IPアドレスの分散はSEOに効果なし!被リンクはドメインとページで評価される

第1オクテットでIPアドレスを分ける
被リンク元のIPアドレスの分散については「SEOにはまったく影響しない」とされながらも、一部では「分散されたほうが順位が上がる」や「あまりに偏っていると効果はない」などと情報が錯綜しています。
いずれにしても検証に手間がかかることから、2004~2011年にかけて、私はレンタルサーバー会社を分散させてきました。レンタルサーバー会社は「ロリポップ、チカッパ、heteml、XREA、さくらレンタルサーバー、99円サーバー、Step Server、Next Space、Hustle Server」などです。
これらのレンタルサーバー会社を使い分けると、被リンク元のIPアドレスを分散できます。IPアドレスは「第1オクテット.第2オクテット.第3オクテット.第4オクテット」で仕切られており、私はその中でも第1オクテットで分散化しました。
例えば、ロリポップでサーバーを複数借りると、IPアドレスは「210.XX.XX.XX、59.XX.XX.XX、61.XX.XX.XX、219.XX.XX.XX」などになり、第1オクテットが異なるサーバーに振り分けられますし、XREAは「60.XX.XX.XX」、さくらレンタルサーバーは「112.XX.XX.XX」、99円サーバーは「113.XX.XX.XX」となります。


第3オクテットまでIPアドレスが同じになる
しかしながら、ロリポップは2010年に全サーバーのIPアドレスを、第3オクテットまでが同一の「210.172.144.XX」に変更しました。
以前からロリポップのIPアドレスは「210.172.144.XX」に収束されている傾向が見られましたが、今回は第1オクテットが「210...、59...、61...、219...」から始まるサーバーもすべて「210.172.144.XX」に変わっています。
結果、第1オクテット以下だったIP分散が第3オクテット以下までに一気に格落ちして、ロリポップではIPアドレスの分散ができなくなりました。私はロリポップで40台以上もサーバーを借りていたために、被リンク元のIPアドレスが集約されてしまった格好です。
そこでロリポップに問い合わせてみたところ、すぐに「ご連絡いただいたIPの設定については、2010年4月から行われた新構成サーバーの移設メンテナンスに伴って実施されております」という回答をもらいました。
つまり、IPアドレスは世界全体で枯渇しており、ロリポップも意図的にIPアドレスを減らしています。そもそもIPアドレスに関係なくURLとサーバーは紐付けられるため、レンタルサーバー会社がIPアドレスを複数持つメリットはありません。
今後はロリポップとの新規契約は控えて、国内にある別のレンタルサーバー会社に移し、IPアドレスの分散を続けようか迷いました。ただ、他社もロリポップに続き、IPアドレスを集約する動きを見せています。
海外サーバーはレスポンスが悪いために借りません。レスポンスの遅さはクローラビリティを低下させますし、検索アルゴリズムもマイナスと判断します。さらに同じ国のサーバーからの被リンクのほうが効果的という情報もあります。


IPアドレスが偏っても順位変動なし
結局、ロリポップの2010年4月に行われたIPアドレスの収束化から9カ月が立ち、その間に被リンク元のレンタルサーバーを移管しませんでしたが、私のサイトでは目立った順位変動はありませんでした。
2004~2007年のYahoo!検索では、検索アルゴリズムにIPアドレスの分散を入れていた時期があったようですが、2010年時点のGoogle検索では軽微の影響力もないほどであることがわかりました。
これは被リンクの評価にIPアドレスは関与していない可能性を示唆しています。被リンクに関しては「ドメイン評価、ページ評価、被リンク元の被リンク、コンテンツの関連性、テキストリンク、設置時期」のほうが、はるかに重要度が高いです。
現在ではほとんどのレンタルサーバー会社が共通のIPアドレスでサーバーを構成しているため、GoogleはIPアドレスではなくドメインやページ単位でバックリンクを評価しているように見受けられます。これを機にIPアドレスの分散は気にしないことにしました。
そもそもIPアドレスの分散はレンタルサーバー会社を掛け持ちするくらいで解決できる安直な方法です。これを重要な検索アルゴリズムに組み込むようなことを、Googleが採用するわけがありません。

