される中期、6カ月通い続ける長期」とタイプがさまざまです。長期間になるほど謝礼もアップします。会社員の副業としては短期、もしくは土曜のみの通院する長期が理想です。
時給換算してみると1500円以上となり、高額なバイトに分類できます。しかも、治験中のほとんどの時間は自由であり、読書やゲームでくつろげますし、本業への影響度も少ないことがメリットです。
副業で治験モニターを始める手順
モニターに登録する
製薬会社や大学病院では入院患者や外来患者に対し、新薬の効果をいち早く試せるメリットがあるため、治験モニターを提案することはあります。
ただし、一般向けには治験モニターを募集していません。治験モニターの副業をするためにはエル・スマイルなどの提携会社に会員登録をして、個別に案件に申し込みます。
治験に申し込む
自分が参加してみたい治験を探します。もしくは定期的に登録先から案件の紹介メールで連絡が来ます。最適な案件が常にあるわけではないため、小まめにチェックをして、すぐに申し込みをします。
事前検査を行う
治験の前に臨床試験の基準値に適しているかを調べるため、指定のクリニックにて事前検査を受けます。この検査で合格した場合は次の当日検診に進めます。また、仮に落ちても数千円の謝礼を受け取れます。
当日検査を行う
治験当日も最初に検診が行われます。検査結果が基準値に収まっている人はそのまま治験の準備に移ります。数値に問題がある人は不合格となり、治験に参加できません。ただし、この場合も数千円から1万円程度は貰えます。
治験が始まる
治験の開始前にスタッフより治験の概要とスケジュール、謝礼などの説明が行われます。さらに医師から効果や副作用などのリスクの説明を受けて、納得した人のみ同意書にサインをします。
その後は決められた検査を受けることになります。新薬などの服用、1日数回の採血と採尿が行われます。また、運動や飲酒はできず、食事も管理されます。ただ、ほとんどが自由時間であり、スマホをいじる人が多いです。
また、副作用や個人差により、不調を感じる可能性がないわけではありません。治験モニターはその薬品や食品によって、検証方法も異なるため、不安なときは医師やスタッフに必ず確認します。
謝礼を受け取る
時間的な拘束を受けるために必ず謝礼が支払われます。その金額は臨床試験の内容で異なり、基本的には手渡しです。ただし、10万円以上と高額な謝礼は口座振込になります。
治験モニターの申し込み先6社を比較
治験に応募するためには治験希望者と研究機関をマッチングする治験モニター会社への登録が必要となります。治験モニター会社は複数ありますが、多くに登録したほうが、当選確率が上がりやすいです。
名称 | 説明 |
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エル・スマイル |
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V-NET |
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JCVN | |
インクロム |
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ニューイング |
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新薬ネット |
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情報取得日 2024年10月時点
食品臨床のエル・スマイル
トクホを取得したい食品や飲料でも食品臨床試験モニターを必要としています。よくCMで「6カ月服用した人の75%に効果がありました」という実績は、モニターが試した結果であることがほとんどです。
メタボや高血圧のJCVN
健康ではない「血圧が140mmHg以上、中性脂肪が150mg/dL以上、血糖値が110㎎/dL以上、LDLコレステロールが120~180mg/dL」などが治験の対象者となるメタボモニターなどもあります。
治験モニターの副業でよくある質問
──治験とはなんでしょうか?
治験とは国から新しい薬として承認を受けるために必要な臨床試験のことです。新薬は研究開発者と医師の力だけで、世間に販売されるわけではありません。世界中のすべての新薬は治験に合格してから、患者に使えます。
新薬を開発するフローは明確です。研究室での実験を通じて、新しい薬となる可能性がある植物や動物の成分を選別します。例えば、サクラの樹皮からは咳を抑える効果が発見されるなど、この基礎研究に2~3年を要します。
次に安全性を調べるためにマウスやモルモットなどの小動物を使った試験が繰り返されます。さらにヒトの遺伝子構造に近いサルやミニブタによる非臨床試験を3~5年続けて、効果と毒性の両方を確認します。
その結果、安全性が認められた薬のみが新薬の候補となり、ようやく人による臨床試験である治験に移ります。その対象者が治験モニターであり、製薬会社や大学病院が治験モニター会社を介して、常に募集しています。
新薬にもよりますが、始めは病気ではない健康な成人に少量を投与、次にその病気に該当する少数の患者で効き目を確認、最後に既存の薬などを服用している多数の患者で有効性と安全性を比較します。
この治験は最短で3年はかかり、述べ数百人以上、世界規模では1万人を超えるデータを分析するため、治験モニターと患者の協力が欠かせません。その後、国内では厚生労働省に申請して、1~2年後に新薬として販売されます。
──人体実験で怖いイメージもありますが、本当に安全ですか?
依頼元は大手の製薬会社、食品・飲料メーカー、化粧品メーカー、大学病院による案件しか見たことがありません。また、治験モニターでは治験実施計画書を厚生労働省に受理されなければいけませんので、そういった意味では安心感があります。
──具体的にどのような治験がありますか?
私は「風邪薬、胃薬、頭痛薬、喘息薬、パッチテスト、ダイエットDVD、化粧水、サプリメント、トクホ」を経験したことがあります。
特定の疾患や症状に該当しないために申し込めませんが、メタボ、高血圧、脂質異常症、糖尿病、AGAはよく募集しています。また、関東と関西、福岡限定など、居住地によって申し込めないこともあります。
──治験モニターは副業でいくらくらい稼げますか?
私は入院や宿泊をする治験には参加せず、短時間の通院検査を繰り返していますが、今まで検査回数は3~10回とバラバラで、報酬も3万~15万円と差がありました。ただ、昨年は合計で50万~60万円を受け取っています。
──どのくらいのペースでスケジュールを組んでいますか?
薬を服用するために頻繁にはできず、併用することもできません。例えば、1回治験に参加すると3カ月は申し込めないなどの規定もあります。そのため、私は短期で済む高額報酬のみに絞っています。
──治験モニターをやって、つらかったことはありますか?
前日は食事制限、禁酒、禁煙が必要です。体に疲労感が溜まるわけではありませんが、なかには気分が悪くなる人もいました。私個人は治験モニターを続けているように、特別なストレスは感じていません。
治験モニターのまとめ
総合 | 3.8 |
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評価 | |
収入 | 1回1万円~ |
時間 | 1日~ |
特徴 |
スキマ
深夜OK
土日有利
期間限定
初心者
スキル
資格有利
趣味併用
週末起業
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治験モニターの体験談や口コミ
治験モニター歴1年
昔からある都市伝説として「新薬の人体実験をすると高額な報酬が得られる」という噂を聞いたことがあるかもしれません。
確かに新薬の実験の被験者は非常に危険なイメージがありますが、実際にはきちんと研究と実証を重ねて作られた新薬について、最終的なデータを集めるためのモニターです。
私の周りでも気分が悪くなって退出した人はいましたが、薬そのもので体調が悪化した人は聞いたことがありません。治験モニターは医学の発展にも貢献していますし、想像以上にわりに合う副業と断言できます。
治験モニター歴3カ月
ずっと何かをするわけではなく、むしろ自由時間のほうが多いです。外出しない、酒が飲めない、タバコが吸えないなど、モニタリングを阻害しない範囲でならば何をしていても構いません。時間を持て余しているような人にとっては、高額な収入が得られるので魅力的なバイトです。
治験モニター歴1カ月
結果的に拘束される時間が長くなりがちですので、必ずしも副業に向いているとは言えません。ただ、体力を使わないで高額な収入を得られる仕事であり、時間の都合が付く人はやってみても損はないです。
治験モニター歴6カ月
正式に製薬会社などから治験を委託されている機関の場合は「アルバイト」という名称で、治験モニターは募集できません。治験モニターはボランティアとして参加してもらい、あくまでも負担軽減費として金銭を渡しているに過ぎないです。
それにもかかわらず「高額アルバイト」などと掲載しているサイトは、個人情報のみを抜かれる可能性があるため、申し込んではいけません。
過去には一部では悪質な業者も存在しました。さすがに得体の知れない薬を投与されることはありませんが、登録費と称して応募した人から金銭を騙し取ったりするケースも後を絶ちません。少なくとも治験モニターではこちらが金銭的負担をすることはないです。
治験モニター歴1カ月
治験モニターは薬品や食品などが毎回違いますし、1日1万~3万円くらいと金額も明確ではありません。しかも、私が経験した治験モニターは、入院中にモニタリングを受けることが条件になっていました。
1週間施設の中から出られず、4日目からはストレスでもう2度とやりたくないと思いました。中には泊まりこみで24時間監視されるとケースもあるなど、本人の適性や耐性が試されるため、万人にはおすすめできない副業です。