失業保険の給付期間!一般受給資格者と特定受給資格者で日数に2倍の差がある

中野貴利人
監修中野貴利人 ネットピコ代表
2019/04/25 更新

失業保険の給付期間!一般受給資格者と特定受給資格者で日数に2倍の差がある

  1. 給付期間は退職理由などで7種に分かれる
  2. 失業保険の給付期間一覧
  3. 一般受給資格者と特定受給資格者の違い

給付期間は退職理由などで7種に分かれる

失業保険の給付日数は「雇用形態、退職理由、年齢、勤続年数」によって異なります。例えば、あなたが「会社員、自己都合退職、32歳、勤続10年」であったときは、最大120日間が受け取れるというシステムです。

給付日数=雇用形態×退職理由×年齢×勤続年数

まずは雇用形態と退職理由によって、受給資格者の区分を決めます。受給資格者は「一般受給資格者、特定受給資格者、特定理由離職者、就職困難者、高年齢被保険者、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者」に分かれます。

区分説明
①一般受給資格者自己都合で会社を辞めた人
②特定受給資格者会社都合で会社を辞めた人
③特定理由離職者病気や看病などで辞めた人
④就職困難者身体や精神に障害を持つ人
⑤高年齢被保険者65歳以上で退職した人
⑥短期雇用特例被保険者主に1年未満の仕事の人
⑦日雇労働被保険者雇用期間が30日以内の人

情報取得日 2019年3月時点

①~④は「一般被保険者」とまとめることもでき、申し込み数が最も多いです。一般被保険者の中で退職理由が自己都合の人は一般受給資格者、会社都合の人は特定受給資格者、特定の理由がある人は特定理由離職者としています。

特定受給資格者と特定理由離職者は、突発的な理由で離職した人であることから、転職の準備ができていません。そのため、失業保険が受け取れる給付日数も一般受給資格者の2倍以上に設定されています。

このように受給資格者を判別できたら、次に年齢と勤続年数を組み合わせることで、失業保険の給付期間が決まります。受給資格者別の給付期間一覧は以下のとおりです。

失業保険の給付期間一覧

チェック1

一般受給資格者

失業保険の一般受給資格者とは自己都合、定年退職、懲戒解雇などで離職した人です。最も人数が多い受給資格者になります。

勤続年数 1年未満 1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
15歳以上
65歳未満
90日 90日 120日 150日

情報取得日 2019年3月時点

チェック2

特定受給資格者

特定受給資格者とは倒産や解雇などの会社都合により、再就職の準備をする時間的な余裕がなく、離職を余儀なくされた人です。自己都合の一般受給資格者よりも失業保険の給付日数も長くなります。

勤続年数 1年未満 1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日 -
30歳以上
35歳未満
90日 120日 180日 210日 240日
35歳以上
45歳未満
90日 150日 180日 240日 270日
45歳以上
60歳未満
90日 180日 240日 270日 330日
60歳以上
65歳未満
90日 150日 180日 210日 240日

情報取得日 2019年3月時点

チェック3

特定理由離職者

特定理由離職者とは心身障害や父母の看護など、自己都合の中でも以下の特定の理由があって、離職した人が対象です。

  • 心身障害、病気、ケガ、視力や聴力減退で離職した人。
  • 妊娠や出産などで離職して、受給期間延長措置を受けた人。
  • 親の病気やケガを看護するために理由に離職した人。
  • 家庭の事情が急変したことで離職した人。
  • 配偶者や扶養親族と別居を続けることが難しく離職した人。
  • 結婚で住所が変わるなど、通勤が難しく離職した人。
  • 企業の希望退職者の募集に応じて離職した人。

ただし、2009年3月31日~2022年3月31日限定の措置です。それ以降は一般受給資格者と同じ給付期間に戻ります。

勤続年数 1年未満 1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日 -
30歳以上
35歳未満
90日 120日 180日 210日 240日
35歳以上
45歳未満
90日 150日 180日 240日 270日
45歳以上
60歳未満
90日 180日 240日 270日 330日
60歳以上
65歳未満
90日 150日 180日 210日 240日

情報取得日 2019年3月時点

チェック4

就職困難者

就職困難者とは身体障害者、知的障害者、精神障害者など、以下の理由で離職した人が対象です。

  • 両眼視力が0.1以下、片眼視力が0.02以下、他眼視力が0.6以下。
  • 両眼視野が10度未満や1/2以上欠けている。
  • 両耳聴力が70dB以上、片耳聴力が90dB以上、他耳聴力が50dB。
  • 平衡機能に障害を持つ。
  • 音声機能、言語機能、咀嚼機能に障害がある。
  • 手足に障害がある。
  • 心臓や腎臓の機能障害で日常生活で制限を受けている。
勤続年数 1年未満 1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
45歳未満 150日 300日 300日 300日 300日
45歳以上
65歳未満
150日 360日 360日 360日 360日

情報取得日 2019年3月時点

チェック5

高年齢被保険者

高年齢被保険者とは65歳以上で退職した人です。2016年までは「高年齢継続被保険者」と呼ばれていました。高年齢求職者給付金として以下の金額を一括で支給します。

勤続年数 1年未満 1年以上
65歳以上 30日分 50日分

情報取得日 2019年3月時点

チェック6

短期雇用特例被保険者

短期雇用特例被保険者とは雇用期間が1年未満である仕事に就くなど、季節限定で雇用される人です。特例一時金として以下の金額を一括で支給します。

勤続年数 1年未満 1年以上
年齢制限なし 40日分 40日分

情報取得日 2019年3月時点

チェック6

日雇労働被保険者

日雇労働被保険者とは雇用期間が30日以内の人です。対象者は日雇労働をするときに雇用主に日雇労働被保険者手帳を提出して、賃金を受け取るときに雇用主が日雇労働被保険者手帳に印紙を貼り、消印を押します。

給付日数は「印紙の貼付枚数=印紙保険料」によって、13~17日の範囲で決まります。

印刷枚数 26~31枚 32~35枚 36~39枚 40~43枚 44枚~
15歳以上
65歳未満
13日 14日 15日 16日 17日

情報取得日 2019年3月時点

一般受給資格者と特定受給資格者の違い

一般受給資格者とは自分の都合で退職した人、特定受給資格者とは会社の都合で退職した人です。同じ失業保険でもこの受給資格者の違いによって、給付期間に1.0~2.2倍の開きがあります。

例えば、勤続20年以上の人の給付期間は、一般受給資格者では最大150日ですが、特定受給資格者では最大330日に伸びます。受給総額に換算すると100万円以上の差です。

また、特定受給資格者の範囲は意外に広いです。会社が破産、民事再生、会社更生などで倒産する、1カ月に30人以上の人員整理がある、事業所が移転や廃止で通勤が往復で4時間以上になるなどして、退職をした場合に該当します。

それ以外にも労働条件の不一致、賃金の低下や未払い、時間外労働の継続、職種転換、有期雇用契約の停止、パワハラやセクハラなどの人間関係、退職勧告、休業、法令違反も対象です。

しかし、労働者に有利な会社都合を企業は受け入れてくれないこともあります。これは会社都合が行われると、助成金や補助金がストップしたり、企業イメージの低下につながるからです。

ただ、本来は会社都合にもかかわらず、勤めていた会社に自己都合で処理されたときは、ハローワークで「会社都合」に変えてくれることがあります。会社都合に心当たりがある人はハローワークの窓口で相談してみましょう。

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著作・制作など

中野貴利人
監修・執筆・編集
株式会社ネットピコ代表/フクポン編集長/副業プランナー。新卒で副業開始、26歳で法人化、11期目。副業関連の著書4冊。2児の父。過去の取材や講演はメディア掲載履歴で紹介。