給与明細の見方とは?24歳会社員の手取りが20万円に減る仕組みを理解する

中野貴利人
監修中野貴利人
2019/09/06 更新

給与明細の見方とは?24歳会社員の手取りが20万円に減る仕組みを理解する

  1. 24歳会社員の給与明細の内訳
  2. 勤怠・支給・控除にある項目一覧
  3. 社会保険料と税金を詳しく知る

24歳会社員の給与明細の内訳

下の写真は社会人3年目の24歳男性の給与支給明細書です。給与明細は主に出勤日数や残業時間といった「勤怠」、基本給や手当てなど渡される「支給」、保険料や税金など給与から引かれる「控除」の3つで構成されています。

24歳男性の給与支給明細書

総支給金額が258,770円、控除合計額が55,939円のため、手取りである差引支給額は202,831円となりました。これは14時間56分の残業代26,170円を含めた金額です。

国税庁の「平成29年分 民間給与実態統計調査」によると、20~24歳の平均年収が262万円でした。その結果、残業代、各種手当て、賞与を考慮しても、一般的な給与水準に該当します。

主人公
主人公
給与が25.8万円でも、手取りは20.2万円に減っている。
貧乏神
貧乏神
20%くらいは税金と社会保障費で消えてしまうだぬ。

勤怠・支給・控除にある項目一覧

勤怠

項目説明
出勤20.0通常勤務の日数
休出休日出勤の日数
特休特別休暇を取った日数
有休0.5有給休暇を取った日数
欠勤無給休暇を取った日数
有給残有給休暇の残りの日数
出勤時間通常勤務した時間
遅早時間遅刻や早退した時間
特勤時間14:56残業した時間
深夜残業時間0:50深夜残業した時間
休日時間休日勤務した時間
休日残業時間休日残業した時間

特別休暇は「看護休暇、慶弔休暇、病気休暇、バースデー休暇、リフレッシュ休暇」など、一定の要件を満たすことで取得できる制度です。法律ではなく社内ルールのため、会社によって有給と無給に分かれます。

支給

項目金額説明
年齢給116,600年齢に応じた給与
役割成果給101,000役職に応じた給与
家族手当扶養家族がいると支給
住宅手当15,000世帯主になると支給
社外勤務手当勤務地を離れると支給
調整手当給与規定の不足分を支給
欠勤や早退などで引かれる
諸手当資格手当や営業手当など
日曜個所手当日曜に出勤すると支給
支給差額過去の差額分を支給
通勤手当通勤時の交通費を支給
残業手当26,170残業分を支給

基本給は年齢や勤続年数、役職などで決まり、上記では年齢給と役割成果給が該当します。また「資格手当、皆勤手当、営業手当、持株奨励金、住宅利子補給」などもあり、一般的に手当ての合計は総支給の10%程度になります。

控除

項目金額説明
健康保険料9,600健康保険の支払い分
厚生年金保険21,432厚生年金の支払い分
雇用保険料2,070雇用保険の支払い分
所得税10,020所得に応じて支払い
住民税7,900所得に応じて支払い
通勤費通勤手当と実費の差額
持ち株拠出金持ち株の購入費
旅行積立2,000社員旅行の積立金
TL通販社内通販の支払い分
ライフネット2,617社内の生命保険料分
社宅使用料社宅の家賃分
雑控除その他の控除分
共済組合300共済組合の支払い分
通信教育費通信教育の購入費
財形貯蓄財形貯蓄の積立金
年末調整年末調整の差額
社員旅行精算社員旅行の差額

上記以外では40~64歳の人のみが負担する介護保険料が一般的です。また、控除は社内制度によって、名称が異なります。一般的な生命保険料も上記ではライフネットに変わり、旅行積立や通信教育費も明記されます。

社会保険料と税金を詳しく知る

支給は「年齢給+役職給+残業手当+諸手当」などで計算できますが、控除は計算式が複雑でスルーするしがちです。ただ、控除とは「金銭を引く」という意味であり、これが年々増額されていることには注意です。

例えば「43歳夫、40歳妻、小学生2人」の世帯における2002~2017年の手取りは、年収500万円の人で429万円から394万円に、年収700万円の人で587万円から537万円に、年収800万円の人で662万円から602万円に下がりました。

平均年収も448万円から420万円前半に下がっていますが、社会保険料や納税額の負担率が増したことで、加速度的に自由に使える手取りが減っています。特に次の6点は今後も動向を注視したいです。

1

健康保険料

健康保険料は病院で支払う医療費に使われます。市区町村や健康保険組合で差はありますが、おおむね医療分は所得の7%、後期高齢者支援金分は所得の2%、介護分は所得の1.5%の負担率です。

例えば、全国健康保険協会の健康保険料額表にて、前述の給与明細にある総支給金額258,770円を探すと、20/50等級に該当することがわかります。その結果、2018年4月時点では健康保険料は月31,680円となり、雇用主と折半で月15,840円を支払います。

健康保険料額表

また、フリーランスや自営業者が入る国民健康保険では、2018年4月時点の料率が最安は新潟県の9.63%、最高は徳島県の10.28%でした。地域の医療費の増減によって、毎年負担率が変わっていきます。

2

介護保険料

健康保険料のうち40~64歳の人が対象で介護サービスの財源になります。会社が健康保険組合に加入している場合は、1.5%前後の負担率です。

ただ、介護保険料率も2009年は1.19%でしたが、2018年に1.57%まで上がっています。今後も少子高齢化による労働力人口の減少で、負担率は上昇することが見込まれます。

3

厚生年金保険料

厚生年金保険料は31等級に分かれた厚生年金保険料額表にて、自分の報酬月額を当てはめることで、その等級ごとに定められた金額がわかります。

厚生年金保険料額表

前述の給与明細の総支給金額258,770円を探すと、報酬月額が25万~27万円の17等級に該当しました。その結果、2018年4月時点の厚生年金保険料は47,580円となり、雇用主と折半で23,790円を支払うことになります。

ちなみに厚生年金保険料は2004年9月時点では13.58%でしたが、毎年0.354%ずつ引き上げられて、2017年9月時点では18.3%に固定化されました。

自営業者が加入する国民年金も、2004年4月時点は月13,300円でしたが、段階的な引き上げが実施されて、2017年4月時点に月16,900円で固定化、2018年4月時点では物価上昇率の影響で16,340円になっています。

4

雇用保険料

会社を離職したり、給与が著しく減少したときに給付される保険です。一般的なサラリーマンは一般事業者に該当し、2018年4月時点の雇用保険料率は0.9%、そのうち0.3%を労働者、0.6%を事業主が支払います。

ちなみに健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料の総称である社会保険料は、毎年4~6月分の報酬を合計して、3で割った標準的な報酬月額を対象です。

報酬月額に負担率をかけることで1年間の負担額が決まるため、毎年4~6月は残業しないなど、収入を抑えることで社会保険料は節約できます。

5

所得税

給与収入で料率は変わりますが、最初に「給与収入-給与所得控除=給与所得」、次に「給与所得-所得控除=課税所得」、最後に「課税所得×税率-控除=所得税」と計算して、金額が決定します。

年間給与が400万円のケースでは、給与所得控除後の金額は「400万円-134万円=266万円」、課税所得は「266万円-38万円=228万円」、所得税額は「228万円×10%-97,500円」で年間130,500円を納付します。

6

住民税

住民税は所得税とは違って、ほぼ固定の料率です。基本的には「道府県税4%+市町村民税6%=住民税10%」です。各自治体によって、特例として数%が引かれることもあります。

例えば、年間給与が400万円のケースでは、2018年4月時点で道府県税が91,200円、市町村民税が136,800円、均等割が4,000円となり、住民税は232,000円を納めます。

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著作・制作など

中野貴利人
監修・執筆・編集
フクポン運営/副業プランナー。新卒で副業開始、26歳で法人化、11期目。副業関連の著書4冊。2児の父。過去の取材や講演はメディア掲載履歴で紹介。