中国輸入ビジネスで月収60万円!中国商品をAmazonで売る秘訣はオリジナル品にあり
ネットで中国商品を仕入れ、それをAmazonで売る「中国輸入ビジネス」(以下、中国輸入)を手がけているのが、ミュージシャンが本業のブラウニーさんです。中古ゲームせどりでも紹介しましたが、彼は本業のかたわらでいくつか副業を手がけ、大きな収入を得ています。
その柱の1つが今回紹介する中国輸入。この副業だけで月商200万円、月収60万円ほどを上げています。しかも作業の多くはルーティン化しており、まるで自動販売機のように少ない労力で稼いでいると話します。果たしてどんなビジネスなのでしょう?実際にやっている人ならではの視点で紹介してもらいました。
33歳 男性 東京都
中国輸入ビジネス歴3年
本業はドラマーと音楽事務所の運営。開始1年で月商100万円、月収25万円を達成。現在は月収60万円に落ち着き、それ以外にも中古ゲームせどりの転売事業を手がけるせどりのプロ。
中国輸入で月収60万円稼ぐまでの経緯
ブラウニーさんは現在、ドラマーとしての演奏活動、他のミュージシャンのマネジメント業、そして音楽イベントの企画・運営を本業としながら、中古ゲームせどりとこの中国せどりを副業で手がけています。中国輸入を始めたのは2015年のことでした。
すでにその頃、中古ゲームせどりのほうでしっかり稼いでいましたが、副収入の柱をもう1つ持とうと中国輸入の副業も開始。なぜ中国輸入に目をつけたのでしょう?
「きっかけはAmazonでアパレル製品が売られているのを見て、新鮮に思ったことでした。それを調べてみると、中国商品であることがわかり、中国輸入の存在を知りました」
ノウハウはどう学びましたか?
「ノウハウに関しては、ネット上にもけっこう載っていますが、僕は手っ取り早くやり方をマスターしようと、中国輸入のスクールに行きました。料金は4カ月・40万円でした。安い金額ではありませんが、その後ずっと毎月数十万円も稼げていることを考えると、良い投資だったなと思っています」
とはいえそんなブラウニーさんも、最初の半年ほどは中古ゲームせどりのほうで忙しく、中国輸入ではあまり稼げなかったと言います。しかし徐々に本腰を入れて取り組めるようになり、開始1年ほどで月商100万円・月収25万円を達成。そこからさらに売り上げを伸ばしていき、開始1年半ほどで月商250万円・月収70万円を記録。その後は月商200万円・月収60万円ほどをキープしながら今に至ります。
それだけ稼ぐには、相当な労力が必要なのでは?と思いきや、実はそうでもないようです。
「1日の作業時間は3時間程度で済みます。それも今は中国輸入専任のスタッフに任せているので、自分ではほとんど作業していません。それに買い付けも販売もすべてネットで完結するので、これだけ中国商品を取り扱ってはいますが、僕はいまだ中国に行ったことがありません」
作業の多くは専任のスタッフに任せています。
いったい中国輸入とはどんなビジネスなのでしょう!?そのやり方を、順を追って見ていきましょう。
やり方① 売れる商品を探す
まずは商品探しです。最初に最終的な売り場となるAmazonで商品を絞り込みます。
「ターゲットとなるのは、Amazonで実際によく売れているものです。とはいえ、それではまだ範囲が広すぎるので、『ノーブランド』と検索します。そうすると中国輸入で仕入れられる商品が多数見つかります。ここから必要に応じて、服・ファッション小物やコスプレ用品など、自分がやりたいジャンルに絞り込み、検索結果を『レビューの評価順』などに並び替えます。そして上から順に、同じものが中国のサイトで売られてないか調べていきます」
具体的にどんな中国サイトで探すのでしょう?
「仕入れで使う中国サイトはアリババとタオバオですが、僕は9割方、アリババで仕入れています。そちらの方が安いからです。ただしその分、一定以上の個数をまとめて買う必要が出てきます」
中国のアリババグループが運営する卸売りサイト「1688(アリババ)」。アパレル品から家具、日用品までのあらゆるものが揃う中国最大の巨大オンライン市場です。
同じアリババグループが手がけるECモール「タオバオ」。楽天を何倍も巨大にしたイメージです。
ではこれらのサイトから、どのように商品を探すのでしょう?
「商品名をGoogle翻訳で中国語に訳して普通にキーワード検索してもいいのですが、それより遥かに効率的な方法があります。それは『拍立淘』、通称『ピンクのカメラ』というGoogle Chromeの拡張機能を使う方法です」
やり方は以下の通りです。まずは拍立淘という拡張機能をGoogle Chromeに入れます。
その後Amazonに行き、商品画像の上で右クリックすると、ピンクのカメラのアイコンが出てきます。それを選ぶと、タオバオの画像検索結果の画面に飛べます!
さらには、これをアリババで検索するために、商品名をコピペします。ただし、普通にコピペするだけだと、商品名以外の余計な言葉まで含まれてしまうので、1度Google翻訳で和訳し、商品名と思われるところだけを拾ってアリババで検索するのがポイントです。
もし拡張機能が使えない場合は、タオバオにもともと付いている画像検索機能を利用する方法もあります。
まずはタオバオの検索窓に何か文字を入れて検索します。
すると検索窓の右側にカメラのアイコンが表示されるので、クリックして写真ファイルを選択すれば、画像検索ができます。該当商品があれば、あとは同じように商品名をコピペし、アリババで検索します。
以上のような方法でアリババやタオバオで商品を検索し、目当ての商品が出てきたら、値段を確認します。そしてAmazonの売値と比べて利益が取れそうであれば、その商品を仕入れます。
「僕の場合、利益率が30%以上とれそうなものというのを仕入れの基準としています」
ブラウニーさんに、中国輸入で稼げる商品例(2018年11月時点)をいくつか挙げてもらいました。
元値38.8元のワンピース
こちらのワンピースは、タオバオで38.8元(送料など込みで約1358円)で仕入れることができ、Amazonでは3980円で売れています。
1358円 ➔ 3980円
元値33元のセーター
こちらのセーターは、タオバオで33元(送料など込みで約1155円)で仕入れることができ、Amazonでは2780円で売れています。
1155円 ➔ 2780円
元値70.2元のカーディガン
こちらのカーディガンは、タオバオで70.2元(送料など込みで約2457円)で仕入れることができ、Amazonで4780円で売れています。
2457円 ➔ 4780円
やり方② 商品を買い付ける
仕入れる商品が決まったら、いざ買い付けです。とはいえ買い先は中国。言葉とか、発送の問題とか、けっこう面倒なのでは??ところが、これが意外なほど簡単のようです。
「日本からアリババやタオバオの商品を仕入れるには、基本的に『代行業者』を使う必要があります。一見面倒臭そうですが、これが仕入れに手間がかからない大きな要因となっています」
「商品を買う際は、代行業者に商品ページのURLを送るだけでOKです。すると代行業者が買い付けし、検品し、日本に送ってくれます。商品は注文から約14日後に到着。業者とのやりとりは日本語でできるので、慣れてくれば普通にAmazonで買い物するみたいな感覚で仕入れられます」
「もちろん代行業者には手数料を払いますが、売上額に比べたらたいした金額ではありません。僕は月3万円の定額で業者にお願いしています。手数料は業者によって金額も方式もいろいろで、仕入額の数%というところも多いです」
「中国輸入 代行業者 比較」と検索すると、比較サイトがいろいろ出てきます。
業者選びのポイントについて、ブラウニーさんはこう言います。
「よくない業者だと、検品が甘くて不良品がたくさん届いてしまったりするので、そこは注意が必要かもしれません。口コミなどの評判をチェックするのがいいと思います」
「僕は1回につき20万円分ほどの仕入れを、月に数回行っています。さらにはオリジナル商品(後述)の交渉も代行業者が行ってくれるので、月3万円でも充分元が取れています。不良品も少なく、お客さまからのクレームはほとんどありません」
やり方③ Amazonに出品する
代行業者に発注すると、おおよそ2週間後に商品が手元に届くので、今度はそれをAmazonに出品します。
その前に行うのが「検針」です。万が一商品の中に針が残っていたりすると大変なことになるので、念のため確認するのです。検針には専用の検針器(金属探知機)を使用。Amazonで2000円ほどで買えます。「針が混ざっていることはそうそうありませんが、一応確認しています」とブラウニーさん。
検針が終わったら、Amazonに商品を登録します。同じ商品がAmazonにない場合は、自分で商品ページを作成する必要があります。
「商品ページ作りは、タイトルや商品説明文を作成したり、画像を加工したりと、慣れるまでは少し大変かもしれません。ただし慣れれば1商品につき20分くらいでできるようになります。そして1度その商品のページができてしまえば、あとは売れたら仕入れ、売れたら仕入れの繰り返しになるので、労力はほとんどかからなくなります」
「魅力ある商品ページにするには、サブ画像に文字を入れるなど、ちょっとした画像加工がポイントになります。画像加工ツールはいろいろありますが、僕はクリッピングマジックというツールを使っています。有料ツールですが、切り抜きなどの加工が自動でできるなど、かなり便利です」
販売に関しては、ブラウニーさんはAmazonの販売代行システム「FBA」を利用しているので、商品を登録したら箱に詰めてまとめてFBAの倉庫に納品します。
FBAのサービスを利用すると、商品の保管もお客への発送もすべてFBAが代行してくれます。その分、手数料がかかりますし、FBAを使わずに自分でお客さんに発送することもできますが、それなりに数を売るのであれば、FBAを利用したほうが効率的でしょう。
FBAに納品したら、あとは商品が売れるのを待つのみです。
中国輸入で稼ぐコツ
ざっと中国輸入の流れを紹介してきましたが、実は利益を伸ばすのに重要な秘訣があります。それは「オリジナルブランド」を作ることです。オリジナルブランドと聞くと、わざわざ商品を一から作らなくてはいけないのかと思うかもしれませんが、実はもっと手軽な方法があります。それはタグを付け替えること。
タグとは、商品を買った時にヒモなどで付けられていたり、洋服の後ろ襟のところに付けられているアレで、ブランド名がそこに書かれています。そうしたタグを自分のブランド名が入ったものに付け替えることで、オリジナルブランドの商品として売るわけです。
商品そのものは変わっていませんが、実際にセレクトショップをはじめ、こうしたタグを替えただけのオリジナルブランド品は世に多く存在します。では、オリジナルブランドにすることで、どんなメリットがあるのでしょう?
「たとえ同じものがAmazonで売られていても、別ものの商品として新たに商品ページを立ち上げ、独占的に販売できます。これなら他に競合がいないので価格競争に巻き込まれることもなく、利益率をきちんと維持したまま安定的に稼げます」
そしてこうしたタグの付け替えに関しても、代行業者が代行して製造元に話をしてくれます。
「なのでこちらはブランド名をテキストで送るだけです。しばらくすると、こんな感じでどうでしょう?とサンプルデータが送られてきます。費用は1商品につき2円ほどなので、負担にはなりません」
「僕はアパレル品はこれ、雑貨系はこれというように、商品のジャンルごとにオリジナルブランドを何種類か持っています。自分のブランド名が付いた商品がAmazonの売れ筋ランキングの上位に入ると、かなり嬉しいものがありますよ」
現在、ブラウニー氏はAmazonに中国商品を約150種・2000点ほど出品しています。その多くがオリジナルブランドの商品だそうです。
事務所にも、中国商品がところせましと並べられています。
それにしても、中国輸入をするうえで、商品知識やネットの知識は必要ないのでしょうか?
「基本的な中国輸入のやり方さえ覚えれば、洋服の知識もネットの専門知識も全く必要ありません」
では、元手資金に関してはどうでしょう?
「転売系ビジネス全般に言えますが、多くても少なくてもできることはできます。例えば月に30万円稼ぎたいとなったら、100万円くらいの資金が必要になってきますし、逆に数万円の資金から始めて徐々に資金を増やしていくこともできます。中国輸入の場合、最初は不慣れなことも多いと思うので、試しに少額で初めてみるのがおすすめです」
またブラウニーさんは、中国輸入に関してこんなコツも教えてくれました。
「中国輸入はひたすらパソコンに座っての作業になるので、長時間になるとけっこうしんどくなります。だからまとめてこの日にやってしまおうというよりも、何時から何時までと時間を決めて毎日コツコツやることが重要です。そうやって毎日コンスタントに作業を進めていければ、自然と結果がついてくるのではないでしょうか」
パソコン作業が続いて体がなまりやすいので、部屋にトレーニング器具を置き、ちょくちょく気分転換をしているそうです。
中国輸入のメリット・デメリット
最後にまとめとして、中国輸入のメリットとデメリットを挙げてもらいました。
「やはり1番のメリットは、売れ筋商品ができるとリピート販売で売れ続けるので、なくなったら補充、なくなったら補充という単純作業をするだけでOKになります。だから僕のようにスタッフに任せたり外注化がしやすく、本業を抱えながらの副業にもかなり向いているでしょう。そうした『自動販売機』的に稼げる商品をいかに増やせるかがカギになってきます」
「単価が安いこともあり、1度に大量に売れることがあります。例えば以前、ある企業から蝶ネクタイを150個欲しいと問い合わせが入り、販売したことがあります。また、節分の鬼用に使うということで、保育園のスタッフが赤いジャージをまとめて10枚買ってくれたこともありました。いきなりYシャツが20枚売れることもあります」
反対にデメリットはいかがでしょう?
「軌道に乗るまでは商品ページ作りなどの事務的作業が多いことです。あとは商品を注文してから手元に届くまでに14日ほどかかるので、店舗せどりに比べると商品の回転が悪いことです」
最後に中国輸入に関するブラウニーさんの今後の展望を聞きました。
「実はタグを交換するだけでなく、洋服のサイズのバランスを変えたり、一部のパーツを替えたりという『完全オリジナル商品』も、代行業者に頼めば手軽に作れます。今後はそちらもどんどん増やしていくつもりです」
「中国輸入は、軌道に乗せれば半自動化できるビジネスなので、事業規模はまだまだ大きくしていけそうです。現状は月商200万円ほどですが、それを現状のマンパワーのままで月商1000万円くらいまで伸ばしたいと思っています」
取材・文 / 田嶋章博