副業占い師の成功ストーリー!初年度100万円のあとに売上は年々倍になっていった

中野貴利人
著書「副業アイデア事典」など5冊/メディア掲載実績は日経新聞など150回以上/株式会社ネットピコ代表
2024/08/18 更新本ページはプロモーションを含みます

副業占い師の成功ストーリー!初年度100万円のあとに売上は年々倍になっていった

ひょんなことがきっかけで、手相占いの勉強を始めたにしけいさん。やがて、会社員として働くかたわら、占い師の副業をするようになります。活動の幅はどんどん広がり、いつしか副業の収入が、本業の年収を上回るようになっていました。にしけいさんが副業としての占い師を成功させた秘密に迫ります。

趣味の占いを副業にして成功
プロ
副業
独立
2019/11/20
にしけいさん
32歳 男性
占い師歴13年

19歳のときに手相占いの勉強をはじめる。これまでの鑑定人数は述べ5万人以上。講座受講者は述べ2000人以上。手相占いだけではなく、家相・方位(気学)といった相術や易を専門に研究している。実践データをもとに独自の理論を生み出し、複合的に鑑定することを得意としている。現在は独立し、株式会社ポンを経営。

にしけいさんのブログ「にしけいポン」
  1. 占いをはじめたきっかけ
  2. SNSなどを利用して1000人以上を鑑定
  3. 趣味の占いを副業にしたタイミング
  4. 副業占い師を軌道に乗せた方法
  5. 1年目で100万円!副業占い師の営業収支
  6. 副業占い師を成功させるコツ
  7. 副業占い師のメリット・デメリット

占いをはじめたきっかけ

にしけいさん

もともと、占いに興味があったわけではなかったという、にしけいさん。「テレビの星座占いで1位だったら嬉しいとか、そんなレベルでした」と振り返ります。

そんなにしけいさんに、転機が訪れたのは19歳のとき。それは、思いがけない形でやってきました。

「大学編入試験の際、提出する履歴書の趣味・特技の欄に何も書くことがなかったので、適当に『手相占い』と書いたんです。もちろん、まったくのデタラメ。それで大学に合格したあと、もし履歴書について何か聞かれてはまずいと思って、手相の勉強をはじめたんです」

なんと、履歴書に適当に書いた内容が、にしけいさんの占い師人生をスタートさせるきっかけになったのです。

書店で適当な手相占いの本を購入し勉強する

さっそく、書店で適当な手相占いの本を購入して勉強。ある程度内容を理解したところで、すぐに身近な人を占い始めたのですが‥‥。

「まったく当たりませんでした。たまに当たることもあるんですけど、それでも当たらないことのほうが圧倒的に多いんです。当時は『本の通りにやっているのに、どうして当たらないんだろう?』と本気で驚いていました」

当たらない占いが、些細なトラブルを生むこともしばしば。にしけいさんが「最もやらかした」と振り返るのが、ある日の研究室での出来事。

「男性と女性のペアに、結婚について占ってほしいと言われたので、観てみたんです。すると、結婚線がなかったので、結婚はできないとそのまま伝えました。ところが、そのお二人は実は学生結婚しているご夫婦だったんです。かなり微妙な空気になりました」

占っても占っても、当たらない日々。普通の人ならそこで心折れてしまいそうですが、にしけいさんは違いました。

SNSなどを利用して1000人以上を鑑定

「本の通りにやっているのに当たらないのが、すごく悔しかったんです。こうなったら、本にばかり頼るのではなく、自分で手相のサンプルを集め、データを取って検証していくしかないと思いました」

にしけいさんは独自に手相研究をすることにしたのです。その頃、若者の間で爆発的に流行っていたのが、ソーシャル・ネットワーキング サービスのmixi。日記やコミュニティという機能を使って、手相占いをしてほしい人を集めました。

「募集をかけるとすぐに、結構な人数からメッセージが来ました。女性だけでなく、男性もたくさんいました。依頼が来たら手相の写真を携帯で送ってもらい、それを僕が占って、返答していました」

手相の写真を携帯で送ってもらう

とはいえ、当時はまだガラケー全盛期。送られてくる写真の解像度が低く、苦戦したことも。

「3キロバイトのものすごく小さな画像が送られてきたこともありました。そのままでは全然見えないので、写真をパソコンに取り込んで、さらに拡大してと、占うのにも手間がかかることがありました。そこまでしても、当たってないと言われて怒られることもありました」

トライ&エラーを繰り返しながら、とにかく占い続ける毎日。大学時代の4年間で鑑定した人数は1000人を超えたと言います。

手相の研究のためとはいえ、かなり根気のいる作業です。そのモチベーションは一体どこから来たのでしょうか?

「当時、僕が在籍していたのが、いわゆるブラック研究室。朝から晩まで一日中フラスコを振り続けていました。ストレスで盲腸2回、円形脱毛症にもなりました。人は精神的に追い詰められるとフラスコの中の化合物に話しかけ始めるんですよ。『お前はかわいいね』って」

白衣の汚れが当時の過酷さを物語っているようです。

当時の過酷さを物語る白衣

「そんな環境の中で、唯一、研究室の外の世界と繋がれたのがmixiでした。頑張って占いのデータを集めたというよりは、いつの間にか1000人を超えたという感覚です。それくらい、手相を見ることが生きがいになっていました」

当時の占いメモの一部がこちらです。

にしけいさんの占いメモ

鑑定人数が増えるにつれ、占いの精度が上がってくることを実感したと言います。
占いがそれなりに形になってきた頃、他校の学園祭に、無料の占いブースを出店したにしけいさん。すると、行列ができるほどの人気店に!

「1日で120人来ていただきました。あまりにも人が来るので、途中整理券が出されたほどです。手相のサンプルもたくさん集まったので、ありがたかったですね」

趣味の占いを副業にしたタイミング

「社会人になっても、占いへの熱は冷めることはありませんでした。飲み会に誘われても気づいたら占いの時間が始まるので、お酒の席を楽しむよりも、占っている時間のほうが圧倒的に長くなっていました」

そう過去を振り返るにしけいさん。占いのスキルがそれなりに身についてからも、長らく無料で鑑定していたと言います。どのタイミングで料金を取ることを決めたのでしょうか?

「いつものように飲み会の席で手相占いをしていたら、『手相を観てくれたから、今日の飲み代はいいよ』と言われたんです。自分の占いが飲み代くらいの価値はあるんだなと思うようになりました」

さらに、占った人たちから「お金を取ったほうがいい」と言われることも増えていき、ついに、にしけいさんは占い師として本格的に活動することを決めたのです。

そこで、名古屋で開催されていた『なやばし夜イチ』というイベントに有料の占い店を出店することに。24歳のときのことです。

イベントに有料の占い店を出店する

「1回500円からはじめました。すると、一晩で20人くらいのお客さまに来ていただけたんです。単純計算で売り上げは1万円。それ以外にチップを頂けることもありました」

このイベントに出店したことにより、にしけいさんは『占ってお金をもらう』ことに自信を持ったと言います。

副業占いを軌道に乗せた方法

「最初は500円でしたが、経験を積むに従って、徐々に単価を上げていきました。1000円に上げるときはかなり勇気が入りましたが、変わらずお客さまに来ていただいたことで、自分の占いにはそれだけの価値があるという自信にも繋がりました」

価格が上がることで、より一層、占いへの意欲も高まります。にしけいさんは手相占いだけではなく、方位や家相などを見る気学や易も学び、多角的に占うことができるようになりました。

週末のイベント出店だけでなく、空いている日は個人のお客さまを占うサービスも始めるように。

「会社が終わったあと、着替えて喫茶店などで待ち合わせて、占っていました。1回、1時間~2時間くらいです。この頃には単価も上げて1回5000~8000円でやっていました」

個人のお客さまを占うサービスを開始する

居酒屋に行って、流しの占いをすることも。

居酒屋にて流しで占う

そして、27歳のときには、占い教室もスタートさせます。

「占いを教えてほしいという、お客さまのリクエストがあったので、やってみることにしました。全10回の講座にして、1回3時間、4000円です。最初の生徒さんは2人でしたが、その後も生徒さんは増え続け、現在までに全国で述べ2000人以上の方に手相を教えてきました」

全国で述べ2000人以上に手相を教える

平日の占い、週末のイベント、さらに占い教室と、副業のウエイトが大きくなり、あっという間に忙しくなったにしけいさん。本業との両立はどうされていたのでしょうか?

「時間的には忙しかったのですが、こんなに楽しくてお金をもらえるなんて最高じゃないかという気持ちでした。趣味ではじめた占いなので、大変とか苦しいという気持ちはありませんでしたね」

また、副業と本業とは、通常、一線を画するものですが、にしけいさんの場合は少し違います。

「会社の中にもお客さんがけっこういました。ある日、重役から呼び出されたと思ったら、社員の転属について占ってほしいと相談されることもありましたね」

時には本業の取引先のお客さんも副業のお客さんになっていたそうです。

「占いが好きな人だと話がはずむので、良いコミュニケーションツールでした。ただ、なかには占いに抵抗感を抱く方もいるので、話す相手は慎重に選ぶ必要がありましたが、副業が本業でも大いに役に立ちました」

本業でも占い、副業でも占いと、まさに占い漬けのにしけいさん。こうして、2018年に会社を辞めて占い師として独立するまで、充実した副業ライフを送ったのです。

1年目で100万円!副業占い師の営業収支

副業が順調だったにしけいさん。収入もそれなりだったのでは?

「本格的に占い師の副業を始めた1年目で、売り上げは100万円くらいでした。翌年さらに売り上げは増えていき、年々倍になっていった感じです」

独立する直前には、副業の収入が、本業の年収を上回るようになっていました。

というのも、顧客は一般の方だけではありません。企業案件や大がかりなプロジェクトになると、占いの単価は数十倍以上になるんだとか。

占い師を起用する企業や経営者さんは意外と多いです。事業の方針や社内人事もありますし、オフィスや店舗の増改築のご相談も多いですね。手だけではなくビルの図面も穴があくぐらい見ますね」

一方、売り上げが上がった場合は、気をつけるべき点も。

「占いは、経費がほとんどかからないうえ、在庫もありません。なので、まるまる利益になります。メリットでもありますが、節税のやりようがないという面も持ち合わせています。僕は占い本をたくさん買って経費として計上していますが、そうでなければ売り上げはほぼ利益になります」

副業占い師を成功させるコツ

にしけいさんのように、副業で占い師として成功するには、まず何をすればいいのでしょうか。

「僕の場合は、スタートが特殊なので、参考になるかはわかりませんが、とにかく人と会って腕を磨いていくしかありません。占い師は、経験と実践あるのみです」

また、にしけいさんは修行期間中は無料で鑑定してデータ取りと実績を重ねることに集中していたようですが、最初からお金をいただいて占った方が早く上達できるとも。

「お金を頂くことで『本気で話を聞きたいお客さま』が相談に来られます。プレッシャーがかかり自然と占い師側の真剣度と責任感が増すんですね。すると、より的確なアドバイスができないかと、一層勉強するようになります。本気で副業にしていきたいと思うのであれば、修行期間中からお金を頂くのもありだと思います。ある意味、謙虚でいるためにお金をいただくのです」

もちろん、腕を磨くだけでは、売り上げには繋がりません。たくさんの占い師の中から、自分を選んでもらうためには集客方法も重要です。

「僕のお客さまの大半は、ホームページからのお問い合わせです。なので、ブログ記事やSNSを充実させることが、集客のカギだと思います。特にパーソナルな情報をたくさん出して、『自分はこんな人間です』ということを知ってもらえるように心がけています」

実際に、にしけいさんのホームページを見てみると、占いをはじめた経緯や、これまでの活動が事細かに書かれています。

「占いを必要としている方のほとんどは、悩みや相談を抱えています。そんな大事な話を、よくわからない人に話そうとは思いませんよね。だからこそ『占い師以外の自分』も知ってもらうことが大事だと考えています」

副業占い師のメリット・デメリット

にしけいさんは占い師と副業の相性はすごくいいと言います。

「なんといっても、初期費用がほとんどかかりません。僕のように本一冊からでも勉強をスタートさせることができます。個人的には、占いの学校に通うよりも、たくさんの人を鑑定して実績を積んだほうがずっと力がつくと思っています」

手相占いの場合は、揃えるアイテムも、懐中電灯1本あれば十分。細かい線を見たり、薄暗い場所で占うときも役に立ちます。

アイテムは懐中電灯1本で十分

一方、副業占い師のデメリットを聞いてみましたが、「ほとんどない」とのご回答。

「これまでやってきて、デメリットらしいデメリットは感じたことはありません。強いて言うのであれば、アウトソーシングしにくいという点でしょうか。体調を崩したら、お仕事できないのは難点ではあります」

現在は独立し、専業占い師となったにしけいさん。株式会社ポンを設立し、著書も多数執筆しています。

にしけいさんの著書

そんなにしけいさんに、今後の展望を聞いてみました。

「実は手相占いがあまりよく知られていない国はたくさんあります。あとは先人たちが残した書物にも研究し直さなければならないテーマがまだまだ山ほどあります。現代用に最適化を図らなければならない技術がたくさんあります。ある意味まだまだビジネスチャンスはたくさんあるこということです」

にしけいさんは海外にも積極的に足を運び、現地でも多くの人を占っています。

海外にも積極的に足を運ぶ

「海外展開と言うと大げさですが、世界ではまだあまり知られていない手相の手法を広めていきたいと思っています。占いはもっともっとおもしろくなります」

これは、外国人向けの国際クラスでの1コマ。にしけいさんの活動は、さらに拡大していきそうです。

外国人向けの国際クラスでの1コマ

取材・文 / 中村未来

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