店舗せどりで月収90万円を実現する驚異の仕入れ術!お店で買ってAmazonで売る副業
ホームセンターなどで商品を買い、それをAmazonで売る「店舗せどり」。今回紹介するレツさんは、店舗せどりで月平均90万円の収入を上げています。
誰もが普通に買える商品を転売するだけで、なぜそんなに稼げるのでしょう?その仕入れ現場に密着し、店舗せどりの秘密に迫りました。自分のすぐ身近にこんな世界があるのか‥‥と唸ること必至の潜入ルポです。
42歳 男性 静岡県
店舗せどり歴3年
会社員時代の2015年末に店舗せどりを開始。開始半年ほどで副収入が50万円を超えるようになり、2017年に会社を退職。現在はせどりを本業とし、月平均90万円を稼ぐ。趣味はバンド活動。2児の父。
- 店舗せどりで大成功し脱サラ
- 驚きの仕入れ現場に潜入
- 1時間で1万2000円の見込み利益
- 超速仕入れを可能にするツールを公開
- 商品をAmazonに出品する
- 店舗せどりで稼ぐ秘訣
- 店舗せどりのメリット・デメリット
店舗せどりで大成功し脱サラ
レツさんが店舗せどりを始めたのは2015年12月、39歳の時でした。当時は精米工場の配達員のサラリーマンをしていましたが、11年間働き続けても給料がほとんど上がらないことに不満を覚え、本で知った店舗せどりを開始。すぐに月数万円の利益を上げるようになります。
そして開始3カ月目に、思い切ってせどりのコンサルタントのチーム生になったところ、副収入は一気に伸び、月収30万円ほどに。さらに開始約半年後には月収60万円ほどをコンスタントに上げられるようになります。
開始約1年半後の2017年5月に会社を辞めて、せどりを専業化。それによりせどり収入はさらに増え、現在は月商500万円、月収100万円弱を平均して上げています。ちなみにこれまでの最高は月商約600万円、月収130万円だそうです。
会社員時代は本業が終わった後に毎日3時間ほど店舗仕入れを行い、帰宅後に出品作業を2時間ほど行うというハードな二重生活を行っていました。独立したことで今は仕入れに出るのは週4日ほどになり、9時頃から仕入れを始め、17時くらいに家に戻り、その後小一時間ほど作業して終了という余裕ある仕事スタイルとなっています。
こちらはレツさんの自宅の作業部屋。
いずれにせよ気になるのは、なぜそんなに稼げるのかです。仕入れに行く店舗はごく一般的なホームセンターやドラッグストアで、買う商品も普通に誰もが買えるもの。それでなぜ利益が取れ、月収90万円にもなるのでしょう。その秘密を究明するべく、仕入れ現場に潜入させてもらいました。
驚きの仕入れ現場に潜入
レツさんが普段仕入れをしているのは、住まいがある東海地方のお店です。よく行くのはホームセンター、リサイクルショップ、ドラッグストア、家電量販店、アウトドア用品店、スポーツ用品店、カー用品店、雑貨店、イオンモール、ドン・キホーテ等々。他にも街のおもちゃ屋や資材屋など、小規模の店も目についたら入ります。
なぜこれだけお店の種類が幅広いかというと、それだけ扱う商品が多岐にわたるからです。扱わないのはアパレル系商品、食品、生き物くらいのもので、それ以外のほとんどの商品が「商材」の対象になると言います。
この日の1店目は、東海地方でおなじみの大型ホームセンターチェーン。レツさんが定期的に仕入れに訪れている店です。いよいよレツさんの「神業」を見られる瞬間がやってきました。
店内に一歩入ってまず驚かされたのが、広大な広さです。どこから見ればいいのでしょう!?
「これだけ広いとすべて見るわけにはいかないので、僕はいつも『今日は照明コーナーと事務用品コーナーを見よう』というように、日によって見る場所を決めています」
目当てのコーナーに着いたレツさん。売り場を端から端までざっと見渡した後、いくつかの商品をちょっと動かしたり手に持ったりし出しました。何をしているのでしょう?
「手に持った超小型バーコードリーダーでバーコードを読み込んでいるんです。すると商品データがポケットの中のスマホに飛ばされ、さらにそのデータが耳に入れたイヤホンからアナウンスされる仕組みです」
詳細は次の章で紹介しますが、ざっくりいえば、スキャンすることでその商品がAmazonでいくらで売れるのかがわかり、それがイヤホンで聴ける仕組みになっています。要は耳から聞こえる金額と、目の前の商品価格を見比べ、利益が十分に取れそうなら仕入れる、というわけです。
それにしても、数ある商品の中から、読み込む商品をどうやって選んでいるのでしょう?
「棚のすべての商品を読み込むのは大変なので、お店が早く売りたがっていそうな商品を重点的にスキャンしています。例えばワゴンセールの商品や、大幅に値下がりしている商品、処分品と書いてあるもの、値札の色が他と違うもの、棚の隅の方でホコリをかぶっているようなものなどです。言い換えれば、何か『違和感』があるものですね」
入店して数分後、早速レツさんはある商品を大量にかごに入れました。どうやらLED電球のようです。
「これはお店の売値が798円で、それがAmazonで1780円で売れる見込みです。Amazonへの手数料などを差し引くと1つ428円の手取り利益になります。それを18個買ったので、全部で約7700円の手取り利益になる見込みです」
1時間で1万2000円の見込み利益
その後、他のコーナーもざっと見回りましたが、特にめぼしいものはなく、早くもホームセンターを後にします。滞在時間はほんの10分ほどでした。
続いて同じ敷地内にあるドラッグストアに入店。
そして特売コーナーで売られていた美容シートマスクを2個購入。これまた入店してほんの2~3分のことでした。
「これは1つで682円の手取り利益になりそうなので、2個で1364円の利益です」
その後ドラッグストアの店内をサッと4~5分見回った後、「次に行きましょう」と、これまた同じ敷地内のアウトドア用品店に入店。
ここでも店内をひととおり見回しますが、特に稼げる商品はなく、5分ほどで退店しました。
続いて車で15分ほどの場所にある総合ディスカウントショップに移動。「ここもよく来るお店です」とレツさん。
こちらには10分ほど滞在し、衣類乾燥機1台となわとび3つを購入。
「衣類乾燥機は1台で1443円の手取り利益です。なわとびは1個で597円の手取り利益で、それを3個買ったので1791円の手取り利益の見込みです」
こうして移動時間も含め1時間弱で4種類、計24点の商品を仕入れたレツさん。
仕入れ総額は2万1244円で、見込み手取り利益は計1万2298円でした。作業は1時間弱だったので、時給に換算すると1万2000円超。出品作業や諸経費などを差し引いても、かなりの効率の良さです。
商品 | Amazon | 仕入額 | 利益 |
---|---|---|---|
LED電球 | 1780円 | 798円 | 428円 |
美容シートマスク | 730円 | 2000円 | 682円 |
衣類乾燥機 | 7480円 | 4287円 | 1443円 |
なわとび | 1500円 | 378円 | 597円 |
合計 | 4万8020円 | 2万1244円 | 1万2298円 |
情報取得日 2019年1月時点
なぜそんなに稼げるのでしょう?そもそもお店で安売りされているものを、なぜネットで大きな利益を乗せて売れるのでしょう?
「お店としては、新しい商品をどんどん並べたいのに陳列スペースは限られているから、古いものは安くしてでも売りたい。かたやお客としては、欲しい商品がお店で見つからないので、多少高くてもいいからネットで買いたい。あるいはお店に行くのが面倒なのでネットで買いたい。そうしたニーズがマッチして、せどりが成立しているんです」
では、そうしたニーズが噛み合うことで生まれる「稼げる商品」を、レツさんはどう見極めているのでしょう?次章では、レツさんが使う「せどりツール」に迫ります。
超速仕入れを可能にするツールを公開
レツさんが店舗せどりをするうえで「欠かすことができない」と話すのがスマートフォン、スキャナー、イヤホンの3点です。
これをどう使って仕入れているのかを詳しく教えてもらいました。
まずはスキャナーを手に持ちます。超小型なので、手に持ってもほとんど目立ちません。
「スキャン感度が非常に高いので、バーコードにビームを当てると一瞬で読み取ります」
読み取ったバーコードの数字は、ポケットに入れたスマホに自動で打ち込まれます。その時スマホで開いているのが、「せどりすと」というせどり専用アプリ。レツさんが使うせどりすとプレミアムの場合、その商品のAmazonでの見込み販売額や、手数料などを差し引いた後の手取り利益額が表示されます。「粗:¥1443」というのがそれです。
さらには、せどりすとで表示されたデータは、ブルートゥースで繋がるワイヤレスイヤホンに飛ばされ、データが耳元で自動アナウンスされます。
「自分は、その商品のAmazonランキングと、販売額からAmazonの手数料を引いた粗利額がアナウンスされるよう設定しています。アナウンスされる項目や読み上げスピードは好きなように設定できます」
その金額を耳で聞き、商品の値札と見比べます。そして利益がしっかり取れそうであれば、そこで初めてスマホをポケットから取り出し、商品の売れ行きをチェック。この時使うソフトが、Amazonの販売データリサーチアプリ「モノレート」※1です。モノレートには、せどりすとの画面からワンボタンで飛ぶことができます。
これをチェックして問題がなければ商品をかごに入れます。
「仕入れの基準は、手取り利益が15%以上取れることを大まかな目安にしています。基準に満たないものは、スマホでチェックすることはありません」
レツさんの仕入れスタイルをまとめると、以下になります。
- ホームセンターのように大量の商品があって安売りする店舗を選ぶ。
- 数ある商品の中でも安売り、あるいはレアそうな商品に絞る。
- スキャナーでバーコードを読み取る。
- 耳から聞こえるデータを頼りに、利益が取れそうか判断する。
- しっかり利益が取れるもののみ、スマホで売れ行きを調べる。
- 問題がなければ購入する。
「パッと見は普通の買い物客と同じなので、他のお客さんにジロジロと見られたり、お店の人に注意されることはほぼありません。店舗せどりを3年間やっていますが、店員に注意を受けたのは、たった2回です」
こうして商品を無事仕入れたら、あとはAmazonに出品するだけ。以降の手順を次の章で紹介します。
※1 モノレートはサービスを終了し、2024年10月時点ではkeepaやSeller Spriteが使われている
商品をAmazonに出品する
商品をAmazonで売るには、まずは商品を出品登録する必要があります。ただ、せどりすとを使っている場合は該当商品にチェックを入れて「出品へ」ボタンを押すだけなので、一瞬で終わります。
あとはAmazonのFBAに送るだけですが、その際にちょっと手間がかかります。まずは商品バーコードが付いたシールを作成し、商品に貼る。そしてダンボールにまとめて詰める。その後、配送業者を通してFBAの倉庫に発送します。発送はヤマトのヤマト便を利用すると1箱500円弱で送れるそうです。
「商品を詰めた箱が4~5個たまったら、ヤマトの営業所に持ち込むようにしています。持ち込む頻度は週に2回くらいです」
商品の保管やお客への発送をAmazonが代行してくれる有料の販売代行システム。FBAを使わずに自分でお客に発送することもできるが、それなりに数を売るのであれば、手数料を払ってでもFBAを利用したほうが効率的。
こちらはAmazonの出品登録画面。
ただしレツさんは現在、こうした仕入れ後の作業を知人に外注化しており、商品を仕入れたら、あとはその人に商品を渡すだけというスタイルをとっています。
「最初は自分でやっていましたが、任せてみたらあまりにも楽なので、なんでもっと早く外注化しなかったんだろうと思いました。1商品につき40円ほどでお願いしています」
こうして出品と納品が済んだら、あとは商品が無事に売れ、売り上げが入金されるのを待つのみです。商品の多くは、モノレートでチェックした売れ行きの通りに売れるといいます。
参考までに、レツさんのこれまでの販売商品をいくつか紹介しましょう。
ガステーブル
ガステーブルはホームセンターで5900円で仕入れ、Amazonで1万4800円で売れました。手数料などを差し引いた手取り利益額は6600円でした。
テレビ保護パネル
テレビ保護パネルは、家電量販店で3000円で仕入れ、Amazonで1万0800円で売れました。手数料などを差し引いた手取り利益額は5200円でした。
鉄道模型用品
鉄道模型用品は街のおもちゃ屋さんで4375円で仕入れ、Amazonで1万0980円で売れました。手数料などを差し引いた手取り利益額は5000円でした。
店舗せどりで稼ぐ秘訣
店舗せどりで稼ぐコツはどんなところにあるのでしょう?
「原理が簡単なので、基本的に誰でもできる仕事です。だから1番のコツは、とにかくお店に仕入れに行くことかもしれません。要は行動することですね」
そしてレツさんは、早い時期にきちんとコンサルを受けたのもポイントだったと言います。
「いくら簡単とはいえ、稼げる商品が見つからなかったり、赤字が出てしまったりして心が折れ、初期でやめてしまう人も少なくありません。自分の場合、始めてすぐにクラスター長谷川さんが手がけるせどりコンサルのチームに入り、正しいやり方を教えてもらったのがとても大きかったです」
コンサルで得たものの中でも特にプラスになったのが、「仕入れ同行」と「仲間」だったと振り返ります。
「実際にすごく稼いでいる講師の人とお店に行き、目の前で仕入れを見せてもらい、大きな衝撃を受けました。あれにより『こんなに次々と稼げる商品を仕入れられるのか!』と、マインドブロックのようなものが外れた感じです」
「また、同じコンサル生の仲間がいたことで、何か困った時には相談できたし、作業がつらい時には励みになりました。コンサルを受けるのに20万円ほどかかりましたが、その分、早い段階から稼げるようになりました。そう考えるとコンサルを受けるというのは、『時間をお金で買う』ことなんだと思います」
もう1つ、レツさんが重視するのが、せどりツールの存在です。
「スマホと安いスキャナ、無料のアプリでもできますし、自分も最初はそれでやっていましたが、途中でスキャナを高性能のものに変え、ワイヤレスイヤホンを導入し、有料のアプリを使うようになってから、効率が一気に上がりました。なので、ある程度慣れてきたら高性能ツールを思い切って導入するというのも、効率よく稼ぐための秘訣です」
ちなみにレツさんが現在使うスキャナはコームタックの「KDC20」という機種で、価格は約3万円。ヘッドフォンはアップルの「AirPods」という機種で、価格は約1万8144円です。有料アプリ「せどりすとプレミアム」は月額5400円です。
店舗せどりのメリット・デメリット
最後に、店舗せどりのメリットとデメリットを挙げてもらいました。まずはメリットから。
「やったらやった分だけ収入が上がるのが、会社員とは全く違うところです。自分は会社の給料が上がらないのが嫌で副業を始めたくらいなので、そこがすごく嬉しいですね」
さらには「始めやすさ」も店舗せどりの大きな魅力だと言います。
「稼げる商品はアプリがあれば誰でもわかるので、商品知識は全くいりません。難しい技術も特にありません。元手に関しても、仕入れはクレジットカードによる後払いなので、基本的に売上代金で仕入れ代金をまかなえます。だから必要なのは最低限のツール代と、コンサルを受けるのであればそのコンサル代だけ。自分の場合、元手は20万円ほどでした」
そしてもう1つ、レツさんにとって重要なメリットがあります。
「なんといっても仕入れが楽しいことです。1個で1万円以上の利益が取れるような『お宝』に、1日に1回くらいは出会います。そのときは『おおお!』と子供のように興奮します。もちろん1人なので表向きは冷静を装いますが(笑)。そういう意味では、漁師さんとかにも通じるのかなと。すごい大物と出会うために、毎日海に出ているっていう」
ちなみにレツさんは、過去に1点で利益7万円という「超大物」の音楽機材を仕入れたこともあります。そのときは他にも大物がいろいろあり、約30分の仕入れで見込み利益15万円という「大漁」ぶりだったそうです。
反対に、店舗せどりのデメリットは?
「強いて言えば、仕入れには車で行くので、高速代やガソリン代といった経費がそこそこかかることですかね。あとは仕入れの時に店員さんやお客さんの目が少しだけ気になることでしょうか」
こうして店舗せどりで稼ぐようになってから、レツさんの生活にはこんな変化が訪れたと言います。
「会社員時代のような時間的な縛りが一切なくなり、お金のゆとりもでき、気持ちがすごく楽になりました。睡眠も毎日8時間くらいとれています。おかげで体がだらけたのか、けっこう太りました(笑)。自分の子供も、『なんか父ちゃんの稼ぎがよくなって、いろいろ買ってくれるようになった』と、とても喜んでいます(笑)
今後はコンサル講師もやっていこうと思っていますが、そもそも僕は仕入れが大好きなので、この先もずっと仕入れは続けていきます」
誰もが普通に買える無数の商品の中から「特別なもの」を見つけ出せる「店舗せどり」という技術。これを身につけることで、人生を変えることも可能です。ぜひあなたも一度、店舗せどりを試してみてはいかがでしょう。
取材・文 / 田嶋章博