副業のメリットは27個!収入アップ・スキル獲得・企業側にも恩恵 - 副業体験談(3)

中野貴利人
監修者中野貴利人
株式会社ネットピコ 代表
2023/12/31 更新本ページはプロモーションを含みます

副業のメリットは収入以外に3つ!3年間の副業生活で得た成果 - 副業体験談(3)

  1. 最大のメリットは副収入である
  2. メリット① スキルが獲得できる
  3. メリット② 管理力が向上する
  4. メリット③ 経験を再利用できる
  5. 企業が副業を認めるメリット
  6. 副業のデメリットはただ1つ

最大のメリットは副収入である

自由に使えるお金が毎月3万円増えると、プライベートで融通が利くようになります。月3万円あれば「月3回の焼き肉、月1回の家族でディズニーランド、月2回のゴルフ」など、身近なやりたいことが実現できるでしょう。

家賃が1万円高い部屋に引っ越したり、服や靴も買えます。今までの手取り額で生活できていた人は、3万円を全額貯金に回すかもしれません。私が副業で月3万円を得ていたときは、奨学金の返済がらくになりました。

さらに月5万、10万、30万円と副収入が増えるたびに、飲み会の誘いや結婚式のご祝儀、友人との海外旅行といったイベントに対して、お金を気にせずに楽しめるようになります。

最大のメリットは副収入である

ただ、毎月3万円の収入アップは、本業では2~3年はかかるかもしれません。それが副業では早い人で1カ月、遅くとも1年以内には達成できる数字です。さらに副収入の金額は毎月3万円にとどまりません。

副業をしている人の多くも、収入補填を副業の目的にしています。労働政策研究・研修機構の2018年11月の「多様な働き方の進展と人材マネジメントの在り方に関する調査」によると、副業している理由の第1位は「収入を増やしたい」であり、複数回答ながらも85.1%でした。

私も副業のきっかけは「追加で収入を得る」ことであり、副業が続けられた理由は「追加で収入を得た」からです。

一方で副業の目的に「スキルアップしたい、キャリアアップしたい、実績を作りたい、人脈を作りたい、社会貢献したい」を設定することも有効です。副業は第2の仕事であり、収入以外のメリットを狙うと継続性が期待できます。

副業による個人のメリット27選
  • 収入と収入源が増える
  • 収入の増加で生活に余裕ができる
  • 収入の増加で心にゆとりが持てる
  • 好きなことや得意なことでお金を稼げる
  • 空き時間を効率的に使える
  • 仕事量や業務量を自由に増やせる
  • 本業のスキルが生かせる
  • 副業でスキルが得られる
  • トライ&エラーができる
  • 知見を本業にフィードバックできる
  • 業務管理と時間管理が上達する
  • 自分の強みと弱みを再認識できる
  • キャリアが磨ける
  • 職務履歴が増える
  • 活躍の場が広がる
  • 人脈が構築できる
  • 将来性のある業務に挑戦できる
  • 新しい業務に挑戦できる
  • 本業にはない達成感を得る
  • 本業以外で稼げることで自信が付く
  • 本業にはない社会貢献を得る
  • 本業にはない楽しさを得る
  • 本業で積極的に仕事ができるようになる
  • 本業の不満を副業で埋められる
  • 転職のきっかけになる
  • 起業をローリスクでできる
  • 定年後も働ける

ただし、副業の目的に「収入を含めない」や「スキルアップのみ」とすることは、あまりおすすめしません。収入を含めないなら職業体験やボランティアでも達成できますし、スキルアップのみは単なる学習にすぎないからです。

一方で「収入と収入源が増える」は副業でしかできません。副業は収入を増やす効率的な手段であり、お金をいただく相手がいるからこそ、責任ある実践経験が積めるわけです。

そのため、副業の目的は「スキルアップしながら収入を得る」や「社会貢献しながら収入を得る」というように、収入をベースにしたハイブリッド型の目標が適しています。

メリット① スキルが獲得できる

本業の業務では好きなスキルを学べない

私は本業でプログラミングをしていましたが、新卒時のスキルは、大学で学んだプロダクトデザインくらいです。保有資格も初級シスアド(2009年廃止)と国内旅行業務取扱管理者のみで、即戦力としては不適格でした。

そのような人材が現場叩き上げでプログラミングのスキルを習得しても、場当たり的な経験しか得られません。それに私はプログラミングのスペシャリストになりたいわけではありませんでした。

私がやりたい仕事は「ウェブでユーザーに価値を提供する」ことであり、職種はウェブディレクターの類です。同時にマーケティングやライティングのスキルを併せ持つジェネラリストを目指していました。

それを実現する手段としては本業は頼りなく、プログラミング言語のVBScript、C#、SQLの知識を緩やかに獲得できるのみです。そこで私は副業で実務経験を重ねることにしました。そこで最初に試した副業はブロガーとアフィリエイトです。

副業ではスキルとキャリアを構築できる

両方ともマーケティングが必須であり、ブロガーでは読者が読みやすいライトな記事、アフィリエイトでは読者の購買意欲を高めるディープな記事と書き分けます。最終的には副業をした3年間で300記事以上を投稿しました。

もちろん、最初から良い記事は書けません。良い記事とは「読者の読む速度が読者の理解する速度が同じである」など、複数の定義がありますが、専門書を片手に書き続けることで、徐々に良い記事が書けるようになりました。

ここで大切なことはマーケティングやライティングのスキル1つでも、座学で終わらせるのではなく、世間の目にさらして反応を確かめることです。

そういう意味でブロガーやアフィリエイトの副業なら、マーケティングスキルが上達するほどPVが伸びて、ライティングスキルが向上するほど間接的に売り上げも増えるため、軌道修正しながらの学習ができます。

そして、この実績の積み重ねがキャリアです。学習して得たマーケティングスキルはスキルに留まりますが、最高で月間308万PVを達成した事実はキャリアになります。

中野
中野
意図的に実務経験を増やすなら副業が最適です。

メリット② 管理力が向上する

副業を始めた直後は、空き時間の確保が難しかったです。本業とプライベートの切り替えはできても、そこに第2の仕事を入れることでプライベートが崩れていきます。

私の場合は一時期副業にのめり込みすぎてしまい、生活リズムが不安定になりました。食事の時間がバラバラで栄養は偏り、睡眠時間も3~4時間だったことがあります。その結果、慢性的な疲れや胃部の不快感を発症、さらに顔中がニキビで荒れていきました。これは本業のパフォーマンスの低下につながります。

肌が休息に荒れていった

ここでようやく「働きすぎ」を自覚して、副業をセーブするようになりました。楽しく稼げる副業には中毒性があり、体調の悪化に鈍感になりがちです。

ただ、時間が足りなくなる根本原因は副業ではなく、自己管理能力の低さです。業務、時間、体調管理に加えて、精神をコントロールできていないから、本業と副業が両立できなくなります。

そのため、私のように自己管理能力が不足している人こそ、副業で自己管理能力を鍛えることがおすすめです。自己管理能力は実践でこそ向上します。本業では経験できない業務量やマルチタスクが副業にはあり、強制的に自己管理能力が成長していきます。

私も副業に慣れると、9時に青山で副業のお客さまと待ち合わせして、10時から通勤中に株価や銘柄をチェック、11時に天王洲アイルで本業をして、21時には自宅で副業をこなしていました。

中野
中野
きつい時期もありますが、意外と早く慣れます。

メリット③ 経験を再利用できる

一見すると関係のない副業も、意外なところで本業に役立ちます。ブロガーやアフィリエイトの副業では自分でサイトを制作していたため、HTMLとCSSによるコーディングスキルが急速に上達しました。

その結果、本業では裏側のプログラムやシステムではなく、表側のウェブデザインにも深く関われるようになります。

細かい事例としては、副業のアフィリエイトでユーザーの行動を促すCTA(行動喚起)の改善のために、何度もA/Bテストで改修を加えていました。その経験から本業のウェブシステムの課題を解決する定例会議でも、システム担当ながらUXに対して具体的な意見を述べ、課題解決につなげました。

副業で始めたせどり、ネットオークション、輸入ビジネスといったいわゆる転売も、同様に本業にメリットがあります。転売のコツである「仕入れて高く売る」ことはビジネスの基礎です。

そこでは「労働時間、交通費、仕入れ、梱包、業務委託、システム利用料、配送、返品、不良在庫」など、すべての労力と経費を計算して利益を出すため、常にコストパフォーマンスを意識できるようになりました。

本業でも与えられた仕事をこなすのではなく、その仕事の先にある売り上げへの貢献度、上司や同僚の労働時間や人件費、全業務における自分の業務の立ち位置など、経営全体を俯瞰する視野が広がります。

イラストレーターの副業では、自分でバナーを作る技術が上がっただけではなく、時間感覚がつかめました。イラスト制作にかかる時間の70%は「アイデアを出す」ことであり、作業時間は30%程度です。そのため、イラストを外注するときの適正予算や受注者の心情を理解できるようになりました。

講師業やコンサルティングの副業では、伝える力、聞く力、相手の理解度を汲み取るなどのコミュニケーション能力が向上します。例えば、私は「サイトで稼ぐ方法」などを1時間5000~1万円でレッスンしていました。また、人に教えることは自分をアップデートするきっかけにもなります。

中野
中野
ちなみに社外で稼げると、自分に自信も付きます。

企業が副業を認めるメリット

2018年9月に経団連の中西宏明会長が新卒一括採用に疑問を呈し、2018年10月には2021年入社の学生から「就活ルールを廃止する」と発表しました。2019年5月にはトヨタの豊田章男社長が「終身雇用は難しい」と発言しています。

今後は戦後の高度経済成長を支えた二枚看板である「年功序列」と「終身雇用」といった日本型雇用システムが崩れていくわけです。そのような背景から労働者の側では、給与を補填するために副業をする人が増えてきました。

しかし、企業側は副業解禁の流れを歓迎しているわけではありません。リクルートキャリアの2020年3月の調査レポートによると、副業OKな企業は30.9%。パーソル総合研究所の2020年3月時点の「年代別副業の潜在ニーズに関する意識調査」によると、副業OKな企業は30.8%のみでした。

ただ、社員自らがキャリアデザインを明確にして、自立を求める個人が多くなっていけば、企業もいつまでも消極的な姿勢ではいられなくなります。むしろ、従業員のために「副業ルールの制定」や「副業の研修制度」を整備することが求められるでしょう。ここで企業にとっての副業のメリットを再確認してみます。

副業による企業のメリット13選
  • 社員の収入が増える
  • 社員の個性や能力が伸びる
  • スキルとキャリアが形成できる
  • 教育研修費をコストカットできる
  • イノベーションを創出する
  • 起業家マインドを育成できる
  • 社員の時間管理力などが向上する
  • 従業員の働く意欲を高められる
  • 自社の企業イメージの向上になる
  • 人脈構築や事業創造に役立つ
  • 社会構造の変化に対応する
  • 外部の優秀な人材と連携する
  • 多様性が会社の発展に貢献する

一方、デメリットとしては「従業員が本業を疎かにする、長時間労働で本業に悪影響が出る、競合他社に人材が流れる」などがあります。2020年1月時点では労災保険や長時間労働のルールも副業には対応しきれていません。

ただし、副業は社員のプライベートを使います。これは時間の使い方に多様性をもたせることであり、その多様性を会社がコントロールすることに違和感を覚えます。従業員も同様で「信頼されていない」や「統制が窮屈である」と捉えるかもしれません。

中野
中野
副業禁止なら昇給という直接的な意見も聞かれます。

副業のデメリットはただ1つ

日常の空いた時間に副業をするなら、リスクはほぼありません。むしろ、収入が増えながら、プライベートにおける消費や浪費をする時間を減るため、2倍の節約効果も期待できます。

副業は本業とは別の仕事でありながら、本業に相乗効果があります。仕事の経験値が増える分、それだけ自己の成長スピードも早いです。本業があるがゆえに柔軟にその内容を変えて、挑戦や失敗を繰り返すこともできます。

一方で「長時間労働による健康管理、労災保険や雇用保険の適用範囲、同僚や家族の人への気遣い」には注意が必要です。ただし、これらは人生の針路が変更されるほどの懸念事項ではなく、副業の留意点になります。

副業のデメリットはただ1つだけです。

それは副業のせいで「本業に悪影響を及ぼす」ことです。副業を転職や起業のきっかけにしたり、複業やパラレルキャリアの道もありますが、基本的には副業とは本業ありきです。副業のせいで本業に迷惑をかけて、組織や上司から評価が下がってしまうと、元も子もありません。

特に本業の「信用確保・秘密保持・職務専念」は重要です。

信用確保とは「副業で本業の社名や名刺を使わず、社名を失墜させる行為をしない」こと、秘密保持とは「本業の社内情報や個人情報、取引先を流用しない」こと、職務専念とは「本業の時間に副業の仕事をしたり、副業による極端な疲労を本業に持ち越さない」ことです。

原則、副業する行為そのものは自己責任にあり、本業に悪影響を及ぼしたことで懲戒処分となった人もいます。

過去に私が副業の取材を受けたときは「副業はデザートである」と答えました。本業という主食がなくては、副業もおいしくありません。本業に物足りない部分を副業で補う意識が大切です。

中野
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本業を軸にして、副業のメリットを享受しましょう。
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著作・制作

中野貴利人
株式会社ネットピコ 代表
本業はベンチャー企業のマーケター。副業は26歳で法人化し現在16期目。5冊目の著書「自由にはたらく 副業アイデア事典」を上梓。メディア掲載実績は日経、読売、朝日新聞など150回以上。2児の父。

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