金融OLがパーソナルスタイリストに変身!顧客ゼロから副業月収20万円にした秘訣

中野貴利人
監修中野貴利人
2020/10/10 更新

金融OLがパーソナルスタイリストに変身!顧客ゼロから副業月収20万円にした秘訣

新卒で金融関係の会社に就職したものの「お洋服に関わる仕事がしたい」という夢が諦めきれず、アパレル業界に転向。本業の会社員と並行して始めたのが、パーソナルスタイリストという副業でした。

副業期間は約4年。副業で月収20万円を超えたのをきっかけに2017年に独立。現在はスタイリストのほか、スクール運営や起業コンサルタントとして、スタイリストを目指す人たちの育成も行っています。

副業スタイリストという仕事をどのように軌道にのせたのか、その秘密に迫ります。

金融OLからパーソナルスタイリストへ
プロ
副業
2020/10/08
勅使河原祐子さん
40代 女性 千葉県
パーソナルスタイリスト歴7年

金融会社に就職した後、アパレル業界に転職。日系・外資系問わず様々な企業やブランドでファッションに触れ、2013年にパーソナルスタイリストとして副業開始。女性がより自分らしく輝けるファッションを提案している。現在はスクール運営、イベント出演、ラジオ出演など、ファッションの楽しさを伝えるため幅広く活躍中。

勅使河原さんのブログ「働く女性のファッションアドバイス」

  1. パーソナルスタイリストの副業を始めたきっかけ
  2. 4年間かけて副業で月収20万円に
  3. パーソナルスタイリストのサービスの流れ
  4. 初期費用と必須アイテム
  5. リピーターがつく発信の仕方
  6. パーソナルスタイリストのメリット・デメリット

パーソナルスタイリストの副業を始めたきっかけ

パーソナルスタイリストとして活動する勅使河原さん

パーソナルスタイリストとして活動する勅使河原さんが、ファッションの素晴らしさに気づいたのは小学3年生の頃。家族でアメリカに引っ越したことがきっかけでした。

「私は内向的で、人と話すのが苦手な子供でした。アメリカの学校に転入するも、案の定友達もできず、孤立した日々を過ごしていました」

登校するのが本当に嫌だったという勅使河原さんはあるとき、「それならせめて、自分の好きな服を着よう」と、一番お気に入りの服で登校することに。すると、思いがけない反応が...。

「TPOもまったく考えず、ドレスみたいな服を着て登校したんです。そうしたら周りの子たちから『その服、すごくいいね!』と言ってもらえて、そこから一気に仲良くなれました。ファッションは言葉を超えてコミュニケーションができるツールなんだということを、子供心に感じました」

その出来事をきっかけに、「いつかファッションのお仕事に携われたら」と夢見るようになったといいます。

大学卒業後、一度は金融会社に就職したものの、ファッションへの情熱が捨てきれず1年半で退職。ユナイテッドアローズにアルバイトとして入ります。その後、海外ブランド、アウトドアブランド、外資系シューズブランドなど、ファッション業界を渡り歩きつつ、仕事の傍らパターンやソーイングを学ぶ専門学校にも通うなど、ファッション漬けの日々を送っていたという勅使河原さん。

「ファッションが好きだけど、何が自分に一番向いているのかわからなかったので、とにかく色々なことにチャレンジしていました。専門学校の先生に『あなたはパターンに向いてない』とはっきり言われたこともありました(笑)。ただ、行動したことで、段々と自分にできること・できないことがわかってきたと思います」

ファッションの修行期間はなんと20年!そして2013年、勅使河原さんはついに、スタイリストとして副業をスタートさせます。

4年間かけて副業で月収20万円に

スタイリストとして副業をスタート

最初はモニター価格として2時間5000円でスタートしましたが、半年ほどして、料金を1時間1万円に値上げします。

「パーソナルスタイリストは、お客様と会っているときだけが仕事ではありません。お客様の希望を加味して、数あるブランドから最適なスタイルを探すので、結構時間がかかります。それを加味して値上げをしました」

SNSを使って集客しながら、ブログやメルマガで発信活動も行い、悪戦苦闘しながら、徐々に顧客を掴んでいったといいます。

本業と副業を両立させる生活を続けること4年。副業終盤期には、土日はほとんど予約で埋まり、半分以上はリピーターになるほどに。そしてついに、副業の収入が20万円を超えたとき、勅使河原さんは会社を辞めて、パーソナルスタイリストとして独立することを決めます。

「独立してからは、個人のスタイリングだけでなく、企業案件も入るようになりました。また、同じようにパーソナルスタイリストを目指す人のためのスクール運営や、セミナー講師、ラジオパーソナリティーなど、活動の幅も広がりました」

現在は、副業時代以上の収入を、安定的に稼いでいるといいます。

ラジオパーソナリティーも務める

副業時代の勅使河原さんのタイムスケジュールは、月曜〜金曜は9時から18時までが仕事。通勤時間やお昼休みを使って、ブログのネタ探しや下書き、メルマガの準備をし、平日の夜と土日にショッピング同行。

また、発信は平日夜にブログを更新、週2回メルマガを配信し、平日の夜にはセミナーを開催。

「知りあいから『場所を貸してあげるから、何か講座でもしなよ』と提案され、ファッションに関するセミナーをしていました。そこに来ていただいた方がスタイリングのお客様になったりしたので、集客の意味もありましたね」

副業時代は、平日土日関係なくフル稼働で多忙な日々を送っていた勅使河原さん。かなり大変だったのでは?

「たしかに、会社を辞める直前は本当に忙しかったですね。でも好きなことを仕事にできて、かつお客様から感謝されることが何よりの喜びだったのでとても充実していました」

パーソナルスタイリストのサービスの流れ

パーソナルスタイリストの基本的なサービスの流れを教えてもらいました。

「依頼が来たら、まずはヒアリングシートをお客様にお送りします。なりたい雰囲気や好みのスタイル、好きなブランド、苦手な色などを事前にお聞きします」

まずはヒアリングシートを

お客様の好みをより詳しく把握するために、オンラインアルバムを活用。様々なアイテムが見られるようになっており、お客様はそれを見て、自分のなりたいイメージを固めていきます。

オンラインアルバムを活用

オンラインアルバムを活用

「ヒアリング結果から、お客様に合ったお店やブランドをある程度絞り、実際にお会いして一緒にショッピングに行きます。そこでスタイリングをしながら、お買い物をしていただくという流れです」

一緒にショッピングをしてスタイリング

ショッピング時間が約2時間というと、短いようにも思えますが、ヒアリングシートを最大限活用することで、短時間で最適なスタイリングを見つけ出せるといいます。

勅使河原さんが設定している顧客ターゲットは、「40代の働く女性」。しかし実際には、20代〜40代の会社員、経営者、専業主婦と、幅広い層から依頼があるといいます。

「経営者の方は、自分が広告塔になる必要があるのでファッションはとても重要です。OLさんは仕事に自信を持つためにお洋服の力を借りたいという方が多いです。専業主婦の方は、お子さんの保護者会や卒園式で着ていく服を選んでほしいというご依頼が多いですね」

あるいは仕事で忙しく、洋服を買う時間がないという人からの依頼も多いそう。幅広いお客様からの要望に答えられるよう、勅使河原さんは日々の勉強も欠かしません。

「洋服を見たり調べることが大好きなので、勉強が大変だったり苦痛と思ったことはないですね。やったことのないスタイルを考えるときは、やりがいがあって楽しいです」

日々の勉強も欠かせない

初期費用と必須アイテム

副業でパーソナルスタイリストをするにあたり、用意するものはあるのでしょうか?

「パーソナルスタイリストは在庫もオフィスも不要です。最低限いるものといえば、お客様とのやりとりや、集客や発信をするためのスマホ、パソコンですね」

集客や発信をするためのパソコンは必須

また、スクールに通うケースもあるといいます。実際に勅使河原さんも起業塾やスタイリストの専門学校に通い、これまでにかかった授業料は、トータルで100万円を超えるとか。

しかし、高い授業料を使って経験した勅使河原さんだからこそ言えるのが、「スクールに通うか通わないかはその人の自由」ということ。

「学べることは多いですが、同時に『スクールにさえ行けばなんとかなる』と思って、副業のための行動が疎かになる人がいます。私もそうでした。最短で始めたいならもちろん通うのも選択肢のひとつですが、通って学ぶだけではなくとにかく現場に出て実践を積んだほうが勉強になると思います」

リピーターがつく発信の仕方

今でこそ、リピーターがつくほど人気のスタイリストになった勅使河原さんですが、はじめてのサービスは失敗に終わるという経験をしています。

「最初のお客様は、知りあいが紹介してくれた方でした。春だったので、きれいなオレンジ系のスプリングコートに、グリーンのニット、ベージュ系のパンツと、華やかな感じにしたんです。ところが、お買い物が終わったあと『こんな服は着られない』とクレームが入りました。ショッピングの最中はそんな雰囲気はなかったので、とてもショックでした」

クレームの原因を、「お客様が何を求めているかをまったく理解していなかった」と勅使河原さんは振り返ります。

「アパレル業界で20年働いてきたというプライドから、自分のスタイリングに自信過剰になっていました。お客様が本音を言う隙も与えていなかったと思います」

この苦い経験が、勅使河原さんのスタイリストとしての考え方を変えるきっかけになります。

「スタイリストは相手が望んでいるものを提案しなければ意味がありません。手痛い失敗でしたが、相手が何を望んでいるかを正確にキャッチすることが何より大切なんだと気づかせてくれた経験でした」

ところがその後、約3年もの間、ほとんど仕事の依頼がないという事態に陥ります。当然、その間は副業収入もゼロ。しかし勅使河原さんは、発信することを辞めませんでした。

「ブログやメルマガも、ただ自分が伝えたいことを闇雲に発信していただけだったのを、『読む人が知りたいこと』にフォーカスするようにしました。一週間分の天気予報に合わせて、『気温◯℃の日のおすすめコーデ』などを発信するようにしていきました」

『読む人が知りたいこと』にフォーカスして発信

すると段々と、読者から「参考になります」「面白い」など、反応が返ってくるように。スタイリングの依頼もどんどん増えていったといいます。

「今思うと、3年間依頼がなかったのも当たり前で、当時は自分の感覚だけで発信や集客をしていました。アパレル業界に長くいると、必然的に知識もマニアックになっていきますが、お客様が求めるのは知識ではなく、すぐに実践できるテクニックなんです。そのことに気づいてからは、発信も実際のスタイリングも、うまくいくようになりました」

実際のスタイリングもうまくいくように

また、「パーソナルスタイリストに服を選んでもらうことで、何を得られるか」を正確に伝えることも重要だといいます。

「目的を持って服を選ぶことで『他者からの印象がよくなる』『信頼感が増す』『モチベーションが上がる』など、プラスαの価値が得られます」

あるとき勅使河原さんは、美容サロンのオーナーから「サロンのイメージをカジュアルからラグジュアリーにチェンジするので、それに合わせたスタイルを考えてほしい」と依頼を受けます。

「ラグジュアリーなサロンなら、オーナーもそれにふさわしいファッションでないと説得力がありません。高級感とエレガントな雰囲気をまとうスタイルをご提案しました」

勅使河原さんが提案したスタイルは、サロンのイメージにぴったりだと、お客様に非常に喜ばれたといいます。

「ただオシャレにするだけなら、多少ファッションが好きな人なら誰にでもできます。パーソナルスタイリストは、さらにその一つ上を目指すのが仕事です」

一つ上を目指すのが仕事

パーソナルスタイリストのメリット・デメリット

勅使河原さんに副業スタイリストのメリット、デメリットを伺いました。

「ファッションが好きという気持ちがあれば、誰にでもチャンスがある仕事だと思います。アパレル経験がなくても大丈夫。たとえば企業のOLさんだったら、キャリアウーマンのファッションや、ワーママのファッションを研究できますよね。主婦の方だったら可愛いママファッションを武器に発信したら需要があるかもしれません。このように、パーソナルスタイリストは、意外とサービスが被らないというメリットがあります」

では、デメリットはどうでしょうか?

「私の場合、アパレル業界出身であることがデメリットでした。自分も周りもみんなファッションが好きなので、ファッションが苦手な人の悩みがわからなかったんです。そういう意味では、異業種で働いている方のほうが、お客様に近い視点をもてるかもしれません」

アパレル業界出身であることがデメリット

最後に、勅使河原さんの今後の目標を聞きました。

「家事代行を頼む感覚と同じくらい気軽に、パーソナルスタイリストを利用してほしいと思っています。そしてファッションを変えるだけで、他者に与える印象がガラリと変わって、良い方向に変化していく感覚を、もっと多くの人に体感してほしいです」

気軽に、パーソナルスタイリストを利用してほしい

取材・文 / 中村未来

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著作・制作

中野貴利人
監修・編集
新卒から10種類以上の副業を経験。26歳で株式会社ネットピコ設立、12期目。著書4冊、2児の父、取材履歴はこちら

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