【漫画】第46話「FXはスキャルピングしか勝てない!5つのルールと3つの裏ワザ」
「いきなり5000円の損失」
「5つの基本ルール」
「何十通りも技がある」
「時間がデメリット」
FXのスキャルピングとは?
FXの手法はトレードする期間によって、超短期のスキャルピング(スキャルピング)、短期取引のデイトレード(デイトレ)、中期取引のスイングトレード(スイング)、長期取引の4つに分けられます。
その中でスキャルピングはエントリー(新規注文)からイグジット(決済注文)までを、数秒から数分間で終わらせる取引、少ない利益を積み重ねることで、大きな利益につなげる手法です。
スキャルピング(Scalping)の語源は「スキャルプ=頭皮」であり、アメリカ・インディアンが獲物を借ると、その獲物の頭皮を「薄く剥ぐ=薄い稼ぐ」ことに由来しています。実際の利幅も数pipsや数銭が一般的です。
スキャルピングは「何度も薄く稼ぐこと」を目的とした結果、必然的にトレードする時間が短くなります。その分、予想とは逆方向に動いたときの損切りも早く、大損はしにくいこともメリットの1つです。
FXでスキャルピングを始める5ステップ
FX会社はスプレッドの狭さで選ぶ
スキャルピングは1日数十回は売買するため、できる限りスプレッドが狭いFX会社を選びます。例えば、米ドル/円のスプレッドが0.3銭であれば、1回1万通貨を取引したときの手数料は「1万通貨×0.3銭=30円」のみです。
しかし、米ドル/円のスプレッドが1銭になると、1回1万通貨を取引したときの手数料は「1万通貨×1銭=100円」になります。これを1日50回、年間100日繰り返すと、0.3銭は15万円ですが、1銭は50万円もかかります。
また、スプレッド以外では急な相場変動が起こっても不利な価格で売買させられることがないように「約定率が高い」FX会社を選んだり、スムーズにワンクリックで注文できることも大切です。
通貨ペアは流動性と値動きで決める
スキャルピングに向いている通貨ペアは、小さな価格差から利益を生み出すために値動き(ボラティリティ)が一定以上あり、小さな価格差でも利益になるようにスプレッドが小さいことが必要です。
例えば、ユーロ/米ドル、米ドル/円、英ポンド/米ドルは取引量ランキングでトップ3であり、流動性が高いことから売れ残ることはなく、価格変動が大きくなりやすいです。
売買が活発になる時間帯に取引する
スキャルピングでは値動きが大きくなる時間帯を狙いましょう。一般的には日本時間の9~11時(夏時間は8~10時)、16~18時(夏時間は15~17時)、22~24時(夏時間は21~23時)がスキャルピングに最適です。
会社員の副業であれば、東京市場とロンドン市場は日中で取引が難しいため、ニューヨーク市場がオープンして、経済指標の発表時間も近い21~24時であれば、取引が盛んで値動きも大きくなります。
ただし、あまりにも激しく動くとスプレッドが広がったり、予想と逆に動いたときの損失が大きくなってしまうことには注意したいです。
チャートから為替相場を読む
スキャルピングでは「上昇時に下落を期待して売る、下落時に上昇を期待して買う」逆張りのイメージもありますが、おすすめは順張りです。一定方向に進む波に乗りながら、細かい売買を繰り返したほうが予想が当たります。
そのためにはスキャルピングのプロたちのように、経済指標の発表時間を意識しながら、チャートを読み進め、そこから市場心理を分析することで、為替レートの動きを予測していきます。
初心者もまずは「上昇トレンド、レンジ、下降トレンドなどの現在の相場を判断する」ことからはじめ、次に「チャート上に支持線や抵抗線を引いてみる、ダブルトップなどのパターンを探す」という手順で練習しましょう。
損切りを流れるように何度もする
スキャルピングでは大幅に資金が減ってしまったり、含み損を抱えるリスクを回避するために、損切りを念頭に売買することが基本です。新規注文をすると同時に自動的に逆指値を入れる設定にして、機械的に損切りします。
損切りの設定は「資金の2%以内」や「目標とする利益よりやや少なめ」など、自分で決める必要があります。例えば「5pipsで利益確定するなら、逆方向に3pips動いたところで損切りする」などが一例です。
このように決めたルールは厳守するようにしましょう。ただし、損切りが多いときは初心者の場合は「損切りの設定が厳しすぎる」ことも考えられますが、一般的には「チャートによる予測が下手である」ことが多いです。
FXのスキャルピングで稼ぐ3つの裏ワザ
ヘッド&ショルダーで下落を刈り取る
3つの高値ができるチャートを「ヘッド&ショルダー」と呼びます。上記のように肩、頭、肩が出現したら「3回も上昇に挑戦したすえに諦めた」という市場心理の現れです。このあとは上昇する期待が持てません。
このままネックラインを割ると下落トレンドに転換します。次にその下落が止まる地点は頭からネックラインまでと同じ値幅が目安です。そのため、ネックラインを割ったら売り、下がりきったところで買い戻すようにしましょう。
また、スキャルピングではヘッド&ショルダーだけではなく、逆ヘッド&ショルダー、ダブルトップ、ダブルボトムなどもあり、これらのローソク足の組み合わせを見つけて、売買を繰り返すことが稼ぐコツです。
ストキャスティクスで売られすぎを買う
スキャルピングでは「ストキャスティクスで転換点を判断する」手法が活躍しています。ストキャスティクスとは「%K、%D、Slow%D」という3本の線がある指標で、買われすぎや売られすぎがわかります。
いずれかの線が交わることで「売られすぎ状態からの反転」と「買われすぎ状態からの反転」が判断できるため、スキャルピングには最適です。
- 5分足と15分足チャートでトレンドをおおまかに確認し、明確なトレンドを形成しているときだけ、トレードを行います。
- 1分足チャートでも5分足と15分足チャートと同じ方向にトレンドが発生していたら、売買チャンスです。
- 上昇トレンドの場合は、ストキャスティクスが20%以下のゾーンで%Kが%Dを下から上に抜けたときにエントリーします。
- 下降トレンドの場合は、ストキャスティクスが80%以下のゾーンで%Kが%Dを上から下に抜けたときにエントリーします。
ストキャスティクスに慣れた人は、さらに平均足とボリンジャーバンドを同時に表示させます。平均足は色を見るだけでトレンドの継続がわかりますし、ボリンジャーバンドで値幅の上限と下限の目安が一目瞭然です。
MACD+ボリンジャーバンドで転換点がわかる
MACDは「短期と長期の移動平均線の離れ具合」を曲線で表しています。MACD線が0ラインを下から上に抜けたときは上昇トレンド、上から下に抜けたときは下降トレンドを意味しており、転換点がわかる指標です。
ただ、MACDのみでは相場とトレンド、部分的な転換点しかわかりません。そこで現在の相場の荒れ具合がひと目でわかるボリンジャーバンドと組み合わせます。
基本的な流れとしてはMACDで上昇、下降、もみ合い相場を判断し、転換点の位置を確認します。次にボリンジャーバンドで相場の荒れ具合を把握して、順張りと逆張りのどちらが有効かを決めることができます。
このように2つのチャートを組み合わせることで、売買シグナルを判断することが、FXではかなり有効です。
逆にFXで勝率を上げていくためには、テクニカル指標による分析が必要ですが、インジケーター(補助グラフ)を4つ以上表示させると、同時に多くの情報が飛び込んできてしまい、情報が処理しきれません。
特にスキャルピングで迷いが生じると、注文時に判断が遅れて、適切なタイミングで取引できなくなります。プロも過度な分析はせずに、感覚的に数秒で売買を完結しているため、有効なチャートのみに絞りましょう。
FXのスキャルピングはリスクを抑える
スキャルピングにおける5つの基本ルールを守らないことが、そのままリスクに直結します。①の「FX会社はスプレッドの狭さで選ぶ」をしないと、いくら勝ちを重ねてもスプレッドも蓄積されて、利益になりません。
②の「通貨ペアは流動性と値動きで決める」を守らないと、売りたいときに売れないですし、③の「売買が活発になる時間帯に取引する」を守らないと、値動きに乏しくて利ざやが確保できないです。
④の「チャートから為替相場を読む」はスキャルピング以外でも必要であり、これができないとFXで稼ぐことは根本的に無理です。
⑤の「損切りを流れるように何度もする」は最重要であり、予想とは逆に大きく動くこともあります。そこで損切りを設定していないと、小さな利益を積み重ねていっても、一撃で損失が膨らみます。
以上をまとめると、①~④はルールを守るだけでリスク回避できます。あとはレバレッジを1~3倍程度に制限すれば、総合的にはスキャルピングはローリスク・ミドルリターンな手法です。
⑤の損切りはリスク限定です。常に設定することで損失が小さく利益は大きい「損小利大」を狙えます。スキャルピングは薄利な分、1回の損失額も小さく抑えられるため、むしろ大損するリスクがないことはメリットになります。
また、スキャルピングのデメリットは「取引する時間が必要」と「取引時間外でも相場が気になってしまう」です。常にチャートに張り付いた直感的な売買をするため、時間そのものを消費することは認識しておきたいです。