テープ起こしの副業とは?収録された音声を文字に起こして1分50~100円
テープ起こしの副業とは?
日常のスキマ時間に在宅で作業できる
テープ起こしは収録された音声を聴きながら、音声を文字化していく仕事です。新聞や雑誌にあるロングインタビューなどの原稿の元は、主にこの在宅ワークのテープ起こしが請け負っています。
録音された音声は主に著名人や有名人への取材が多く、企業のシンポジウムや公共団体の講演会などの依頼も来ます。基本的にはICレコーダーに録音されているため、ウェブ上でファイルの受け渡しが完了します。
日常のスキマ時間を利用できて、すべて在宅で作業ができるために、副業で始める人も多いです。報酬は時給ではなく出来高であるため、個人の能力次第では大きく稼ぐこともできます。
速度・知識・編集スキルが求められる
テープ起こしに必要なスキルは「①速度、②知識、③編集」です。①速度はタイピングスピードのことであり、ブラインドタッチが欠かせません。逆に並程度のスキルでは作業効率が極端に落ちます。
②知識は日本語の聞き取り能力です。議会や答弁ではわざと難しい単語を使う傾向があり、語彙を捉える「単語力」や文脈を捉える「読解力」に自信があると安心です。
③編集があるとテープ起こしの報酬は上がります。テープ起こしでは音声をただ文字化するだけではなく、不要な言葉を削除したり、わかりやすい文章に編集する仕事もあり、追加料金で請け負うことができます。
収入は60分の音声で5000円
60分の音声を文章化した場合で5000円以上が相場です。内容にもよりますが、基本的にはこの価格を下回ることはありません。専門知識が必要な分野では1万~2万円に上がります。
作業時間は録音時間の3~6倍程度が目安です。60分の音声では慣れた人でも3時間程度はかかり、一般的には4~5時間、初心者は6時間以内で完了させることを目標にします。
時給換算すると、慣れた人で1500円、一般的には1200~1000円、初心者で850円といったところです。
完全な成果報酬のためにノルマもなく、個人の能力次第で労働時間は変わってきますが、締め切りや提出期限はシビアです。複数の案件を依頼されても可能な限りで引き受けながら、本業に影響が出ないようにしたいです。
副業でテープ起こしを始める手順
基本的にはクラウドワークスなどのクラウドソーシングで探すと効率的です。クラウドソーシングではテープ起こしの案件が豊富に掲載されていますので、まずは1件受注することを目標にしましょう。
- クラウドワークス、bizseek、ココナラといったクラウドソーシングの仲介会社で案件を探します。
- もしくはテープ起こしや在宅ワークの紹介会社に応募します。
- 依頼内容を確認して、問題なく請け負える場合は受託します。
- 納期までにWordなどの指定された形式で、原稿を提出します。
- 修正がある場合は連絡が来るため、指定の内容に修正します。
- 問題がなければ、報酬が指定の銀行口座に振り込まれます。
テープ起こしには一言一句聞こえた通りに書き起こす「素起こし」、不要語やどもり声を排除した「ケバ取り」、話し言葉をですます調の書き言葉に整える「整文」、概要や箇条書きに分ける「サマリー」などがあります。
さらに音声を文字に直した文章に「話し手の特長」が表せるようになると、テープ起こしとしては1人前の技術が備わっています。そのようなスキルがあるとリピーターが増えていき、効率的に副収入が獲得できます。
テープ起こしの副業でよくある質問
──テープ起こしは副業でいくらくらい稼げますか?
私は最大で月10万円くらいです。1日あたりの働いている時間はまちまちであり、主に平日の帰宅後に30分単位で刻んだり、休日に一気に仕上げたりしています。
──副業で月10万円であれば、本業にはできないですか?
時期や状況によって異なりますが、毎月の仕事の数が一定ではありません。さらに会議と取材の音声では単価がバラバラで報酬も安定しないため、個人的には本業にはできないです。
──テープ起こしを始めるためのアドバイスはありますか?
テープ起こしの作業を効率的に進める工夫が必要です。音声を自動で文字化するアプリで一旦文字に起こしたり、日本語の入力補助機能が付いたソフトでタイピングすると、スムーズに仕事が進められます。
──生成AIによる音声認識ではすべてを自動化できないのでしょうか?
生成AIによる音声認識は品質に問題あります。雑音で文が崩れたり、話し言葉に付いていけません。ただ、音声認識ソフトは私も使っています。
録音された音声をヘッドフォンで聞きながら、その内容をマイクに向かってはっきりした日本語で喋ります。そうすると音声認識ソフトが自動的にテキストに起こしてくれます。タイピングよりも作業効率は格段にアップします。
──テープ起こしに向いている人の特徴はどうでしょうか?
例えば「パソコンの前に長時間座っていることが苦痛ではない人、考えることを面倒くさくなく作業に集中できる人、自宅にいる時間が長くてスキマ時間がある人」にはおすすめです。
逆にテープ起こしに情熱を持って取り組めない人は続かないかもしれません。地味で単調なイメージもありますが、集中力が必要であり、締め切りも厳しいです。
テープ起こしの副業まとめ
総合 | 3.4 |
---|---|
評価 | |
収入 | 1分50~100円 |
時間 | 1時間~ |
特徴 |
スキマ
深夜OK
土日有利
期間限定
初心者
スキル
資格有利
趣味併用
週末起業
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テープ起こしの体験談や口コミ
テープ起こし歴7年
以前はテープ起こしの仕事を見つけることが大変でした。出版社は特殊なコネクションがない限りは無理ですし、地道に在宅ワーク向けの単発案件を探すか、通信講座を修了してその学校の系列会社などにアプローチするしか方法がありません。
しかし、今はクラウドソーシングで簡単に仕事が見つかり、実績もすぐに作れます。会議やインタビューなどは単価が安いですが、案件も豊富です。また、法律や医療などの専門知識が必要な案件は単価が倍以上になり、副業としても期待できます。
テープ起こし歴14年
私は10年以上テープ起こしをやっていますが、以前は会話や音声を記録する方法がカセットテープやMDしかなかったため、テープ起こしを依頼する際の音声は郵送で受け取っていました。
ただ、今ではICレコーダで記録して、音声データで直接メールなどに添付されてきます。依頼はもちろん文章の納品も在宅で完結できるため、手軽さから格段に仕事がしやすくなりました。
テープ起こし歴4年
単に記録された会話の内容を文字に起こすだけの仕事もありますが、最近は依頼主が校正の手間を省くために、きちんと話し言葉から書き言葉に変更する依頼が増えています。
例えば、文章の末尾を「~ます」や「~です」に整え、かつ読み手がわかりやすいように言葉の順序を入れ替えるなどです。
慣れないうちは1時間のテープ起こしで、1日はかかるかもしれませんが、時給に換算すると飲食店などで働くよりも効率は良いですし、自宅で仕事ができる点が魅力で人気も高いです。
テープ起こし歴10年
私はテープ起こし歴が10年以上あるため、出版社やメディアとの付き合いも長く、直接案件をおろしてもらっています。各社ともコスト削減が命題とされている昨今であり、自社の編集者がわざわざテープ起こしをすることはないため、コンスタントに依頼が来ます。
クラウドソーシング上にテープ起こしの案件が大量に出ていますが、どれも単価が安かったです。しかも、クラウドソーシングサービスに10~20%の手数料を支払わないといけません。テープ起こしではできたら直契約がおすすめです。
テープ起こし歴1カ月
テープ起こしを「音声を文章に起こすだけの仕事」捉えていると、全然作業が進まずに痛い目に遭います。特に国語力に自信がない人はやめたほうがいい副業です。
例えば「じゃっかんにじゅっさいでくじゅうのけつだん」という音声に対して、「若干、弱冠‥‥?二十歳で苦渋、苦汁‥‥?の決断」と迷っていると、かなりの時間を消費します。
さらに私は音声スピードに付いて行けず、聴きながらタイピングすることができませんでした。話し手特有の表現や順序があり、クセをつかむまでは何度も同じ箇所を聞かないと文章にできないこともあります。
こちらがお小遣い稼ぎで始めても、依頼会社は利益を上げるためのビジネスとして取り組んでいます。テープ起こしも納品物の正確性や締め切りは厳しく、私はすぐにやめました。