就業促進手当 - 失業保険の受給中に就職できたときのお祝い金

中野貴利人
監修中野貴利人
2019/09/06 更新

就業促進手当 - 失業保険の受給中に就職できたときのお祝い金

  1. 4種類ある就業促進手当
  2. 給付① 再就職手当
  3. 給付② 就業促進定着手当
  4. 給付③ 就業手当
  5. 給付④ 常用就職支度手当

4種類ある就業促進手当

雇用保険の就職促進給付に分類される就業促進手当には「再就職手当、就業促進定着手当、就業手当、常用就職支度手当」の4種類があります。

就業促進手当(4種類)

①再就職手当は「安定した職業に就いた」とき。
②就業促進定着手当は「前職より賃金が低い」とき。
③就業手当は「アルバイトや非正規職で働く」とき。
④常用就職支度手当は「障害者や高齢者向け」とき。

いずれの就業促進手当も失業保険の受給期間中に就職ができて、受給期間が規定の日数分が残っていると貰える「お祝い金」のような位置付けになります。

これらの就業促進手当を受け取るときは、何しらの仕事に就いたときであることから、失業保険と同時には受給できません。失業保険の給付額を基準に計算して、失業保険の給付期間が残っているときに支給されます。

給付① 再就職手当

支給額

失業保険の受給期間中に就職したことで、失業保険の給付日数が残ったときに受け取れる手当てです。再就職手当の金額は、給付日数が残り2/3以上と残り1/3以上で異なります。

支給額

日額手当=6カ月間の給与÷180日×50~80%
①給付残日数2/3以上=日額手当×70%×支給残日数
②給付残日数1/3以上=日額手当×60%×支給残日数

厚生労働省(2018年8月)「再就職手当のご案内」

日額の支給上限は毎年7月1日以降に変わりますが、2019年4月時点では60歳未満が6,105円、60歳以上65歳未満が4,941円です。

支給条件

再就職手当は次の9個の支給条件をすべて満たす必要があります。

  1. 失業保険の申請後、7日間の待機期間が経過して、失業保険の受給資格がある状態で就職、または事業を開始した人が対象です。
  2. 就職日前日までの失業の認定を受けた上で、支給の残り日数が所定給付日数の1/3以上残っている必要があります。
  3. 離職前の事業主や関連事業主に再度雇用された場合は、再就職手当の対象にはなりません。
  4. 離職理由により給付制限を受けた場合、最初の1カ月間はハローワークの紹介や厚生労働大臣が許可した職業紹介事業者の紹介によって、職業に就くことが必要です。
  5. 1年以上は雇用されることが確実な職業に就いた人のみが対象です。途中で辞めるとわかっている場合は受け取れません。
  6. 雇用保険に加入している企業に就職をして、雇用保険の被保険者資格を取得していることが条件です。雇用保険を支払っていない会社もたくさんあるために確認しましょう。
  7. すでに過去3年以内に就業促進手当を受けたことがある人は貰えません。
  8. 就職先から受け取る内定通知が、失業保険の受給資格決定日のあとでなければいけません。受給資格が決定する前では、失業保険の受給資格者にはならないためです。
  9. すべての条件を満たして、再就職手当を受け取ったあとに、すぐに離職した場合は返金する必要があります。

支給事例

5月31日に自己都合で退職した人が、6月1日に失業保険を申請した場合、6月7日までが待機期間になります。6月15日の雇用保険説明会にて、基本手当日額が5,000円、所定給付日数が90日に決定したことがわかりました。

その後、6月8日~9月7日の給付制限中に就職活動をした結果、8月1日から新しい会社への就職が決まります。この場合、給付制限中に就職したことで失業保険を1日分も受け取っていません。

所定給付日数の90日がすべて残っているため、給付残日数は2/3以上に該当します。その結果、計算式は「5,000円×70%×90日」となり、315,000円が一括で振り込まれます。

給付② 就業促進定着手当

支給額

再就職手当を受けた人が、その再就職先の企業に6カ月以上雇用されて、その間の賃金が前の企業の賃金より低かったときに受け取れる手当てです。

支給額

賃金差=離職前の賃金日額-再就職後の6カ月間の賃金日額
支給額=賃金差×暦日数

暦日数とはその月の日数であり、2月は28日間、3月は31日間などです。これは月給制のみであり、日給制や時給制は労働した日数になります。また、支給額には上限があります。

厚生労働省(2018年8月)「就業促進定着手当が受けられます」

日額の支給上限は毎年7月1日以降に変わりますが、2019年4月時点では60歳未満が6,105円、60歳以上65歳未満が4,941円です。

支給条件

就業促進定着手当は次の3個の支給条件をすべて満たす必要があります。

  1. 再就職手当の支給を受けている人のみが対象です。
  2. 再就職手当の支給を受けた再就職の日から、同じ事業主に6カ月以上雇用されています。その期間は雇用保険の被保険者でなければいけません。
  3. 再就職後の6カ月間の賃金日額が、離職前の賃金日額より下回った分の差額のみが支給されます。

給付③ 就業手当

支給額

再就職手当の支給条件に当てはまらない人で、失業保険の給付日数が1/3以上残ったときに受け取れる手当てです。

支給額

日額手当=6カ月間の給与÷180日×50~80%
支給額=日額手当×30%

日額の支給上限は毎年7月1日以降に変わりますが、2019年4月時点では60歳未満が6,105円、60歳以上65歳未満が4,941円です。

支給条件

就業手当は次の5個の支給条件をすべて満たす必要があります。

  1. 失業保険の申請後、7日間の待機期間が経過して、失業保険の受給資格がある状態で就職、または事業を開始した人が対象です。
  2. 就職日前日までの失業の認定を受けた上で、支給の残り日数が所定給付日数の1/3以上、かつ45日以上で残っている必要があります。
  3. 離職前の事業主や関連事業主に再度、雇用された場合は、就業手当の対象にはなりません。
  4. 離職理由により給付制限を受けた場合、最初の1カ月間はハローワークの紹介や厚生労働大臣が許可した職業紹介事業者の紹介によって、職業に就くことが必要です。
  5. 就職先から受け取る内定通知が、失業保険の受給資格決定日のあとでなければいけません。受給資格が決定する前では、失業保険の対象者にはならないためです。

支給額は「就業日×40%×基本手当日額」であり、日額の上限は5,910円、60歳以上65歳未満は4,765円になります。

就業とは1年以内の短期的な職業で、契約期間が7日以上、週の所定労働時間が20時間以上、週の就労日が4日以上の場合を指します。

給付④ 常用就職支度手当

支給額

身体障害者、知的障害者、精神障害者、65歳以上の高年齢被保険者のような就職困難者が安定した職業に就いたときに受け取れる手当てです。支給額は基本手当の給付残日数で異なります。

支給額

日額手当=6カ月間の給与÷180日×50~80%
①給付残日数90日以上=日額手当×40%×90日
②給付残日数45~89日=日額手当×40%×給付残日数
③給付残日数44日以下=日額手当×40%×45日

日額の支給上限は毎年7月1日以降に変わりますが、2019年4月時点では60歳未満が6,105円、60歳以上65歳未満が4,941円です。

支給条件

就業手当は次の8個の支給条件をすべて満たす必要があります。

  1. 障害者などの就職が困難な人、65歳以上の高年齢被保険者のような就職困難者の手当てです。
  2. 失業保険の申請後、7日間の待機期間が経過して、失業保険の受給資格がある状態で就職、または事業を開始した人が対象です。
  3. 就職日前日までの失業の認定を受けた上で、支給の残り日数が所定給付日数の1/3以上残っている必要があります。
  4. 離職前の事業主や関連事業主に再度、雇用された場合は、常用就職支度手当の対象にはなりません。
  5. 1年以上は雇用されることが確実な職業に就いた人のみが対象です。途中で辞めるとわかっている場合は受け取れません。
  6. 雇用保険に加入している企業に就職をして、雇用保険の被保険者資格を取得していることが条件です。雇用保険を支払っていない会社もたくさんあるために確認しましょう。
  7. すでに過去3年以内に常用就職支度手当を受けたことがある人は貰えません。
  8. 就職先から受け取る内定通知が、失業保険の受給資格決定日のあとでなければいけません。受給資格が決定する前では、失業保険の受給資格者にはならないためです。

常用就職支度手当は申請書を提出したあと、支給を決定するために一定の調査期間が設けられています。調査期間は約1カ月間であり、そこからさらに1週間後に指定の口座に入金されます。

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著作・制作など

中野貴利人
監修・執筆・編集
フクポン運営/副業プランナー。新卒で副業開始、26歳で法人化、11期目。副業関連の著書4冊。2児の父。過去の取材や講演はメディア掲載履歴で紹介。