【漫画】第31話「FXの一目均衡表とは?線が雲を抜けたら相場が反転する」
「5本の線と雲を使う」
「一目均衡表の3つの見方」
「パターンA~Cで勝つ!」
「薄い雲より厚い雲」
FXの一目均衡表とは?
一目均衡表とは時間の流れと相場のバランスを重視している指標です。1936年に細田悟一氏が約2000人のスタッフと7年かけて完成させました。現在では多くのファンドマネージャーやプロトレーダーから支持されています。
上のチャートのように一目均衡表は基準線、転換線、先行スパン1、先行スパン2、遅行スパンといった5つの線と1つの雲で構成されており、それぞれに緻密な計算式が盛り込まれています。
名称 | 説明 |
---|---|
基準線 | 当日を含む過去26日間の最高値と最安値の平均値を当日に記入 |
転換線 | 当日を含む過去9日間の最高値と最安値の平均値を当日に記入 |
先行スパン1 | 基準線と転換線の中間値を、当日を含む26日先に記入 |
先行スパン2 | 当日を含む52日間の最高値と最安値の平均値を、当日を含む26日先に記入 |
遅行スパン | 当日の終値を26日前に記入 |
雲 | 先行スパン1と先行スパン2の間の面積 |
一見すると複雑に思えますが、FXや株で一目均衡表が広く使われている理由は、雲のみでも相場観がわかるからです。
シンプルに「ローソク足が雲を上に抜けると上昇トレンド」と「ローソク足が雲を下に抜けると下降トレンド」となります。特に雲が薄いところをローソク足が抜けるとトレンドの変わり目です。
逆に雲が厚いところをローソク足が多少抜けても、ブレイクせずに戻ってくることがほとんどです。つまり、雲は支持線や抵抗線を意味します。雲が厚いときは突き抜けることが困難であり、ぶつかっても戻りやすいです。
このように初心者でも「薄めの雲をローソク足が抜けたらトレンドが転換した」と視覚的にわかります。そのため、一目均衡表のグラフを参考にして、移動平均線やボリンジャーバンドと組み合わせて使う人が多いです。
FXの一目均衡表の読み方
基準線と転換線
一目均衡表に表示されるグラフはそれぞれに意味を持っています。まず、相場の方向性は基準線が示しています。基準線は過去の平均値であり、相場の中期的な均衡点を表している重要な線です。
基準線よりも転換線のほうが上にあるときは上昇トレンドであり、下にあるときは下降トレンドです。これは基準線が過去26日間、転換線が過去9日間のデータですので、転換線のほうが最近のトレンドを示しているためです。
その中でも基準線と転換線の2本の線がクロスするときがポイントです。転換線が基準線を下から上に抜くとゴールデンクロスで買い、転換線が基準線を上から下に抜くとデッドクロスで売りとなります。
ただ、基準線と転換線だけでは移動平均線とそこまで変わりません。この2つに先行スパン1、先行スパン2、遅行スパンを絡めながら、先行スパン1と先行スパン2の間にある雲を使って、買いと売りのシグナルを判断します。
先行スパン1と先行スパン2
26日間である短期の先行スパン1と52日間の長期の先行スパン2の関係によって、ローソク足が雲の上にあるときは強気相場であり、雲の上限が先行スパン1、下限が先行スパン2となります。
逆にローソク足が雲の下にあるときは弱気相場であり、雲の上限が先行スパン2、下限が先行スパン1になります。
そのため「ローソク足がこの雲より上にいる間は持ち続けても大丈夫」や「下にあるときはまだ下がる可能性がある」とも判断できます。
一目均衡表では「天気の悪い雲の下で雨を浴びるのか、太陽を拝める雲の上で晴れを感じるのか」とよく言われるほどです。さらにローソク足が雲に突入したときはトレンドの転換点であり、雲を下から上に突破したら上昇サインで、雲を上から下に突き抜けたら下落サインです。
つまり、この雲は抵抗帯であり、雲をローソク足が突き抜けるには勢いのあるパワーが必要であるため、上や下に抜けたときにはトレンドの転換点を意味します。FXではこれらのシグナルをいかに汲み取るかが大切です。
遅行スパン
あと1つの遅行スパンの意味も簡単です。遅行スパンは当日の終値を26日前に遡ったものです。26日前の株価と当日の株価を比較して、買いと売りを判断します。
遅行スパンが26日過去のローソク足を下から上に突き抜けると買いシグナル、上から下に突き抜ける売りシグナルとなります。遅行スパンとローソク足の位置関係も雲と同じです。遅行スパンがローソク足の上だと強気相場、ローソク足の下だと弱気相場になります。
つまり、一目均衡表では「転換線が基準線を上抜ける、ローソク足が薄い雲を上抜ける、遅行線がローソク足を上抜ける」といった「三役好転」が揃ったときが、最大の買いサインです。
逆に「転換線が基準線を下抜ける、ローソク足が薄い雲を下抜ける、遅行線がローソク足を下抜ける」といった「三役逆転」が揃ったときは売りサインであるため、これらのシグナルを上手に利用しましょう。
FXの一目均衡表の手法3選
雲を使った最もポピュラーな手法は長期トレンドと同じ方向に発生した短期トレンドを順張りで狙うことです。相場の流れに逆らわずに、着実にその相場が継続すると判断したときだけ、売買を仕掛けます。
使用するチャートはローソク足と一目均衡表であり、一目均衡表は雲のみを表示します。一目均衡表は5本の線の動きを複合的に見れますが、シンプルに雲のみで支持線や抵抗線を判断することもありです。
ローソク足の時間帯はいつでも構いません。長期トレンドを判断するために200日移動平均線を使います。時間足は1時間足が基本であり、デイトレードかスイングトレードで決済します。
通貨ペアは基本的に乱高下しない米ドル/円です。ユーロ/円やユーロ/米ドルもOKであり、流動性の低い豪ドル/円などはNGになります。相場の流れを見極めるためには1つの通貨ペアに絞って、経験と感覚を養うことが大切です。
パターンA
- ローソク足が雲の上にあり、ローソク足の流れが上向きである。
- 短期トレンドを確認し、雲が薄くなるタイミングを探る。
- 買い時はローソク足が薄い雲を下から一気に突き抜けた瞬間である。
- 売り時はローソク足が下落して、雲に入ったときとなる。
パターンB
- ローソク足が雲の下にあり、ローソク足の流れが上向きである。
- 短期トレンドを確認し、雲にローソク足が入るタイミングを探る。
- 買い時はローソク足が雲で一時停滞したのち、抜けそうなときである。
- 売り時は再びローソク足が雲に入り込んだときとなる。
パターンC
- ローソク足が雲の上にあり、ローソク足の流れが上向きである。
- 短期トレンドを確認し、雲にローソク足が触れるタイミングを探る。
- 買い時はローソク足の一部が雲に入った瞬間である。
- 売り時はローソク足の全部が雲に入ったときとなる。
最初の条件でローソク足と移動平均線が交差したり、動きが似ているときは長期トレンドではありません。また、パターンA~Cのどれかに当てはまらないときも、無理に取引しないことで勝率アップが狙えます。