中古戸建て投資の副業で家賃年収2000万円以上!超格安の所有物件も6戸公開
家賃収入を得られるのが魅力の不動産投資。いまやサラリーマン大家も珍しくありません。日曜大家さんはその1人です。中古の戸建てをDIY再生する投資スタイルで、現在20戸を所有し、年間の家賃収入2000万円以上!
中古戸建て投資は近年ブームになっており、コロナ禍が追い風になっている側面もあるといいます。その秘密を探りつつ、日曜大家さんの不動産投資の歩みや中古戸建て投資のノウハウ、成功のポイントなどを聞きました。
男性 関東
不動産投資歴9年
大学卒業後、ごく普通のサラリーマン生活を送る。2012年に不動産投資を開始。2021年3月時点で戸建て20戸、アパート1棟を所有。中古の安い戸建てを購入し、自分でできてしかも費用対効果の高いリフォームを行うことを得意とする。物件所在地は自宅から車で1時間圏内。平均利回り25%以上、年間家賃収入2000万円以上を得ている。
- 不動産投資を始めたきっかけ
- 中古戸建て投資がブーム!その理由は?
- 現金購入でスタート!20戸所有までの流れ
- 物件探しの方法。業者との関係構築がカギ
- 所有物件公開!1戸25万円の超格安戸建てもあり
- セルフリフォームの「ビフォー&アフター」
- 家賃収入だけでなく売却益も狙える
- 中古戸建て投資のメリット・デメリット
- 家賃収入で定年後は海外移住へ
不動産投資を始めたきっかけ
日曜大家さんが不動産投資を始めたのは2012年8月。子どもの教育資金を捻出するためだったといいます。
「私の給料だけでは子ども2人の教育資金を賄うことができず、最初はパートの妻が正社員になって補てんする計画を立てて臨みました。しかし就職活動に苦労し、いざ決まった職場も重労働で体を壊してしまって‥‥。妻にはもう無理はさせられない。妻が仕事を辞めても教育費に困らないようにするにはどうしたらいいかと。一方で老後の年金に不安を感じている時期でもありました。そのような思いからあれこれ解決策を模索して不動産投資に行きつき、中古戸建てに特化したスタイルで始めたのです」
なぜ中古戸建てだったのでしょうか?
「少額の資金でスタートできる点が一番大きいですね。アパート1棟買うなどの不動産投資だと多額な資金を必要とし、金融機関の融資も活用しなければなりません。でも中古戸建てなら価格が手ごろなため、融資を使わず現金購入が可能となります」
日曜大家さんがこれまで購入した物件の価格は200万~300円台が中心。100万円以下のものもあり、最安値はなんと25万円!
「私の場合、可能な限り自分でリフォームを行っています。物件を安く買い、リフォーム費用も抑えることで、現在保有する中古戸建て20戸の平均利回りは25%以上です」
中古戸建て投資がブーム!その理由は?
近年、中古戸建て投資がブームに。日曜大家さんは大きく2つの理由を挙げます。
「ひとつは、金融機関の融資が下りにくいことです。融資が難しい場合、不動産投資家は自身の蓄えの範囲内で買える物件に目を向けるようになります。その代表格が中古戸建てというわけです」
もうひとつは、お金の不安から不動産投資への関心が高まっていること。
「子どもの教育資金、親の介護費用、老後の年金など、お金の不安はつきません。コロナ不況で先行きはより深刻となり、それが不動産投資への関心の高まりにつながっています。とはいえ、不況下では大きな借金を抱えてまでやりたくない。初心者層の多くは堅実なやり方を求めるため、中古戸建て投資を始める人が増えているのでしょう」
加えて、コロナの影響で賃貸需要が大きく変化。その流れも戸建て投資に追い風となっているといいます。どういうことですか?
「都市部よりも、郊外や地方に住みたいというニーズが高まっているんです。リモートワークになって通勤への意識が低くなったのと、感染リスクを避けた住環境を望む表れですね。郊外や地方に移り住み、広くて、ゆとりある空間の住まいとして夫婦やファミリーに戸建てが人気になっている。この傾向は今後も続くはずですから、戸建て投資を始めるのには最適な時期だと思います」
現金購入でスタート!20戸所有までの流れ
では、不動産投資の歩みや中古戸建て投資のノウハウを詳しく見ていきましょう。日曜大家さんは不動産投資の書籍を読むなど勉強を重ねたのち、投資対象を中古戸建てに決定。初の入手物件は自己資金を使って現金で購入しています。
「価格は350万円。現金購入ならローン返済の心配をしなくてすみます。最初だったので不安を最小限に抑えたいと考えました」
1戸目の家賃収入は月6.3万円(その後売却)。2戸目も現金購入し、家賃収入は月6.8万円。ローン返済なしで1戸の家賃収入全額が実入りです。
「いま振り返ると、戸建てで小さく始めて、賃貸経営やリフォームなどの経験を積んでいったのは正解だったと思います。賃貸経営で入居者確保のために客付け業者とやり取りするのは未知の世界ですし、リフォームもやってみないとわからないですよね。仮にアパート1棟を高額なローンを組んで買い、入居者がつかなかったり、修繕に数百万円かかったりしたら経験を積む前にお手上げでしょう。中古の戸建てならそういったリスクは低く、現金買いすればより安心・安全に経験を積めます」
3戸目から融資を活用。1戸2戸と実績を積んでから金融機関に足を運べば、融資が通る可能性は高くなるとのこと。以降、現金買いと融資を併用してコツコツと物件を増やしていき、9年で23戸の購入(うち3戸売却)を実現したのです。
「物件の所在地は自宅から車で1時間以内に絞りました。自分でリフォームを手掛けるのに、通える範囲内という必要性からです。また、地元なら土地勘も働きやすいからね。私の自宅は関東郊外。所有する20戸のほとんどが自宅近くの該当エリアですから、郊外や地方の物件になります。前述したように郊外や地方の戸建ては賃貸ニーズが高まっているため、現在満室稼働中です」
物件探しの方法!業者との関係構築がカギ
肝心の物件探しはどのような方法で行っているのか。まず収益物件(投資用の不動産)の検索サイトを使ってリサーチするのが第1歩になります。
「チェックするのは『楽待』『健美家』などのサイトです。条件をもとに絞り込み、良さそうな戸建てが見つかったら、取り扱う不動産業者に連絡して物件の見学に行きます。できるだけ多くの物件を見学すべきでしょう」
物件を数多く見学すれば、購入に値する物件に出会える確率は高まるもの。いずれ幸運がやってきます。ただ、仮に良い物件に巡り会えなかったとしても、その行動はムダにはなりません。
「多くの業者を訪問して担当者と話をすると、自分と気が合うかどうかわかってきます。重要なのはここから。物件検索サイトを入り口に業者と接点を持ち、この人なら付き合っていけそうだと思える相手と関係を築くことが大事なポイントです。電話やメールで連絡を密に取ったり、業者訪問するなどして関係性を深めていく。すると仲良くなった担当者から、表には出てこない優良物件を紹介してもらえるようになるんですよ」
物件検索サイトに頼らない方法も実践しました。物件を購入したいエリアの不動産業者をピックアップし、休日に何社か訪問。気の合う相手と出会ったら勧められた物件を見に行くなどして関係構築に努めたといいます。
「実は私が購入した物件は業者から内々に紹介されたものがほとんどです。関係構築に手間や時間を惜しまなかったのが功を奏した形ですね」
所有物件公開!1戸25万円の超格安戸建てもあり
ここで、日曜大家さん所有の中古戸建て物件を一部公開します。
戸建て8号
2015年購入、ネット掲載物件、4LDK、価格400万円、利回り18.9%。ネット掲載時の価格は680万円でした。その後価格変更を経て、最終的に400万円で指値(買い手が購入価格を指定すること)し、断られるも数か月後に通りました。
戸建て10号
2015年購入、業者紹介物件、6LDK、価格165万円。利回り53.1%。価格、物件状態、間取り、駐車場がないなどの問題で購入を断るも、その後担当者の交渉と売主の気持ちの変化もあり購入の運びとなりました。
戸建て13号
2016年購入、個人売買物件、5DK、価格25万円、利回り254.6%。知り合いから直接相談を受けた物件です。残置物の処理や固定資産税の滞納を織り込んでの格安価格でした。
戸建て18号
2019年購入、業者紹介物件、3DSK、価格90万円、利回り93.3%。相続でもめていた物件が問題解決して入手しました。土地値の約6分の1の価格というお宝物件でした。
戸建て22号
2019年購入、業者紹介物件、4DK、価格80万円、想定利回り102%。売りに出したものの、家の前の大きな木がネックとなって売れなかったため、格安購入につながりました。
戸建て23号
2019年購入、業者紹介物件、3LDK、価格165万円、想定利回り50.9%。相続で売りに出すも買い手がつかず、大幅値引きとなったときに業者から声がかかりました。
セルフリフォームの「ビフォー&アフター」
前述したように、日曜大家さんは物件のリフォームを自ら手掛けています。壁紙や床材を張り替えたり、塗装するなどの作業です。
「もともとDIYが好きでした。といっても、本やネットの記事を読んで勉強した程度からスタートして、途中から職人さんと仲良くなって教えてもらうこともありました。リフォームの材料はホームセンターやネットで安く仕入れられ、実際にやって経験を積んでいけば腕も磨かれていきます。いまはYouTubeにリフォーム動画をアップしている人もいるので、参考にすれば取り組みやすいと思いますよ」
リフォームをひと通り経験したのちは、作業の手間と費用を念頭に置いて業者に依頼するケースも。リフォーム経験があればその判断が可能になります。
以下はリフォームを手掛けた物件のビフォー&アフター一例。もともと和室だった部屋を、壁紙やフローリングの張替えなどを行って洋室化。
「リフォームはやってみると楽しいですよ。私の場合、妻や子どもたちと一緒に作業することもありました。ゆっくり話をできる機会を持てるようになり、リフォームを通じて家族の絆が深まったと思います。また、古い家が再生されていく様子を見るのは子どもにとって良い経験になったはずです」
家賃収入だけでなく売却益も狙える
不動産投資は家賃収入を得ることを目的にするのが基本です。しかし、場合によっては物件の売却を検討する場面も想定されます。日曜大家さんは3戸の売却を経験。
「3戸とも購入価格より高い値段で売れました。戸建ての場合、投資と実需(住宅)の2つの需要を望めるため、不動産市場での人気は他の物件より高くなります」
売却例をひとつ紹介しましょう。購入価格200万円。5年間でその倍近い家賃収入を得たのちに売りに出し、売却価格510万円となったそうです。
「不動産の売却には手数料などの費用が発生します。売却益だけでなく、コスト面のことも頭に入れて検討してください」
中古戸建て投資のメリット・デメリット
中古戸建て投資に興味を持った人が多いのでは? さらに知識を深めるために、メリット、デメリットを学びましょう。
「1番のメリットは物件を安く買えることです。これには建物の評価が関係しています。木造の戸建ての場合、法律で定められている耐用年数は22年。築22年を過ぎた物件は建物の価値がゼロになり、土地の値段のみで取引されるため、安く買えるわけです」
物件を安く買えたとしても、入居者が入らなければ意味なし。戸建ては賃貸ニーズが高い点もメリットといいます。
「先に述べたコロナの影響もあって、戸建てに住みたい人は増えるばかりです。にもかかわらずアパートなど他の物件に比べ、圧倒的に供給量が少ない。結果、賃貸ニーズが高く空室のリスクは低いですし、戸建てを好むファミリー層は子どもの学校の関係で長期入居となりやすく安定運営を望めるんです」
加えて、複数戸数を所有することで節税効果もあり。
「戸建ては5戸で事業的規模の基準を満たし、青色申告による節税効果を期待できます。同基準は区分マンション投資だと10戸の購入に。私が実践しているのは青色申告の『専従者控除』を使い、家賃収入から妻に給料を払って節税につなげるやり方です」
一方、デメリットは一気に家賃収入を増やせないことといいます。
「例えばアパート1棟に投資したら、賃貸契約者の数に応じて家賃収入を得られますが、戸建てはそういうわけにはいきません。1戸所有だと賃貸契約者は1人で家賃が入るのもその人からのみ。物件を増やしていかなければ家賃収入は増えていかないんです。ただ物件も経験もコツコツと着実に積み上げていく分、堅実な賃貸運営ができるでしょう」
戸建てはアパートの1室と違って部屋数が多いのもネック。中古戸建ては部屋ごとにリフォームが必要になってくるそうです。
「当然、リフォーム費用は高くなります。業者に丸投げしたら負担は重くのしかかる。ですから、自分でリフォームして費用を抑えるのが効果的といえますね」
家賃収入で定年後は海外移住へ
いまも会社員として働きながら、入居者募集などは管理会社に任せて家賃収入2000万円以上を手にしている日曜大家さん。中古戸建て投資で成功できた要因は何だったのでしょうか?
「大前提として、不動産投資を始める前に、関連の書籍を100冊近く読んで勉強したのは大きいです。そのうえで物件を多数見学して見る目を養い、業者との関係も築いていきました。勉強と実践。この繰り返しによって、自分なりの中古戸建て投資の道を切り開くことができたんだと思います」
現在は子ども2人の教育資金のめどがつき、奥さんも仕事を辞めて賃貸経営を担う立場となり、不動産投資の目的の大部分を達成。今後は物件数をどんどん増やすことはせず、「良い物件があれば買う」というスタンスで、のんびり大家業を続けていくそうです。
「会社を定年退職した後は、海外に一定期間移住して日本と行き来する2拠点生活を夢見ています。不動産投資で成功している友人・知人が、シンガポール、マレーシア、タイ、オーストラリアなどにいて、話を聞いたら羨ましくなって。そんなライフスタイルを夫婦2人で実現できたら楽しいですよね」
取材・文 / 百瀬康司