ヨガインストラクターの副業で月収20万円以上!リピート率9割を超えるレッスンの秘密
女性の習い事として、圧倒的な人気を誇るヨガ。趣味が高じてインストラクターを目指す人も多いと言います。橋本さんも、そのひとりです。
スキルシェアサービス「ストアカ」などを活用して集客を行い、平日は会社員、週末にはヨガインストラクターという、2つのキャリアを実現させることに成功しました。
最初は健康改善のために始めたというヨガが、どのようにして副業へと繋がっていったのでしょうか?人気レッスンの秘密を、今回特別に教えてもらいました。
30代 女性 京都府
ヨガインストラクター歴3年
同僚に勧められて行ったホットヨガで、肩こりや腰痛が改善。働きながらスクールに通い、ヨガインストラクターの資格を取得。現在は本業の傍ら、ヨガのレッスンやオンライン動画講座などを行う。1児の母。
- 週末レッスンと動画で月収20万円突破
- 英語ヨガのレッスン現場に密着
- ベビーヨガでも英語が飛び交う
- 9割がリピーターになるレッスンの秘密
- インストラクター向け動画講座がヒット
- 難しい集客!上手に人を集めるコツは?
週末レッスンと動画で月収20万円突破
橋本さんがヨガを始めたのは、2014年。立ち仕事からくる肩こりや腰痛に悩まされていたとき、同僚に薦められて行ったホットヨガがきっかけでした。
その日のうちに体が軽くなったのを感じた橋本さんは、それからも1週間に1度、レッスンに行くように。学べば学ぶほど奥深いヨガの世界に魅了され、自然と「いずれヨガで食べていきたい」と思うようになっていたのです。
仕事終わりにヨガスクールに通いはじめ、ついにヨガインストラクターの資格を取得します。ヨガをはじめて3年目のことでした。晴れてヨガインストラクターになった橋本さんは、自分の強みである英語を活かし、<英語ヨガ>のレッスンを開講することに決めます。
毎週日曜、自宅近くのレンタルスペースに10人ほどの生徒が集まって、レッスンは行われます。1回2500円、月収約5万円です。さらに昨年、ベビーヨガの資格も取って、新たにママ向けのレッスンもスタート。月収は8万円にアップ。しかも、橋本さんのヨガのレッスンは、9割がリピーターだと言います。
また、今年の1月からはオンライン動画講座もスタート。これが予想以上のニーズを獲得し、ヨガインストラクターの副業だけで月収20万円を超えるまでになりました。
会社員をしながら、ヨガインストラクターとしても活躍する橋本さん。詳しくお話を聞くため、レッスン場所にお邪魔させていただきました。
英語ヨガのレッスン現場に密着
京都にお住まいの橋本さん。レッスン場所は、京都市右京区の御室仁和寺駅からすぐのレンタルギャラリーです。
広さ20畳ほどのギャラリーは、木のぬくもりを感じる暖かな空間。ここにヨガマットを敷いて、レッスンを行います。
ヨガのレッスンは、基本的にはヨガマットさえあればOK。橋本さんは、マットに加えて、ブロックとバンドも用意しました。かかった初期費用は、3万円弱だそうです。
まずはあまり聞き慣れない「英語ヨガ」のレッスン内容について、詳しくお聞きしました。
「普通のヨガ教室と同じで、ヨガの呼吸法や瞑想といったウォーミングアップをしてから、ヨガのポーズを練習します。ただし、レッスンの内容はすべて、英語と日本を織り交ぜながらお伝えするのが英語ヨガの特徴です。とはいえ、使う単語は、中学生で習うものばかり。英語がまったく話せない方でも、安心してレッスンを受けていただけます」
(今、頭の中にあるいらないものをすべて吐く息で手放します)
(肩、そして顔もリラックス)
(吸う息でフレッシュな空気を体に入れ、お腹が膨らむのを感じます)
「生徒さんからは『ヨガをしながら自然と英語も身に付き、一石二鳥』と、喜んでいただいています。また、心地よい英語のリズムにリラックスできると言ってくださる方も多いです」
ベビーヨガでも英語が飛び交う
一方、ベビーヨガではどんなことをするのでしょうか?
「ベビーヨガでは、ウォーミングアップをしたあとに、赤ちゃんと一緒に英語の歌を歌います。『Head, shoulders knees and toes』、『Hokey Pokey』、『Row Row Row your Boat』、『The Grand Old Duke of York』など、アメリカやイギリスで歌われている童謡をチョイスしています」
また、英語を学びたいママのために、子育て中に使えるプチ英語レッスンも。寝かしつけのプチ英語なこんな感じです。
(ねんねの時間だよ)
(お昼寝の時間だよ)
(大きなあくびだね)
「レッスン後はその日学んだプチ英語のプリントをお渡ししているのですが、それも大変喜ばれます」
もちろんヨガなので、ママと赤ちゃんが一緒にできるポーズも練習します。
「これが体幹を鍛える、ベビーウォーリアのポーズです。足を前後に大きく開いて赤ちゃんを持ち上げます」
「飛行機のポーズでは、赤ちゃんとアイコンタクトをしながら腹筋を鍛えます。見ておわかりのとおり、ベビーヨガは結構しんどいポーズが多いです(笑)。ただ、産後、筋肉が衰えたママたちにはとっても効くんですよ」
他にも赤ちゃんの腸の動きを刺激するマーチングのポーズ、膝の筋肉をつけるかかとキックのポーズなど、様々なポーズを練習します。
9割がリピーターになるレッスンの秘密
英語ヨガについてわかったところで、気になるのは、やはりそのリピート率の高さ。
ヨガに限らず、お稽古ごとの副業で1番のネックになるのが、生徒の確保です。定期的なレッスンの場合、継続して来てもらえる生徒がいないと、安定した収益を獲得できません。
橋本さんは、どのようにして、生徒の心をつかみ、リピーターにしているのでしょうか?
プロにプロフィール写真を依頼する
「リピーターになってもらうためには、とにもかくにも、1度レッスンに来てもらわなければ始まりません。そこで大事なのが、集客用サイトに使う写真です。私のレッスンは『Feel the Aloha』がテーマなので、プロフィール写真は、ブルー、爽やか、ハワイっぽい、明るい、海‥‥といったものを感じることができそうな写真を使っています。もちろん、プロに頼んで撮影してもらいました。初歩的なことではありますが、対面型のお稽古では、特に大切なことです」
レッスンの楽しさを写真で伝える
レッスンの様子を伝える写真では、生徒たちが笑顔でポーズを取っている様子、赤ちゃんとママが笑顔で楽しんでいる様子など、「このレッスンに行けば、こんな自分になれる」と、イメージを膨らませられるような写真を選びます。
お礼や確認のメールで不安をなくす
レッスンにお申し込みをいただいたら、すぐにサンキューメールを送るのも、リピートに繋げるテクニックのひとつです。
「初めて来てくれる生徒さんの不安を取り除くためにも、フォローメールはとても大切です。レッスン2日前に『もうすぐレッスンですね。楽しみですね。体調はいかがですか?』とリマインドメールを送るようにしています」
肌が触れ合うポーズを取り入れる
さらにレッスン当日もリピーターになってもらうための仕掛けを作ります。
「レッスンでは、ペアポーズやグループポーズを必ず取り入れるようにしています。人は肌が触れ合うと一気に距離が縮まって、仲良くなれるんです。また、私が一方的に教えるというスタイルではなく、英語のクイズを出したりして、みんなで学びあう雰囲気も作っています。全員でこのクラスを作っているんだよという雰囲気も、『また来たい!』というリピートに繋がります」
レッスン終了後にお礼と写真を送る
レッスン終了後には、お礼のメールとともに、レッスンの写真を送ります。
「お礼メールは翌朝までに送るようにしています。楽しかったという余韻が残っている間に送ることで、『また行きたいな』と思ってもらえます」
こうした細かいフォローが、リピート率9割のレッスンを可能にしたのです。
インストラクター向け動画講座がヒット
橋本さんは、ストアカとは別に、今年の1月から新たなレッスンをスタートさせました。それが、ヨガインストラクターに向けた、オンライン動画講座です。
「ヨガは自分の体を使うので、レッスンだけで今以上の収入を目指すのは、難しいと思っていました。そこで考えたのが、動画講座です」
動画講座をするにあたり、橋本さんがお客さまとして選んだのは、ヨガを学びたい人‥‥ではなく、ヨガを教える『インストラクター』でした。
ヨガのレッスンに、海外のお客さまが来ることは珍しくなく、「英語でヨガを教えたいインストラクターは、たくさんいるのではないか」と考えたのです。
そうしてできたのが『「英語でヨガ」太陽礼拝初級編』。
山のポーズ、両手を上に上げるポーズなど、計8個のヨガポーズを「英語で教えられるように」動画にまとめたものです。全10日間のレッスンを修了すると、英語のヨガレッスンを一通りこなせるように構成されています。
「撮影も編集も自分でやっています。といっても、一眼レフで撮影した動画をiMovieで編集するだけなので、誰でもできますよ」
「動画は1本3分程度にして、スキマ時間を使って少しずつ学習できるようにしています」
受講者は、テキストを参照しつつ、動画を見て英語の発音を練習します。
「英語の勉強はスタートダッシュが肝心です。なので、5日間のレッスンが終わった時点で、1度中間テストをします。レッスンの流れを一通りやってもらい、その様子を動画で送ってもらいます。それを見て私がフィードバックをし、また、後半のレッスンに取り組んでもらうという流れです」
最終日には、ZOOMを使っての卒業試験が行われます。橋本さんが外国人の生徒役を演じ、リアルタイムでレッスンをしてもらうのです。
そして今年の1月、LearnWorldsというプラットフォームで販売をはじめたところ、あっという間に定員10名分が完売したそう!講座生からのフィードバックをもとに、今後、さらにブラッシュアップさせていくといいます。
難しい集客!上手に人を集めるコツは?
対面レッスンに動画講座と、順調に副業を拡大させている橋本さんですが、続けていくうえで、苦労したことはあったのでしょうか
「どのビジネスにも言えることですが、やはり集客ですね。東京から京都に引っ越してきたタイミングでレッスンをはじめたので、当時はどこからお客さまを呼べばいいんだろう?という状態でした。そこで、最初に利用したのがストアカでした」
ストアカとは、講座を開きたい(スキルを教えたい)人と、講座を受けたい(学びたい)人を繋ぐ、スキルシェアサービス。個人の講座ページを開設し、そこから生徒を募集できるようになっています。
こちらが橋本さんの英語でヨガ+英語でベビー&ママヨガという講座です。
「最初のお客さまは、ストアカ経由で来ていただきました。そのときのお客さまが、今も通ってくださっています。新規顧客へのリーチになるので、集客ツールとしては、すごく重宝しています。そして、もう1つ、主力の集客ツールになっているのがInstagramです」
「ベビーヨガもオンライン動画講座もInstagram経由で、お申し込みが入りました。まだまだ研究途中ですが、お客さまになってほしい人をフォローしたり、ハッシュタグを工夫して、さらに集客を伸ばしたいと考えています」
一方、予想外の集客効果があったのが、無料レッスン。
「子供と行っていた児童館に『ヨガを教えられるんですけど』と、自ら売り込んで、レッスンをさせてもらいました。ボランティアでの無料レッスンだったのですが、それがきっかけで、新たな生徒さんを獲得できたんです」
子供に英語を学ばせたいと思うママたちは多く、英語ヨガにとても興味を持ってくれたんだそう。児童館での無料レッスンを受けてくれたママが、通常のレッスンにも来てくれたことで、プロモーション活動の重要性も感じたといいます。
最後に、ヨガインストラクターのメリットとデメリット、そしてこれからの展望をお聞きしました。
「デメリットは‥‥思いつきません(笑)。というのも、ヨガに出会ったことで、私の世界はとても広がったからです。インストラクターになったばかりの頃は、まさか自分が動画配信をするとは思ってもいませんでした。また、偶然、地元のカフェで出会った人とのご縁が繋がり、別のヨガスタジオでも、お仕事をさせてもらっています。こういったつながりも、ヨガをしていなければ、ありえなかったことです」
対面レッスンに、オンライン動画講座、そしてスタジオレッスンと、どんどん拡大していく橋本さんの副業。これに本業や子育てもあると思うと、かなりお忙しそうに見えるのですが、大丈夫なのでしょうか?
「夫や両親の協力もあって、良い環境で副業することができていると思います。それに、ヨガは自分の好きなことなのでまったくストレスにならないんです。もっといいレッスンをして、ヨガの面白さを伝えていきたいと思っています」
ヨガレッスンのアイデアが次々に出てきて、時間が足りないという橋本さん。今後のさらなる活躍が楽しみです!
取材協力 / ストアカ
取材・文 / 中村未来