【漫画】第27話「FXのナンピン買いとは?平均価格は下がるが大損リスクは上がる」
「ナンピンで買い増せ!」
「両建てで2倍の利益!」
「ジョーン川瀬は本物?」
「あいつは偽コンサル」
FXのナンピン買いとは?
ナンピン買いとはFXで保有している外貨の価格が下落した際に、追加で買い付けを行うことで、平均取得単価を下げる手法です。
例えば「99円で1万通貨を買って、91円まで下がり、そのあと96円に戻ったところで1万通貨を売った」とき、3円の損失になります。
しかし、始めからナンピン買いを続けていれば、実は利益が得られます。99円で1万通貨を買って、さらに98円、97円、96円、95円、94円、93円、92円、91円で1万通貨ずつを買い増すと、平均取得単価は95円です。そのため、96円まで戻ると、むしろ1円の利益が得られます。
(99+98+97+96+95+94+93+92+91円)÷9回=95円
つまり、ポジションの獲得コストを下げ続けることで、少しの上昇でも利益を得ることができます。これがナンピンのメリットです。
FXのナンピン買いは大損する可能性あり
ナンピンは平均取得単価を下げる役割があり、特に初心者は「決済しない限り、損失が確定しない」ことに満足します。希望を持ち続けられるために、ナンピンをやめることをしません。
確かにナンピンを駆使した手法はFXでは人気です。買ったあとに下がってしまったら再度買って、さらに下がってもまた買います。相場は波を打って動くため、いつかは反転する性質をうまく利用するわけです。
しかし、資金は有限です。私たちが反転を期待して買い増しても、相場が下がり続けたままでは資金が尽きて、強制ロスカットの対象になります。
それにナンピンとは「相場の流れに逆らって逆張りでポジションを建てる」ことです。FXでは「相場の流れを読み、相場の流れに乗って、利ざやを得る」ことが王道ですが、ナンピンは逆走し続ける異常行為にあたります。
FXのナンピン買いは押し目で使う
私たちが「上昇する」と読み違えて、下落トレンドになったときにナンピンをしても、損失を膨らますだけです。ただ、上昇トレンド中に押し目でナンピンを使うなら、有利なポジションを得ることもできます。
上昇トレンドでは一方的に上昇するわけではありません。細かな上下変動を繰り返しながら右肩上がりの相場を形成します。その上昇の中にある一時的な下げ、つまり「押し目でポジションを増やす」というわけです。
上昇トレンド中であれば、ナンピンしても高確率で再上昇します。この手法はリピート系の自動売買にも採用されています。
FXのナンピン買いでよくある質問
──ナンピンの一種に「ココモ法」というテクニックがありますが、どのような仕組みでしょうか?
元々ココモ法はカジノでプロギャンブラーが使っており、ゲームに負けたときは必ず「前回の賭け金+前々回の賭け金」を足して、次回の賭け金とします。
FXでは例えば、最初のルールとして「20銭の上げで利益確定、10銭の下げで損切り」と決めて、米ドル/円を1枚(1000通貨)買います。
その後、10銭下げたら損切りして1枚買います。さらに10銭下げたら損切りして「1枚+1枚=2枚」、さらに10銭下げたら損切りして「1枚+2枚=3枚」、さらに10銭下げたら損切りして「2枚+3枚=5枚」買います。
前回の投資額+前々回の投資額=今回の投資額
仮に6回連続で10銭下げたら「(1+1+2+3+5+8)×10銭=200銭」を損します。ただ、7回目に「5枚+8枚=13枚」を購入して、20銭上昇すると「13枚×20銭=260銭」となり、トータルで60銭の利益になります。
このように投資する枚数をココモ法でコントロールすれば、ナンピンでも利益を出すことはできます。その一方でナンピンと同じく、資金が枯渇してしまうと大損する原因にもなります。