キッチンカーの副業 - 週末起業として注目!初期費用を抑えて飲食店を開業できる
キッチンカーとは?
本業の仕事が飲食関連ではなくても、自分の店を持つことに憧れを抱いている人はいるでしょう。しかし、いざ飲食店を構えるとなると多額の費用が必要で、敷居が高いです。
そのような人たちに注目されている仕事がキッチンカー(移動販売)です。イベントなどは休日に需要が多いため、週末の副業として行う会社員もいます。
キッチンカーは自分の都合のよい日時に出店したり、日によって食材を変えたり、自由度が高いことも特徴です。本業と並行しつつ、小さな規模から始められることが魅力になります。
キッチンカーで稼げる金額
例えば10~15時の5時間のイベントに出店、1個500円のクレープを50個販売できれば2万5000円の売上です。あわせて1杯200円の飲み物も50杯販売できれば1万円、合計3万5000円になります。
500円×50個+200円×50個=3万5000円
3万5000円÷5時間=7000円
販売時間は5時間であるため、単純に時給換算すると時給7000円です。ただ、その前に食材の調達、仕込み、移動などの出店準備に時間がかかっています。さらに食材費、ガソリン代、水道光熱費、出店料といった経費も必要です。
先ほどの例で食材の仕込みや開店準備に追加で5時間、経費が追加で1万5000円かかったとすると、実際の時給は2000円程度になります。
3万5000円-1万5000円=2万円
2万円÷10時間=2000円
また、キッチンカーは初期費用として車の購入やその設備費に150万~400万円かかります。そのため、キッチンカーの利益は時給のような短期的には計算できません。初期費用の回収も含めて事業計画を立てて、長期的な損益を試算する必要があります。
副業でキッチンカーを始める準備
販売する食べ物を決める
販売する食べ物を決めることがキッチンカーの第一歩です。食べ物によってキッチンカーに必要な設備や諸経費が異なるため、資金計画を立てるためにも最初に考える必要があります。
焼きそばやたこ焼きのような定番商品、カレーや唐揚げなどの食事系、クレープやパンなどのスイーツなど、基本的にジャンルは何でもOKです。自分の売りたいものを売ることができます。
変わり種よりは定番の食べ物のほうが売れやすい傾向がありますが、自分の一押しの食べ物や、自信のある料理があれば、それを広めてお客さんに喜んでもらうこともモチベーションになります。
出店場所をチェックする
キッチンカーは出店場所が稼ぎに大きく影響してきます。売りたい食べ物があれば、それが売れそうな客層やイベントを調査して出店場所を考えましょう。
逆に販売する食べ物が決まっていない場合は、先に出店地域を絞ってから、売れそうな物を考えるという順番でもOKです。
出店場所に悩む場合はキッチンカーの出店場所仲介サービスをチェックしてみましょう。移動販売ナビ、自由市場 PAWMO(パウモ)、自由市場 移動販売ドットコム、みんなの町の移動販売と屋台などがあり、自分に合った出店場所が見つかりやすいです。
キッチンカーを準備する
キッチンカーの車両準備は1番時間がかかり、悩ましい問題です。キッチンカーを手に入れるには主に3つの方法があるため、それぞれのメリットとデメリットを簡単に解説します。
キッチンカー専門の制作会社で購入することが一般的。自分の商材や希望に合わせて一から制作することも、セミオーダーのような形である程度決まった型からカスタマイズすることもできる。
車両の大きさや設備にもよりますが、小型車でも150万~200万円の費用がかかる。大型車なら400~500万円。金額は業者によっても異なるため、1社で決めるのではなく、数社から見積もりをとって信頼できる業者に依頼する。
また、キッチンカーは経験者の話を聞くなど、ある程度勉強してからの購入がおすすめ。業者に勧められるまま購入してしまうと、あとで「こうすればよかった!」と後悔することになりかねない。
新品購入に比べて費用が抑えられるのがメリット。ただし、1台1台状態や設備が異なるため、自分の希望の設備があって、状態のよい車両はなかなか見つかない。根気よく探す必要がある。
初めての場合はレンタルもおすすめ。初期コストが安くすみ、必要な設備や収支の感触もつかめる。レンタル代の相場は1日5万~10万円程度。会社によっては調理機材もレンタルできる。
注意点として、キッチンカーのレンタルは通常のレンタカーとは異なり、自分で運転できない。業者に出店場所までキッチンカーを運んで設置してもらい、そこで営業する。車を借りるのではなく店舗を借りるイメージとなる。
また、車両の運搬費や保険など、レンタル代以外の部分もよく確認してレンタルする。
資金計画を立てる
取り扱う食品と車両の準備方法が決まれば、おおまかな初期費用が計算できます。車両代や設備費、原価や燃料費など必要な資金を計算して用意しましょう。
仮に費用が足りない場合は地道に貯めるか、融資を受けるという方法もあります。例えば、国が出資する金融機関である日本政策金融公庫では、銀行からの融資が難しい個人事業主の資金調達をサポートしています。
食品衛生責任者の資格を取る
キッチンカーは飲食物を扱う店舗です。食品を取り扱う店舗には「食品衛生責任者」が必ず1名以上いなければなりません。
資格がない場合は各都道府県で開催されている食品衛生協会主催の「食品衛生責任者養成講習会」を受講して取得します。
受講費は都道府県によりますが1万円程度で、講習は1日で完了します。最後に簡単な試験がありますが、正解率が悪くても受講すれば資格はもらえます。更新はないために1度取得すれば大丈夫です。
また、すでに栄養士や調理師などの資格を保有していれば、講習を受けなくても資格を取得できます。
保健所に営業許可申請する
キッチンカーでも他の飲食店と同様に、保健所に営業許可申請を出す必要があります。自治体ごとで許可条件内容が若干異なるので、事前に内容を把握しておきます。
移動販売という特殊性から「どの地域や管轄の保健所に行けばいいか」と悩むかもしれませんが、出店する地域の保健所に届け出の必要があります。つまり、地域が変われば新たに届け出をする必要があります。
保健所は都道府県単位に加えて、政令指定都市の場合は別になります。例えば、東京都なら八王子市と町田市とその他地域の3カ所、千葉県では千葉市、船橋市、柏市、その他地域の4カ所に分かれています。
申請費用は1回1万5000円程度かかり、都度申請書類も準備する必要があるため、多くの地域に申請をするのは現実的ではありません。まずは自分の出店地域を絞って、管轄の保健所に申請を出すようにしましょう。
キッチンカーをレンタルで用意する場合は、保健所営業許可をすでに業者が登録していることもあります。レンタルの場合はこの営業許可の有無も確認しておきましょう。
また、ここまでの準備を1人で行うことはなかなか大変です。そのため、まずは移動販売の開業支援セミナーに通うこともおすすめです。キッチンカーの基礎知識が身につく上に、そこで人脈を見つけて相談にのってもらえたり、経験者と有益な情報交換をすることもできます。
キッチンカーを出店する流れ
キッチンカーを開業したあとの出店当日までの、主な仕事の流れを見ていきます。
- 前日までに必要な食材を仕入れます。
- 自宅で事前に仕込みをします。
- 時間に余裕を持ってイベント場所に移動します。
- 機材をセットして営業の準備します。
- 食べ物を販売します。
- 片付けをして会場から撤収します。
- 売上を計算し、収支計画に反映します。
例えば、週末のイベントに出店するなら、事前に食材を調達し、金曜の夜~土曜の朝に仕込みをしなければなりません。仕入れは近場のスーパーでも構いません。食材の量が多い場合はネットを利用すると運ぶ手間や在庫切れのリスクを減らせます。
イベントの規模や天候に応じて量を調節し、大きくロスがでないように準備が必要です。イベントによってはあらかじめ販売数が決まっている場合もあります。
当日はイベントの開催時間の1~2時間前には到着するようにします。特に自分のキッチンカーで移動する場合は、不慮の渋滞なども考慮して余裕を持った移動が肝心です。会場に着いたら看板を出して、調理器具をセットするなどの開店準備をします。
キッチンカーは比較的日中イベントが多いですが、特に夏場は涼しくなってからの夕方~夜にかけてのイベントもあります。1日単発のイベントより2~3日などの数日にわたるイベントのほうが、仕込みの時間や食材のロスが少なく済むため、コスパは良くなります。
メリットは自由度の高さ
キッチンカーの1番のメリットは自由度の高さです。レストランや居酒屋のような実店舗では立地に失敗すると移動することはできませんが、キッチンカーなら1度失敗しても、次は売れそうな場所を選んで臨機応変に移動していくことができます。
季節や場所によって食材をアレンジしたり、出店するイベントや日にちも自分の都合に合わせて決められます。週末の副業や起業など、自分のライフスタイルに応じて柔軟に方針の変更が可能です。
移動ができることで、近隣住民や迷惑客といった他人由来のトラブルリスクも減少します。この自由度の高さはキッチンカーの強みです。
費用についても、店舗をもつことに比べると格段に抑えられます。実店舗の開業では1000万円以上かかることもありますが、キッチンカーなら150万~500万円で維持費も少なくて済みます。
デメリットは食材のロス
キッチンカーならではのデメリットは、売り上げの見通しが立てにくいことです。天候や気温で変わることはもちろん、イベント内容や他にどのような移動販売車があるかによっても利益が左右されます。
特に天候は予想しにくいために「食材を仕入れたにも関わらず、イベントが台風で中止になった」ということがあると、食材費がまるまる損失になってしまいます。
また、店舗型と違って移動や屋外販売があるキッチンカーでは、食材の衛生管理にはシビアにならざるを得ません。仮に食中毒が発生すると、営業停止のみではなく損害賠償を請求されることもありえます。万が一に備えて、PL保険(生産物賠償責任保険)には必ず加入しましょう。
飲食業としてはコストが安くても、初期費用がある程度かかることはリスクです。事前に事業計画を立てて、長期的な視点での利益を考える必要があります。気軽に始めることはできなくても、将来的には「脱サラしてみたい」という会社員にもおすすめの副業です。
キッチンカーの副業まとめ
総合 | 2.4 |
---|---|
評価 | |
収入 | 売上の10~30% |
時間 | 1日~ |
特徴 |
スキマ
深夜OK
土日有利
期間限定
初心者
スキル
資格有利
趣味併用
週末起業
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