医療費の節約術5選!平均額の年3万9990円は健康志向でもっと下がる

中野貴利人
著書「副業アイデア事典」など5冊/メディア掲載実績は日経新聞など150回以上/株式会社ネットピコ代表
2024/09/29 更新本ページはプロモーションを含みます

医療費の節約術5選!平均額の年3万9990円は健康志向でもっと下がる

  1. 15~44歳の医療費は年平均3万9990円
  2. 節約① 健康診断で大病を予防する
  3. 節約② ニセ医療にお金をかけない
  4. 節約② 病院はかかりつけ医にする
  5. 節約③ 薬はジェネリックを選ぶ
  6. 節約④ 医療費は10万円以上で戻る

15~44歳の医療費は年平均3万9990円

厚生労働省の2021年の「国民医療費の概況」によると、医療費の平均値は0~14歳で年平均16万3500円、15~44歳で年平均13万3300円、45~64歳で年平均29万700円、65歳以上で年平均75万4000円でした。

医療費は窓口負担で3割になるため、15~44歳であれば「13万3300円×30%=3万9990円」が1年間の平均医療費です。

厚生労働省(2021年)「国民医療費の概況」

ただ、医療費は節約術の中でも特に予防が大切です。健康であれば負担は0円ですが、継続的な体調不良は治療代がかさみ、突発的な入院では1回数万円の出費になります。

節約① 健康診断で大病を予防する

健康診断で大病を予防する

一般的な健康診断は5000円前後であり、会社員は会社負担で健康診断を受けられます。また、40代は3年に1回、50代は2年に1回、60代は1年に1回程度の人間ドックを受診することが望ましいとされています。

病気やケガをしない未病は1番の医療費の節約です。仮に病気になっても早期発見と早期治療であれば、治療期間が短くなります。そのためにも過去の自分の健康状態と比較するように、毎年健康診断を受診しましょう。

節約② ニセ医療にお金をかけない

ニセ医療とは「医学的根拠がない治療法」であり、ニセ医療にお金と時間を使うほど、もったいないことはありません。そこで「岩盤浴で体外に毒素が排出される」から「サプリでバストサイズが大きくなる」まで、有名なニセ医療をリストアップしてみました。

ニセ医療実態
亜鉛サプリは日本人に必須である厚生労働省によると若干足りない程度
EM菌が免疫力を高めて、がんを治癒するエビデンスなし
新興宗教に近い
岩盤浴で老廃物が排出される汗にはほとんど汚染物質が含まれない
コラーゲンを食べると肌質が良くなる医学的根拠なし
体内でアミノ酸に分解されてしまう
磁気ネックレスが肩のこりをほぐす医学的根拠なし
水素水には多数の健康効果がある医学的根拠なし
国民生活センターが注意喚起
体温上昇で免疫力がアップする医学的根拠なし
腸内洗浄にはデトックス効果がある医学的根拠なし
マイナスイオンは抗酸化作用がある多くの研究で健康への効果が否定されている
バストアップサプリで胸が大きくなるエビデンスなし
ホメオパシーで病気が治る日本医学会が「厳に慎むべき行為」と断ずる
ワカメで髪の毛が増える医学的根拠なし

情報取得日 2024年10月時点

フク
フク
岩盤浴で汗をかくと老廃物が出るんじゃないの!?
先生
先生
発汗にそんな効果ないだぬ。

身近なところでは風邪の治し方があります。ネギを首に巻いて、はちみつレモンを飲んでも、風邪そのものは治りませんし、病院へ行っても早く回復するわけではありません。

ドラックストアで売られている総合かぜ薬も、薬局で処方される風邪薬にも、ウイルスの数を直接減らす効果はなく、鼻水や咳を止めて、熱を下げるといった症状を緩和させる対症療法です。

風邪は鼻や喉に炎症が起きた状態であり、原因の80~90%がウイルスです。そのウイルスを撃退する薬は2024年10月時点ではありません。風邪はほぼ自然治癒する良性疾患であり、安静と睡眠がベストです。

他にも「アガリクスががんに効く」といったデマもそうです。仮にアガリクスが効くなら、製薬会社が抗がん剤に変えているはずですが、そうではありません。本来、治療薬とは製薬会社や大学の研究機関が何百億円という資金を投じ、成分抽出や臨床試験を経て、10年以上をかけて完成します。

それをせずにアガリクスは医学的根拠なしの宣伝のみで、その効果が広がってしまいました。現在は一部に発がん物質が含まれているという注意喚起が厚生労働省からもされています。また、フコイダンやメシマコブも同じような状況です。

このように人がニセ医療を信じてしまう理由は「精神的に弱っているときは論理的思考が鈍る、効果がないことを証明する専門家が少ない、日本では金儲け主義に走った医師への罰則が軽い」ことがあげられます。

一方で効果なしとは断言できないものもあります。例えば「鍼(はり)治療には科学的根拠がなく、プラセボ効果に過ぎない」といった主張は、実際には「腰痛では有効性が確認されており、全般的にエビデンスが十分ではない」状態です。

同じくミネソタ大学の研究チームが「ウコンに薬効成分はない」と発表したとき、一部で「お酒に効果なし」と誤解を招きました。実際にはウコンは研究段階にあり、アルコールの分解作用がないとは結論付けられません。

このように私たちは「ニセ医療に騙されない、効果なしも疑う、標準的な医療行為を否定しない」ように、専門家の意見を取り入れながら理論的に物事を考えて、情報を取捨選択する習慣が必要です。

節約② 病院はかかりつけ医にする

病院はかかりつけ医にする

医療機関を初めて受診する際には、初診料が加算されます。この初診料は病院の規模が大きくなるほど高くなり、200床以上の病院では初診料に5000円未満の「初診時特定療養費」が上乗せ請求されます。

さらに2024年10月時点では、時間外に受診することで850円、休日は2500円、深夜は4800円の割り増し料金が加算されます。また、セカンドオピニオンも重要ですが、病院をはしごすると単純に金銭的負担が増します。

したがって、なるべく自宅の近くで信頼の置けるかかりつけ医を見つけることが、費用を抑えて安心できるコツです。精密検査が必要なときは、そのかかりつけ医に専門医を紹介してもらうようにします。

節約③ 薬はジェネリックを選ぶ

薬はジェネリックを選ぶ

ジェネリック医薬品とは特許が切れた医薬品を中心に安く提供している仕組みです。特許が切れた分、研究費や開発費が上乗せされないため、同じ成分で同じ効果がありながら、一般的な処方箋より20~80%安いです。

日本ジェネリック製薬協会によるかんたん差額計算によると、例えば、高血圧治療薬のアムロジン錠5mgをジェネリックに変えると、1錠あたり42円が13~23円に下がることがわかります。

2024年10月時点では糖尿病治療薬のアマリール1mg錠は1錠あたり16円が10円、脂質異常症治療薬のリピトール錠10mgは1錠あたり88円が24~46円になりました。

病院や薬局によってジェネリック医薬品が置いていなかったり、医師の判断で服用できないこともありますが、医師や薬剤師も積極的にジェネリックを推奨していますので、できる限りジェネリックを希望しましょう。

節約④ 医療費は10万円以上で戻る

医療費は10万円以上で戻る

医療費の総額が10万円以上、もしくは総所得の5%以上になる場合、200万円を上限に国が負担してくれます。1人だけではなく、生計を共にしている家族の合算でも申告できます。

医療費控除の対象になる出費は「治療費、医薬品、マッサージ指圧、鍼・灸治療、看護師や保健師への対価、助産師による分娩介助、通院のための交通費、入院時の部屋代や食事代」など、意外に幅広いです。

申請は確定申告時に行い、その際は領収書やレシートの原本を提出するため、常に医療系で控除できそうなものはすべて保存しておきましょう。また、過去5年間をさかのぼっての申請も可能です。

また、OTC薬(ドラックストアなどで買える市販薬・大衆薬)の費用が年1万2000円以上になる場合、8万8000円を上限に所得税から控除できるセルフメディケーション制度もあります。医療費控除とは併用できませんが、風邪薬、点眼薬、発毛薬など、1680品目以上が対象です。

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