【漫画】第17話「FXの酒田五法とは?三山・三川・三空・三兵・三法で値動きを予測する」
「ローソク足をつなげ」
「有名なローソク足」
「三川・三空・三兵」
「三羽烏は売りだ!」
酒田五法① 三山(三尊天井・逆三尊)
三山、三川、三空、三兵、三法というローソク足の組み合わせは「酒田五法」と呼ばれ、江戸時代の米商人である本間宗久が編み出しました。これにより本間宗久は当時の米市場で相場の予測をして、多額の利益を得ています。
300年近く経った現在も株式市場や先物市場の予測に使われており、同様にローソク足を駆使するFXでも、非常に参考になるパターンです。
酒田五法の中でも信頼性が高い法則が三山です。三山には上昇トレンドからの反転を意味する「三尊天井」と、下降トレンドからの反転を意味する「逆三尊底」があります。
酒田五法 | 説明 |
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三尊天井 |
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逆三尊 |
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例えば、三尊天井は売りシグナルとされる理由は「2回目の山の下落が大きく、3回目の山の上昇が小さいため、上昇圧力が弱い」と判断されるためです。酒田五法は確率論ではなく市場心理を説いた手法です。
真ん中の山が両脇よりも高いときのほうが信頼度が高いですが、いずれにしても三山でポジションを抱えていたら、一旦決済するのが鉄則です。その上でドテン(反対売買のポジションを建てる)かを判断しましょう。
酒田五法② 三川(燕返し・流れ星など)
酒田五法 | 説明 |
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明けの明星 |
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燕返し |
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陰の両つつみ |
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宵の明星 |
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流れ星 |
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鷹返し |
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三川では2本のローソク足の組み合わせであった「たくり線、はらみ線、包み足、かぶせ線、切り込み線」を発展させたパターンです。2本のローソク足よりも市場心理を表しており、正確性も上がっています。
例えば、宵の明星では1本目の大陽線のあとに、2本目は上放れる形で小さな陰線、あるいはコマや十字線をつけて、3本目は大陰線が出現します。つまり、1度大きく下げたのち、売り買いに迷い、反発した結果です。
そのため、上昇トレンド中に出現すると「天井」と判断されて、下落トレンドに突入する可能性が高いです。また、2本目が十字線なら「宵の十字星」、上ヒゲのある陰線なら「宵の流れ星」と呼びます。
酒田五法③ 三空(踏み上げ・叩き込み)
FXにおいては三山、三川、三法はわりと発生しやすいですが、三空と三兵はなかなか判別が難しいです。その理由はFXが24時間取引であるからです。
常に売買され続けているFXではローソク足の1本目の終値と2本目の始値が同じになります。続いて2本目の終値と3本目の始値も同じです。あとは「終値=始値」を繰り返します。
その結果、ローソク足とローソク足の隙間である「窓」ができません。窓ができないと三空は作られないわけです。さらにローソク足が陽線や陰線のみで階段状に重なることがないため、三兵も現れません。
FXでは1週間に1回、土曜の朝7時までにクローズして、月曜の朝7時からオープンするときがあり、その際は窓ができることもありますが、3回連続窓ができることはないため、三空にはなりません。
そのため、終値と始値がおなじになりにくい土曜区切りの週足を使うか、三空と三兵に関しては「窓ではないが三空に似たローソク足」や「階段状ではないが三兵に似たローソク足」などで判別します。
酒田五法 | 説明 |
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三空踏み上げ |
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三空叩き込み |
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3連続で窓が開いたあとは過熱しすぎと利益確定によって、反転圧力が強くなります。上昇中なら三空踏み上げで天井となり、下落中なら三空叩き込みで大底を形成しやすいです。
このように三空では新たに仕掛けるというよりも、ポジションを決済するタイミングになります。
また、三空はローソク足の本体が重ならないことが条件であるため、ヒゲが重なっても構いません。また、陰線と陽線が混ざっていても、窓が3連続すると三空に当てはまります。
酒田五法④ 三兵(赤三兵・三羽烏など)
酒田五法 | 説明 |
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赤三兵 |
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赤三兵先詰まり |
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小石崩れ |
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三羽烏 |
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同時三羽 |
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仕掛け花火 |
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赤三兵が出現すると、上昇中ではさらなる上昇の可能性が高まり、下落中なら大底から反転しやすくなります。逆に三羽烏が出現すると、下落中ではさらなる下落の可能性が高まり、上昇中なら天井から反転しやすくなります。
注意点としては、3つのローソク足の間に窓が発生していたら、三空となる可能性があることです。この場合には「相場が加熱しすぎ」や「利益確定が入る」と予測できるため、三兵とはまったく逆の判断をすることになります。
つまり、三兵とは窓が開かないことで、三空よりも冷静にトレンドに乗っている状態です。力強い動きを示すパターンであるため、赤三兵や三羽烏を見つけたらチャンスとなります。
酒田五法⑤ 三法(上げ三法・下げ三法)
酒田五法 | 説明 |
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上げ三法 |
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下げ三法 |
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上げ三法では上昇トレンド中に大陽線が出て、そのあとは投資家たちが手仕舞い売りなどをするため、小さな陰線が連続で発生します。この小動きのことを三法と呼び、いわゆる小休止状態に入ります。
このあとに大陽線が出ることで「再度買い相場に入った」と認識されます。この上げ三法のポイントは「3本目の陰線が最初の大陽線の始値を下回らないこと」と「大陽線が最初の陰線の始値を上回ること」です。
これで「売り圧力が弱く、買い圧力が強い」という安心感につながり、さらなる買いを呼び込むとされています。
また、小休止状態のときに反発を狙うことはリスク大です。小休止は方向性が定まっていない状態であるために、特に初心者は「休むも相場なり」のもとでポジションは持たないほうがいいです。