失業保険の給付額を計算!直近6カ月間の給与総額で金額が決まる

自分が貰える失業保険の金額を計算する
あなたが貰える失業保険の「給付日数、日額手当、月額手当、手当総額」を計算できます。算出に必要なデータは6カ月間の給与総額、年齢、勤続年数、退職理由のみです。
- 6カ月間の給与(賞与を除く)を半角数字で入力します。
- 年齢、勤続年数、退職理由を選びます。
- 計算ボタンを押します。
失業保険の給付額は、今まで勤めていた会社から受け取った「退職前の6カ月間の給与」の約50~80%に相当します。割合に幅がある理由は、賃金の高さで金額に大きな差が生まれないよう、平均的に支給するためです。
賃金が高い人ほど多くの給付金を受け取れはしますが、賃金の低い人ほど高いレートが適用されます。
また、受給者は退職理由で自己都合と会社都合に分類されますが、失業保険の申請者は若い世代では自己都合が過半数を占め、年齢が増えると会社都合の人が増えていきます。
自己都合と会社都合の人では日額手当や月額手当に違いはありません。ただ、会社都合の人は転職活動の準備がしにくいため、給付日数が自己都合の人の1.0~2.2倍に延長されていて、手当総額が増加します。
失業保険の計算式を解説

賃金日額を求める
ここからは自分で計算したい人や確認したい人のために計算式を紹介します。まず、失業保険の給付額はあなたの賃金日額が基準になります。賃金日額とは「退職前の6カ月間の給与÷180日」です。
賃金日額=退職前の6カ月間の給与÷180日
給与と給料はほぼ同じ意味ですが、給与は「給料に手当などを含めた総称」を指します。失業保険の計算における退職前の6カ月間の給与には「ボーナスは含めず、残業代や手当ては含める」ため、少々誤解を招きやすいです。

年齢で計算式を知る
賃金日額が計算できたら、今度は年齢別の表に賃金日額を当てはめて、A~Fのいずれかの計算式を知ります。年齢は「30歳未満、30~44歳、45~59歳、60~64歳、65歳以上」の5つに分類されています。
例えば、年齢が35歳、賃金日額が5900円の人は「C」です。
年齢 | 賃金日額 | 計算式 | 給付率 |
---|---|---|---|
30歳未満 | 2573円以下 | A | 81%以上 |
2574~5029円 | B | 80% | |
5030~1万2390円 | C | 51~79% | |
1万2391~1万3700円 | D | 50% | |
1万3701円以上 | E | 49%以下 | |
30~44歳 | 2573円以下 | A | 81%以上 |
2574~5029円 | B | 80% | |
5030~1万2390円 | C | 51~79% | |
1万2391~1万5210円 | D | 50% | |
1万5211円以上 | E | 49%以下 | |
45~59歳 | 2573円以下 | A | 81%以上 |
2574~5029円 | B | 80% | |
5030~1万2390円 | C | 51~79% | |
1万2391~1万6740円 | D | 50% | |
1万6741円以上 | E | 49%以下 | |
60~64歳 | 2573円以下 | A | 81%以上 |
2574~5029円 | B | 80% | |
5030~1万1140円 | F | 46~79% | |
1万1141~1万5970円 | D | 45% | |
1万5971円以上 | E | 44%以下 | |
65歳以上 | 2573円以下 | A | 81%以上 |
2574~5029円 | B | 80% | |
5030~1万2390円 | C | 51~79% | |
1万2391~1万3700円 | D | 50% | |
1万3701円以上 | E | 49%以下 |
情報取得日 2020年7月時点
給付率は基本的には「81%以上、80%、51~79%、50%、49%以下」などと5段階に分かれていて、賃金日額が高い人ほど給付率が下がっています。
これは生活できる水準を考慮しているためで、低所得者ほど相対的に手厚いサポートが受けられる仕組みです。ただし、給付率は目安になる数値であるため、ここでは重要でありません。

日額手当を求める
先ほどわかったA~Fのいずれかの計算式に賃金日額を当てはめて、実際に貰える日額手当を算出します。
A=2059円(下限給付額)
B=0.8×賃金日額
C=0.8×賃金日額-(0.3×賃金日額×((賃金日額-5030円)÷(1万2390円-5030円))
59歳以下と65歳以上の人
D=0.5×賃金日額
60~64歳の人
D=0.45×賃金日額
E=年齢別の上限値
30歳未満=6850円
30~44歳=7605円
45~59歳=8370円
60~64歳=7186円
65歳以上=6850円
F=①か②のいずれか低い金額
①=0.8×賃金日額-(0.3×賃金日額×((賃金日額-5030円)÷(1万1140円-5030円)))
②=(0.05×賃金日額)+(1万1140円×0.4)

手当総額を計算する
最後に「日額手当×28日」で月額手当、「日額手当×給付日数」で手当総額が算出できます。
月額手当=日額手当×28日
手当総額=日額手当×給付日数
給付日数については退職理由と勤続年数で変動します。
退職理由が自己都合の人は「勤続年数が1~10年未満で90日間、10~20年未満で120日間、20年以上で150日間」となり、年齢に関係なく一律で決まっています。
退職理由が会社都合の人は「勤続年数が1年未満で90日間、1~5年未満で90~180日間、5~10年未満で120~240日間、10~20年未満で180~270日間、20年以上で240~330日間」となり、年齢によって給付期間に幅があります。
データは厚生労働省発表の最新版
失業保険の給付額の計算は厚生労働省が毎年7月1日以降に発表するデータに基づいて、プログラムを組んでいます。そのため、現時点では2020年7月時点のデータが最新版です。
毎年データが更新される理由は、雇用保険法第18条の規定により、前年度の勤労統計における平均給与額の変動比率に応じて、その年の給与水準に修正されるためです。
雇用保険制度は「失業した人や教育訓練を受ける人などの生活のサポート、就職や転職活動の促進、社会全体の雇用の安定化」に対して、失業保険などの各種手当を給付しています。
また「失業の予防、雇用状態の是正や雇用機会の増大、労働者の能力の開発や向上、その他労働者の福祉の増進を図るための雇用安定事業、能力開発事業、雇用福祉事業」を行っています。
この雇用保険制度を無駄なく利用して、次のライフステージへの足掛かりにしましょう。ちなみに雇用保険のわからないことは雇用保険のしおりに詳しく掲載、もしくはハローワークの職員の人たちもていねいに説明してくれます。