【漫画】第8話「FXの通貨ペアとは?FXで取引できる38種から組み合わせる」
「170種類もあるけど」
「メジャー通貨を選べ」
「定番は米ドル/円」
「決めてあるだと?」
通貨ペアとは2種類の通貨の組み合わせ
2種類の通貨の組み合わせを「通貨ペア」と呼び、両通貨の間にスラッシュを入れることで「米ドル/円」のように区切って表現します。FXではこのスラッシュに対して左側を基軸通貨、右側を決済通貨と呼びます。
基軸通貨/決済通貨=米ドル/円
米ドル/円を買うときは「日本円を売って米ドルを買う」、米ドル/円を売るときは「米ドルを売って日本円を買う」ことを意味します。つまり、通貨ペアとは基軸通貨と決済通貨を交換することです。
また、通貨ペアの表記には優先度があり、基軸通貨には「ヨーロッパの統一通貨であるユーロ、イギリスの英ポンド、イギリスが宗主国だった国の通貨、米ドル、ヨーロッパ地域、それ以外の地域の通貨」の順で選ばれます。
その結果、ユーロ/米ドル、英ポンド/米ドル、米ドル/円の順で表記されるように、NZドル/円、南アフリカランド/円、香港ドル/円など、日本円は常に決済通貨である右側が定位置になっています。
FXで取引できる38種の通貨コード
各国の通貨にはアルファベット3文字で示される通貨コードがあり、FXの取引画面でも「米ドル/円」を「USD/JPN」と表記します。通貨コードはISO4217で定められた世界共通で使われている略称です。
初めてFXをする人は開始時こそ通貨コードに戸惑いますが、数回取引をすれば、すぐに慣れます。FXで使用される主な通貨コードは次の通りで、全40通貨があります。
3コード | 通貨名 | 主要使用国 |
---|---|---|
AED | アルブディルハム | アラブ首長国連邦 |
AUD | 豪(オーストラリア)ドル | オーストラリア |
BHD | バーレーンディナール | バーレーン |
CAD | カナダドル | カナダ |
CHF | スイスフラン | スイス |
CNY | 中国人民元 | 中国 |
CNH | 中国人民元 | 香港 |
CZK | チェココルナ | チェコ |
DKK | デンマーククローネ | デンマーク |
EEK | エストニアクローン | エストニア |
EUR | ユーロ | EU |
GBP | 英国ポンド | イギリス |
HKD | 香港ドル | 香港 |
HRK | クロアチアクローナ | クロアチア |
HUF | ハンガリーフォント | ハンガリー |
ILS | イスラエルシェケル | イスラエル |
INR | インドルピー | インド |
ISK | アイスランドクローナ | アイスランド |
JOD | ヨルダンディナール | ヨルダン |
JPY | 日本円 | 日本 |
KRW | 韓国ウォン | 韓国 |
KWD | クェートディナール | クェート |
LTL | リトアニアリタス | リトアニア |
LVL | ラトビアラト | ラトビア |
MYR | リンギット | マレーシア |
MXN | メキシコペソ | メキシコ |
NOK | ノルウェークローネ | ノルウェー |
NZD | ニュージーランドドル | ニュージーランド |
OMR | オマーンリアル | オマーン |
PLN | ポーランドズウォティ | ポーランド |
QAR | カタールリヤル | カタール |
RON | ルーマニアレウ | ルーマニア |
RUB | ロシアルーブル | ロシア |
SAR | サウジリヤル | サウジアラビア |
SEK | スウェーデンクローナ | スウェーデン |
SGD | シンガポールドル | シンガポール |
THB | タイバーツ | タイ |
TRY | トルコリラ | トルコ |
USD | 米ドル | 米国など |
ZAR | 南アフリカランド | 南アフリカ |
情報取得日 2024年10月時点
例えば、英ポンドの通貨コードは「GBP」です。これはイギリスが「United Kindom」のUKではなく「Great Britain」の頭文字を取り、末尾にイギリスの通貨単位であるPound(ポンド)を付けています。
スイスフランは「Swiss Franc」を略した「SFR」もありますが、FXでは「CHF」が一般的です。これはスイスの旧称「Confederatio Helvetica」にFranc(フラン)の頭文字を組み合わせたものです。
また、その地域の特徴や名産にちなんで、カナダドル/円を「キャンドル円」、ニュージーランドドル/円を「キウイ円」などユニークな通称で呼ばれることもあります。
通貨ペアの稼ぎ方① メジャー通貨に絞る
通貨は170種類以上あるため、その組み合わせも「170以上×170以上-重複分」で、理論上は1万通貨ペア以上ができますが、FX会社は実需がある通貨ペアのみを厳選して、売買対象として提供しています。
そのため、FX会社によって取り扱っている通貨ペアには差があり、少ないところで10通貨ペア、多いところで70~80通貨ペアです。ただし、70通貨ペアとは70カ国の通貨が売買できるわけではなく、通貨の組み合わせです。
例えば、ユーロ、英ポンド、米ドル、日本円の4カ国でも「ユーロ/英ポンド、ユーロ/米ドル、ユーロ/円、英ポンド/米ドル、英ポンド/円、米ドル/円」の6通貨ペアができます。
加えて、通貨ペアは10種類でも問題ないです。FXトレーダーの多くも米ドル、ユーロ、日本円といったメジャー通貨のみで取引しています。これは情報量と流通量が多いほど予測しやすく、売買タイミングがわかるためです。
逆にマイナー通貨は非常に扱いにくくです。メジャー通貨よりも圧倒的に情報不足であり、先が見えずに予想外の動きをします。売買する人数も少ないために流通量が少なく、為替レートの動きも激しくなりやすいです。
そのため、私たちがFXで売買する通貨ペアは大抵決まっており、どの専門書でも「①米ドル/円、②ユーロ/米ドル、③英ポンド/円、④豪ドル/円」などと記載されています。
米ドル/円は米国の状況は全世界共通で取得しやすく、日本の経済状況も日本在住なら正確に把握できます。実質的な手数料であるスプレッドも最も小さくてお得です。
ユーロ/米ドルは世界一の取引量を誇ります。世界経済に素直に反応するために予想しやすく、日本時間の夜に世界中で活発に売買されるため、副業トレーダーにも人気です。
英ポンド/円は短時間で大きく変動します。波が激しくて初心者には扱いにくいですが、デイトレーダーに人気です。豪ドル/円は不安定な相場で予想が難しいですが、スワップ金利が高くて日本人の買いが多いです。
通貨ペアの稼ぎ方② マイナー通貨で流れに乗る
FXでは買いと売りのタイミング次第で損益が決まります。ただ、米ドルやユーロといったメジャー通貨は流通量が多い分、値動きが早くて方向性が見い出だせないなど、投資判断が難しいシーンにも遭遇します。
そのようなときはいつも取引している通貨ペアではなく、値動きの方向性が明確である通貨ペアに切り替えることも、利益を確保する手段の1つです。
例えば、トルコリラ/円は2015年1月に51.320円、2016年1月に41.076円、2017年1月に33.049円と下がり続けています。さらに2024年10月時点で4.157円を付けて、月足、週足、日足がすべて下落トレンドになりました。
当時の原因として「米国の利上げで新興国から米国に資金が流入」と「米国発の貿易摩擦で世界経済の先行きが不透明」があり、いずれにも短期間では収束しないことから、トルコリラは「売り」と判断できました。
この下落トレンドにローリスクで乗るためには「①レバレッジは一切かけない、②逆指値注文は必ず入れる、③毎月分散してトルコリラ/円を売る」という三原則が有効です。
その結果、トルコリラは下落し続け、さらに「トルコで米国人牧師が拘束されて両国の関係が悪化、政治混乱、トルコリラの利上げを否定」があり、トルコリラ/円は2018年1~8月に45%も下落、予想通りに利益が得られました。
このようにあえてアルブディルハム、チェココルナ、デンマーククローネなどのマイナーな通貨を選んで、柔軟な稼ぎ方を続けるトレーダーもいます。
通貨ペア選びの体験談や口コミ
FX歴3年
現状、日本円が超低金利のため、決済通貨を日本円にすると金利差が発生して、スワップ金利が獲得できます。FXでは銀行の外貨預金では扱えない高金利通貨も扱っています。政策金利が10%以上もあり、ハイリスク・ハイリターンを求めることも不可能ではありません。
一般的には豪ドル、NZドル、南アフリカランドが有名ですが、トルコリラなども私はおすすめしています。
しかし、マイナーな通貨にはデメリットも存在します。世界のFX市場では米ドルとユーロが流通量のほとんどを占めており、次点が日本円です。仮に聞いたことのないような通貨を買ってしまうと、売りたいときに買い手がなかなか現れないこともあります。
そのため、初心者はまずは日本円で外貨を買うか、流通量が多いユーロ/米ドルに挑戦してみましょう。高金利通貨を買うときは長期投資を見据えて、直近の価格変動に一喜一憂しないことが大切です。
FX歴14年
超低金利の日本円で高金利の外貨を購入するスワップ金利を狙うなら、豪ドル/円、ニュージーランドドル/円、カナダドル/円が人気です。多少リスクが高くても成長性に期待するなら南アフリカも有望でしょう。
他にも常時7~8%以上の高金利を維持しているトルコリラなどのマイナー通貨もあります。トルコリラは新興国の通貨であるため不安定で急激な動きをみせることも多々あり、マイナー通貨がゆえに注文が滞ってしまいますが、わりと人気の通貨です。
また、身近な中国人民元や韓国ウォンも限られたFX会社でしか扱っていません。中国人民元は中国が外国為替市場を完全に開放していない影響を受けており、韓国ウォンは単純に世界的な流通量が少ない結果、FXではマイナー通貨とされています。
FX歴2年
FXでは米ドルや日本円のように単一で売買するのではなく、米ドル/円のように2つの通貨をペアにして売買します。通貨ペアの組み合わせは「通貨A/通貨B」の形式で表記するルールです。
これは「通貨Aを買うために必要な通貨Bの量」を表しています。例えば「米ドル/円=100円」は「1ドルを100円で買う」という意味です。同様に売るときも「1ドルを100円で売る」という意味になります。
つまり、通貨ペアは相対評価です。他の通貨につられて上がったり、他の通貨の影響で下がったりするなど、値動きには一定の傾向があります。
例えば、地理的に近い米ドルとカナダドル、ユーロとスイスフラン、豪ドルとニュージーランドドルは、似た動きをすることがあります。逆に米ドルとユーロは相対的で、片方が下がったら、片方が上がるような動きをします。
FX歴7年
初心者は為替レートが動く理由も知っておいたほうがいいです。例えば、円高になる根本的な理由は日本の価値が相対的に上がっているからです。円高とは日本円の需要が高いことを示し、日本円の需要が高いなら日本円が頻繁に使われていることになります。
米国が不況で落ち込めば、米ドルの価値は下がりやすいです。一般的には「米国が不況になる、米国産の商品は売れなくなる、米ドルを使わなくなる、米ドルの値打ちが下がる」となるわけです。そのため、為替レートは「経済指標、金利、要人の発言」などで大きく動きます。
FX歴1年
米ドル/円は相場が読みづらく意外と扱いが難しい通貨ペアです。私はこれで10連敗したこともあり、必ずしも稼げるわけではありません。
デイトレーダーに好評な通貨ペアは短期間でレートが大きく変動する英ポンドであり、短期決戦では経済指標が発表された直後がベストタイミングとされています。
一方、初心者は取引量で群を抜くユーロ/米ドルで為替相場のトレンドを勉強することがベースになります。稼いでいるFXトレーダーの中にもユーロ/米ドルのみを扱い、トレンドを読みきって利益を得る人がたくさんいます。