ツアーガイドの副業とは?個人向けガイドマッチングサービス3社を比較

中野貴利人
著書「副業アイデア事典」など5冊/メディア掲載実績は日経新聞など150回以上/株式会社ネットピコ代表
2024/09/29 更新本ページはプロモーションを含みます

ツアーガイドの副業

ツアーガイドとは観光プランを作成し、旅行者に観光地を案内する仕事です。個人でもできて、ガイドマッチングサービスに登録すると、観光客も見つかります。

そこでツアーガイドの収入、ツアーガイドの副業を始める手順、ガイドマッチングサービスの比較などをまとめました。

  1. ツアーガイドの副業とは?
  2. ツアーガイドの副業は時給1300~5000円
  3. 副業でツアーガイドを始める手順
  4. ガイドマッチングサービス3社を比較
  5. サービス① flat(ふらっと)
  6. サービス② ツアーマスター
  7. サービス③ MagicalTrip
  8. ツアーガイドで稼ぐコツ
  9. ツアーガイドのデメリットは?
  10. ツアーガイドの副業でよくある質問
  11. ツアーガイドの副業まとめ

ツアーガイドの副業とは?

ツアーガイドは観光地に訪れた人を対象に、その土地の文化や歴史、建造物などを案内する仕事です。地域に精通した知識、参加者に楽しんでもらえるよう細やかな配慮ができることが求められます。

ツアーガイドの副業には「日本人観光客相手の日本語ガイド」と「訪日客相手の通訳ガイド」の2パターンがありますが、両方とも資格や必須要件はありません。

個人でもできる仕事で観光地を案内して、必要なチケットの予約や食事の手配、外国人旅行者には通訳の役割も果たします。

旅行客はツアーガイドと旅行者をマッチングするサービスに登録することで見つかります。報酬は時給換算で1300~5000円が相場。新型コロナ後の訪日客の増加や観光業の人手不足が見込まれる中、注目の副業です。

ツアーガイドの副業は時給1300~5000円

ガイドマッチングサービスでは価格を自由に設定できます。1時間2000円でシンプルなプランを提供する人もいれば、ツアーに付加価値をつけて1時間5000円以上でする人もいます。

仮に1時間2000円のガイドを3時間実施した場合は「2000円×3時間=6000円」の収入です。月4回では「6000円×4回=2万4000円」になります。

2000円×3時間×月4回=2万4000円

ツアーガイド前に下調べなどの事前準備や旅行者との日程調整で時間を要しますが、一般的なアルバイトと比較しても、時給は高く伸びしろも大きいです。

また、ほとんどのガイドマッチングサービスでは、ガイドの登録とツアーの掲載は無料ですが、サービス利用料として売上の15~20%を支払う必要があります。

副業でツアーガイドを始める手順

個人でツアーガイドをするには、ガイドマッチングサービスの利用が一般的です。案内したい個人ガイドと観光したい旅行者をマッチングしてくれます。

ツアーガイドで最も難しいことはツアーそのものではなく、集客です。外国人向けや日本人向けのプラットフォームにはすでに旅行者が集まっていますので、あとは魅力的なプランを作成して、高評価をもらい続けることで、トップクラスのツアーガイドとして活躍できるようになります。

現地ガイド仲介サービスのビジネスモデル

ガイドマッチングサービスはトラブルになりやすい金銭のやりとりを代行してくれるため、見知らぬ旅行者が相手でも安心して取引できます。

ツアーガイドの始め方
  1. 現地ガイド仲介サービスに会員登録する。
  2. 言語、エリア、自己紹介などを設定する。
  3. ツアー内容、時間、料金を企画する。
  4. 予約リクエストを開始する。
  5. 申し込みがあったら、チャットで日程や詳細を決める。
  6. 指定日時にツアーガイドをする。
  7. 指定日に報酬が振り込まれる。

ガイドマッチングサービス3社を比較

個人でツアーガイドができるガイドマッチングサービスは主要3社があり、比較的新しいサービスが多いです。

サービス名 画像 評価 特徴 掲載料 手数料 プラン作成 メッセージ レビュー サポート ガイド数 会員数 詳細
flat(ふらっと)
株式会社Agali
flat(ふらっと) 4.5
あなたがガイドになり
ゲストに体験を届ける
A評価
無料
B評価
17~20%
非開示 非開示 公式サイト
ツアーマスター
中西興産株式会社
tourmaster 4.3
旅を応援する人と
旅人をつなぐ
A評価
無料
B評価
15%
非開示 非開示 公式サイト
MagicalTrip
MagicalTrip Inc.
MagicalTrip
3.9
英語力を生かす
新しい働き方
A評価
無料
C評価
時給1,400円~
350人 非開示 公式サイト

情報取得日 2024年10月時点

ガイドマッチングサービスを比較するポイントは「割安な手数料、プラン作成の有無、全般的な使い勝手」の4点です。

サービス① flat(ふらっと)

flat

flat(ふらっと)の特徴
  1. 観光ガイドに加えて、旅行プランの相談も可
  2. ガイドランクが上がると手数料が下がる
  3. プランが作りやすく使い勝手に優れている
  4. サポート体制が充実していて安心

flat(ふらっと)は2022年10月にサービスを開始した、ガイドマッチングサービスです。旅行や観光だけでなく、ワークショップや参加型イベント、地元グルメのような飲食プランなど、コト・モノ・場所・体験のプランを自由に作成できます。オンラインでゲストの旅行プランの相談に乗るといった在宅ワークにも対応しています。

掲載プランの作成は簡単であり、フォームに従って必要事項を入力するだけです。年齢制限や細かいオプション料金を設定したり、ゲストとはメッセージ機能でやりとりし、要望にあわせたプランにカスタマイズもできます。

ガイド登録からプランの掲載までは無料で、売上が確定したタイミングで手数料が発生します。flat(ふらっと)ではガイドランク制度を導入しており、実績やレビューに応じて「レギュラー、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、ダイヤモンド」の6段階にランクが分かれています。手数料はレギュラーからゴールドまでが20%、プラチナに上がると19%、ダイヤモンドになると17%に減ります。

また、運営が毎日トラブルチェックをしているので、困ったときにはすぐにサポートを受けられる点も魅力です。

サービス② ツアーマスター

tourmaster

ツアーマスターの特徴
  1. 国内と海外の両方に対応している
  2. 手数料が一律15%で割安である
  3. ガイドの審査が厳正であり、信用力がある
  4. ガイドを指定してから観光プランを作成もできる

ツアーマスターは旅を応援したい人と旅人を結びつけ、観光地の活性化を目指しているマッチングサービスです。ガイドの対応地域は日本に限らず、海外在住の日本人が日本人旅行者向けの現地ツアーも企画できます。サイトは日本語、英語、中国語に対応していますが、ガイドと利用者ともに日本人が多めです。

ガイド登録とプラン掲載は無料であり、ガイドを登録する際には身分証や顔写真、個別面談の審査も一部あります。1度登録が完了すれば、あとは自由にパソコンやスマホからオリジナルツアーの販売ができます。システム手数料は一律15%で割安であり、売上の85%が自分の報酬になります。

ツアーマスターの特徴として、現地ガイドを選んでから、観光プランのリクエストができる「ガイド検索」という機能があります。企画したプランの販売だけでなく、「ガイド料=1時間あたり3000円」といった時間あたりのガイド料金の設定も人気です。

そのため、旅行者に対して「自己紹介文、得意分野、おすすめポイント」など自身のプロフィール情報の登録を充実させることが推奨されています。ゲストに安心して選んでもらうためにも重要なポイントです。

サービス③ MagicalTrip

MagicalTrip

MagicalTripの特徴
  1. プランを企画しなくてよい
  2. 時給制でガイド中の経費も支給
  3. 訪日客むけのため英語スキルが必須

MagicalTripは外国人旅行者に向けてガイドを提供するサービスです。自分ではツアーを企画せず、あらかじめ運営に決められたツアー内容に沿ってガイドをします。自由度は低いですが「企画、チケット手配、顧客とのやりとり」といった細かな作業なしで、純粋にガイドの仕事のみを行えます。

報酬は時給制で3時間4200円~、交通費やガイド中にかかる飲食代は支給されます。MagicalTripは訪日客向けサービスのため、ガイドは英語で話します。自分の英語力を活かして、日本を訪れる世界中の旅行者と交流できる点が大きな魅力です。

MagicalTripでは運営チームとガイドでの定期的な交流会が開催され、ガイド同士のつながりや情報交換ができます。現在、350名を超えるガイドの登録があり、東京、大阪、京都、広島など17都市でツアーが提供されています。

フク
フク
アフターコロナで需要が増えるサービスだね
先生
先生
観光業界の人手不測は深刻なんだぬ

ちなみに旅行会社などが運営していたガイドマッチングサービスは、新型コロナによってなくなっていきました。ツアーガイドの先駆けである「Rootrip」、訪日外国人を友だちとして案内する「Huber」、H.I.S.が運営する「Travee」、東京・大阪・京都・沖縄が対象の「Meetrip」もサービスを終了しています。

ツアーガイドで稼ぐコツ

アピールポイントを明確にする

ガイドのマッチングサービスはどこも「いつもと違った旅行をしたい人」「ユニークなプランを探している人」「地元のコアな場所を巡りたい人」のように、旅行会社のツアーにはない、一味違ったツアーを求めている人をターゲットにし、顧客もそれを求めています。

よほど低価格な場合を除き、ありきたりな観光プランでは予約はとれません。他にはないオリジナルプランの作成や「写真撮影が得意」、「希少言語で案内できる」など、自分だけのアピールポイントを考えてプランを作成します。

初心者が最初から稼げるわけではありませんが、経験を積むことで着実にステップアップできる副業でもあります。

高評価レビューの獲得する

マッチングサービスにおいて、レビューの獲得は重要です。多くの旅行者がガイドやツアーを選択する時に、他ユーザーの評価を参考にして選ぶため、高評価のレビューは見込み客を引きつけ、依頼を獲得しやすくなります。そこでまた実績を積み上げ高評価を獲得していけば、好循環が生まれます。

例えばflat(ふらっと)では、実績とレビュー評価に応じてガイドランクがあがり、手数料の引き下げや集客力の増加といったメリットがあります。また、どのサイトでも明言はされていませんが、高評価のレビューが多いと、マッチングアルゴリズムがあなたのサービスをより優れたものと評価し、ユーザーに対してより多く推薦する可能性があります。

旅行では天候や混雑などで時間がずれることが頻繁に起こるため、いつも予定通りにガイドが進むわけではありません。旅行者の時間は限られており、手際が悪く時間を無駄する行為は悪い評価につながります。

スムーズに案内するには、臨機応変に物事を進める対応力が必須です。そのためには例えば「混雑して行列ができていたら」「もしも雨が降ってしまったら」など、事前に起こりうる状況を想定して、対策を考えておきます。

訪日客をターゲットにする

今後、ツアーガイドの中でも特に訪日客向けの通訳ガイドが不足が予想されます。通訳ガイドは過半数が首都圏に集中しており、言語も英語が中心です。しかし、コロナ前2019年の訪日客の70%は中国、韓国、タイ、台湾などのアジア圏でした。

中国人観光客の観光ガイドは在日の中国人が行っていることも多いですが、「日本を知っている日本人に案内してもらいたい」という要望もあり、英語以外、特にアジア系の言語が話せるガイドは重宝されます。

また、地方の通訳ガイドは特に深刻です。世界遺産への登録や映画のロケ地として、脚光を浴びている観光地では慢性的に外国人向けの通訳ガイドが不足しています。

そのため「アジア圏もしくは希少言語が話せる」や「地方に住んでいて近くに訪日客に人気の観光地がある」といった条件に当てはまる人は、通訳ツガイドで副業をするチャンスです。

また国民性の違いに注意しましょう。外国人観光客をガイドするときは、国民性の違いに注意します。顧客が日本の常識を知らずに、お店や他の旅行者とトラブルにならないよう配慮が必要です。また、マナー違反の指摘も、相手が注意されたと感じるか、文化を教えてもらったと感じるかはガイドの腕の見せ所です。

逆にこちらが知らずにタブーを犯してしまうこともありえます。余計なトラブルを避けるためには国別の最低限の知識とマナーを身につけて、人種、宗教、政治などのセンシティブな話題に触れないことです。

ツアーガイドのデメリットは?

観光ガイドは繁忙期と閑散期の差が激しく、時期によって仕事がほとんどない地域もあります。加えてリクエストベースの仕事なので、決まった額の副収入を確実に得たい人には不向きです。

東京や京都といった人気スポットでは、すでにボランティアの観光ガイドが多くいて、魅力的なプランではないと競合には勝てません。

無償でボランティアのツアーガイドと訪日観光客をつなぐJAPAN TOUR GUIDEというマッチングサービスも登場しています。有償で副業するツアーガイドは無償よりもシビアにクオリティを問われることから、地域に精通した知識やオリジナリティの追及、英語力が必要になるでしょう。

ツアーガイドの副業でよくある質問

通訳案内士の資格は取らないといけない?

資格がなくても個人で観光ガイドを行うことができます。以前は外国人観光客に対する有償ガイド業務を行うためには国家資格である「通訳案内士」の資格が必要でした。しかし、2018年1月に法律が改正され、無資格でも訪日客向けに有償でツアーガイドができるようになっています。

日本を訪れる外国人観光客に対して、案内やサポートをする通訳ガイドのための資格が「全国通訳案内士」です。この資格がないと訪日客の有償ガイドはできませんでしたが、2018年の法改正により、無資格でも訪日客向けに有償でツアーガイドができるようになりました。

通訳案内士の試験は外国語、日本の地理、歴史、政治などの筆記テストと口頭テストがあります。誰でも受験できますが、年1回という試験の少なさと20%前後の低い合格率で、難度が高めの試験です。それゆえか年間3000万人以上の訪日客(2024年10月時点)に対して、全国通訳案内士は約2万人と不足しています。

個人のツアーガイドにこの資格は不要ながら、旅行業者に対しては「全国通訳案内士の同行の有無」を取引時の書面に明記することが義務づけられています。

そのため、有資格者は旅行業者から優先的に案件をもらえたり、報酬が高い傾向があります。継続的に訪日客への通訳ガイドの副業を行うなら、資格の取得を視野にいれてもよいでしょう。

全国通訳案内士は難しくても、特定地域で各自治体が行う研修を受講することで、その地域内の通訳案内士を名乗れる「地域通訳案内士」という資格もあります。すでに人気の観光地である東京や京都、沖縄などでは地域通訳案内士が活躍しています。

ツアーコンダクターとの違いは?

ツアーコンダクター(添乗員)とツアーガイドは混同されがちですが、両者は業務範囲が異なります。ツアーコンダクターは旅行会社が企画した旅程に基づいて、顧客の旅行に付き添い、旅程全体を管理・進行する仕事です。

一方、ツアーガイドは旅行の一部分としての観光や体験をガイドします。その場での案内は行いますが、全体の旅程管理はしません。そのため、通称「現地ガイド」とも呼ばれます。旅行の出発から帰着まで責任を負うツアーコンダクターと比較すると、仕事の範囲は限定的です。

また、ツアーコンダクターには別途「国内旅程管理主任者資格」もしくは「総合旅程管理主任者資格」という公的資格が必要です。資格があれば募集は少ないですが、派遣のツアーコンダクターとしての仕事があります。主に日帰りツアーの添乗が多いです。

ツアーガイドのアルバイトは稼げる?

アルバイト情報サービスではアルバイトや派遣社員などの雇用形態でツアーガイドの求人を見つけることができます。また、観光地や地域の旅行会社のサイトでも、ピークシーズンや特定のイベント時に、ウェブサイトで期間限定のパートタイムガイドや派遣ガイドの募集を行うことがあります。

ただし、募集としては多くなく、求められるスキルや自分の希望に合致する仕事先を見つけるのは簡単ではありません。

ガイドマッチングサービスを使わなくても稼げる?

マッチングサービスも旅行会社も経由せず、フリーランスのガイドとして個人でツアー行うこともできます。ただし、集客、連絡手段、決済、トラブルの対処まですべて自分の責任下で行わなければなりません。

始めるには入念な準備が必要で責任も大きいですが、責任が大きい分一番稼ぎも大きい方法です。また軌道にのって成功すればツアーガイドの副業から本業として独立もできます。

まずはマッチングサービスの利用やアルバイトからはじめて、ステップアップするのもよいでしょう。

ツアーガイドの副業まとめ

総合 3.4
評価
収入時給1500~2500円
時間2~8時間
特徴
スキマ
深夜OK
土日有利
期間限定
初心者
スキル
資格有利
趣味併用
週末起業

副業の点数の付け方

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