【漫画】第4話「FXのレバレッジとは?元手の最大25倍まで売買できる仕組み」
「レバレッジ=てこ」
「レバレッジクイズ」
「40万が1000万円」
「50万円ゲット!?」
レバレッジは元手の何倍も取引できる
レバレッジ(leverage)とは「テコ」という意味で、手元にある資金の何倍ものお金を取引できる仕組みです。日本では法律上、レバレッジの倍率を最大25倍に規制しており、国内にある多くのFX会社が25倍を上限にしています。
例えば、米ドル/円が「1ドル=100円」のときに1万ドルを売買するなら、通常「1万ドル=100万円」も必要です。そこでレバレッジを25倍に設定することで、私たちが用意すべき資金は最低4万円で済みます。
資金4万円×レバレッジ25倍=取引額100万円
レバレッジを高く設定するほど、少ない資金でも多額の外貨ができるようになり、予想が当たれば大きなリターン、逆に予想に反するほど大きなリスクを背負います。
決して「レバレッジが高いほうが得をする」という仕組みではなく、レバレッジ1倍ならローリスク・ローリターン、レバレッジ25倍ならハイリスク・ハイリターンを選択できるという意味です。
注意点① レバレッジの倍率は1~3倍に抑える
仮に「1ドル=100円」のときに証拠金100万円を用意して、レバレッジ1倍で1万ドル、レバレッジ10倍で10万ドル、レバレッジ25倍で25万ドルを購入しました。為替レートの変動による損益は以下の通りです。
為替レート | 1万ドル | 10万ドル | 25万ドル |
---|---|---|---|
1ドル=110円 | 110万円 | 1100万円 | 2750万円 |
1ドル=101円 | 101万円 | 1010万円 | 2525万円 |
1ドル=100円 | 100万円 | 1000万円 | 2500万円 |
1ドル=99円 | 99万円 | 990万円 | 2475万円 |
1ドル=90円 | 90万円 | 900万円 | 2250万円 |
レバレッジ1倍のときに1円円安になると「+1円×1万通貨×1倍=+1万円」の利益、1円円高になると「-1円×1万通貨×1倍=-1万円」の損失です。これなら許容できる範囲かもしれません。
しかし、為替レートは常に予想通りに動くとは限らないです。仮にレバレッジ25倍のときに10円円高になってしまうと「-10円×1万通貨×25倍=-250万円」の損失が発生します。
つまり、FXとはレバレッジを低くすればローリスク・ローリターンになり、高くすればハイリスク・ハイリターンにできる金融商品です。
そのため、予想がはずれやすい初心者はレバレッジを1~3倍程度に抑えるようにしないと、資金が少ないときは厳しい状況に追い込まれます。通常25倍などは使わないため、レバレッジは補足的なツールにとどめておきましょう。
注意点② レバレッジの倍率は証拠金の量で決まる
実際にレバレッジを使うときは「レバレッジ○倍」と指定するFX会社もありますが、基本的には売買するときに「売買する額÷FX会社に預けた証拠金=レバレッジ」で自動で決まります。
100万円分の外貨を取引するとき、仮に6万円を入金すると「100万円÷6万円=16.7倍」、10万円の入金すると「100万円÷10万円=10倍」、40万円の入金すると「100万円÷40万円=2.5倍」に自動的に決まります。
レバレッジ(上限25倍)=売買額÷証拠金
損益もレバレッジと同じ倍率だけ発生します。レバレッジ3倍では損益は3倍となり、レバレッジ10倍では損益は10倍となるわけです。これで利益が出れば言うことなしですが、損失を負うと大きなダメージを受けます。
損失額がFX会社に預けた証拠金を上回った際には、取引会社から証拠金の追加請求が行われることもあります。
FXにレバレッジの仕組みが必要な理由
株式投資や投資信託にレバレッジはなく、信用取引のみで最大3倍までレバレッジを設定できます。一方、FXには最大25倍までのレバレッジが使えますが、その理由は価格が変動しにくいからです。
例えば、株に100万円を投資した場合、1日の変動幅は1~3%が一般的、10%以上も上昇する銘柄も何件か発生します。しかし、FXでは1日に1%以上の変動する通貨ペアはまれであり、投資できるチャンスが限られています。
そのため、FXでは為替相場が0.3%しか動かなくても、レバレッジを10倍にすることで「0.3%×10倍=3%」の損益を得られるようにしています。
レバレッジとはギャンブル性を高める目的で存在しているわけではなく、株価のように変動幅が大きい商品には低いレバレッジ、FXや先物取引のように変動幅が小さい商品には大きいレバレッジがかけられる仕組みです。