ドルコスト平均法とは定額積立のような仕組み!価格が安いときに多く買える
ドルコスト平均法とは?
ドルコスト平均法とは、一定期間、同じ金額を買い続ける投資手法のことです。1カ月が20営業日であれば、20日間同じ金額ずつ買い付けています。毎日同じ金額ですので、価格の高いときには少ししか買わず、価格が低いときにはたくさん買えます。
例えば、純金積立にて「口座から毎月10万円を自動で引き落としている」場合、純金積立会社はその月の初日に10万円分を一括購入するのではなく、全営業日に分散させて購入しています。
10万円÷20営業日=1日あたり5000円
価格が「純金1g=5000円」なら1g買えます。価格が下がって「純金1g=1000円」になったら5gも買えますし、価格が上がって「純金1g=1万円」になったら0.5gしか買いません。
一括購入と定額積立を比較する
ドルコスト平均法は同じ金額を少しずつ買うため、定額積立としている証券会社もあります。次の表は一括購入、定額積立、定量積立をしたときに、どれが1番得するかがわかるデータです。
例えば、Aさんは初日に「一括購入」、Bさんは金額固定で購入量変動の「定額積立」で毎日1500円、Cさんは購入量固定で金額変動の「定量積立」で毎日0.5gを購入します。
金価格 | 一括購入 | 定額積立 | 定量積立 |
---|---|---|---|
3000円 | 10g 3万円 | 0.50g 1500円 | 0.5g 1500円 |
2900円 | - | 0.52g 1500円 | 0.5g 1450円 |
2800円 | - | 0.54g 1500円 | 0.5g 1400円 |
2500円 | - | 0.60g 1500円 | 0.5g 1250円 |
3100円 | - | 0.48g 1500円 | 0.5g 1550円 |
3200円 | - | 0.47g 1500円 | 0.5g 1600円 |
3300円 | - | 0.45g 1500円 | 0.5g 1650円 |
3200円 | - | 0.47g 1500円 | 0.5g 1600円 |
3000円 | - | 0.50g 1500円 | 0.5g 1500円 |
2900円 | - | 0.52g 1500円 | 0.5g 1450円 |
3000円 | - | 0.50g 1500円 | 0.5g 1500円 |
2900円 | - | 0.52g 1500円 | 0.5g 1450円 |
3100円 | - | 0.48g 1500円 | 0.5g 1550円 |
3200円 | - | 0.58g 1500円 | 0.5g 1300円 |
3100円 | - | 0.45g 1500円 | 0.5g 1650円 |
2700円 | - | 0.56g 1500円 | 0.5g 1350円 |
3200円 | - | 0.47g 1500円 | 0.5g 1600円 |
3100円 | - | 0.48g 1500円 | 0.5g 1550円 |
2800円 | - | 0.58g 1500円 | 0.5g 1300円 |
3000円 | - | 0.42g 1500円 | 0.5g 1800円 |
合計 | 10.00g 3万円 | 10.08g 3万円 | 10.00g 3万円 |
結果、Bさんが1番得をしました。3人とも合計の買付金額は3万円であり、1日あたりの平均買い付け価格は「3万円÷20日=1500円」です。しかし、AさんとCさんは10.00gですが、Bさんのみ10.08gも買えました。Bさんは「0.08g=0.8%」多く保有しています。
ただし、ここではBさんとCさんの損益の差は、さほど重要ではありません。BさんとCさんはいずれもドルコスト平均法であり、Bさんの定額積立のほうがCさんの定量積立より、若干得をするケースが多いというだけです。
問題はAさんです。今回はたまたま初日の金価格が「1g=3000円」でしたが、仮に「1g=3300円」だったら、同じ3万円でも「3万円÷3300円=9.09g」しか買えませんでした。
もちろん「1g=2700円」だったら、同じ3万円でも「3万円÷2700円=11.11g」が買えて、1番得をします。つまり、Aさんの一括購入はハイリスク・ハイリターンであり、統計的には損をする確率が高いです。
純金積立がドルコスト平均法である理由
AさんとBさんの差はわずか0.08gかもしれません。しかし、10年間では「0.08g×12カ月×10年=9.6g」になります。そのときの金価格が「1g=3000円」から5000円に上がっていた場合、Aさんは1.3%も損をします。
長期で継続する純金積立ではこの差は大きいです。しかも、これは「買いシグナルを分析した」や「トレンドにうまく乗れた」のような投資の知識ではなく、単純に買い方を変えただけです。
先ほどの例では「1g=3000円」が、20営業日後も同じく3000円でしたが、今後の価格が上がっても下がっても、最終的に「初日の価格よりも高くなる」なら、ドルコスト平均法で買うことが最もお得です。
逆にドルコスト平均法のデメリットとしては、相場がストレートに右肩上がりになったときです。これは価格が上がっているときは、当たり前ですが、早めにたくさんのお金を費やしたほうが儲かるためです。
さらに相場が最終的に「初日の価格よりも安くなる」ときも、ドルコスト平均法で買うことで損をします。
ただし、金価格は「上下に波打ちながら、徐々に価格が上がっていく」とされているため、短期間では価格が予測しにくくても「長期的には変動しながら右肩上がりになる」ケースに該当し、ドルコスト平均法が最適と判断できます。
純金積立では世界中で通用する実物資産の純金を、毎日一定量を購入し続けるため、ドルコスト平均法で価格変動リスクを回避することが有効です。