【漫画】第49話「FXでスワップポイントが高い通貨とは?メキシコペソやトルコリラなど」
「高金利通貨を知る」
「金利上昇は不安定」
「価格が下がるリスク」
「お前が買うと‥‥」
FXでスワップポイントが高い通貨とは?
FXでスワップポイントが高い通貨とは、南アフリカランドやトルコリラなどです。1万通貨で受け取れる1日あたりスワップポイントは、2024年10月時点で南アフリカランド/円が5~15円、豪ドル/円が10~25円、米ドル/円が15~65円でした。
通貨ペア | 金利 | スワップポイント | 必要資金 |
---|---|---|---|
トルコリラ/円 | 11.25% | 10~45円 | 18万円 |
メキシコペソ/円 | 7.25% | 5~15円 | 6万円 |
南アフリカランド/円 | 6.25% | 5~15円 | 7万円 |
米ドル/円 | 1.75% | 15~65円 | 110万円 |
NZドル/円 | 1% | 10~25円 | 70万円 |
豪ドル/円 | 0.75% | 10~25円 | 75万円 |
情報取得日 2024年10月時点
この金額は上下にぶれますが、いずれにしても日本国内の銀行ではありえない金利が付いてきます。仮にこの水準で米ドル/円を30万通貨買った場合、1日1500円、年間54万7500円、30年間で1642万5000円の金利が貰えます。
高金利通貨による長期投資では、1年や5年以上先を見据えて外貨を買います。為替レートが下がったら買い増して、上がっても売りません。毎日スワップポイントを受け取りながら、FXを外貨預金に見立てて、長期間運用していきます。
私たちが長期投資で事前にすべきことは、積み立てをスタートする時期の見極めです。長期投資の最大のリスクは保有中の外貨が大幅に値下がりすることであり、対策を講じないといけません。
そのためには「なるべく割安な時期を狙って買い始める」ことです。これは「下落トレンドでまだ下がりそうなとき」ではなく「過去10~20年間のチャート上、相対的に安値圏に位置する」という意味です。
すでに長期投資を実践して、含み益をキープしている人たちにも「月足チャートを確認する、安値圏ある通貨ペアを狙う、最初に多めに買ったあとは下がったところで買い増す」というルールが共通していました。
スワップポイントが高いFX会社2選
スワップポイントはどのFX会社でも同じ金額が付与されるわけではありません。2024年10月時点の豪ドル/円であれば、A社は1日0円、B社は1日18円、C社は1日21円と差が激しいです。
つまり、FX会社の選び方が間違っていると、利益は半分以下に減ります。FX会社は「スプレッドが小さい、スワップポイントの高い、アプリの使いやすい」などで競っており、その結果が口座数の増加に寄与します。CMで有名なFX会社などは総合的にハイスペックなFX会社です。
一方でスワップポイントを重視した場合はおすすめの顔ぶれは少し変化します。スワップポイントの高さを全面にアピールしているFX会社、メキシコペソやトルコリラに力を入れるFX会社、南アフリカランドなどの高金利通貨のスワップポイントが多いFX会社などは、長期投資向けに特化したFX会社がたくさんあります。
特にスワップポイントが高いFX会社はJFXとヒロセ通商です。
スワップポイントは分散投資・積み立て・長期投資
投資全般で利益を得るコツは「分散投資、積み立て、長期投資」の3つです。高金利通貨による長期投資でもこのルールを守って、外貨を買うことがポイントになります。
分散投資
分散投資では「卵は同じかごに盛るな」ということで、南アフリカランド、トルコリラ、メキシコペソなどを組み合わせて買う人もいます。これはリスクヘッジとしては弱いですが、ありです。
同じ高金利通貨というグループであるため、例えば、米ドルが強くなると、南アフリカランド、トルコリラ、メキシコペソも同じように価格が動いてしまって、あまり意味を成しません。
しかしながら、高金利通貨は単一のアクシデントも発生しやすいです。例えば、豪ドルは最大の貿易相手国である中国の景気で為替が変動しますし、トルコは政治経済の安定化が金利を動かします。このようにある程度排他的な理由に対してなら、分散投資としても効果があります。
ただ、2024年10月時点では南アフリカランド/円を買うなら、トルコリラではなく先進国同士の通貨ペアである米ドル/円を一緒に買う、もしくは株や債権、金投資と組み合わせることが、本当のリスクヘッジになります。
積み立て
積み立てとは「定期的に同じ額で同じものを買い続ける」ことです。具体的には豪ドル/円が「1豪ドル=80円」のときに「安値圏」と判断して、最初に1万通貨を買って、それ以降は毎月1万円分を買い続けるなどです。
これにより為替レートが「1豪ドル=100円」と高いときの購入量は「1万円÷100円=100通貨」と少なくなり、為替レートが「1豪ドル=50円」と安いときの購入量は「1万円÷50円=200通貨」と多くなります。
結果的に買い付け額の平均値が下がり、価格変動リスクを限定する効果が期待できるわけです。初心者は為替レートが下落すると不安で売りがちですが、むしろ、下落時は買い増すチャンスでもあります。
ただ、FX会社によっては1万通貨単位でしか売買できません。FXで積み立て投資をするときは、最低取引単位が1000通貨以下のFX会社を選んで、コンスタントに外貨に替えていきます。
長期投資
短期売買では予測が外れて、タイミング次第では損をする機会も増えます。しかし、長期投資では短期の変動率や含み損は関係ありません。過去の統計でも投資期間が長いほうが安定的に収益が得られることがわかっています。
以下は投資期間別の株式投資における収益率の一覧です。1年経過した時点では大きく稼ぐ人もいますが、大きく損する人もいます。それが長期になるほど、最高と最低が平均に収束され、多くの人の収益がプラスになります。
投資期間 | 最高 | 平均 | 最低 |
---|---|---|---|
1年経過 | 72.1% | 12.9% | -24.8% |
5年経過 | 32.9% | 11.1% | -7.3% |
10年経過 | 22.8% | 10.4% | -3.5% |
20年経過 | 20.5% | 11.4% | 4.4% |
30年経過 | 12.8% | 10.1% | 6.8% |
投資信託協会(2009年)「第3回 長期投資のメリットとは」
高金利通貨は先進国通貨と比べて、政治、経済、有事で諸問題が発生しやすいです。概して「為替レートの変動率=ボラティリティ」が高まるため、短期的には大勝ちか大負けする人の割合が増えます。
大負けした場合は蓄積されたスワップポイントが吹き飛ぶこともあるでしょう。それを避けるためには、途中で「含み損が増えたから売り払おう」とせずに、長期的な視点で積み立てを続けることがリスクヘッジになります。