【漫画】プラチナ積立で比較!純金より価格変動幅が大きい金融商品

中野貴利人
監修者中野貴利人
株式会社ネットピコ 代表
2022/10/09 更新本ページはプロモーションを含みます

「好景気で価格が上昇」

プラチナ投資は金投資と同じ貴金属ですが その特徴はかなり違います
純金は不景気で輝いて プラチナは好景気で輝きます
それはプラチナの需要の41%が自動車排ガス触媒で 22%が工業用だからです
プラチナ価格は長期的に上がるとされながら 乱高下を繰り返しています

「価格の変動が大きい」

プラチナの埋蔵量は1万~2万トンしかないです
流通量と埋蔵量が少なく 生産国が偏っているため プラチナは純金よりも価格変動が大きくなります
プラチナ投資のデメリットは金投資と同様です
プラチナに投資するときはネット証券が便利です
  1. プラチナの希少性は純金より上
  2. 純金とプラチナにある4つの違い
  3. プラチナ価格は変動が激しい
  4. 大手11社の年間総コストを比較
  5. プラチナ積立の体験談や口コミ

プラチナの希少性は純金より上

環境分野の需要が伸びている

プラチナは和名で「白金」とも呼ばれ、白い光沢と銀色が混ざった美しい金属として存在しています。純金と同じく希少な金属であり、宝飾品や工業製品としての需要が高いです。

さらにプラチナは自動車の排ガス浄化触媒として活用されていたり、燃料電池の触媒に利用されています。これらは純金とは異なる分野であり、競合にはなりません。

今後は環境関連の産業が伸びていくことは明確であり、その需要の高まりからプラチナ価格の上昇が期待されてます。埋蔵量と商品需要ともにプラチナの希少性のほうが純金より上です。

代替金属も期待されている

代替金属も期待されている

プラチナは価格が高騰しやすいことから代替金属を使った技術も確立されており、プラチナと似た元素であるパラジウムやロジウムが工業製品には使われることもあります。

宝飾品も同じく、プラチナの代わりに見た目ではほとんど区別が付かないパラジウムが、指輪やネックレスに含まれるものも増えました。プラチナが好まれる日本や中国ではパラジウムに切り替えた宝飾品も出ています。

しかし、以前のパラジウムの価格はプラチナの20~30%でしたが、2017年8月時点ではプラチナの80~90%に上昇、2019年2月時点ではプラチナの150~160%に高騰しました。結局は需給関係で価格が逆転した状態です。

ちなみに白金はプラチナのことですが、白金族はルテニウム、ロジウム、パラジウムなどの総称です。また、ホワイトゴールドとは「純金58.33%+純銀41.67%」を混ぜた金属であり、プラチナとは別物になります。

純金とプラチナにある4つの違い

純金とプラチナにある4つの違い

チェック1

貨幣の歴史

金貨は紀元前から使われていますが、プラチナ貨は普及していません。その理由は加工する技術が確立せず、1700~1800年になってようやく貴金属として使われるようになったためです。

チェック2

需要と供給

純金の需要は2017年時点で装飾品が53%、工業製品が8%、投資が30%、公的機関が9%でした。その結果、金価格は装飾品の影響を受けそうですが、実際には短期売買で利益を狙う投機筋の影響がかなり強いです。

投機筋は好景気のときは株などに手を付けるために金価格は下落し、不景気のときは純金に資産を退避するために金価格は上昇します。つまり、純金は無価値にならない実物資産としての信用されているわけです。

一方、プラチナの需要は2016年時点で装飾品が35%、自動車排ガス触媒が41%、化学・工業用が22%、投資が2%になります。プラチナも装飾品や投機筋の影響を受けますが、景気による工業製品の需要に敏感です。

好景気のときは自動車の売れ行きが伸びるなど、自動車排ガス触媒や工業用としての需要が大きいためにプラチナ価格が上昇します。不景気のときは商品が売れないためにプラチナ価格も下落するわけです。

チェック3

価格の推移

金価格は2000年に「1g=1064円」でしたが、2010年には3471円になり、2012年は4179円、2014年は4396円、2016年は4494円、2018年は5171円、2020年は6013円と順調に上昇していています。

しかし、プラチナ価格は2010年に「1g=4967円を付け、金価格より1.43倍も高かったのですが、2012年は3763円、2014年は5019円、2016年は3834円と乱高下を繰り返して、金価格を何度も下回ることもありました。


三菱マテリアル「プラチナ価格チャートライブラリー」

プラチナ価格は2020年1月時点で「1g=3806円」で、金価格よりだいぶ割安感が出ています。

チェック4

供給国の数

地球上のごく限られたエリアにしかプラチナ鉱床がありません。これはプラチナが重い上に、鉄と結合しやすいため、地中深くに沈んでしまったと考えられています。そのため、プラチナの埋蔵量は純金の1/20しかないです。

しかも、プラチナの生産は70~80%を南アフリカに依存しており、残りもロシアが占めています。結果、南アフリカの政治が混乱したり、鉱山労働者がデモをするたびにプラチナ価格が高騰してしまうことがあります。

プラチナ価格は変動が激しい

プラチナ価格は変動が激しい

プラチナは生産量が少なく、市場規模は純金の5%未満です。市場規模が小さいと買い手と売り手の数も少ないため、取引では買値と売値に開きが発生しやすく、特に需給構造が変化したときは価格が大きく動きやすいです。

そのため、プラチナは純金と比較すると安定性に欠けています。つまり、ハイリスク・ハイリターンであり、逆にプロの投資家にとってはボラティリティ(価格変動率)の高い魅力的な金融商品です。

需要面では好景気は買い、不景気は売りと判断できますし、供給面では南アフリカとロシアで鉱山生産量の90%以上を占めているため、両国の現状さえチェックしておけば、おおよそのプラチナ価格の値動きが予想できます。

2000年はロシアのプラチナを輸出停止したため、プラチナ価格は一時的に急騰しました。2008年には南アフリカのプラチナ鉱山でストライキや鉱山事故が発生して、プラチナ価格が上昇したこともあります。

純金と同様に各国の経済指標、金利、為替、物価、株、有事に加え、環境問題などの影響も強いですが、主な原因はこのような南アフリカとロシアの情勢によるために「トレンドが読みやすい」とする人もいます。

大手11社の年間総コストを比較

大手11社の年間総コストを比較プラチナ積立を始めるときは、長期トレンドを認識して、現在のプラチナ価格が過去の平均値とどのくらい乖離しているかを確認します。

例えば、2015年は5113円、2016年は3834円、2017年は3895円でした。直近ではこれらが上限と下限であるため、それを目安に現在のプラチナ価格を評価しても構いません。

そのあとに需要を判断するために経済指標をチェックし、供給を判断するために南アフリカの政治をウォッチしたいです。

ただし、プラチナ積立はドルコスト平均法にて毎日定額で購入します。価格が安い日は多く、価格が高い日は少ない量を買い付けるため、長期的に「価格は徐々に上昇する」と判断できるなら、いつ始めてもOKです。

もしくは投機と割り切って、スポット購入での集中購入することもありです。1日で1gあたり100円以上も変動することがあるため、射幸性の高い投資が楽しめます。

また、プラチナ積立もできる純金積立会社は数社に限られます。次の表はプラチナ積立で月3000円を積み立てたときの年間総コストの比較です。金額はすべて税込になります。

社名年間総コスト月額手数料年会費
マネックス証券 594円購入額×1.65%無料
楽天証券 594円購入額×1.65%無料
SBI証券 594円購入額×1.65%無料
田中貴金属工業 900円3000~3万円未満は2.5%無料
三菱マテリアル 1116円1000円ごとに31円無料
徳力本店 2000円1000円ごとに25円1100円
日産証券 3300円無料3300円※1
石福金属興業 3740円1カ月220円1100円
岡安商事
KOYO証券
住信SBIネット銀行

情報取得日 2020年1月時点

年間総コストが割安な純金積立会社はSBI証券や楽天証券でした。また、マネックス証券楽天証券SBI証券などの総合ネット証券は、すべてスマホで手続きが完結する上、株やFXなどの金融商品を一括管理できるために便利です。

※1 2年目以降は2200円

プラチナ積立の体験談や口コミ

南アフリカランドが安くなるとお得
2017/09/12
40代 男性
プラチナ投資歴4年

2015年10月時点ではプラチナ価格の一段安が続いていました。その原因としては次の2点が指摘できます。1つは米国の経済好調と利上げ観測によって、新興国通貨が安くなっていることです。

プラチナ生産量が第1位であり、世界全体の生産量の70%以上を占める南アフリカ共和国では、新興国通貨に南アフリカランドを使っています。南アフリカランドは2015年1月に「1南アフリカランド=10.306円」でした。

それが2015年10月には8.998円に下落します。原則、輸出国の通貨が安くなると、輸入国は割安に物品を買えるため、輸出量は増えていきます。そのため、南アフリカ共和国のプラチナも割安になり、市場に出回りました。

もう1つの原因は消費国の景気後退です。プラチナは排ガス浄化触媒や燃料電池、宝飾品に使われているため、不況で必要性が薄れると、プラチナの需要が減って、プラチナ価格が下がります。

現在、プラチナの最大消費国である中国は9月のPMI(製造業購買担当者景気指数)速報値が47.0であり、過去5年間で最低水準でした。これは受注、生産、雇用、内需、輸出のすべてが悪化していることを意味します。

つまり、供給が増えて、需要が減ったことで、プラチナ価格は年初来で約20%も下がりました。円建てによる1gあたりの金価格とプラチナ価格を比べてみると、過去7年間でもプラチナ価格が割安であることがわかります。

このように過去の動きとその原因を覚えておくと、今後のプラチナ価格の動向に汎用的に使えます。

金価格がプラチナ価格を上回る
2017/08/05
30代 男性
プラチナ投資歴11年

毎月一定額を投資すると、安いときに多く買えて、高いときに少なく買えるため、長期的にはリーズナブルな投資できます。特に高値で買ってしまう「高値づかみ」が起きにくいので安心です。

純金積立では「ドルコスト平均法」としても有名ですが、同じ投資スタイルのプラチナ積立に、現在、注目が集まっています。

その理由は基本的にはプラチナのほうが純金よりも価格が高いにも関わらず、2011年9月から純金のほうが価格が高い状況が何度も発生し、2012年4月からは逆転現象が定着したためです。

過去のデータでは1gあたり、2009年1月は純金が2531円、プラチナが2863円、2010年1月は純金が3314円、プラチナが4693円、2011年1月は純金が3649円、プラチナが4845円、2012年1月は純金が4155円、プラチナが3861円でした。

このように金価格がプラチナ価格を上回ることが、2012年では常識になりつつまります。しかしながら、プラチナの価値は健在ですので、割安感を醸し出しています。

最近では純金積立と併せて、プラチナ積立をする人も増えてきました。例えば、毎月「純金:プラチナ=1万円:5000円」の割合で積み立てている人もいます。

ただし、2011年のプラチナの供給量は約248トンで純金の約6%、取引量は純金の約10%と、かなり小規模なために「価格が乱高下しやすい」ことには注意が必要です。

価格が動く理由は主に2点です。まず、プラチナの需要は工業品が約50%、宝飾品が約30%と限定されているため、世界経済の影響をストレートに受けてしまいます。世界経済が低迷すると価格は下がりやすいため、現在は下落トレンドと言えるでしょう。

次に生産国が南アフリカなどの一部の国に偏っているため、2012年も賃上げによるストライキや事故で「生産力が滞る」と予測されて、価格が極端に下がったことがありました。

その反面、長期間下がっているときに上昇トレンドに切り替わると、一気に価格を上げてくる可能性が高いです。過去には2008年3月に7589円を記録しましたが、最近では4000~4300円前後で推移していますので、上昇する余地も大きいです。

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