【漫画】第51話「賢い投資のやり方とは?90種類の金融商品から初心者向きを選ぶ」

「貯金なんて意味ない」




「お金がお金を稼ぐ」




「3つある投資のコツ」




「サイコロで決めろ」




- 投資で利益を得る3つのコツ
- 金融商品① 株式
- 金融商品② 投資信託
- 金融商品③ FX・外貨
- 金融商品④ 債券
- 金融商品⑤ 商品(コモディティ)
- 金融商品⑥ 金投資
- 金融商品⑦ マイナー投資
- 金融商品⑧ 預金・年金
- 金融商品⑨ 不動産
- 金融商品が揃っているネット証券
投資で利益を得る3つのコツ

長期投資
長期投資がおすすめな理由は、時間が経つほど複利効果が利くことです。複利とは「元金に利息を加えて、元金を増やす」方法であり、例えば、100万円を年利3%で運用すると、1年後は「100万円+3万円」で103万円に増えます。
今度はその103万円に対して利息が付くため、2年後は「103万円+30,900円」で1,060,900円に増えます。年利3%でも3万円ずつ増えるわけではないところが複利のすごさであり、結果、30年後には242万円に達します。
これは500円玉貯金でも同じです。目標額が1億円のとき、1日500円の貯金では548年かかりますが、1日500円の貯金を年利10%で運用すると、40年で1億円になります。1日一定額の貯金が1億円になる年数は次のとおりです。
1日の貯金額 | 0% | 3% | 5% | 10% |
---|---|---|---|---|
100円 | 2,740年 | 147年 | 99年 | 56年 |
300円 | 913年 | 112年 | 77年 | 45年 |
500円 | 548年 | 95年 | 67年 | 40年 |
1,000円 | 274年 | 74年 | 54年 | 35年 |
私たちはハイリスク・ハイリターンの投資に手を出して、1年で元本を2倍や3倍にする必要はありませんし、50年間の平均年利回りが20.8%というウォーレン・バフェットの運用成績に追随しなくても大丈夫です。
1日500円の貯金を年利10%で運用すれば、新卒入社から定年までに1億円が貯まります。もちろん、1日300円に減額したり、年利を3%や5%に下げる、目標貯蓄額を3,000万円に減らすなど、柔軟に数値を変えても構いません。
とりあえず無意味で付加価値がゼロに等しい銀行預金に日本円を集中させることはやめましょう。複利による長期投資を始めることが、将来的な不安がなくなる第一歩になります。



積み立て
投資では1度に大量に買うより、定期的に同じ額で同じものを買い続けたほうが得しやすいです。これを証明するには3つの例を比べてみます。①は「3万円で250円の商品を一括購入する」と120口が買えます。
次に②の「毎月1万円の定額積立を3カ月間」と③の「毎月40口の定量積立を3カ月間」をしてみます。ポイントは商品価格が2倍の500円に上がっても、半額の125円に下がっても買い続けることです。
価格 | 一括購入 | 定額積立 | 定量積立 |
---|---|---|---|
1カ月目 250円 | 30,000円 120口 | 10,000円 40口 | 10,000円 40口 |
2カ月目 500円 | 0円 0口 | 10,000円 20口 | 20,000円 40口 |
3カ月目 125円 | 0円 0口 | 10,000円 80口 | 5,000円 40口 |
平均購入単価 | 250円 | 214円 | 291円 |
定額積立の場合は毎月の積立額は変わらずに、購入する量が変化しました。合計で3万円を支払って140口が買えたため、平均購入価格は「3万円÷140口=214円」になります。
3万円÷140口=214円
定量積立の場合は毎月の積立量は変わらずに、購入する額が変化しました。合計で35,000円を支払って120口が買えたため、平均購入価格は「35,000円÷120口=291円」になります。
35,000円÷120口=291円
価格が急激に変化した極端な例ではありますが、積み立ての投資では「割高のときは少ない量、割安のときは多い量を買う」という定額積立が、平均購入価格を下げてくれます。これはドルコスト平均法というプロも使う技です。



分散投資
投資には「卵は1つのかごに盛るな」という格言があります。1つのかごに大量の卵を盛ると、そのかごを落としたときにすべての卵が割れますが、4つのかごに卵を分けると、1つのかごを落としても3つのかごの卵が残ります。
このように金融商品の種別、地域、通貨、銘柄、時期などを分散させると、リスクも分散できるわけです。特に好景気に強い株式と不景気に強い債券をミックスすることで、価格変動率が緩くなります。
以下のデータは国内、先進国、新興国株式、国内、先進国、新興国債券※1、ハイイールド債、国内REIT、先進国REIT、純金、原油※2、定期預金、4資産分散※3の「金融商品13種の損益率ランキング」です。
好景気では株式などが上昇、不景気では債券などが上昇することが読み取れますが、その中でも「国内株式、海外株式、国内債券、海外債券」に25%ずつ分散した4資産分散が、常に中位に居続けていることに注目です。
2015年 | 2016年 | 2017年 | リーマン時 |
---|---|---|---|
国内株式 12.1% |
原油 45% |
新興国株式 32.7% |
純金 5.5% |
4資産分散 2.1% |
ハイイールド債 17.1% |
国内株式 22.2% |
国内債券 2.1% |
新興国債券 2.1% |
新興国株式 8.8% |
先進国株式 18.5% |
定期預金 0.4% |
国内債券 1.3% |
純金 8.6% |
先進国REIT 16.5% |
先進国債券 -10% |
定期預金 0.1% |
新興国債券 6.8% |
純金 13.7 |
ハイイールド債 -26.2% |
先進国株式 0% |
国内REIT 6.2% |
原油 12.5% |
新興国債券 -26.7% |
先進国債券 -3.3% |
先進国株式 5.4% |
4資産分散 11.2% |
4資産分散 -28.6% |
ハイイールド債 -4.5% |
国内債券 3.7% |
ハイイールド債 7.5% |
国内株式 -41.8% |
先進国REIT -6.4% |
4資産分散 1.9% |
新興国債券 4.3% |
先進国株式 -51.6% |
国内REIT -7.9% |
国内株式 0.3% |
先進国債券 3.5% |
国内REIT -51.8% |
純金 -10.7% |
定期預金 0% |
国内債券 0.2% |
原油 -53.5% |
新興国株式 -14.3% |
先進国債券 -1% |
定期預金 0% |
先進国REIT -54.1% |
原油 -36.3% |
先進国REIT -1.9% |
国内REIT -10.4% |
新興国株式 -62% |
情報取得日 2018年9月時点
人気の金融商品は「株式、投資信託、FX」がトップ3ですが、安定的な利益の確保には、いくつかの金融商品を組み合わせる必要があります。そのため、次に種類別に90個の金融商品をリストアップしました。


※1 日興アセットマネジメント「主要資産の年間パフォーマンス」
※2 モーニングスター「資産クラス別リターン」
※3 イボットソン・アソシエイツ・ジャパン「各資産クラスと分散投資の年次リターン順位表」
金融商品① 株式
おすすめは初心者向けの評価であり、リターンとリスクのバランスを見ています。国内株式がA評価ではない理由は、不況で損する人が増えるためです。一方、持ち株会やIPOは利益を得る人の割合が高めで、A評価になっています。
名称 | おすすめ | 説明 |
---|---|---|
株式投資 | ![]() | 基本的におすすめの金融商品だが、銘柄選定でリスクを背負う。 |
国内株式 | ![]() | 東証やマザーズなどに上場している株式。景気敏感株、ディフェンシブ株、中間株に分類できる。 |
先進国株式 | ![]() | 先進国は米国が過半数、欧州が20%、その他カナダなど。 |
新興国株式 | ![]() | 新興国は成長著しいアジア、中南米、アフリカ諸国など。 |
株式ミニ投資 | ![]() | 通常の1/10単位で株式を売買できる。 |
株式累積投資 | ![]() | 株式を積み立てられる。 |
持ち株会 | ![]() | 給与天引きで自社の株式を買い増す。利回りがかなり高い。 |
IPO | ![]() | 新規で上場する予定の株。80%以上が値上がりする。 |
未公開株 | ![]() | 株式公開していない株。詐欺が多くて初心者には難しい。 |
金融商品② 投資信託
名称 | おすすめ | 説明 |
---|---|---|
投資信託 | ![]() | プロが資産運用をしてくれる。対象となる金融商品は株、債券、REITなど、多数の選択肢がある。 |
インデックス型 | ![]() | 市場の平均値と似た動きをする投資信託。 |
アクティブ型 | ![]() | 市場の平均値より良い結果を得るための投資信託。 |
バランス型 | ![]() | 1本で複数の地域や資産に分散投資した投資信託。 |
単位型投信 | ![]() | 投資信託の分け方の1つで、募集期間が決まっている投資信託。 |
追加型投信 | ![]() | 投資信託の分け方の1つで、募集期間後も購入できる投資信託。 |
公社債投信 | ![]() | 国債などの安全性の高い商品で運用する投資信託。 |
金銭信託 | ![]() | 預かった資金を安全性の高い商品で運用して、収益を分配する。元本保証ではなく利率も未確定。 |
貸付信託 | - | 取扱終了。預かった資金を貸し付けで運用して、収益を分配する。 |
ラップ口座 | ![]() | 数百万円や1,000万円単位で資産運用を一括りにお任せできる口座。 |
つみたてNISA | ![]() | 専用口座を開設することで利益が非課税になる。対象商品は長期、積立、分散できる一部の投資信託。 |
ロボアド | ![]() | AIを搭載したロボが市場に合わせて資産運用してくれる。 |
金融商品③ FX・外貨
名称 | おすすめ | 説明 |
---|---|---|
FX | ![]() | 外国の通貨をスマホで24時間売買する投資。 |
外貨両替 | ![]() | 日本円と外貨を両替する仕組みは他と同じだが、手数料がかなり高い。 |
外貨預金 | ![]() | 為替差益が利回りになるが、手数料が高くて損することも多い。 |
外貨建てMMF | ![]() | 証券会社に預ける外貨建ての定期預金。手数料は安い。 |
金融商品④ 債券
名称 | おすすめ | 説明 |
---|---|---|
国内債券 | ![]() | 日本国政府が発行する債券。 |
先進国債券 | ![]() | 米国、ユーロ、イギリス、オーストラリア、カナダなど、日本を除いた先進国の債券。 |
新興国債券 | ![]() | 東南アジア、メキシコ、ブラジル、南アフリカなど10カ国以上の新興国の債券。 |
日本国債 | - | 2018年9月時点では販売停止中。マイナス金利導入で利益が見込めないため。 |
個人向け国債 | ![]() | 元本割れがない安心の資産運用。最低金利は0.05%。 |
個人向け社債 | ![]() | 企業が事業資金を調達するために発行する債券。業績によってリスクが変わる。 |
転換社債 | ![]() | 条件によって保有中の社債を株式に転換できる。 |
割引金融債 | - | 取扱終了。債券の一種で額面から利息分を引いて買い、満期時に額面分を受け取る。 |
金融商品⑤ 商品(コモディティ)
名称 | おすすめ | 説明 |
---|---|---|
先物取引 | ![]() | 将来売買する商品の価格を現時点で決める投資。初心者はミニ日経255がおすすめ。 |
オプション | ![]() | 先物取引と似ているが、オプションはその権利のみを売買する。 |
原油 | ![]() | 直接取引ではなく原油ETFや原油CFDなどで売買する。 |
金融商品⑥ 金投資
名称 | おすすめ | 説明 |
---|---|---|
金投資 | ![]() | 純金積立や金ETFなどに投資する。 |
金地金 | ![]() | 金の延べ棒などを直接購入する。盗難リスクあり。 |
金貨 | ![]() | 1枚数万円で購入できる。加工費が割高。 |
純金積立 | ![]() | 毎月一定の純金を積み立てる。 |
純金工芸品 | ![]() | 加工費が割高。盗難リスクと破損リスクがある。 |
金鉱株・貴金属関連株 | ![]() | 金鉱株や貴金属関連の株式。 |
金投資信託 | ![]() | 金価格にほぼ相関している投資信託。 |
金ETF | ![]() | 株式のように純金を売買できる。 |
金CFD | ![]() | 純金、銀、プラチナを差金決済取引できる。 |
金先物取引 | ![]() | 純金の先物取引。 |
金限日取引 | ![]() | 売買しても決済を先送りできるため、現物を保有する必要がない取引。 |
金融商品⑦ マイナー投資
名称 | おすすめ | 説明 |
---|---|---|
仮想通貨 | ![]() | 実物のないウェブ上の通貨。収益性や安全性に難あり。 |
CFD | ![]() | 差金決済取引のことであり、外国為替ではFX、それ以外の商品は金CFDや原油CFDと呼ばれる。 |
eワラント | ![]() | 株式、為替、商品などさまざまな相場の上昇や下降を予測する金融派生商品。 |
ワイン投資 | ![]() | ワインに投資できるファンド。ただし大手ファンドの破産で人気急落中。 |
クラウドファウンディング | ![]() | 資金を集めたい起業家や事業主と資金提供する不特定多数の人がむすぶ仕組み。 |
ソーシャルレンディング | ![]() | 第三者にお金を貸す仕組み。お金を運用したい人と借りたい人をマッチングする。 |
ベンチャー投資 | ![]() | ベンチャー企業に数百万~数億円単位で出資する。 |
金融商品⑧ 預金・年金
名称 | おすすめ | 説明 |
---|---|---|
自宅保管 | ![]() | 金利はつかず、盗難リスクもある。物価上昇時は相対的に価値が減る。 |
普通預金 | ![]() | 半年ごとに変動金利の利子が付く。金利は大手銀行で0.001%、ネットバンクで0.02%程度。金融商品としての価値はゼロだが、一定量の保管と決済には必要。 |
無利息型普通預金 | ![]() | 無利子の代わりに全額が預金保険制度で保護される。 |
貯蓄預金 | ![]() | 半年ごとに変動金利の利子が付く。残高が一定以上で普通預金より、若干金利が高くなる。 |
当座預金 | ![]() | 無利子の代わりに全額が預金保険制度で保護される。出金は小切手のみの決済用口座。 |
通知預金 | ![]() | 短期間預けるための預金。事前に銀行に通知して引き出す。 |
ダブル口座 | ![]() | 楽天銀行と楽天証券のように同グループの銀行と証券会社に口座開設すると、金利が優遇される制度。 |
定期預金 | ![]() | 一定期間預ける預金。ネット銀行の利息は大手銀行の5倍以上になる。 |
変動金利定期預金 | ![]() | 6カ月ごとに金利が変わる定期預金。 |
スーパー定期 | ![]() | 10年まで期間を決められて、利率が満期日まで変わらない。 |
大口定期預金 | ![]() | 1,000万円以上が対象で、金利は銀行と交渉する。 |
期日指定定期預金 | ![]() | 満期日を決められる定期預金。 |
自動積立預金 | ![]() | 定期と定額があり、口座から自動的に天引きされる。 |
財形貯蓄 | ![]() | 給与から天引きされる。目的別に一般、年金、住宅がある。 |
MRF | ![]() | 証券会社に預ける普通預金。 |
MMF | - | 取扱終了。証券会社に預ける定期預金。 |
ヒット・ワイド | - | 取扱終了。利子が付く金融債。 |
iDeCo | ![]() | 自分で作る年金制度であり、所得控除や非課税制度で節税できる。 |
金融商品⑨ 不動産
名称 | おすすめ | 説明 |
---|---|---|
国内REIT | ![]() | 別名「J-REIT」であり、株式のように不動産を売買できる。 |
先進国REIT | ![]() | 米国や欧州など日本を除いた先進国の不動産。 |
新興国REIT | ![]() | 新興国の不動産。2018年9月時点では南アフリカ、メキシコ、タイ、マレーシア、トルコを多く含む。 |
不動産投資 | ![]() | 戸建て、マンション、アパート、新築、中古、駐車場など、不動産全般を指す。 |
戸建て賃貸 | ![]() | 戸建てを新築、または中古で手に入れて、貸し出す投資。 |
新築アパート経営 | ![]() | 総コストは割高だが、中古アパートより集客力があり、転売を前提に建てる。 |
中古アパート経営 | ![]() | 割安な中古アパートで賃貸経営をする。 |
シェアハウス | ![]() | 社員寮や学生寮などの割安物件を手に入れて、シェアハウスにリフォームする。 |
ストレージ | ![]() | トランクルームのこと。スマホでマッチングする仕組みもある。 |
貸し倉庫 | ![]() | 主に法人向けの不動産投資。大規模倉庫を貸し出す。 |
物置きシェア | ![]() | 自宅の空きスペースにて荷物を有料で預かる。 |
駐車場経営 | ![]() | 駐車場を貸し出す。時間貸しや駐車場シェアも人気高。 |
バイクボックス | ![]() | バイクを収納するコンテナを貸し出す。 |
太陽光発電 | ![]() | 売買価格が半減しているが、地域によってはライバルが少ない。 |
自動販売機 | ![]() | 所有する不動産の空きスペースに自動販売機を設置する。 |
情報取得日 2018年9月時点




金融商品が揃っているネット証券
賢い投資術である「長期投資・積み立て・分散投資」を意識するだけでも、私たちは失敗する確率を減らせます。なぜなら今までが「短期投資・一括購入・一点集中」と逆のやり方だったからです。
よく株式投資で損する人は「1年後の利益を見据えて、ある日1度に購入して、海外債券や先進国REITなどは買わない」というスタイルでした。
そうではなく私たちは「生涯を見据えて、余剰資金を使いながら、1度に大量に買わずに、毎月一定の金額で、さまざまな金融商品を買う」ことが、堅実な資産運用につながります。
例えば、毎月1万円ずつで構いません。それを10分割して「国内株10%、先進国株10%、新興国株10%、個人向け国債10%、海外債権10%、社債10%、国内REIT10%、海外REIT10%、金ETF10%、米ドル10%」に配分します。
その際はさまざまな金融商品が揃っている楽天証券やSBI証券のようなネット証券を選ぶと、全資産を一括管理できて便利です。
さらに定期的に運用成績を確認しながら「2019年1月時点では新興国株と国内REITは弱めだから5%に減らして、代わりに先進国株と米ドルは増やす」といった調整をして、ポートフォリオを見直すことがコツです。