日本人の平均貯蓄額は1139万円!20・30・40代や都道府県別で大きな差あり
日本人の平均貯蓄額は1139万円※1。ただし、この平均値は高額資産を保有している世帯によって、底上げされています。そのため、全世帯の貯蓄額を順番に並べたとき、真ん中を意味する中央値のほうが実態に近いです。2019年の調査によると、貯蓄額の中央値は419万円でした。
※1 金融広報中央委員会(2019年)「家計の金融行動に関する世論調査」
- 貯蓄額の平均値は1139万円
- 貯蓄額の中央値は419万円
- 貯蓄額の人口分布は100万円未満が5.1%
- 貯蓄額の世代別割合は20代が22.9%
- 貯蓄の種類は現金が42.8%
- 都道府県別の平均年収・平均貯蓄・平均負債
- 会社員が貯蓄を増やす7つの手順
貯蓄額の平均値は1139万円
1人暮らしの人の平均貯蓄額は645万円、2人以上で住んでいる世帯の平均貯蓄額は1139万円です。年齢別では若い世代ほど貯金が少なく、50代や60代になると1000万円を超えていくことがわかります。
年齢 | 単身世帯 | 2人以上世帯 |
---|---|---|
全年齢 | 645万円 | 1139万円 |
20代 | 106万円 | 165万円 |
30代 | 359万円 | 529万円 |
40代 | 564万円 | 694万円 |
50代 | 926万円 | 1194万円 |
60代 | 1335万円 | 1635万円 |
70代以上 | - | 1314万円 |
金融広報中央委員会(2019年)「家計の金融行動に関する世論調査」
貯蓄額の中央値は419万円
平均値は実態を反映していません。例えば「貯蓄0円=3人、貯蓄50万円=3人、貯蓄100万円=3人」がいたとき、9人の平均貯蓄額は50万円ですが、そこに貯蓄1億円の社長が1人加わっただけで、10人の平均貯蓄額は1045万円に跳ね上がってしまいます。
統計上でも3000万円以上の金融資産を保有している人が8.9%もいるため、平均は割高になりがちです。
そのため、世代別の平均貯蓄額では中央値を参照しましょう。すべての数値を順番に並べたときに真ん中に来る中央値のほうが、一般的かつ平均的な貯蓄額に近い数値を表しています。
1人暮らしの人における貯蓄額の中央値は45万円、2人以上で住んでいる世帯における貯蓄額の中央値は419万円でした。年齢別では例えば、1人暮らしの20代の貯蓄額は5万円しかないことがわかります。
年齢 | 単身世帯 | 2人以上世帯 |
---|---|---|
全年齢 | 45万円 | 419万円 |
20代 | 5万円 | 71万円 |
30代 | 77万円 | 240万円 |
40代 | 50万円 | 365万円 |
50代 | 54万円 | 600万円 |
60代 | 300万円 | 650万円 |
70代以上 | - | 460万円 |
金融広報中央委員会(2019年)「家計の金融行動に関する世論調査」
貯蓄額の人口分布は100万円未満が5.1%
単身世帯では貯蓄額0円が38%、2人以上世帯でも貯蓄額0円が23.6%で最多でした。貯蓄額0円を除くと、100万円未満が単身で16.4%、2人以上世帯で5.1%もいます。
貯蓄額 | 単身世帯 | 2人以上世帯 |
---|---|---|
0円 | 38% | 23.6% |
1万~99万円 | 16.4% | 5.1% |
100万~199万円 | 7.8% | 5.3% |
200万~299万円 | 4.4% | 5.2% |
300万~399万円 | 3.7% | 4.5% |
400万~499万円 | 2.4% | 3.3% |
500万~699万円 | 4.2% | 6.8% |
700万~999万円 | 4.2% | 7.2% |
1000万~1499万円 | 5.1% | 8.9% |
1500万~1999万円 | 2.5% | 5.8% |
2000万~2999万円 | 3.1% | 6.6% |
3000万~ | 5.4% | 8.9% |
無回答 | 2.8% | 8.9% |
金融広報中央委員会(2019年)「家計の金融行動に関する世論調査」
2人以上で住んでいる世帯の平均貯蓄額は1139万円でしたが、実際に貯蓄額が1000万円以上ある割合は30%弱です。つまり、一部の高貯蓄者によって平均値が底上げされていることがわかります。
また、20代は貯蓄500万円未満が81.3%、貯蓄500万円以上が10.5%、30代は貯蓄500万円未満が59.8%、貯蓄500万円以上が31%、40代は貯蓄500万円未満が49.5%、貯蓄500万円以上が39.2%でした。年齢が上がるにつれて、貯蓄額は増えていくことがわかります。
貯蓄額の世代別割合は20代が22.9%
1人暮らしの人で貯蓄0円の割合は38%、2人以上で住んでいる世帯で貯蓄0円の割合は23.6%でした。若い人ほど貯蓄が少ない傾向がありながら、2人以上世帯では年齢で差は見られず、貯蓄できる人とできない人で二極化していることがわかります。
年齢 | 単身世帯 | 2人以上世帯 |
---|---|---|
全年齢 | 38% | 23.6% |
20代 | 45.2% | 22.9% |
30代 | 36.5% | 15.8% |
40代 | 40.5% | 18.7% |
50代 | 37.2% | 21.8% |
60代 | 29.8% | 23.7% |
70代以上 | - | 31.1% |
金融広報中央委員会(2019年)「家計の金融行動に関する世論調査」
20代の単身世帯は貯蓄0円が45.2%もいて、ほぼ半数が当月に給与を使い切っています。貯蓄ありでも少額がほとんどで、貯蓄300万円未満が42.6%を占めていました。つまり、万が一の備えに必要とされる「1年分の年収」に届かない人が「45.2%+42.6%=87.8%」に達しています。
金融広報中央委員会(2019年)「家計の金融行動に関する世論調査」
60代の2人以上世帯では貯蓄0円が23.7%、貯蓄1~299万円も10.7%に減少し、貯蓄300万円以上が57.8%に増えました。しかし、60代は老後が差し迫っており、働ける期間は残り数年しかありません。その中で老後資金2000万円に届いている人は24.5%のみです。
金融広報中央委員会(2019年)「家計の金融行動に関する世論調査」
貯蓄の種類は現金が42.8%
貯蓄額は預貯金と金融商品に分類できます。平均貯蓄額1139万円のうち、現金は487万円で42.8%、株式は120万円で10.5%、生命保険は265万円で23.3%を占めていました。
金融商品 | 金額 | 割合 |
---|---|---|
全金融資産 | 1139万円 | 100% |
現金 | 487万円 | 42.8% |
株式 | 120万円 | 10.5% |
投資信託 | 76万円 | 6.7% |
債券 | 29万円 | 2.5% |
生命保険 | 265万円 | 23.3% |
個人年金保険 | 83万円 | 7.3% |
その他 | 80万円 | 7% |
金融広報中央委員会(2019年)「家計の金融行動に関する世論調査」
ちなみに預金、貯金、貯蓄の違いについては、預金は「金融機関に預けているいる現金」、貯金は「預金+自宅などにある現金」であり、貯蓄は「貯金+株式や債券などの金融商品」を意味しています。
都道府県別の平均年収・平均貯蓄・平均負債
貯蓄が1000万円あっても、負債が5000万円ある人もいて、貯蓄額のみでは家計に余裕があるかはわかりません。そこで都道府県別に1世帯あたりの平均年収、貯蓄、負債に加え、貯蓄から負債を引いた純貯蓄額をまとめました。
都道府県 | 年収 | 貯蓄 | 負債 | 純貯蓄 |
---|---|---|---|---|
全国 | 706万 | 1179万 | 700万 | 479万 |
北海道 | 639万 | 841万 | 587万 | 254万 |
青森 | 571万 | 643万 | 564万 | 78万 |
岩手 | 663万 | 950万 | 559万 | 390万 |
宮城 | 668万 | 940万 | 588万 | 352万 |
秋田 | 669万 | 856万 | 610万 | 246万 |
山形 | 724万 | 946万 | 629万 | 317万 |
福島 | 681万 | 1013万 | 647万 | 366万 |
茨城 | 732万 | 1196万 | 625万 | 571万 |
栃木 | 735万 | 1206万 | 713万 | 493万 |
群馬 | 678万 | 993万 | 681万 | 312万 |
埼玉 | 736万 | 1254万 | 825万 | 430万 |
千葉 | 750万 | 1333万 | 795万 | 538万 |
東京 | 814万 | 1418万 | 947万 | 471万 |
神奈川 | 765万 | 1402万 | 883万 | 519万 |
新潟 | 697万 | 1130万 | 663万 | 467万 |
富山 | 746万 | 1416万 | 520万 | 896万 |
石川 | 736万 | 1220万 | 557万 | 664万 |
福井 | 776万 | 1602万 | 594万 | 1008万 |
山梨 | 717万 | 1131万 | 515万 | 616万 |
長野 | 681万 | 1157万 | 573万 | 584万 |
岐阜 | 709万 | 1392万 | 562万 | 830万 |
静岡 | 731万 | 1230万 | 735万 | 495万 |
愛知 | 747万 | 1428万 | 703万 | 726万 |
三重 | 715万 | 1337万 | 681万 | 655万 |
滋賀 | 742万 | 1373万 | 751万 | 621万 |
京都 | 678万 | 1149万 | 718万 | 430万 |
大阪 | 656万 | 1032万 | 740万 | 292万 |
兵庫 | 707万 | 1245万 | 676万 | 569万 |
奈良 | 692万 | 1286万 | 654万 | 632万 |
和歌山 | 617万 | 1002万 | 613万 | 389万 |
鳥取 | 683万 | 1198万 | 527万 | 671万 |
島根 | 699万 | 1377万 | 406万 | 971万 |
岡山 | 657万 | 1176万 | 637万 | 539万 |
広島 | 679万 | 1202万 | 568万 | 634万 |
山口 | 676万 | 1284万 | 514万 | 770万 |
徳島 | 721万 | 1133万 | 486万 | 646万 |
香川 | 713万 | 1438万 | 486万 | 952万 |
愛媛 | 614万 | 971万 | 548万 | 423万 |
高知 | 641万 | 877万 | 445万 | 432万 |
福岡 | 642万 | 929万 | 502万 | 427万 |
佐賀 | 644万 | 888万 | 501万 | 387万 |
長崎 | 615万 | 848万 | 379万 | 469万 |
熊本 | 643万 | 858万 | 750万 | 109万 |
大分 | 594万 | 813万 | 461万 | 351万 |
宮崎 | 588万 | 845万 | 517万 | 329万 |
鹿児島 | 583万 | 695万 | 660万 | 35万 |
沖縄 | 495万 | 410万 | 604万 | -194万 |
会社員が貯蓄を増やす7つの手順
日本人の平均年収は1997年の467万円から下がり続けて、10年後の2007年は437万円になりました。さらに2009年はリーマンショック後で406万円、2011年は東日本大震災で409万円となり、低い収入が続きます。
その後、2016年は422万円、2017年は432万円、2018年は441万円と徐々に回復傾向にありながら、400万円前半の停滞からは抜け出せません。
さらに日本政府には1000兆円以上の借金がある上、人口減と少子高齢化によって社会保障費の負担が重くなり、予算が確保できません。そのため、徐々に健康保険料や厚生年金保険料が上がっている状態です。
仮に現役世代の給与が上がったとしても、高齢者世代より手取り額が少なくなります。年収500万円の人の手取り額を2002年と2017年で比べると、約35万円も減りました。ここからもっと下がっていきます。
すでに可処分所得が減ったことに対して、人生設計に不安を覚える人が増加中です。内閣府の2014年の「人口、経済社会等の日本の将来像に関する世論調査」によると、将来に「不安を感じる」と答えた人は69%もいました。
内閣府(2014年)「人口、経済社会等の日本の将来像に関する世論調査」
ただ、その不安は副業で解決できるかもしれません。私たちがお金で不安を覚えたなら、その解決策は明確で「本業、転職、投資、副業、起業」などで収入を増やすことです。
そこで次の「会社員が貯蓄を増やす7つの手順」が役立ちます。その中でも副業は空き時間をお金に換える効率的な方法であり、同時にスキルやキャリアが蓄積されます。基本的にリスクもありません。
危機や不況を意識する
景気のサイクルは31~86カ月であり、平均50カ月です。日本経済が不況を脱しても50カ月以内に、再度不況を経験します。会社勤めを45年間続けるなら「45年間÷50カ月=10.8セット」の好不況を交互に体感するでしょう。
仮にあなたが30代であれば、少なくともあと2~3回は不況を体験します。また、好況であっても収入が上がるとは限りませんし、リーマンショックのような大不況が起こると、ダメージは長期間続きます。
このような危機を意識をすることで、早めに副業の必要性に気づくことが大切です。特に50代や60代になると体力が衰えて、悪い意味で落ち着く人が増えます。年齢に関係なく、貪欲さがあるうちに副業に挑戦してみましょう。
本業にやりがいを見いだす
本業に全力で挑んでも、見返りは期待できないかもしれません。ただ、その頑張りを上司や同僚は見抜いていて、徐々に「成果が認められる、人間関係が改善される、成果を期待される、チャンスが巡ってくる、良い成果が出す」と正のスパイラルができることがあります。
その結果、本業の収入が増えるようになります。例えば「賞与がアップする、残業代が自然と増える、昇給に反映される、長年の実績で昇格する」などです。本業にやりがいを見いだすことは無駄にはなりません。
ただし、本業が派遣労働やアルバイトの人はワーキングプアに陥るために除きます。派遣労働は収入が途絶えたり、給与もほぼ上がらないですし、フリーターは低い時給で単純作業を繰り返し、将来性がないからです。
転職を検討する
本業の給与は生活費の原資であり、副業より重要であることは間違いありません。しかし「①長時間労働、②高年齢化、③副業禁止」にあなたの会社が当てはまるほど、本業の変え時と考えられます。
①長時間労働が是正されず、睡眠不足や慢性疲労になり、さらにその代償が十分でない場合は、いわゆる社畜と化してしまいます。今よりも待遇や労働条件の良い会社は溢れていますので、すぐに転職をしましょう。
②高年齢化した会社では、40代の非氷河期組や50~60代のバブル入社組が詰まっています。彼らの一部は生産性が極端に低いですが、それなりのポジションに居座っているため、若い世代は昇給や出世が期待できません。
③副業禁止の企業は減少傾向にあり、大企業や公務員も認め始めています。この柔軟な働き方が求められる時代において、いまだに副業禁止などという社員のプライベートに干渉する企業では、時代に取り残されます。
貯蓄の貯め時を理解する
貯蓄は手取りの10~30%を毎月確保できることが望ましいですが、結婚、出産、住宅購入のほか、病気や介護など突発的な事由によって支出が安定せず、常にその割合で貯められるわけではありません。
ただ、結婚前の独身期と出産前の共働き期は、本人や親の年齢が若いために病気のリスクが低く、子供もいないことで支出も限定的であるため、貯め時です。20~30代は先を見据えた貯蓄を考えましょう。
第1目標は100万円として貯蓄を習慣化し、第2目標は年収1年分として不測の事態に備えます。第3目標は子供や老後など用途別に設定します。同時に投資でお金にお金を稼いでもらいます。投資の中でおすすめは投資積立です。
家計の支出を把握する
副収入を得ても支出が増えたらお金は貯まりません。節約のためにもまずは支出の平均額と自分の支出額を把握します。総務省の2017年の「家計調査年報」によると、2人以上の勤労者世帯の支出は平均28.3万円でした。
食費は7.3万円、住居は1.7万円、水道光熱費は2.2万円、家具・家事は1.1万円、被服類は1.1万円、保健医療は1.3万円、交通・通信は3.9万円、教育は2.8万円、その他は5.9万円です。住居が低い理由は持ち家の人の住宅ローン分が含まれていないためです。
次に自分の支出額を記録するためには、支出をカード払いに集中することが有効です。現金はお金を使った感覚が得られますが、記録漏れが発生しやすく、現金の引き出しと支出の記録付けのために時間を消費します。
カード払いならスマホアプリと連携することで自動で仕分けされて、記録漏れがなくなり、後払いによって支払いを一括で見直す行為が習慣化されます。さらにポイントも貯まってかなりお得です。
同居や副業で節約する
支出を把握することで、ようやく節約が実践できます。節約術の中では同居と副業は効果大です。月5万円の家賃を支払っていた人同士が同棲や結婚をしても、家賃は月10万円にはならず、1.5倍程度の7万~8万円で収まります。
1人暮らしをやめて親と同居したり、ルームシェアで4人で暮らすように、住居費は複数で割ると圧倒的に節約できるわけです。同時に食費や水道光熱費の節約も含めて、2人で月5万円節約できたら年60万円は追加で貯まります。
また、副業をすることで自然と支出が減ります。副業という労働行為によって収入が増えますが、同時にお金を使う時間や機会を奪うために、加速度的に貯金ができる究極の節約術になります。
副業で長期的にお金を稼ぐ
ランチ代を500円節約しても、月20日勤務で1カ月1万円しか浮きません。支出を減らす行動には限界があり、いずれパンクします。それが副業なら過去のアンケートでも副収入は平均4万円を超えており、我慢してランチ代の4倍以上になっています。
副業は「本業で叶わない仕事内容ややりがいを求めたい、転職するほどではないけれど収入を増やしたい、いきなり起業ではなく週末に試したい」という人にも最適な方法です。副業による努力は長期的にも役立ちます。
また、副収入が確保できるようになると、残業代や賞与があまり気にならなくなり、収入減によるストレスから開放されます。上司の顔色や査定を気にすることなく、本業で積極的な行動が取れるようになった人もいます。