電力自由化とは?電力会社を変更して電気代を節約できる

中野貴利人
監修中野貴利人 ネットピコ代表
2019/02/14 更新

電力自由化とは?電力会社を変更して電気代を節約できる

  1. 電力会社の変更で電気代がお得になる
  2. エリア別のおすすめの電力会社
  3. よくある質問と回答

電力会社の変更で電気代がお得になる

電力自由化で私たちは好きな電力会社を選べるようになりました。電力会社を変えても電気の質は変わらず、料金のみを安くできます。電力会社の変更手続きもスムーズであり、手軽に電気代を節約できる方法です。

私たちが電気を使うには「電気を作る、電気を送る、電気を売る」という3ステップが必要ですが、今まではそれらを電力会社が独占してきました。電力自由化では「電気を作る」と「電気を売る」を自由に選ぶことができます。

電気を使う=作る+送る+売る

関東は東京電力、関西は関西電力、中部は中部電力など、北海道電力から沖縄電力まで国内10社の電力会社が地域別に電力事業を担ってきわけです。しかし、これでは競争原理が働かず、電気料金は高い状態が続きます。

そこで2016年4月からスタートした電力自由化によって、誰でも「電気を作る」と「電気を売る」ができるようになり、新規参入する企業がお得なプランやセット割引で顧客獲得を目指しています。

ちなみに「電気を送る」ことは自由化されていません。これが自由化されると新たな電柱や電線が必要になり、新規参入する企業にとってはコストが増えて、かなり非効率です。

そのため、発電と売電のみを自由化して、送電は地域の電力会社から電柱や電線を借りることになっています。また、送電も地域の電力会社から経営を分離させて、独立機関として中立的な位置付けになる予定です。

主人公
主人公
電気を作って売ることが自由になると、何が起こるの?
貧乏神
貧乏神
競争原理が働いて、価格が安くなるだぬ。

エリア別のおすすめの電力会社

経済産業省が管理する小売電気事業の登録数は、2019年1月時点で500社近くになります。そのうち、実際に電力の小売りをしている企業は約100社あり、契約できるプラン数は200以上にも及びます。

ただし、電力会社や小売電気事業者はエリアごとに分割されており、関東エリアは30社程度、関西エリアや九州エリアは20社程度、それ以外のエリアは20社未満であるため、電力会社は絞りやすいです。

そこで2019年1月時点の電気料金をリスト化しました。データは「夫婦2人と子供2人の4人家族、契約アンペア数は40A、平均月間使用料は400kWh、使用時間帯は昼夜50%」をモデルとしています。

この条件で一般的な東京電力の「従量電灯B」プランを利用すると、従来は月額約11,100円、年額約133,200円の電気料金を支払ってきました。それが年間数千~1万円以上も割り引きされます。

関東

電力会社プラン名年間割引額
ENEOSでんき Aプラン約10,200円
東急グループ従量電灯B(40A)約8,600円
イーレックス従量電灯B(40A)約7,600円
KDDIでんきMプラン(東京)約7,100円
エイチ・アイ・エス従量電灯B約6,400円
東京ガスずっとも電気1約2,300円

情報取得日 2019年1月時点

ENEOSでんきは東京電力より年間1万円以上も割引になります。ENEOSカードの支払いで3%ポイント還元、2年以上の利用でさらに電気料金が割引、ガソリンや灯油なども割引など、特典も豊富です。

ENEOSでんき

主人公
主人公
電気代は下がらないけど、別で割引される企業も多いね。
貧乏神
貧乏神
顧客を囲い込んで、長期的に利用してもらうことが狙いだぬ。

関西

電力会社プラン名年間割引額
東京電力エナジーパートナー プレミアムプラン(関西)約22,000円
ソフトバンクプレミアムプラン約22,000円
関西電力季時別電灯P約19,000円
KDDIでんきMプラン(関西)約17,200円(セット割)
イーレックス従量電灯A約9,000円

情報取得日 2019年1月時点

関西エリアは関東エリアよりも割引率が高いです。東京電力エナジーパートナーは年間割引額が2万円以上、1,000円でTポイントが5ポイント貰え、ウェブ申し込みでさらに割引されます。

東京電力エナジーパートナー

ソフトバンクはさらに携帯料金が3,000円割り引かれます。KDDIは電気料金の割引はほとんどなく、年間割引額は携帯料金とのセット割の金額です。

ソフトバンク

中部

電力会社プラン名年間割引額
中部電力(カテエネ) スマートライフ約5,000円
エイチ・アイ・エス従量電灯B約7,400円
ソフトバンクプレミアムプラン約2,800円

情報取得日 2019年1月時点

中部電力(カテエネ)は年間割引額が約5,000円、2019年1月時点で会員数200万人を突破し、中部電力のカエテネポイントも貯まります。

中部電力(カテエネ)

九州

電力会社プラン名年間割引額
KDDIでんきMプラン(九州)約7,200円(セット割)
エイチ・アイ・エス従量電灯B約6,400円
ナンワエナジースタンダードM約6,200円

情報取得日 2019年1月時点

KDDIはポイントが最大5%貯まり、節電できるアプリも人気、クーポンも付いてきます。エイチ・アイ・エスは誰でも5%オフ、キャンペーンも豊富で旅行もお得になります。

KDDI


また、上記には燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まれていません。過去の一定時点における情報を含んでいる場合があり、電気料金と年間割引額は参考値になります。

よくある質問と回答

──電力が自由化されても、電気料金は東京電力や関西電力といった地域の電力会社が最も安いと思われていますが、実際はそうではありません。なぜ、携帯電話会社や鉄道会社など新規参入してきた企業のほうが安いのでしょうか?

今まではエリアごとに1社しか電力会社がありませんでしたが、電力自由化で多くの企業が参入してきました。彼らは主に電力と別の商品をセットで販売しており、その際に割引することで価格競争が発生しています。

電力事業は発電所や送電網、売電システムなどの初期コストに加え、メンテナンス費用なども膨大にかかります。さらに電気は利益がかなり薄い商品であるため、多く売ることでしかビジネスが成り立ちません。

そのような厳しい市場であるにもかかわらず、携帯電話会社などがこぞって参入する理由は、新規顧客と既存客を囲い込みたいからです。

例えば、電力会社をソフトバンクに変えた人の100%が、携帯電話や固定電話をソフトバンクと契約しています。これはソフトバンクを使っている人しか、電力会社をソフトバンクに指定できないためです。

今まで携帯電話でソフトバンクを使っていない新規顧客は、携帯電話をドコモなどからソフトバンクに切り替えるかもしれませんし、既存客も電力会社をソフトバンクに変えると、携帯電話と電力でセット割引が適用されます。

逆に携帯電話を「ソフトバンクからドコモに変えたい」と思っても、すでに電力会社をソフトバンクに指定しているため、切り替えを手間に感じて、解約を躊躇する抑止効果もあります。

つまり、異業種が電力事業に参入する理由は、電力事業そのもので利益を出すよりも現在の主力事業を強固にするという別目的があったりもします。

これは「新規事業者は別事業があるために値下げできる」とも言い換えられます。もちろん、このようなセット販売できる企業とは別に、発電コストを抑えて、純粋に電力を小売りする新規事業者もいます。

──電力会社を変更する手続きはスムーズにできますか?屋外工事やメーターの取り換え、前の電力会社への解約などを含めて時間がかかるイメージがあります。

申し込みはウェブや電話ですべて完結します。新しい電力会社が今までの電力会社への解約手続きを代行してくれます。

電気メーターをスマートメーターに変更する屋外工事がありますが、設置の手配も自動的ですし、不在でも対応してくれます。ちなみに料金も無料であり、それ以外の手続きや工事はありません。

──電力会社によっては電気の質が悪くて、停電する可能性はありますか?

流れてくる電気に質の違いはありません。なぜなら電気を送る送電網は、各社共通で既存の電力会社が建設した電柱や電線を借りているためです。この電線の中に種類の異なる電気を流すことはできません。

また、電力会社の発電所が停電などのトラブルを起こしても、別の電力会社から自動的に電気を借りられるシステムになっています。仮に契約中の電力会社が倒産しても同じシステムが働くために、いきなり停電してしまうことはありません。

──電力会社のデメリットや注意点はありますか?

引っ越し時は手続きが必要です。今まではエリアごとの電力会社が一括管理していたため、引っ越し直後から電気が使えて、あとで支払い手続きを申請するだけでしたが、次回からは引っ越しの数日前には契約しないと、引っ越し当日にまだ電気が届いていないこともありえます。

──東京電力が電力自由化により、競合他社よりも不利な状況にあると聞きました。

東京電力だけではなく、北海道電力から沖縄電力まで既存の電力会社10社は、基本的には電力事業しか収入源がありません。そのため、他の商品やサービスの収入源を割引に回せず、セット割なども提供できないです。

しかも、採算の合わない過疎地や離島にまで電力を運んでいます。利幅が少ない単身世帯や高齢世帯にも滞りなく電力を供給するといった社会的責務があるため、一部のエリアの電気を止めるわけにもいかないです。

それらの追加コストはそのエリアに住んでいる住民だけではなく、契約者全員で負担しているため、どうしても既存の電力会社は全体的なコストが電気料金に上乗せされてしまいます。

スポンサードリンク

本サイトでは専門性と倫理観に裏付けられた情報を掲載するように努めておりますが、内容の一部に誤りがあるなどのご指摘はお問い合わせより随時承っております。

著作・制作など

中野貴利人
監修・執筆・編集
株式会社ネットピコ代表/フクポン編集長/副業プランナー。新卒で副業開始、26歳で法人化、11期目。副業関連の著書4冊。2児の父。過去の取材や講演はメディア掲載履歴で紹介。