金貨投資とは?1枚2万~20万円で金貨を買うメリットとデメリット
金貨投資とは?
収集型金貨(記念金貨)
収集型金貨はそれぞれの国の造幣局が、記念行事をお祝いして発行する金貨のことです。例えば「皇太子殿下ご成婚記念5万円金貨」や「長野五輪冬季大会記念1万円金貨」など、日本国だけでも約10種類が発行されています。
海外では「アルベールビル五輪冬季大会記念金貨」や「ソウルオリンピック開催記念5万ウォン金貨」など、数十種類が存在します。
これらは流通量が極端に少ないために、額面よりも高い価格で売買されることが特徴です。例えば「皇陛下御即位記念10万円金貨」であれば、2024年10月時点で12万~15万円程度で購入できます。
ただ、最初にコレクターが集めてしまうからこそ「収集型金貨」と呼ばれており、決して投資には向いていません。先ほどの「皇陛下御即位記念10万円金貨」を入手しても、額面では10万円の価値が不動であり、利益を出すとしたら他のコレクターに少しだけ高値で売るくらいです。
実際にはコイン1枚に純金が30g使われていますので、2024年10月時点の1gあたりの金価格約6000円に照らし合わせると「30g×6000円=18万円」の商品価値があります。
つまり、純金の素材価格が額面や市場価格よりも高いので、収集型金貨を溶かして単なる金塊にしてしまえば、確実に利益が出るわけですが、日本国憲法で「貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶしてはならない」と定められていますので、それもできずに結局は収集型金貨として存在し続けるしかありません。
地金型金貨(投資金貨)
一般投資家は投資金貨である「地金型金貨」を売買します。地金型金貨はこちらも世界各国の造幣局が発行していますが、収集型金貨とは異なり大量に製造して、世界中で広く流通しています。
サイズは1/10トロイオンス、1/4トロイオンス、1/2トロイオンス、1トロイオンスと4種類があり、1枚単位でも売買できます。そのため、ゴールドに少額投資したい人には最適な方法とも言えます。
また、地金型金貨はそのデザインの美しさから、特にヨーロッパでは家族の誕生日や記念日に贈ったり、アクセサリの一部として使用する人も少なくありません。小分けに保存しておいて、将来の財産分与をスムーズする目的で購入する人もいます。
金価格上昇で人気の地金型金貨13点
世界で認められている地金型金貨は主に13種類、地金型プラチナ貨は主に2種類があります。いずれも発行元は各国の造幣局であり、表面に刻印された額面が法定通貨としても通用する金額です。
金貨は不景気に非常に強く、過去にも金融危機や株安が起こるたびに、資金が安全資産である純金に流れて、金価格が上がっています。プラチナは好景気に強く、自動車などプラチナが使われている工業製品の売れ行きが伸びるほど、需要の高まりからプラチナ価格も上昇します。
名称 | 特徴 |
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ウィーン金貨 |
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メープルリーフ金貨 |
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カンガルー金貨 |
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コアラ金貨 |
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アメリカンイーグル金貨 |
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インディアン金貨 |
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バッファロー金貨 |
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ブリタニア金貨 |
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ソブリン金貨 |
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ナポレオン金貨 |
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パンダ金貨 |
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中国十二支金貨 |
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クルーガーランド金貨 |
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名称 | 特徴 |
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プラチナメイプルリーフ |
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プラチナイーグル |
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金貨が買える大手5社の価格を比較
地金型金貨にはプレミアムなどのデメリットも存在しますが、数千円から実物の純金を手に入れられるため、毎月や毎年コツコツと小口で購入し続けることで、価格変動リスクが分散できます。
その場合、投資対象となる地金型金貨はウィーン金貨、メープルリーフ金貨、カンガルー金貨の3種類、地金型プラチナ貨はプラチナメイプルリーフとプラチナイーグルの2種類が対象です。
それ以外の金貨は日本における流通量が少ないために、売買しにくいです。世界的には米国のバッファロー金貨でもOKですし、日本でも市場価値は変わりません。ちなみに日本では国産の地金型金貨は発行していません。
日本で広く流通しているウィーン金貨、メープルリーフ金貨、カンガルー金貨はすべて24K製、プラチナメイプルリーフとプラチナイーグルの地金型プラチナ貨はすべて最高純度である99.95%です。
地金型金貨には24K製と22K製の2種類の純度があり、21.6K製なども存在します。24Kは純度99.999%であり、ゴールド本来の唯一無二の輝きが存在します。その反面、硬さに難があって、損傷リスクが少し高いです。
22K製は純金と銅を混ぜた合金であり、硬度が高くて保存しやすいです。この違いで価格差も発生しますが、純金1gに対する損得は気にならない程度ですので、あとは個人の好みの問題になります。
これらは日本国内では貴金属店、百貨店、金券ショップ、鉱山会社直営店、金融機関などで購入できます。意外と金貨を扱う販売店は多いです。
ただし、純金に近い重さのタングステンを金貨のベースにして、周りのみを金メッキで覆う偽物を置いていたり、特に騙そうという意図がないにも関わらず、小売価格が通常の2~3倍の販売店もあります。
そのため、できたらメジャーブランドの販売店で購入しましょう。その際も取扱店ごとに販売価格が異なるために比較が必要です。以下は主要販売店におけるウィーン金貨の販売価格リストになります。
社名 | 1oz | 1/2oz | 1/4oz |
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石福金属興業 | 21万1091円 | 10万7556円 | 5万5644円 |
徳力本店 | 21万1091円 | 10万7555円 | 5万5643円 |
田中貴金属工業 | 21万1091円 | 10万7556円 | 5万5643円 |
三菱マテリアル | 21万1086円 | 10万7552円 | 5万5641円 |
楽天市場 | 23万0600円 | 12万2200円 | 6万4850円 |
情報取得日 2024年10月時点
金貨の決済方法は実店舗にて現金払いです。ただ、一部の販売店では銀行振込やカード決済も扱っており、居住地が遠方である場合は配送してくれるところもあります。
金貨のメリット8選
- 年会費や購入手数料がかかりません。
- 地金型金貨は1/10トロイオンス(約2.8345g)から購入できます。
- 少額投資ができるため、ドルコスト平均法が使えます。
- 金価格が下がっているときは長期的なリターンを得られやすいです。
- 地金型金貨は市場の金価格と連動していて、投資に向いています。
- 地金型金貨は世界的な経済危機になったときに、価値が上がります。
- 地金型金貨は株や債券のように紙くずになる心配がありません。
- 5年以上を保有すると、利益に対する税金が最大50%引かれます。
金貨のメリットは売買単価が手頃なため、少しずつ購入できることです。売却するときに通常の金価格より高い金額で売れる可能性もあって、欧米では子供たちが成人したときにまとめてプレゼントをする習慣もあります。
金貨のデメリット10選
- 同じ重さのゴールドバーよりも割高で取引されています。
- 精巧なデザインのため、加工費が価格に上乗せされます。
- そのデザインが傷つくと、付加価値が下がってしまいます。
- 購入時に買値と売値の価格差であるスプレッドが発生します。
- 盗難されるリスクに備えて、管理や保管は厳重にします。
- 購入金額が高額の場合、価格変動による損失と伴います。
- 世界規模の景気回復で金価格が下がってしまうことがあります。
- 日本円で購入した地金型金貨は円高で売却価格が下がります。
- 預貯金や株式投資と違い、利子や配当がまったく付きません。
- 地金型金貨の売却で得た利益は所得となり、課税されます。
地金型金貨に潜む最大のデメリットは加工料です。地金型金貨はその美しいデザインですが、その分「プレミアム」と呼ばれる加工料が売買価格に含まれています。つまり、純粋なゴールドとしての価値より割高です。
地金型金貨におけるプレミアムの水準は、1トロイオンスで+5%、1/2トロイオンスで+7%、1/4トロイオンスで+9%、1/10トロイオンスで+11%が相場であり、軽い金貨ほどプレミアムが大きくなっています。
そのため、購入するなら価格に占めるプレミアム比率が低い、1トロイオンスと1/2トロイオンスの地金型金貨です。
もう1点、純金でできた金貨は傷が付きやすく、傷が付いてしまうと価値が下がってしまうため、保管には慎重さが求められます。仮に手持ちの地金型金貨が損傷してしまった場合、プレミアム分の価値がなくなってしまいます。
例えば、1トロイオンスのウィーン金貨は2024年10月時点のプレミアムありで約21万円でしたが、プレミアムなしでは約20万円にまで下がります。
金貨投資のまとめ
総合 | 3.2 |
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評価 | |
収入 | 投資額の-50~500% |
時間 | 1年~ |
特徴 |
スキマ
深夜OK
土日有利
期間限定
初心者
スキル
資格有利
趣味併用
週末起業
元手0円
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価格帯1枚2万~20万円前後(2024年10月時点)
収益性生産コストが割高
安全性一括購入リスクあり