社会保険労務士の副業とは?在宅で1件1万~30万円の独占業務を請け負う
社会保険労務士は労働相談や労務管理のスペシャリストです。社労士はいわゆる「士業」の1つであり、社会保険の手続きと書類作成、給与計算、就業規則の作成などは、社労士だから請け負える独占業務です。
社会保険労務士の副業とは?
社会保険労務士の仕事内容は、社会保険や労働保険の手続き、給与計算、就業規則の作成に加えて、労働相談や労務管理に的確にアドバイスをします。
本業が社会保険労務士の場合、個人事業主や法人として中小企業からの委託を受ける人もいれば、会社員として企業の管理部や人事部に所属する人もいます。副業でも主に個人事業主のようにスポットで労務や人事の手続きをしますし、労働問題のトラブル相談や雇用関係のコンサルティングの仕事もあります。
また、社会保険労務士は国家資格かつ業務独占資格です。まずは社労士試験に合格しないと「社会保険労務士」を名乗ることはできません。
資格を持っている人のみが、独占的に行える業務のことで、例として医者や看護師のような職種が該当し、仮に無資格で業務を行うと処罰される。
社労士のみができる業務には「社会保険の手続き、労働保険の手続き、給与計算、社会保険料の計算、就業規則の作成」などがあります。
社労士業務は1件2000~5万円
社労士はアルバイトでも日給換算で1万~2万円がもらえます。例えば、社会保険労務士会が主催する無料相談のアルバイトは、一律日給2万円です。そこで月5日間働くと10万円の報酬が受け取れます。
2万円×5日=10万円
資格がなくてもできる仕事は世の中に数多くありますが、社会保険労務士は資格がないとできない業務が含まれるため、一般的な仕事に比べて報酬はかなり高額です。
さらに副業で独立開業した場合は、1企業に対して顧問料は月5万円程度、社会保険の手続きや書類作成があるたび、手数料として都度数万円の報酬が貰えます。社労士の報酬の相場は次の通りです。
業務内容 | 報酬 | 備考 |
---|---|---|
社会保険の手続き | 月1万円~ | 従業員数で変わる |
給与計算 | 1人月500円~ | 従業員数で変わる |
就業規則作成 | 一式5万~30万円 | 企業規模で変わる |
労務監査 | 1日5万円~ | 企業規模と監査範囲で変わる |
労働相談 | 1時間1万円~ | 相談内容の難度で変わる |
情報取得日 2024年10月時点
副業で社会保険労務士を始める手順
社会保険労務士の副業は「①社会保険労務士会経由で仕事を受ける、②自分でアルバイトを探す、③独立開業する」の3パターンがあります。
社会保険労務士会経由で仕事を受ける
社会保険労務士のアルバイトで手っ取り早く稼ぐ方法は、所属する社会保険労務士会が募集するアルバイトに応募することです。
社会保険労務士会では労働問題や中小企業向けなど、無料相談会のイベントを主催しています。行政が主催する無料相談会の依頼が、社会保険労務士会を通してくることもあります。
社会保険労務士会主催のイベントは週1、月1のように開催頻度が高く、土日開催もよくあります。行政が主催する相談会は平日が多いです。日当は経験にかかわらず一律2万円です。
これらの仕事は新米の社会保険労務士が勉強や顧客開拓のために出席することも多いです。ちなみに社会保険労務士会のアルバイトは、所属する支部を通じて募集されるため、名簿に登録をしていないと応募できません。
自分でアルバイトを探す
ハローワークや協会けんぽが社会保険労務士会を通さずに、就職指導や相談会といったイベントの人員を直接募集するようなケースもあります。相談業務は社会保険労務士会に登録していなくても、資格があれば問題ありません。
この場合、時給1000~1500円と少し安くなりますが、社会保険労務士会への登録費用や年会費を払わずに済む点がメリットです。
他にも社会保険労務士事務所でパート勤務する働き方もできます。資格保有者は時給も好条件であり、実績を得るためにパートとで働く人も多いです。その場合は1日5時間程度の短時間勤務や週2日程度の募集もあります。
独立開業する
社会保険労務士は難関資格で、企業を相手にするため報酬が高いです。そのため、独立開業ではアルバイトの比ではない金額を稼ぐこともできます。
社会保険労務士の報酬は、以前は各都道府県の業務内容に応じて報酬基準が設けられていましたが、2003年の社会保険労務士法の改正によって、この報酬基準は廃止され、現在では自由に報酬を決められます。
例えば、社員20人程度の企業であれば、顧問報酬月額5万円、各種諸届代行4万円、新規雇用手続き8万円程度が相場になっています。これは以前の報酬基準をベースに金額を決めていますが、それ以上やそれ以下でも構いません。
仮に複数の企業と契約すれば、顧問報酬のみでも月額で数十万円を稼ぐことができるでしょう。
ただし、一般的な会社員が副業で社会保険労務士事務所を開業することは、難しいかもしれません。顧客の開拓や営業、役所への手続き代行など、すべてが平日の日中をメインにする仕事が多く、副業で週数日しか働けないようでは事務所を運営することが困難だからです。
本業が平日休みや夜間の仕事で平日の日中に動ける、さらに顧客の当てがすでにあったり、仕事受注の目処が立たない限りは、社会保険労務士会のアルバイトで副業するほうが効率てきです。
もしくは「労働問題ならおまかせ」や「IT業界に強い」など、その分野に特化したアピールポイントを見つけて、地道に顧客を獲得してきましょう。
社労士の資格を取るまでの流れ
資格を取得する
試験は年に1回、8月に行われます。申し込みは毎年4月中旬~5月下旬で、受験手数料は9000円がかかります。受験資格は学歴、職歴、資格のいずれか1つの条件を満たす必要があります。
- 大学、短期大学、専門職大学、専門職短期大学、もしくは高等専門学校を卒業した者、もしくはそれと同等の学歴を持つ者
- 労働社会保険に関わる仕事に3年以上従事した者
- 行政書士や司法試験など、厚生労働大臣が認めた国家試験に合格した者
ここでは簡単に記載しましたが、受験資格の詳細は社会保険労務士試験オフィシャルサイトに記載されています。
試験内容は労働基準法や労働安全衛生法などの8科目があります。試験は1日ですべて行われ、午前中に選択式(1時間20分)、午後に択一式(3時間30分)を受験するスタイルです。
社会保険労務士試験は出題範囲が広く、試験時間が長い上に問題数が多く、スピードも要求され、相対評価でその年によって合格基準がぶれることから、難関国家資格として知られています。
事務指定講習を受講する(実務経験2年未満)
社会保険労務士を名乗るためには、全国社会保険労務士連合会の社会保険労務士名簿に登録します。ただ、労働社会保険に関わる実務経験が2年未満の人は事務指定講習を受講し、修了することが義務付けられています。
試験合格後にこの講習を受講するまでの期限はありません。しかし、年1回しか開講されないため、タイミングを逃さないようにしましょう。申し込みは前年の11月中旬~12月上旬、講習期間は4カ月間の通信課程が2月~5月末日、4日間の面接指導が7~9月に実施されます。
また、すでに実務経験が2年以上あれば、この講習はなしで試験合格後すぐに社会保険労務士名簿に登録できます。
社会保険労務士名簿に登録する
社会保険労務士名簿の登録には、登録免許税が3万円、手数料が3万円、入所予定の社労士会へ支払う入会金が3万~8万円、別途年会費などが数万円かかります。
つまり、社会保険労務士名簿への登録には少なくとも10万円が必要なため、一旦登録せずに社会保険労務士法に抵触しない業務のみを続ける人もいます。その後、条件を満たしていればいつでも登録そのものはできるため、必要に応じて登録します。
デメリットは資格の難度が高いこと
社会保険労務士は試験合格のための参考書や専門学校などの学習コストに数万円、名簿登録に10万円程度、合格後も数万円の年会費などと、決して安くない費用がかかる点がネックです。
安易に「資格さえ取れたら副業で稼げる」と考えていては、蓋を開けてみた途端「支払った費用分も稼ぐことができない」という事態になりかねません。
試験合格率が5~8%という難関資格ながら、資格だけでは大きな収入につなげにくいことも留意点です。
独立開業では営業して顧客を見つけなければなりませんし、実際に開業した社会保険労務士からは「なかなか仕事が請け負えない」や「想像していた収入は得られない」という声も聞かれます。
また、法律は社会情勢など状況に応じて日々改正されます。1度資格が取れても、新しい情報をチェックし続けて、常に勉強しないと業務に差し支えることも想定しておきましょう。
社会保険労務士の副業まとめ
総合 | 3.4 |
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評価 | |
収入 | 1件2000~5万円 |
時間 | 4~8時間 |
特徴 |
スキマ
深夜OK
土日有利
期間限定
初心者
スキル
資格有利
趣味併用
週末起業
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