自家用車に40年間乗ったときのトータルコストは2564万円

40年間乗ったときのトータルコスト
自家用車を持っている人は車の便利さに慣れてしまい、なかなか手放すことができません。特に地方に在住の方は生活必需品であり、車を持たない選択肢は基本的にはないです。
ただし、東京や都心に住んでいたり、地方の田舎町でも鉄道網が充実していて、車がなくても生活できる人もいます。
そこで「将来のために貯金をしたい」場合、自家用車の維持費を確認してみましょう。車には想定以上のコストがかかっています。以下にコンパクトカーを30~70歳の40年間乗り続けたときのトータルコストを算出しました。
項目 | 1年換算 | 40年総額 |
---|---|---|
車体代 | 20万円 | 800万円 |
購入諸費用 | 3万7500円 | 150万円 |
自動車税 | 3万4500円 | 138万円 |
重量税 | 7500円 | 30万円 |
自賠責保険 | 1万2400円 | 50万円 |
自動車保険 | 5万5000円 | 220万円 |
駐車場 | 12万円 | 480万円 |
ガソリン代 | 8万7500円 | 350万円 |
高速料金 | 3万7500円 | 150万円 |
洗車 | 1万円 | 40万円 |
12カ月点検 | 1万円 | 40万円 |
車検代 | 1万5000円 | 60万円 |
オイル交換 | 5000円 | 24万円 |
タイヤ交換 | 8000円 | 32万円 |
合計 | 64万円 | 2564万円 |
項目 | 計算式 |
---|---|
車体代 | 8年おきに160万円の新車に買い替える |
購入諸費用 | 新車の買い替え時に30万円を支払う |
自動車税 | 排気量1000~1500ccで毎年4月に納税する |
重量税 | 車両重量1350kgでエコカー減税の適用あり |
自賠責保険 | 25カ月分を1年に換算する |
自動車保険 | ゴールド14等級、車両保険一般、対人・対物無制限、家族対象、搭乗者障害1000万円、人身傷害補償3000万円 |
駐車場 | 1カ月1万円の駐車場を契約する |
ガソリン代 | 年間走行距離1万km、レギュラーガソリン140円/L、実燃費16km/Lとする |
高速料金 | 八重洲~西那須野塩原間170kmを年間4回走行する |
洗車 | Lサイズで手洗い洗車を年4回する |
12カ月点検 | Lサイズで1回1万円とする |
車検代 | 8年間で点検整備4万円を3回実施する |
オイル交換 | 年1回3000円のオイル交換と3000円のエレメント交換をする |
タイヤ交換 | 4年おきに工賃と廃棄で3万2000円を支払う |
情報取得日 2020年1月時点
車両代と購入諸費用が1年換算で23万7500円、維持費が1年換算で40万3500円でした。つまり、自家用車は1年間で64万1000円、1カ月で5万3416円も支払う高級品です。
(23万7500円+40万3500円)÷12カ月=5万3416円
上記の計算式では、車種を5ナンバーのコンパクトカーに指定して、走行距離や保険も限定したため、実際には上下にぶれます。特に車両代は好みと予算によりますし、マイカーローンを利用する場合は金利分も増えます。
また、維持費は軽自動車は年間34万3000円、5ナンバーで年間40万3500円、3ナンバーで年間50万1000円程度が相場で、こちらも車種で変わります。


自家用車を買った人は乗らないと損する
すでに車の便利さを知っている場合、いきなり車を手放すとライフスタイルに支障が出るかもしれません。一旦、車両関係費の節約を検討してみて、それでも車の維持費が割に合わないときは、車を手放す工夫をします。
車のコストを大きく左右する要素は、主に車種です。軽自動車、5ナンバー、3ナンバーの順に、駐車場以外の全コストが高くなります。仮に4人家族ならミニバンではなく、売れ筋のN-BOXやムーヴなどを選択しましょう。
これで年間コストは16万円節約できます。さらに自動車保険は車両保障なしの安いタイプの保険にしている人もいます。地方在住なら駐車場代や高速料金は下がります。洗車は自分ですることで80%は浮きます。
ただ、自動車が節約しにくい点は「使わないほど損をする」ことです。ガソリン代と高速料金は減っても、最初の車体代と維持費である税金、保険、駐車場、車検代などは変わらず、家計に重くのしかかります。
例えば、過去に車体代160万円と維持費140万円を支払っていても、その期間に1万回乗ったら1回あたり300円の支払いにすぎません。しかし、100回しか乗っていないと1回あたり3万円も負担していたことになります。
300万円÷1万回=1回300円
300万円÷100回=1回3万円
これは高級バッグや新築マンションにも共通する考え方です。30万円もする高級バッグを買っても、結婚式などのパーティーで10回しか持っていかなかった場合、それは1回あたり3万円のコストを支払っています。
そのため、自家用車も「月何回利用しているか」を再確認してみて、特に年間走行距離が3000~5000km以下の人は、自動車の稼働率が低いために維持費が割高になっている可能性が高いです。
その場合は車のない生活を想定してみて、問題の有無を確認しましょう。さらに10年間自家用車がないとして、他に何が買えるかも一緒に考えてみると、将来の選択肢が増えてきます。


旅費や維持費を節約する8つの方法
都市部在住なら公共交通機関に乗る
地方では数千円の駐車場代も、都市圏では10倍以上の1万~5万円に上がります。その上で赤信号や一方通行が多く、渋滞は日常茶飯事で快適な道路事情ではありません。
例えば、首都高は時間別で7時と17時、曜日別で平日全般、月別で3、8、12月が慢性的な渋滞であり、人口集中により解決策もないです。
そのため、外出時には乗り換えアプリを利用して、電車、バス、自転車といった交通機関の中からベストな経路をピックアップすることが効率的です。特にバスは見落としがちで、首都圏ではほとんどの場所に移動できます。
ロードバイクでお金と健康を得る
自転車に慣れてしまうと「これほど便利なツールはない」と感じる人も少なくありません。自転車は最も環境に優しい乗り物であり、体力維持と健康増進に効果的です。勤務地が1~5km以内であれば自転車圏になります。
ロードバイクはボディがアルミ素材で軽量化されており、体に合う大きさの自転車を選ぶと加速がしやすく、体への疲労も少なくなります。
また、坂道が多かったり、スーパーなどの商業エリアがやや遠いという場合は、電動アシスト付きの自転車を選択しましょう。2人の子供を乗せて出掛けるときでさえ、足への疲労を感じさせません。
タクシー数回のほうがお得である
日本、とりわけ東京都内のタクシー料金は世界一で割高です。1000円を支払ったとき、ニューヨークは8.4km、ソウルは18.2km、北京は35.4kmも移動できますが、東京は2.9kmしか進めません。
しかし、それでもあまり乗らない自家用車よりもお得なケースは多々あります。週2回3km先の病院やスーパーに移動する程度なら、往復で4000円、1カ月2万円以下であり、1年間で24万円以下なら軽自動車よりも安いです。
高齢者のためにホームタクシー、介護タクシー、福祉タクシーのような、付加的な利用ができるタクシーも増えています。1カ月数回の利用ならガソリン代やメンテナンス費も不要なタクシーのほうが便利です。
大型ショッピングセンターに行かない
大型ショッピングセンターは都市圏からやや離れた位置にあります。便利ではありながら、つい余計なものを買ってしまったり、センター内のレストランで食事するなど、意外に浪費がかさみます。
それなら地域密着のスーパーなど、なるべく自転車で行ける範囲で買い物することで、余計な買い物や外食もせず、自宅で食材を使い切ることができるために節約ができます。
ネットスーパーで買い物を済ます
自家用車の所有をやめるには、外で買い物する機会そのものを減らすことが有効です。Amazonでは書籍や雑貨だけではなく、ドラッグストアから新鮮野菜まで、商品数が毎年拡大しています。
店頭販売コスト、人件費、流通コストが抑えられる分、価格が安くて節約になります。また、プライム会員なら配送料金も無料ですし、さらにポイントを貯めることもできます。
また、イオンやイトーヨーカドーなどもネットスーパーを展開しており、1つでもお気に入りの店舗を見つけておくと、わざわざ自家用車を出して、買い物に行く習慣がなくなります。
週末レジャーならレンタカーを使う
週末のみの利用ならレンタカーのほうが割安です。車種が選択できることで人数や用途に合わせて選べます。会員割引やネット割引、季節のキャンペーンなど、多くの割引プランも充実しています。
遠くに出掛けるときは、旅行会社が主催しているレンタカー込みの日帰りプランや週末プランを利用してみましょう。少人数ならレンタカーのみを借りるよりもセット販売でお得です。
必要時のみカーシェアリングを使う
普段から自家用車を使わない生活でも、車のほうが便利なときもあります。そのようなときはカーシェアリングを利用しましょう。
カーシェアリングはあらかじめ登録してある会員の間だけで、車を共同利用するサービスです。タイムズや三井のリパークなどのコインパーキング、もしくはオリックスなどのレンタカー会社が管理しています。
また、マンションの住民のみでシェアする仕組みもあります。レンタカーやカーシェアリングの駐車場まで移動せずとも、自家用車のように乗れますし、レンタカーより割安で短時間の利用にも最適です。
いつでも自由に使えないことがデメリットではありますが、家族の送迎や買い物時に合わせて予約しておくと、大幅なコストカットができます。
個人間カーシェアリングで人に貸す
そこまで頻繁に乗らないものの、どうしても自家用車を手放せない人は、個人間カーシェアリングを利用しましょう。これは個人に1日単位で車を貸し出すビジネスで、副収入が得られます。
例えば「今度の土日に使わない」や「平日はほぼ乗らない」人がオーナーになり、スマホアプリで貸したい人と借りたい人をマッチングできます。平均的には1日3000~1万円で貸せますが、料金設定は自分次第です。