【漫画】第30話「FX会社の行政処分とは?業務改善や業務停止命令を受けた社名リスト」
「アプリで売買できない!」
「システムダウンとは?」
「金融庁の業務改善命令」
「システムダウンに感謝!?」
FX会社の行政処分とは?
FX会社が金融商品取引法に違反した場合に、金融庁などの行政機関から受けられる処分のことです。4種類の処分内容があります。
行政処分 | 詳細 |
---|---|
業務改善命令 | 違反行為を是正し、再発防止策を講じるよう命令する |
業務停止命令 | 一定期間、営業を停止させる |
登録取り消し | 金融商品取引業の登録を取り消し、その事業を禁止する |
課徴金 | 違法行為に対して、一定額の金を納付させる |
行政処分を受ける理由は主に「顧客にリスクを正しく説明していない、顧客に事実と異なる説明をした、顧客の資産を不正に利用した、顧客情報管理などが問題で顧客が損する、レバレッジ規制などのルールに違反した」があります。
行政処分を受けたFX会社15選
金融庁による行政処分には、FX会社が主体となって業務改善をする「業務改善命令」、一時的に営業禁止して業務改善に集中させる「業務停止命令」、悪質な法令違反があって営業資格が剥奪される「登録取り消し」があります。
これ以外にも東京証券取引所や証券取引等監視委員会などからの行政処分もありますが、ここでは2010年以降に発令された金融庁と関東財務局による行政処分を主にリストアップしました。
ただし、一概にも「行政処分を受けた=おすすめできない」わけではありません。GMOクリック証券のように行政処分の理由が「システム管理に不備があった」のみで、すぐに改善できたものもあります。
年月 | 処分 | 社名 |
---|---|---|
2010年2月 | 登録取り消し | アイフォレックス |
2010年9月 | 業務停止命令 | 外為どっとコム |
2010年12月 | 業務停止命令 | 常磐 investments |
2011年8月 | 登録取り消し | 新東京シティ証券 |
2011年10月 | 業務改善命令 | スター為替証券 |
2011年10月 | 業務改善命令 | MF Global FXA証券 |
2011年11月 | 業務停止命令 | 121証券 |
2012年7月 | 業務改善命令 | FXCMジャパン |
2012年10月 | 業務改善命令 | GMOクリック証券 |
2012年12月 | 登録取り消し | イニシア・スター証券 |
2012年12月 | 業務停止命令 | セブンインベスターズ |
2014年9月 | 業務停止命令 | FXコーポレーション |
2015年1月 | 業務改善命令 | アルパリジャパン |
2017年7月 | 業務改善命令 | マネースクエア |
2017年12月 | 業務改善命令 | 岩井コスモ証券 |
情報取得日 2024年10月時点
ちなみに海外のFX会社は使うメリットがありません。主に「システムダウンが国内より多い、金融庁の管轄ではない、信託保全も義務付けられていない、トラブル件数も非常に多い」ことが懸念されます。
国内の中小FX会社もベンチャー特有の革新的なツールがあるわけでもなく、単に「システムダウンが比較的多い、システムトラブルが多い、スマホアプリが脆弱である、自己資本規制比率が低い」ことが特徴です。
行政処分になりそうだった大手FX会社の実例
大手のFX会社のサーバー稼働率は99.999%以上ですが、急なシステム障害で取引ができなくなることもあります。
2015年7月に外為どっとコムでログイン不可の障害、2015年8月にYJFX!で瞬間的な円高の影響によるログイン不可の障害が発生したとき、いずれも行政処分はいたらなかったものの、世間からは厳しい評価を受けました。
それ以降はサイバー攻撃による一時的な接続障害などはありながら、外為どっとコムなどを含めた大手FX会社でシステムダウンはほぼ起こっていません。国内のFX会社なら安心して取引できる環境です。
ただし、それでもプロトレーダーはFX会社にシステム力を重視しています。従来、FX会社を選ぶときは「スプレッドの小さいFX会社」や「スワップ金利が高い会社」が有利とされていますが、FX会社によって勝率や利益率が上がるエビデンスはありません。
そこでプロトレーダーの間では「スマホアプリやトレードツールの使いやすい、システム稼働率が99.9%以上、スリッページが起きにくい、行政処分がない」といったシステムの信頼度で選ぶ人が増えました。