【漫画】第51話「FXのボリンジャーバンドの見方!バンドの形で4つの使い所がある」
「ゴレンジャーバンド」
「はみ出たらチャンス」
「4つある使い方」
「3回連続‥‥ヤメチマエ」
FXのボリンジャーバンドの見方とは?
ボリンジャーバンドは統計学をもとにした7本の線によって、相場のぶれを認識できるチャートです。平均値からの上がりすぎと下がりすぎがわかるため、反発のタイミングを計るときに役立ちます。
中央のミドルラインを軸にして、上に+1σ、+2σ、+3σ、下に-1σ、-2σ、-3σという線が表示されます。このミドルラインから上に離れるほど買われすぎ、下に離れるほど売られすぎを意味します。
それぞれの内側に価格が存在する割合は次の通りです。
±1σ(青)=68.3%
±2σ(黄)=95.5%
±3σ(赤)=99.7%
ただ、±1σは68.3%と数値が低いために、FXではあまり使いません。±2σと±3σが重要であり、±2σ以上なったときに反発や逆張りのシグナルとして利用できます。
ボリンジャーバンドのσ(シグマ)の計算方法
σ(シグマ)とは標準偏差を記号化したもので「1σ=1標準偏差」となります。標準偏差とはデータのばらつきがわかる指標です。データが集中すると+1σのように小さく、データが散らばると+3σのように大きくなります。
つまり、ボリンジャーバンドでは過去の価格変動が大きいときはσとバンドが拡大、過去の価格変動が小さいときはσとバンドが収縮する仕組みです。その標準偏差の計算式は以下のとおりです。
$$σ = \sqrt{\frac{1}{n}\displaystyle \sum_{ i = 1 }^{ n } (x_i-\overline{x})^2}$$
例えば「3、4、6、8、9」の5つの数字があったら、平均値は「30÷5=6」、各数字の平均値との差は「3、2、0、2、3」となります。それらの2乗の和は「9、4、0、4、9」で「26」です。
$$σ = \sqrt{\frac{1}{n}×26}$$
データ数が「5」ということは「26÷5=5.2」、そのルートは「2.28」のために、標準偏差は「+1σ=2.28」となりました。また+2σは「+1σ×2=4.56」、+3σは「+1σ×3=6.84」と計算できます。
例えば、現在値が「10」なら、平均値は「6」のため、その差は「4」となります。この「4」は+1σの「2.28」より大きく、+2σの「4.56」より小さいため、現在値は+1σ~+2σに収まることがわかります。
現在値が「13」なら、平均値は「6」のため、その差は「7」となります。この「7」は+3σの「6.84」より大きいため、現在値は+3σを超えており、過去のデータと比較すると異常値であることが検知できます。
標準偏差では現在値が±1σの間に存在する確率は68.3%、±2σの間に存在する確率は95.5%、±1σの間に存在する確率は99.7%です。そのため「現在値が+3σを超えたら平均に戻る確率が高い」と判断できます。
ただし、ボリンジャーバンドでは「現在値であるローソク足が±1~3σのどこに位置するか」ではなく、±1~3σで示したバンドの形が売買シグナルに関係します。そのため、バンドの形、幅、動きが重要であり、次の4つの使い方に分かれます。
ボリンジャーバンドのバンドの読み方4選
横ばいで逆張り
+σと-σのバンドが水平状態のときは、横ばい相場と判断できます。集団心理はバンドの上限と下限を意識するため、上昇して+2σに達したら売り、下落して-2σに達したら買いという逆張り戦略が有効です。
逆に横ばい以外での逆張りはおすすめできません。ボリンジャーバンドは逆張りのテクニカル指標とされていますが、基本的には横ばいのときのみ反発狙いの逆張りができます。
拡大時に順張り
初心者が勘違いしやすいボリンジャーバンドの使い方に「飛び出したら戻る」があります。ローソク足がボリンジャーバンドの±2σに存在する割合は95.5%のため、確かに±2σの外に飛び出すことはイレギュラーです。
しかし、水平や縮小していたバンドが急拡大したときは、トレンドの発生ポイントになります。過去の統計とは関係なく、力強く一方向に相場が進むために±3σにタッチして、その後は±2σにローソク足が張り付きます。
つまり、上昇トレンドや下降トレンドが生まれているため、バンドが拡大したときは順張りが正しい選択です。
縮小時で決済する
拡大時が終わって縮小に向かったときは、トレンド終了のサインです。±2σに張り付いていたローソク足も±1σ以内に戻ってきます。このときは順張りしたポジションを決済しましょう。
ただし「縮小したあとに再び拡大する」といったダマシもあるため、例えば+2σからの利益確定なら、ローソク足が+1σ、±0、-1σに下がったときに売るなど、3回程度に分散することで、順当に利益が確保できます。
狭小時は売買なし
バンドが狭いときはローソク足が上限と下限を行き来する横ばい相場ではないですし、トレンドも発生しません。集団心理としても先が読めずに様子見している状態のため、初心者も売買しないことが健全です。
ただし、バンドが狭くてローソク足が動かないほど、このあとに来る相場に資金がなだれ込むため、狭小時は次の相場が大きく動く前兆と捉えることもできます。
このようにボリンジャーバンドは「①横ばい=逆張り、②拡大時=順張り、③縮小時=決済、④狭小時=様子見」と判別できるため、別のテクニカル指標と組み合わせて、売買シグナルを読み取る上級者も多いです。