【漫画】第56話「副業でキャリアアップとは?パラレルキャリアを実践した5人の実例」
「キャリアは副業で磨く」
「本業に集約するもあり」
「今ない能力を得る副業」
「副業で何度も失敗する」
- 副業でキャリアアップとは?
- キャリア① 本業と副業でスキルを習得した
- キャリア② 本業と関連する副業で相乗効果を得た
- キャリア③ パラレルキャリアで複数形成する
- キャリア④ 本業と割り切って副業をする
- キャリア⑤ 副業したあとに本業1本に絞る
副業でキャリアアップとは?
本業のみでは習得できるキャリアは狭く、スピードも遅いです。今自分が欲しいキャリアやスキルは副業で磨くと、同年代の人たちよりも加速度的に自己成長するでしょう。
副業だからこそ「本業で足りないスキルを埋められる」や「簡単にトライ&エラーが繰り返せる」といった本業にはない利点があります。
また、副業にはサブとパラレルがあり、サブは本業の補足としてスキマ時間に副業すること、パラレルは本業と副業に区別なく働くことです。どちらかの副業が正しいわけではありません。
副業をする目的も人それぞれです。収入を増やしたい、経験を積み上げたい、社会貢献したいなど、本業では満たされない部分を補う役割があります。
本業でマネージャー職の人が副業でプレイヤーに戻った実例では、日常に埋もれた現場感覚を取り戻していました。本人も「過去の知識を再利用しながら楽しんでいる」と述べており、本業のモチベーションも回復しています。副業には多様性や柔軟性が存在し、副業でこそ目指せるキャリアがあります。
キャリア① 本業と副業でスキルを習得した
筆者は新卒で大手旅行会社のシステムエンジニアとして入社し、本社で旅館・ホテル検索システムの開発と運用を担当、C#やVBなどのプログラミング言語を扱っていました。
本来、筆者がやりたい仕事は、お客さまが集まるウェブサイトを企画、制作、運営すること、そのためにマーケティングからシステム、コンテンツまで、一気通貫で関わることでした。職種ではウェブディレクターに近いです。
しかし、本業ではプログラミングしかやらせてもらえません。これは当たり前です。筆者はシステムエンジニアとして採用され、22歳の時点ではスキル不足であり、チャンスも巡ってきません。
そのため、文章力が身につくようにブロガー、マーケティングを覚えるために転売系、デザインはイラストレーター、教える力は個人レッスン講師などの副業をして、スキルアップしていきました。
学習ではなく副業を選んだ理由は、現場叩き上げの効率性を知っていたからです。学習は読むや聞くのインプットがベース、対して副業は書くや話す、作るのアウトプットが多数であり、即戦力が身につきます。
それに食わず嫌いだった知識や依頼も仕事として請け負う環境が副業にはあり、実践力が鍛えられるわけです。その結果、本業のみでは遅れがちなキャリア構築を、副業で強制的に加速させることができます。
また副業であるからこそしっかりと収入も得ています。そもそも副業を始めた背景は、奨学金の返済と実家への仕送りで貯金ができなかったことが根底にあります。最終的には副業だけで月収30万~40万円の副収入を得るようになりました。
ちなみに経験した副業はブロガー、アフィリエイト、せどり、ネットオークション、輸入ビジネス、イラストレーター、ウェブライター、コンサルティング、講師業などであり、出社前、通勤中、帰宅後、土日祝日を使っています。
キャリア② 本業と関連する副業で相乗効果を得た
筆者は本業の仕事と会社が好きだったため、本業に相乗効果がある副業でキャリアを磨くことを優先しました。これは今の職種で食べていく予定の人であれば、次の12のメリットを享受できるからです。
- 本業と同じや似た副業は安心できる。
- 副業の準備の時間や手間が省ける。
- 本業で得た技能を副業に転用できる。
- 副業で得た技能で本業をブラッシュアップできる。
- 外の世界を知ることで視野が広がる。
- 本業で体験できないスキルを得る。
- 本業で経験できないキャリアを得る。
- 本業で知り合えない人脈とつながる。
- 成長機会、達成感、やりがいが増える。
- 育休中や休職中でも副業化した小さなタスクで収入補填できる。
- 管理職は使用機会が減ったプレイヤーとしてのスキルで稼げる。
- 本業と似た副業なら、一時的に止めてもリスタートしやすい。
本業のみではキャリアアップができないと悩むなら、副業を利用することをおすすめします。副業は収入のみが目的ではなく、キャリアや人脈、社会貢献など、本業に欠けた部分を埋める手段です。
もちろん、デメリットもあります。筆者の実体験としては最初に「時間管理や体調管理が難しい」ことに直面しました。常に慌ただしくて精神的に余裕がなく、胃部の不快感や睡眠不足によるパフォーマンス低下が起こります。
ただし、同時にテレビを見なくなり、飲み会に参加せず、すべての物事をタスクで処理できるようになります。つまり、時間管理や体調管理能力は向上するため、むしろ副業のおかげでビジネスパーソンとして成長できました。
そもそも副業はプライベートで実施します。空いている時間や非生産性的な時間を昇華するには、それなりの工夫と慣れが必要ですが、そのあとは収入やキャリアという恩恵が得られます。
キャリア③ パラレルキャリアで複数形成する
副業の目的は主に「収入補填、キャリア、楽しさ」の3つに分類できます。その中でもキャリアを重視して、将来性や成長性を目的にするパラレルキャリアを希望する人が目立つようになりました。
筆者が20代のころに出した著書では「本業がメインディッシュなら副業はデザートである」という位置づけです。本業に不足した部分を補填するという考え方をアピールしてきました。
しかし、パラレルキャリアは「本業とは別の経歴で収入を得る」ことであり、本業と副業の区分けがない人さえいます。パラレルキャリアやパラレルキャリアなら選択肢と可能性が広がり、複数のやりがいを得られるでしょう。
これも副業の1つのスタイルです。現在では企業に雇用されながら本業とは別の業務を請け負う「副業者」ではなく、ダブルやトリプルで優劣なしの仕事を持つ「複業者」も増えています。
ただ、始めからパラレルキャリアを実践できる人はいません。本業と同じ職種や似た職種で他企業に働いてみたり、将来のためにフリーランスとして小規模に活動することがパラレルキャリアにつながります。
筆者も会社員のころに今ない2つめ、3つめのキャリアを得るために「離婚相談サービスのウェブ素材の作成を低単価で受注する」や「木製ゴルフクラブのウェブ販売のコンサルを無料で請け負う」などをしてきました。
キャリアの軸はシステムエンジニアでありながら、将来のキャリアを見据えて、イラストレーターやデザイナー、コンサルなどのキャリアを育成することを目的にしたわけです。
その際は収入は二の次にして、他社よりも低単価で受注しました。実績が増えていけば単価を上げても依頼が来るようになります。そのおかげで副業で小さなキャリアを積み上げて、次第に本当のプロに近づくことができました。
キャリア④ 本業と割り切って副業をする
アルバイトで勤めていた24時間レストランには、多くの社会人が働いていました。モーニングビュッフェを担当していた40代男性は、3駅隣りにある有名デパートのフロアマネージャーです。
彼は「本業の給与は生活費と貯蓄にあてる。副業は海外旅行に使う。副業の収入は思い切って使えることがいい」と答えていました。
50代男性は「副業の収入は気にしていない。若い人と一緒に働くことが楽しい」、20代女性は「金曜と土曜の夜勤なら時給も上がるし、ストレスもないから続けたい」と話しています。
この副業は単純な接客業であるために、キャリア構築は難しいです。しかし、彼ら、彼女らが間違った副業を選んだわけではありません。なぜなら副業に明確な目的があるからです。
例えば、借金返済でピンチであれば、現在の収入補填のために副業をすることは大切でしょう。キャリアを求めるより、目の前にある課題を解決することで生活の質が高まり、ストレスから開放されます。
知人の1人は「本業のプログラマーは生活のため、副業のバーテンダーは金曜日の楽しみ」と割り切っていました。本業はあまり楽しくない、副業はあまり稼げない、それなら2つを合わせて、1つの仕事として捉えるわけです。
また、キャリアを意識しなくても、その副業に触れたことがきっかけで転職や独立を選ぶ人もいます。副業でNPO活動やプロボノ(技能を活かしてボランティア)をする人たちも、やりがいを重視している傾向が強いです。
キャリア⑤ 副業したあとに本業1本に絞る
副業でキャリア構築できるなど、副業の利用価値が減ってきたら、今度はそのキャリアでダブルインカムを続けたり、本業1本に集約する番です。副業に年齢は関係ありません。50代で種を蒔いて、定年後に摘み取る人もいます。
ここで昔の副業と今の副業を比較してみると、今の副業は利用価値が高いことがわかります。
項目 | 昔の副業 | 今の副業 |
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終身雇用が不透明となり、年功序列で給与が増えることもなくなりました。東京商工リサーチの2017年の調査レポートによると、倒産した企業の平均寿命は23.5年と短くなっており、会社依存も難しい時代です。
一方で厚生労働省の2017年の調査レポートによると、平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.26歳と伸びています。
つまり、同じ企業で働き続けることが難しくなりながら、寿命は延びているわけです。それなら私たちは将来や老後を見据えて、今のうちから副業でキャリアやスキルを磨くことは最適解かもしれません。
20~30年前はマイナスイメージがあった複数回の転職も、今では逆に年収を上げる手段に変わりました。それと同じように副業、複業、フリーランスが当たり前の時代に変化していくはずです。